今日、ミドガル王国王都にて開催された『ブシン祭』の本戦一回戦目、皆から注目されていた者たち全員がそれに見合う実力を見せた。とは言っても実力の一端程度のものであったが……。
学生の身ながら既にこの世界中に置いて上から数えた方が早いと思わせる程の才能と実力、鬼才の剣士とも評されているシド・カゲノーの試合は最初だが対戦相手であるクイントンに対し圧勝。
かつてはベガルタ帝国において強者の座である『ベガルタ七武剣』の一人であったが僅かな期間で止めて武者修行による求道の道を進んでいるアンネローゼも対戦相手であったツギーデ・マッケンジーを一撃で倒し勝利した。
そしてこの国の王女ながらこの世界でも上から数えた方が早い程の実力者と称されているこの国の第一王女であり、シドの婚約者であるアイリスも対戦相手を一撃で倒したのであった。
「流石だな、アイリス……戦う時が楽しみだ」
「私もです、シドさん」
試合が終わり、特別席に戻って来たアイリスにシドが賞賛の言葉を送るとアイリスは凄く嬉しそうに笑みを浮かべて答える。
こうして試合が終わったのでシドは『ミツゴシ商会』の方へと戻った
「ただいま、皆」
『お帰りなさい』
シドが戻った事でユキメにリリムとサラにレイとフミカとアイムにエレナとマイ、アウロラ達が出迎える。
ともかく、まずは汚れを落とすべく浴室にシドは入った。
そうして、食事をして腹を満たすとレイを呼ぶ。無論、それはベアトリクスについて話をするためだ。
「今日、剣聖ベアトリクスに出会ったぞ」
「そう、あの人が……」
ベアトリクスに出会った事を言うと意外とも見える表情をレイは浮かべる。
「まあ、でもあの人ならそうするかもね」
「やっぱり知り合いなんだな。ベアトリクスにとってレイは姪のようだが」
「ええ、そうよ。ベアトリクスは私の叔母……会ったのは数えられてしまうくらい短いけれど」
「だろうなぁ、じゃあお前が悪魔憑きだったのも知らない訳だ。お前の事を探していたよ」
「……今更ね、まあ、あの人天然と言えば良いのか、浮世離れと言えば良いのかみたいなところがあったけど」
苦笑を浮かべたシドに対し、レイも苦笑を浮かべる。
「あと、お前の本名も分かったぞ。遠き清流のキキョウって言うんだな」
「確かにそうよ……でも……」
「分かってる、お前はレイだ。それで十分だからな」
「ありがとう」
シドの言葉にレイは笑みを浮かべた。
「だが、ベアトリクスには会ってやれ……お前の家族には違いないし、一つの区切りは付けろ。多分、ベアトリクスはこのままだとずっとお前を探し続けるだろうしな。それに味方にすれば良い戦力にもなる」
「分かったわ」
シドの言葉にレイは頷いてみせたのだった……。