強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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九十二話

 

 シドは『ブシン祭』の本戦二回戦の第一試合を行い、対戦相手であるアンネローゼを倒した。その後、彼女の身体を抱え上げて医務室まで運び、手当を頼んだ後、昨日と同じく特別席の方へと向かう。

 

 「(しかし、アンネローゼがあの精度で魔力による斬撃飛ばしを出来るようになるなんてな)」

 

シドはアンネローゼが見せた魔力の斬撃飛ばしの精度を内心、評価し笑みを浮かべた。

 

「(訓練の時には見せていなかったから、切り札の一つだったわけだ。成長はやはり嬉しいな)」

 

 シドはアンネローゼがちょっとした駆け引きをやった事や成長自体を喜び、そうして特別席の中へ入ると……。

 

『勝利おめでとう』

 

 試合があるアイリスはいなかったが、アレクシアにローズにクレアが扉を開けるとシドを出迎える。

 

「ありがとう、アレクシア、ローズ、姉さん」

 

 シドは三人へと勝利を讃えてくれた三人へ礼を言う。

 

「シド、やっぱり強いね」

 

「ありがとう、ベアトリクス……だが、どうして此処に?」

 

 ベアトリクスがシドへと礼を言ってきたので応じたが、特別席にいる理由が分からなかったので問いかけてみる。

 

「アイリス王女に呼ばれて……でも、本当にシド、凄かった」

 

「重ね重ね、どうも」

 

 シドは再度、ベアトリクスに礼を言った。

 

「本当、良い試合だったよ。シド君」

 

「ええ、剣術はからきしな私から見てもお見事でした」

 

「ありがとうございます。ラファエロ王、ドエム・ケツハット公爵」

 

 オリアナ王国の国王であり、ローズの父親であるラファエロとドエム・ケツハットの礼にシドは応じた。

 

 因みにドエム・ケツハットは現在、シドによって『ディアボロス教団』の逆スパイになっている。オリアナ王国を乗っ取ろうとしている『ディアボロス教団』の幹部を騙し、彼の計画を必要とあらば乗っ取り、場合によっては情報源になるようにした後で最適な対応をして破滅させるためである。

 

 

「本当、良い試合だったわ。斬撃を飛ばすなんてアンネローゼも流石よね」

 

「ええ、『ベガルタ七武剣』だった時より強いのは間違いないわね。修行の旅をしているとは聞いたけど」

 

「凄い努力も感じました。シド君もですけど」

 

 クレア達に誘導されながら席に着くとベアトリクスもシド達の隣へと座って試合の話をしていく。

 

「シドの残像も凄かった」

 

「シドの凄さは相変わらずね……」

 

 ベアトリクスとクレアからも賞賛された。

 

  そうして、アイリスの試合も観戦し……。

 

「アイリス、勝利おめでとうございます」

 

「ありがとうございます、シド君も勝利おめでとうございます」

 

 アイリスが特別席に戻るとシドは勝利を讃え、アイリスは礼を言いながらシドの勝利を讃えた。

 

「貴方との試合が楽しみです」

 

「俺もだ」

 

 その後、特別席にてシド達は話をしながら二回戦の全試合が終わるまで観戦し、翌日の準決勝にてシドやアイリスはそれぞれ、勝つと翌々日の決勝を残すのみとなったのであった……。

 

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