今回は少しギャグ展開が入っていますが
本作のライダーの扱いについて言及される回です。
雄英高校入試試験から数週間が経ち……見事、合格を掴んだ僕はその雄英高校入学を前日に控えていた。
「出久〜!雄英に合格したんだねぇ!まるで……まるで夢みたいだよぉー!!」
「お母さん!ちょっと泣きすぎだって!?」
合格を聞いたお母さんはまるで個性なのかと言わんばかりに滝の様な涙を流して祝福してくれた。
そんな吉日……僕は1人、散歩に出かける事にした。
「ん〜!!くぅ!いい空気だなぁ〜」
筋トレをしていた公園までやって来て深呼吸すると何処までも果てしなく広がる海を眺める。
「雄英に合格した……これから始まるんだな。"僕のヒーローアカデミア"が。」
海を掴むかの様に拳を握り締め、昇り始めた眩しい朝日を見つめる。そう、これはゴールじゃない!スタートラインだ!ある程度鍛えているけど無個性であるのには変わりない。仮面ライダーの力が何処まで通用するかは分からないけど……。
「更に向こうへ……だ!」
自分に言い聞かせるかのようにそう呟き、決意を胸にする。嘗て憧れた……あのオールマイトの様なヒーローに僕もなりたいんだ!!
「よしっ!明日から入学だ!頑張ろう!」
そう張り切って右腕を上げた時だった。
「待って!ご、誤解ですって!!ていうか貴方、私の事知らないんですかぁ!?」
「知らん、傍から見ればお前は子供を追いかけている様にしか見えなかったが?」
「だから誤解ですってぇ〜!!」
ふと、後ろからそんな声が聞こえて恐る恐る振り返る。
……誰なんだ?
「おっ!少年!私が居たぁぁぁ!」
「オールマイトォォォ!?」
「黙れ!」
「あ、秋山さん!?」
なんとそこに居たのはあの憧れのオールマイトと何故か彼と一緒にいる秋山さんだった。……待って、この2人はどんな関係なんだ?
「緑谷、勘違いするな。お前の様な高校生になりたての子供を尾行していた怪しいヤツを俺は捕まえただけだ。」
「だから誤解って言ってるじゃないですか〜!!」
「黙れ、白Tシャツ1枚にデニムを着たゴリマッチョが言うには説得力が無いぞ。」
「秋山さん、それ言わないであげて……」
「そうですよ!というか私の事、彼は知ってるでしょう?」
「だったらコイツはお前の何なんだ?」
「それはこっちのセリフじゃ無いですかぁぁ!?」
「2人共やめてください!」
ギロッと睨んでくる秋山さんに困惑するオールマイトを見かねて僕はなんとかこの場を収めようとする。
「す、すまない。私としたことが君に声を掛けず尾行してしまった。」
「はぁ?……で緑谷、こいつの事は知っているのか?」
「知ってるも何もこの人がオールマイトですよ!」
「オールマイト?……あぁ、お前がこの間話していた奴か。」
「私……「奴」呼ばわりなの?」
秋山さんが放った自身の呼び方にオールマイトは少しショックを受ける。まあ、秋山さんはオールマイトの事知らなさそうだったし……仕方ないかな?
「それで?何故、コイツを追いかけていた?」
「いや……それは……ちょっと……」
オールマイトが口ごもった直後、秋山さんは無言で懐からスマホを取り出して何処かに連絡しようとする。
「ちょちょちょ待ってぇ!!本当に怪しい人じゃないから!!違うから!!!」
(秋山さん……まさか通報しようとしてた?オールマイトを?)
「じゃあ言え、言わないと警察呼ぶぞ?ほら?いいのか?仮にも"ヒーロー"なんだろ?」
「ぐぬぬぬぅ……分かりました。でも、他言無用にして下さいよ?」
「お前の事は興味がない。それより怪しくないならそれを証明しろ。」
「分かりましたよ……もう。」
遂に観念したオールマイトは僕に顔を向けて言った。
「実は君に伝えたいことがあってね。たまたま通りかかった所を見たから後を付けたんだ。」
「は、はぁ……」
「あの時はすまなかった。無個性でもヒーローになれるのか?という問いに対して君を試すような真似をしてしまって。」
「あ、いいんです。本当の事ですし……」
「そういえば雄英高校に入学したんだったね。おめでとう。」
「えっ!?なんでそれを?」
オールマイトが雄英高校に合格した事を知っている事を知り、僕はキョトンとする。
「実は私は……今年から雄英高校の教師になることになってね。」
「えっ!?えええっ!?」
「しーっ!これは他言無用だから静かに!」
「は、ひゃい……」
まさかの告白に思わず変な声を出してしまう。
「だから君にあの時の謝罪と今後、世話をしていく教師として君の前に現れたのさ。」
「オールマイト……」
「この間……蜘蛛の化け物が現れた時、君は迷わず前に出たそうだね?」
「えっ?」
蜘蛛の化け物……ディスパイダーの戦闘の事を聞かれ、僕はキョトンとする。
「あの時、君はどんな気持ちで前に出た?」
「あの時……僕は……」
そう、あの時僕は……かっちゃんを助けるのに必死で……
「"考えるよりも先に身体が動いていました。"」
「そうだろう?やはり君もそう思ったんだろう?」
「……はい。」
オールマイトの言葉に深く頷く。
「嘗て名を残していった多くのヒーローはなんて言っていたと思う?彼らは皆、君と同じく"考えるよりも先に身体が動いていた"と話していたんだ。君もそうなんだろう?」
彼はそう言うと青い瞳を光らせて尋ねてくる。気付けば僕の目からは止まらない程の涙が溢れていた。
「だから答えさせてくれ……無個性でもヒーローになれるか?その答えを……」
涙を流しながら幼い頃を思い出す。そう、あの時……言われたかったのは。
『ごめんね!ごめんねぇ出久!!』
違うんだ!!
「"君は……ヒーローになれる"」
「ッ!?……ううっ……くうううっ」
そうだ……その言葉なんだ!
「雄英に合格したのも君の力だ。だから来いよ!」
笑みを浮かべたオールマイトは手を差し伸べて言った。
「"これが君のヒーローアカデミアだ"!!」
涙が止まらなかった。嘗て憧れていたヒーローに改めて言われた言葉……その言葉に僕はオールマイトに対しての憧れを再び燃やす。
「……ッ!はい!ありがとう……ございます!」
泣きながら僕はオールマイトにそう返事を返す。
その様子を秋山さんは腕を組んで静かに笑みを浮かべながら見守っているのだった。
「……と、言う感じで良かったかな?秋山君。」
「俺にいちいち聞くな。お前に協力するのはこれが最初で最後だ。」
「えっ?」
ふと、そんな会話をする2人を見て僕は再びキョトンとする。
「いやぁ〜ごめんね?実はどうしても君に会いたくてさ。そんな時に彼と出会って色々相談に乗ってくれてたんだ……。」
「えっ、じゃあさっきのやり取りは……」
「……コイツが考えた茶番だ。」
秋山さんの言葉にオールマイトを見て空いた口が塞がらなくなる。
いやいや、さっきの秋山さん……本当に通報しようとしてたよ!?というかよく付き合ったね?
「勘違いするな。俺はコイツの相談に乗ってやっただけだ。どうしてもお前に会いたいと聞かなくてな。お前と一緒にいた俺がとばっちりを受けた……という事だ。」
「うわぁ!ご、ごめんなさい!!」
「まあ、サインを貰ったからいいがな。」
「えっ!?ずるい!!」
しれっとオールマイトにサインを描いて貰った秋山さんに羨ましさの声が出ると同時に先程のやり取りが演技(半分本気)だと聞いて安堵する。
……にしても秋山さん凄く辛辣だったな……色々と。
「それで雄英へ入学する君に一つ頼みがあるんだ。」
するとオールマイトは真剣な表情を浮かべながら人差し指を上げる。
「秋山から君と彼の力について聞いた。」
「えっ!?話したんですか?」
「言っておくがこうなったのもお前の責任だぞ。オールマイトのやつ、ディスパイダーとの戦いを見ていたらしい。」
「ええっ!?」
秋山さんから彼がディスパイダーとの戦闘を見ていた事を知り、驚く。
あの時、オールマイトが居たのか!?
「"仮面ライダー"……ミラーモンスターと呼ばれる存在に唯一対抗出来る手段である者達。その資格を持つ者は多種多様に至ると聞いた。」
オールマイトはそう言って青い海を見つめる。
「そして無個性だったそれを手にし、見事雄英高校に入学した。これは一つの可能性とも言えるんだ。」
「一つの……可能性?」
「秋山と接触した時、私は"ある取引"を持ち掛けた。」
「取引?」
「あぁ、それは"仮面ライダー"をミラーモンスターに対抗する為の新たなヒーローとして認定するというものだ。」
「仮面ライダーを……ヒーローに!?秋山さんはそれでいいんですか?」
「"世間に公表はしない"という条件を付けた。それと提示された報酬が良かったからな。"ヒーロー公安委員会"の連中とも話を付けてきた。奴らも現実世界の攻撃が効かないミラーモンスターに対抗策が無くて手を焼いていたらしい。」
秋山さんはそう言ってオールマイトを見つめる。
「だが、この世界はミラーモンスターの存在を未だ知るものは少ない。それに敵にも仮面ライダーのカードデッキが手に渡ってしまえば悪用される可能性もある。だからこそあの時、協力してくれそうな君と秋山に声を掛けたということさ。」
「敵だけじゃない。俺の他にもライダーの資格を持っている悪い奴らはいる。まぁ、俺はただ自分にも利益があると判断しただけだ。」
「つまり、ヒーロー公安委員会とは"利害が一致した"から協力するってことですか?」
「そうだ」
秋山さんの行動に僕は舌を巻く。
この人……自分にも利益があることを見据えた上でヒーロー側に協力を?
「と、言うことだ緑谷少年。君が持つそのカードデッキと仮面ライダーの存在は暫く他言無用にして貰いたい。これから過ごしていく雄英の生徒にも知られてはならない。仮面ライダーとミラーモンスターの存在を今の所知っているのはヒーローと警察、雄英教師、公安。そしてここにいる私達だけだ。だから……」
オールマイトは大きな手を差し伸べて僕に告げる。
「君の力を私達ヒーローに貸して欲しい。ミラーモンスターから人々を救う為、お互いに頑張ろう。勿論、ヒーローという夢も叶えられるよう私が全力でサポートする。」
「オールマイト……!!」
彼の笑みを浮かべた顔を見て僕は目を輝かせ、差し伸べられた手を握り、固い握手を交わす。
「はい!宜しくお願いします!」
こうして僕は憧れであるオールマイトと二度の邂逅を果たし、一度は否定された夢を後押しされる。
ここで改めて言おう。これは僕が最高のヒーロー……いや、最高のヒーローである"仮面ライダー"になる物語だ。
◇◇◇
「そういえば秋山さんは報酬がいいからヒーロー側に協力するって言ってましたよね?」
「あぁ、そうだ。」
「いくらで受けたんですか?」
「……50万だ。」
「50……!?ええっ!?」
「ちょっと緑谷少年!!変なこと聞かないで!!!」
途中辺りからギャグ回になりましたがオールマイトと蓮のやり取りを描いてて不覚ながら笑ってしまった自分が居ました。(自分のネタで笑うバカ)
というか蓮がゴリマッチョって言うの凄い違和感あると感じましたがこれはこれで面白いと思ったので採用しました。(笑)
蓮とオールマイトのこのやり取りは描いてて面白く自然と手が動いてしまう程、執筆欲が湧くので今後も描いていく予定です。※尚、蓮がオールマイトを不審者扱いする茶番の展開はシナリオを編集・添削していくうちに自然とこの流れになりました。
尚、この時のデクくんはオールマイトの弱体化をまだ知らないという設定です。
さて、終盤オールマイトがデクくんに話していた事ですがこれは第5話の前書きで言っていた事に繋がるのですが本作の仮面ライダーはヒーロー側、敵側、中立の三つの役割に分かれる事になります。
ヒーロー側:公安がカードデッキを持つ者と接触、取引を行い、対ミラーモンスター要員として秘密裏に雇う仮面ライダー。(ヒーロー科に在学しているライダーもヒーロー側に該当)
敵側:個性と同じくライダーの力を悪用する仮面ライダー※勿論、契約モンスターを使って人を捕食しているパターンも該当
中立:上記二つに該当しない。或いは協力を断ったライダーだが民間人に危害を加える危険が無い為、警察・公安が無視している仮面ライダーとなります。
今後、この三つの役割を持つライダーが増えていきます。果たして龍騎原作のあのキャラやこのキャラはどちら側に付くのか?ご期待下さい。
現時点でのライダーの立ち位置
ヒーロー側:緑谷/龍騎、秋山/ナイト
敵側:芝浦/ガイ、須藤/シザース
中立:北岡/ゾルダ
脱落:無し
追記、新たにアンケート作成しました。オリジナルライダーを出そうか考案中です(詳細はアンケートを)。龍騎、ヒロアカそれぞれ原作のとあるキャラが変身する展開に繋がりますので是非、回答頂けると幸いです。
龍騎アカデミア再編版を製作検討中!
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いる。再編して欲しい。
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いらない。このまま続き描いて。