緑谷出久の龍騎アカデミア   作:ジャック・オー・ワンタン

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続きになります。
デク君VSライア回です。
是非、戦闘シーンはライア戦で流れるあのBGM『孤独の騎士』をバックにご覧下さい。


第19話:仮面ライダーライア

無邪気な子供のはしゃぎ声が遠くで聞こえてくる河川敷の広場……人気の無いこの場所にやってきた僕と秋山さん、手塚さんはそれぞれ向かい合うように立っていた。

 

「今回、俺は手を出さない。2人の戦いを見届けさせてもらう。」

「緑谷、手加減はしない。全力でやらせてもらう。」

「お、お手柔らかにお願いします……」

 

やや緊張気味な姿勢でカードデッキを翳すと手塚さんも自身のカードデッキを目の前に翳し、お互いの腰にベルトが装着される。

 

「「変身!」」

 

そして、同時に変身ポーズをとると僕は龍騎へ手塚さんはエイを模した紅色の仮面ライダー……ライアへ変身した。

 

「よし、かかってこい!」

「……いきます!」

 

ライアに強い口調でそう答え、バックルからカードを1枚引くとドラグバイザーへ装填する。

 

『ソードベント』

「はっ!」

 

右手にドラグセイバーを手にし、そのまま掛け出すとライア目掛けて剣を振り上げた。

 

「……!」

 

するとライアもまた1枚カードを引き、左腕にあるエビルバイザーへ装填し……

 

『コピーベント』

 

そんな音声が流れた時だった。

 

「えっ!?」

 

なんとライアの右手に僕の手にしているドラグバイザーがコピーされ、装備される。

 

「はあっ!」

「わっ!」

 

そして怯んだ隙を着いて彼はドラグセイバーを振り上げると互いの刃が交錯し、鍔迫り合いになる。

 

「ぐっ!!」

「中々やるな……だが、その程度じゃ俺は認めないぞ!」

「くっ……くううっ!!」

「見せてみろ!お前に俺の運命を!」

「ぬおおおおおおっ!!」

 

徐々に右へ傾けられるドラグセイバーを持った両腕に力を込めてライアを押し返していく……

 

「でやっ!」

「うわっ!!」

 

しかし間一髪と所で弾き返えされ、僕は仰け反ってしまうとその間にライアはコピーしたドラグセイバーを胴体へ斬りつけた。

 

「ぐわぁぁぁあっ!!」

 

更にダメージを受け、宙に浮きながら仰け反るとそのまま地面に背中を叩きつける。

 

「いっ……たぁ……」

「はあっ!」

「はっ!」

 

刹那、ライアは飛び上がりながら両手でドラグセイバーの柄を持ちながら刃を振り落としてくる。

 

「ぐっ!」

 

それを見て、僕は咄嗟にバックルからカードを1枚引き、それをドラグバイザーへ装填する。

 

『ガードベント』

「何っ!?」

 

ギリギリの所で1枚のドラグシールドが左手に持たれるとそれを構えてライアの斬撃を防ぐ。

 

危なかった……あと少し遅かったら大ダメージを受けていたかもしれない!

 

「はあっ!」

「うわっ!」

 

直後、ライアの腹部を蹴り飛ばして起き上がるとドラグシールドを肩に装備したままドラグセイバーで連続斬りを繰り出す。

 

「ぐわっ!うわっ!ああっ!!」

 

三連続で攻撃を受けたライアは後ろに下がりながら膝を付くとコピーしたドラグセイバーを地面に突き刺して次なるカードを1枚引き、装填する。

 

『スイングベント』

「はっ!」

 

上空からライアの契約モンスター……エビルダイバーが飛行してくると彼の尾を模した鞭……エビルウィップを手にするとテールを地面に叩きつける。

 

(……くっ、他のライダーのアドベントカードをコピーしたり鞭を使ったりトリッキーな戦い方が主流なのか?正直、秋山さんの戦闘スタイルより厄介かもしれない!)

「はぁあっ!!」

「ッ!」

 

刹那、エビルウィップのボディを引っ張りながらライアが突撃してくる。

 

「くっ!」

 

エビルウィップを巧みに扱うライアに対し、僕もまたドラグセイバーを放棄して回避行動を取りながら格闘戦で応戦する。

 

「でやっ!」

「うわっ!!」

 

しかし、次第にライアの洗練された体術に翻弄されていきエビルウィップのテールが身体に直撃すると地面に膝を付いて体制を崩してしまう。

 

『ファイナルベント』

「ッ!!」

 

立ち上がろうとした僕に追い討ちをかけるかの如くライアがカードを1枚、エビルバイザーに装填すると近くの川からエビルダイバーが現れ、彼はそれに飛び乗ってファイナルベント……"ハイドベノン"を発動した。

 

「はぁぁあっ!!!」

「うわぁぁぁあっ!!」

 

大ダメージを受け、僕は再び地面に身体を転がしながら仰向けに倒れると龍騎の姿を維持できなくなり、変身が解除されてしまった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……」

「そこまでだ。」

 

息を切らす僕と地面に着地したライアに秋山さんがそう言うとライアは変身を解除してこちらに振り返る。

 

「緑谷」

「手塚さん……強いんですね。」

「俺は運命を変えるために戦ってきた。変えられない運命程、変えたくなる性分だからな。多くの窮地を乗り越えてきたんだ。」

「僕なんか……まだまだですよ。」

「いや、お前はよくやった。」

「えっ?」

 

ライダー同士の戦闘には勝てなかったものの何かを感じ取った手塚さんは倒れる僕に手を差し伸べる。

 

「お前の運命、確かに俺は感じ取った。」

「手塚さん……」

「今の所その未来に破滅へ向かうお前の姿は無かった。秋山がお前にそのデッキを預けた理由が俺にも分かった。」

 

手塚さんの言葉に秋山さんは少しだけ微笑みをみせる。

 

「だが緑谷、これだけは言っておく。絶対に"ライダーの力に溺れるな"。人はライダーの力が無くても生きていける。この世界の"個性"というものもそうだ。自分の力に溺れ周りが見えなくなった者は破滅の身を歩むだけだ。今はライダーの力に頼っても頼りすぎてはならない。」

「……はい」

 

僕は深く頷くと彼の手を取って立ち上がる。

 

……本当に強い人間はライダーの力も個性も必要としない人間。手塚さんはそう言いたいのだろう。だとしたら無個性で生まれてきた僕の運命もまた必然だったのかもしれない。

 

「手塚の言う通りだ緑谷。お前はまだライダーの力に頼りすぎる所がある。だが、お前自身が強くなればライダーの力を使わなくとも道を切り開ける。俺の知る昔の龍騎はそんな奴だった。」

 

秋山さんはそう言うと改めるかの様に手塚さんへ顔を向ける。

 

「手塚、さっきの話の続きだ。お前も協力してくれるな。」

「ああ、お前が何をするのかまだ分からないがこの世界の争いを止める為に動くなら俺も協力しよう。また昔の様に……」

「宜しくお願いします。手塚さん。」

「緑谷、こちらこそ宜しくな。」

 

手塚さんは微笑んで手を差し伸べると僕もまた笑みを浮かべて固い握手を交わす。

 

「ちょ……まっ!押すなって!」

「違うよもっとよく見てみ……」

「待って芦戸ちゃん……もう無理……」

「なんだ?」

 

すると近くの物置の中から女性と思しき声が聞こえ、僕らはそちらに顔を向けた時だった……

 

「待っ……もう……」

「「「うわぁぁあっ!!」」」

 

バタバタバタバタ

 

勢いよく物置の扉が開くとそこからぞくぞくと見知った人達が現れ、地面へと倒れた。

 

「う、麗日さん!?それに芦戸さんに耳郎さん!?」

「よ、よぉ!緑谷!きょーもいい天気だなぁ〜!」

「結局こうなんのかよ……」

「デ、デク君!違うんよ!これは……!」

「誰なんだ?コイツらは?」

「あ……この人達は僕のクラスメイト達です。」

「ほう?」

 

麗日さん達を見た秋山さんは何処か悪戯っぽい笑みを浮かべて僕を見つめる。

 

「緑谷、これが"モテ期"ってやつだ。」

「なっ!ち、違ういます!!断じてそんな事でデ、デク君を追っかけたとかそんなんじゃないんです!!!」

「麗日、お前めちゃくちゃ顔赤いぞ?」

「これが恋ってやつか!」

「ちっがぁぁう!!」

 

麗日さんはこれまで見たことないくらいに顔を真っ赤にすると他2人に否定の言葉を上げる。

 

「フッ……緑谷、お前は面白いやつだな。」

「手塚さんまで!多分違いますよ!」

「うわぁ!手塚海之さんだ!本物だぁぁ!」

「お前の事を知ってるみたいだな手塚。」

「ねぇねぇ!緑谷!手塚さんとはどんな関係なの?あの人誰?知り合い?」

「うわぁぁっ!」

 

ずんずんと顔を近付けて質問してくる芦戸さんに戸惑う。

 

「お前ら、女子でワイワイしたいなら他所に行け。」

「なっ……何だよアイツ。」

「秋山、恐らく彼女達は緑谷が目当てではなく俺だと思う。」

「そうです!占いが当たるって聞いて!」

 

芦戸さんの言葉を聞いて僕はようやく彼女達の目的を理解する。

 

「……分かった。だが、今日はもう営業を終了した。また今度来てくれ」

「はぁーい!って事で行こっ!麗日!耳郎!」

「だから押すなって!!」

「じゃ、じゃあねデク君!」

 

彼女達は満足した表情を浮かべると颯爽とした足取りで去っていく。

 

何だったのだろうか?と思ってしまった反面、ギリギリライダーの事を聞かれずに安堵する自分が居るのだった。




現時点でのライダーの立ち位置
ヒーロー側:緑谷/龍騎、秋山/ナイト、香川/オルタナティブ・ゼロ、手塚/ライア(NEW)
敵側:芝浦/ガイ、須藤/シザース、浅倉/王蛇
中立:北岡/ゾルダ
脱落者:無し

龍騎アカデミア再編版を製作検討中!

  • いる。再編して欲しい。
  • いらない。このまま続き描いて。
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