緑谷出久の龍騎アカデミア   作:ジャック・オー・ワンタン

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続きになります。

冒頭はナイトVSシザースの戦闘ですがタイトル通り……あの弁護士が満を持して登場です。


第10話:スーパー弁護士見参!

「うわぁぁぁぁぁっ!!」

 

緑谷出久が雄英高校入試試験を行っていた頃……秋山蓮ことナイトはシザースの圧倒的な攻撃を受け、地面に伏していた。

 

「おや?この程度ですか?」

 

シザースはまるで嘲笑うかのような言動でスチールベントで奪ったウイングランサーをナイトの首元へ突きつけてくる。

 

「ぐっ……」

「誤算でしたねぇ……まさか私に手札が増えているなんて。」

「き……貴様……ッ!」

「さて……トドメを刺しましょうか?」

 

そう言って彼はウイングランサーを上げて、ナイトへ狙いを定める。

 

「"これで1人減りましたね"。」

 

そして、ナイトの首元目掛け……ウイングランサーでトドメを刺そうとした……その時だった。

 

何処からか銃声が聞こえてくると幾つもの弾丸がシザースに襲いかかる。

 

「ぐっ!うわっ!!」

「……なんだ?」

 

銃撃をまともに喰らい、ウイングランサーを手放しながら後退したシザースにナイトは立ち上がると恐る恐る弾丸が放たれた場所を見つめる。

 

「あーぁ、相変わらずみっともないねぇ……」

「お前は……!!」

 

現れた"もう1人のライダー"を見て、ナイトは仮面越しから目を見開く。

 

そこには手にしているマグナバイザーの銃口から白煙を吹かせてナイトの元へ歩み寄っている牛を模した緑色の仮面ライダー……ゾルダの姿があった。

 

◇◇◇

 

「北岡!?お前もこの世界に来ていたのか?」

「何?この世界に俺が来ていたら悪いのか?」

「……いいや」

「へぇー意外と素直じゃない?」

 

ゾルダはナイトの思わぬ反応を見て思わず笑いを零す。

 

仮面ライダーゾルダこと北岡秀一……自他共にスーパー弁護士と呼ばれていた彼は嘗て秋山蓮と同じく己の願いの為に戦っていた仮面ライダーであった。しかし、"とある男"と出会ってから一変し今では秋山とは悪く言えば腐れ縁とも言える関係にまで発展していた。

 

「あわよくばお前も巻き添えにあの世へ送るつもりだったけど……俺もその男に用があるんだよ。」

「誰かと思えばその声は……北岡秀一さんですね?」

 

ゾルダの声を聞いてシザースは彼の正体を見抜く。

 

「そっ、スーパー弁護士だ。」

「それで?スーパー弁護士が私になんの用です?」

「……別に?強いて一つだけ言うならお前のその態度が気に入らないってとこだな。」

「はぁ?」

「警察だのこの世界のヒーローだの……頭おかしい奴らばっかだよ。全員ああなろうとした瞬間に失格なのよ。」

 

この世界のヒーローに対して愚痴を零したゾルダはナイトと並び立つと

 

「北岡、奴は手強いぞ。」

「分かってる。まあ見てろ。お前が出る幕なんて無いからさ。」

 

ゾルダはそう言うとバックルからカードを1枚引くとマグナバイザーに装填する。

 

『シュートベント』

「ふん!」

 

何処からか巨大な大砲の様な武器……"ギガランチャー"が現れるとゾルダはそれを手にしてシザースへ構える。

 

「早く終わらせてゴロちゃんの美味い飯を食わないとな。」

「ちっ」

 

舌打ちしたシザースは対抗するかの様にカードを1枚引き、シザースバイザーへ装填する。

 

『ガードベント』

「はっ!」

 

現れた"ジルディフェンス"を手にしたシザースはゾルダの前にそれを翳すと次に放たれるであろう攻撃を凌ごうとする。

 

そして……ゾルダは狙いを定めたギガランチャーをシザース目掛けて勢いよく放った。

 

「はぁっ!」

「ぐっ!うわぁっ!」

 

ギガランチャーの弾丸がシザースに命中し、爆発すると辺りに砂煙が舞い上がり、彼の姿が消えてしまう。

 

「やったのか!?」

 

自身の腕で顔から砂煙を守ったナイトは晴れてきた辺りを見渡してシザースの姿を確認するもそこには既に人の姿は一切無いのだった。

 

「逃げられたか……まあいいよ。相手もまさか俺が加勢に来るなんて誤算だったろうからね。」

 

ゾルダはそう言うと変身を解除してダブルのスーツを着こなした男の姿を顕にする。

 

ナイトもまた変身を解除すると嘗て共に戦い、時に牙を向けあった人物と対面する。

 

「よお、相変わらずだな。」

「お前もな。北岡」

「しかし驚いたよ。お前もこの世界に来ているんだからさ。」

「フッ」

 

ゾルダこと北岡の言葉を聞いて秋山は苦笑する。

 

「そんなお前も相変わらずだな。」

「あぁ、でも俺は自分の病が無くなって肩の荷が降りてるけどね。」

「それは良かったな。」

「そうだ、再会したのも何かの縁だ。ウチの事務所に来ないか?ゴロちゃんが飯を作って待っているんだ。」

「お前、本当に北岡か?」

「勿論だ。ほら……なんだ。肩の荷が降りたからちょっと人に優しくなろうと思ってね。」

「……お前らしくないな。」

「なんとでも言えよ。で?来ないのか?」

「……良いだろう。この世界に城戸(アイツ)が居ないからな。せめてお前とでも昔話をしてやる。」

「そう、だったら聞こうじゃないの。」

 

2人はそう言うと嘗ていがみ合っていた牙を隠し、共に歩き出すのだった。

 

◇◇◇

 

喧騒な街並みから少し離れた住宅街……その中にやや豪華な建物がひっそりと建っていた。

 

北岡秀一法律事務所と描かれたそこは本当に弁護士の事務所なのか?と疑いたくなる位豪華な造りであった。

 

そんな北岡の事務所へ彼の誘いで立ち寄った秋山は見慣れた部屋へと案内される。

 

「驚いたな。建物の造りも間取りも全く同じだなんてな。」

「凄いだろ?この世界にやってきた時からこの建物があったのさ。」

 

北岡はそう言いながら笑みを浮かべてネクタイを緩める。

 

「先生!」

 

するとキッチンから彼の帰りを待っていた如何にも怖そうな男がエプロン姿で現れる。北岡秀一の優秀な秘書……由良吾郎だ。

 

「ゴロちゃん!遅くなってゴメンよ。」

「いえ、大丈夫です。それに……」

 

由良吾郎ことゴロちゃんは秋山に顔を向けて軽くお辞儀する。

 

「お久しぶりっす。」

「悪い、邪魔してるぞ。コイツに誘われたものでな。」

「そうですか。ゆっくりして下さい。」

「取り敢えず座れよ!今日はゴロちゃんのスペシャルレシピなんだ。」

 

北岡の誘いに秋山は彼の向かい側の席に座るとゴロちゃんが自慢の手料理をテーブルへと並べてくる。

 

「おっ!"餃子"じゃん!これ、いつものやつ?」

「はい」

「いいね!ゴロちゃん!俺お前の餃子が丁度食べたかった所だったんだよ!」

 

手料理の中に餃子がある事を知って北岡は嬉しそうに笑みを浮かべる。そんな中、秋山は餃子をじっと見てある人物の事を思い浮かべる。

 

「どうしたの?早く食べなよ。冷めるだろ?」

「ん?あぁ……ちょっと"ある人物"の事を思い出してな。」

「餃子でか?……。」

 

北岡とゴロちゃんもまた餃子を見て、とある人物の事を思い出す。

 

「懐かしいな……城戸の奴、確か俺の事務所に来た時、これ作ってたっけ?」

「そうでしたね。あの餃子……美味かったっす。」

「お前達にもあの"馬鹿"を思う所があるなんてな。」

「えぇ?昔話をしようって言ったのはお前だろ?」

 

北岡はそう言って餃子を一つ口に頬張る。

 

「うーん!やっぱゴロちゃんの料理は流石だよ。」

「フッ」

 

秋山もまた笑みを浮かべながら餃子を一つ口にしてその味を堪能する。

 

静まりかえる室内……いつもなら彼らの他にもう1人居た。とんでもなくお人好しで馬鹿な奴が……

 

「やっぱ城戸が居ないと寂しいな。」

「お前、本当に北岡なのか?なんか変な物でも食べたんじゃないか?」

「そんな訳無いだろ?俺は俺よ。」

「でも、先生の言うことも分かります。」

「……」

 

2人の言葉を聞いて蓮は自信が死に際の時、城戸が言った言葉を思い出す。

 

「またお前と悪口を言い合ってふざけ合いたい。」

 

それに対して彼は「楽しそうだ」と返していた。

 

そうだな……城戸が居たら馬鹿騒ぎが出来て……楽しかっただろうな。でも、アイツはもう居ない。でも俺達の代わりにライダーが居た世界で生きている。

 

そんな彼の明るさは当初、他人を寄せ付けなかったこの2人ですらもお人好しに変えてしまった。

 

本当にアイツは"ヒーロー"だった。

 

「なあ、城戸と言えばアイツ、令子さんの時……」

「フッ、そんな事があったな。」

「それなら俺、あの時……」

「何ゴロちゃん。城戸とそんな事があったの?」

「「はっはっはっはっ!」」

 

ふと、城戸の話になった3人はいつの前にか笑い合ってテーブルに置かれた料理を突っつきながら昔話に花を咲かせていた。

 

夜が更け、事務所の明かりが光り輝くと満点の星空と月が優しくそれを見守る。

 

俺達がこの世界に来た理由……それは神崎ではなく城戸の仕業だったのかもしれない。と3人はこの時だけそう思っているのだった。

 




来ました!スーパー弁護士北岡先生!

最後の辺り、少しキャラ改悪になったかも知れませんが馬鹿にしながらも結局城戸の事が好きな龍騎キャラ達が見たいと思い、この描写を描いてみました。そもそも本編で一緒にカレー食べたり変な店で一緒に食事したりとしているので北岡先生が蓮を食事に誘うのも不思議では無いと思います。さて、ゴロちゃんも登場しましたが彼もまたどんなライダーに変身するのか注目して頂ければと思います。※今の所、本作のゴロちゃんはゾルダに変身させない予定です。

尚、作者が龍騎で一番好きなライダーはゾルダです。忖度ではありませんが彼もこの世界で大いに活躍させちゃいます!

そしてアンケートですがこの辺りで終了致します。結果はファムが堂々の1位となりましたので近く雄英生の誰かが変身する予定です。


本作における北岡先生

北岡秀一/仮面ライダーゾルダ
ICV:小田井涼平

本編でスーパー弁護士の異名を持つ弁護士。本作でもその腕は健在だが相変わらず金に汚い性格で同業者や被害者はおろか、一部のヒーロー達からも煙たがられている。が不治の病を患っていない為、蓮などの一部の知り合いには態度を軟化させている。

この世界のヒーローや警察に対しては「全員、ああなろうとした瞬間に失格なのよ」と厳しい評価を付けている。

デッキ構成
アドベント
ストライクベント
シュートベント(ギガランチャー)
シュートベント(ギガキャノン)
ガードベント
ファイナルベント

龍騎アカデミア再編版を製作検討中!

  • いる。再編して欲しい。
  • いらない。このまま続き描いて。
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