オルタナティブ・ゼロ登場回にもなります。お馴染みのあの変身シーンとBGMを想像しながらお楽しみください。
第12話:入学!
翌日……オールマイトと秋山さんに後押しを受けた僕は遂に雄英高校入学を果たす。
「ええっと……1、1、1……」
今年の雄英高校は推薦4名を除く計30名の生徒が入学した。その内の1人が……僕だ。
「あった!1年A組……というかドアでっか……バリアフリーかな?」
無駄に大きな教室のドアを見て思わずそう呟く。この先にエリートと呼ばれる人達が居るのかな?……そう言えば入試の時、一緒に戦った人は無事に入学出来たのかな?
「まあ、入れば分かるよね?」
ドキドキする気持ちを抑えながらいざ、ドアを開いた時だった。
「机の上に足を掛けるな!先輩方と机を作った人の気持ちが分からないのか?」
「分からねぇな!」
そこには机の上に足を乗せるかっちゃんを叱るあの真面目男子の姿があった。
「てかテメェなんだ?どこ中だよ?」
「お、俺は私立聡明中学の飯田天哉だ!」
「聡明ィ?エリートじゃねーか!ぶっ殺し甲斐がありそうだなァ?」
「な、なんだ……その態度は!君、本当にヒーロー志望なのか!?」
早速、クラスメイトに喧嘩を売るかっちゃんに僕は何とも言えない表情になる。
「うん?き、君は!」
すると真面目男子……飯田君が僕に気付いてこちらまで歩み寄る。
「あの入試の時の!君には感銘を受けたよ!改めて自己紹介しよう自分は私立……」
「あぁ、さっき聞いていたよ。」
「そ、そうか!」
「僕は緑谷、宜しく飯田君。」
「あぁ!宜しくな緑谷。」
僕は飯田君と固い握手を交わすと僕らに声を掛ける者が現れる。
「お前達も俺と同じクラスか?」
「あっ!君は複数腕の……」
「障子目蔵だ。宜しく頼む。」
「こちらこそ宜しく!障子君!」
「ああ」
障子君と名乗った複数腕の人は自身の個性で複製した口を動かしながら僕らと握手を交わす。
良かった!この2人も合格したんだ!
「あっ!あの後ろ姿……地味目の!」
すると僕の後ろから声が聞こえ、そちらに振り返るとそこにはあの受験の時に助けた茶髪の少女が立っていた。
う、うわぁ〜!制服姿ヤバい!!
「宜しくね!私、麗日お茶子!」
「あ、よ、宜しくね……う、麗日さん!」
「緑谷君、大丈夫か?顔が赤いぞ?」
「う、うん!だ、大丈夫!大丈夫だよ。」
茶髪の少女……麗日さんと挨拶して顔を赤くした時だった。
「おい、仲良しごっこがしたけりゃ他所でやれ。」
教室の外から突然声が聞こえ、僕らは恐る恐るそちらへ顔を向ける。
「な……」
「「なんか居るぅ!?!?」」
そこには黄色い寝袋に入ってゼリーを飲んでいるやさぐれた男の姿があった。
えっ?誰この人?
「はい、皆が静かになるまで8秒かかりました。」
彼はそう言うと寝袋を着たまま立ち上がってストップウォッチを止める。
「時間は有限、お前達は合理性に欠けるな。」
「あの……貴方は誰ですか?」
僕は恐る恐る寝袋に包まれた男を見て尋ねる。
「俺は相澤消太、お前達の担任だ。宜しくね。」
担任?担任という事は……この人もプロヒーローなのか?でも、こんなやさぐれた人、見た事ないぞ?
「相澤君、ヒーローに合理性を求めるのは非合理的だと私は言ったのだがね。」
直後、彼の背後から眼鏡を掛けた如何にも堅物そうな表情をした男が白衣を纏って現れる。
((今度はちゃんとした先生っぽい人が来た……。))
「初めまして雄英高校ヒーロー科新入生の皆さん。私は香川英行。君達1年生の学年主任を勤めさせて貰う事になりました。」
「「よ、宜しくお願いします。」」
堅物そうな人……香川先生に挨拶された皆は思わず一斉に言葉を返す。
香川先生か……相澤先生と違ってこの人の方が凄く先生って感じがするな。
「香川先生、何の用です?ここは私が仕切る場所ですが。」
「学年主任になった以上、全ての教室を拝見させて頂いています。それにしても1年A組諸君は実に興味深い。特に……」
香川先生はそう言うとゆっくり僕の方へ顔を向けて堅物そうな表情から一転、にこやかに微笑んだ。
「君は実に興味深い生徒です。緑谷出久君。」
「へっ?僕ですか?」
「えぇ…私は見えたもの全てが頭(ここ)に入ってしまうのですが……何故か君の履歴書だけは一度に全て頭(ここ)に入りませんでしたよ。」
「名簿を見たんです?香川先生。」
「ええ、余計なものは見ないようにしているのですがどうしても気になったのでね……緑谷(かれ)という生徒に。」
2人の先生の会話を聞いて僕は息を呑むと香川先生が再びこちらへ顔を向けてくる。
「A組の諸君は早速、相澤先生の授業を受けると思いますが……緑谷君、申し訳ないが君は私の所に来てくれるかね?」
「えっ?」
「何のつもりです?ウチの生徒ですが……」
「私の生徒でもありますよ。相澤先生。」
香川先生は相澤先生を睨みつけると僕を見る。
「さあ、緑谷君。こちらに…」
「は、はい……」
少し緊張した赴きで言われるがまま僕は香川先生の後に付いていくのだった。
◇◇◇
「相澤君かぁ〜!」
職員室の一室、オールマイトは1年生の名簿を見て、緑谷が相澤先生のクラスになった事を知り、気難しい表情をする。
「彼にとって早速、試練になりそうだ…うん?」
ふと、彼は学年主任の欄を見て眉を上げる。
「香川…英行?確かこの人は私と同じく今年からヒーロー科の先生になっていたな。……どんな人なんだ?」
学年主任 香川英行の名前を見たオールマイトは何処か怪訝そうな表情で彼の顔写真を見つめるのだった。
◇◇◇
クラスメイト達が相澤先生の指導の元、個性把握テストを行っている最中、
僕は香川先生に連れられ、グラウンドの片隅に建てられた施設へ案内された。
「……」
施設の中に入った僕はそこにある幾つもの鏡を見て不安げな気持ちになる。
何だろうここ……凄く不気味だ。
「今頃、A組は個性把握テストを行っていますが無個性の君ではそれだと不公平感を感じるでしょう。」
「そ、そんな事は無いです。」
「君が良くても私の良心が許さないのですよ。だから君には君に見合うテストを受けて貰います。」
しばらく歩いていた香川先生は立ち止まると僕に振り返って言った。
「"仮面ライダー"のテストをね。」
「ッ!?」
仮面ライダーという言葉を聞いて青くなる。
……まさか香川先生も!?
「テストは簡単です。私と戦い、見事倒せば合格としましょう。」
「も、もし……倒せなかったら?」
「倒せなかったら?そうですね……倒せるまで追試としましょうか?」
「えっ?」
「……御託はもういいです。始めましょう。」
「あ、あの!香川先生も仮面ライダーなんですか?」
「いいえ、違いますよ。」
「じゃ、じゃあ…」
「厳密には"似て非なるもの"と言っておきましょうか?」
香川先生はそう言うとポケットからカードデッキを取り出す。しかし、彼の手にしているものは明らかに僕や秋山さんが持っているものと異なっていた。
「……!」
それを見て僕は息を呑むと恐る恐る龍騎のカードデッキを翳し、ベルトが腰に装着されると変身ポーズを執ってバックルへ装填する。
「変身!」
龍騎に変身したのを見届けた香川先生は笑みを浮かべると彼もまたカードデッキを目の前に翳してベルトが装着されるとデッキを空中へ放り投げる。
「変身!」
そして……舞い降りてきたカードデッキをキャッチしてバックルに装填するとコオロギを模したライダーへ変身する。
「……香川先生のライダー姿。なんか違うような?」
「君が使うそのカードデッキは"神崎士郎"が作成したものです。私が使う"オルタナティブ・ゼロ"のデッキは私自ら作成したものなのですよ。」
「つ、造ったんですか!?カードデッキを?」
「ええ、それよりもテストです。」
香川先生……オルタナティブ・ゼロはそう言うとカードを1枚引いてバイザーへスラッシュする。
やるしか……ない!そう自分に言い聞かせた僕もまたカードを1枚引いてドラグバイザーに装填するのだった。
と、いうことで来週はデク君VSオルタナティブ・ゼロとなります。
薄々気づいた方もいると思いますが教え子の自称英雄のサイコパス君はまだまだ先の登場となります。
龍騎アカデミア再編版を製作検討中!
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いる。再編して欲しい。
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いらない。このまま続き描いて。