強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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九十話

 

 ミドガル王国王都にある闘技場にて、国内外の魔剣士達による武闘大会である『ブシン祭』の本戦が昨日、始まった。

 

 そして、一夜明けた今日は本戦二日目である。

 

「二回戦の俺の相手はアンネローゼか」

 

 本戦の二回戦もシドは最初の試合を行う事になっており、相手はアンネローゼであった。なので早くから闘技場の選手控え室へと向かい、座禅をすると瞑想を始めつつ、体内の魔力を静かに強くしながら、体内中を巡らせていく。

 

 これは最初から全力で戦えるようにするためと魔力をしっかり制御できるようにするためのウォーミングアップで必要な事前準備だ。

 

 そうして、しばらくの間瞑想をしていると……。

 

 

 

「シド・カゲノー選手、時間です」

 

 一回戦の時と同じように関係者がシドのいる控え室の扉を叩いて試合開始のそれを告げた。

 

 

「今、行きます」

 

 シドは関係者の声に答えると自分の傍に置いていた鞘に納められた剣を手に取り、腰に帯剣する。

 

 そうして、立ち上がって部屋から出ると闘技場へと向かう。

 

「思う存分、挑ませてもらうからね。シド」

 

「ああ、全力をぶつけて来い」

 

 対戦相手であるアンネローゼからの言葉にシドは応じる。

 

 普段から何度もアンネローゼ個人、あるいはレイ達等、他の『シャドウ・ガーディアン』の者達も含めた複数での対決も含めてシドはアンネローゼと何度か手合わせを交わしている。

 

 アンネローゼはシドともだが、カレンにオリガとジナイーダ達、元ベガルタ帝国関係者は勿論、レイ達、『シャドウ・ガーディアン』の者達、シドと同じようにマイ特性の鍛錬用アーティファクトも使う事で日々、その実力を飛躍させ続けているのだ。

 

 そうして、会話を交わしながらもどちらも剣を鞘から抜いて自然体になった。

 

 

 

「シド・カゲノー対アンネローゼ・フシアナス、試合開始っ!!」

 

 審判がシド達の試合開始を告げると空気が歪んだ。

 

 二人はどちらも動かず、睨み合うように対峙した状態だ。

 

 だが、二人は視線や手の動きに足の動き、体の傾き、息遣いなどで相手の動きを読み合いながら、意識上で戦いであり、静かなる戦いを繰り広げていた。

 

 互いの闘気に戦意など気構えでも駆け引きであり、応酬をしていく。

 

 静かなる戦いを繰り広げているシドとアンネローゼの二人を見る観客は空間が歪むのを認識していた。そうしてどう動く事になるのかを期待する間にも二人の身体から魔力が迸り……。

 

 

 

「しっ!!」

 

「はああっ!!」

 

 次の瞬間、シドとアンネローゼが姿を消し、互いが放った剣閃をぶつけ合ったのであった……。

 

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