緑谷出久の龍騎アカデミア   作:ジャック・オー・ワンタン

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続きになります。お待たせしました。
委員長決める回でもありますが龍騎VSガイの戦闘シーンもあります。


第21話:仮面ライダーガイ

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

土砂降りが降る雨の中・・・北岡ことゾルダに敗れた浅倉は薄暗いトンネルの中で己の身体を庇うかのように歩いていた。

 

「くそっ!ああああっ!!」

 

点滅する蛍光灯が照らす中、浅倉は付近にあるポールや壁を蹴り飛ばして湧き上がるイライラを発散する。

 

「イライラするんだよォ・・・!」

 

浅倉はそう怒鳴ってトンネルの壁に何度も頭突きしながら鬱憤を晴らそうとした・・・その時だった。

 

「随分怒っている様だね・・・浅倉威」

「ッ!?誰だ!」

 

突如、目の前に現れた人影に浅倉は一歩引き下がって距離をとる。人影はコツコツと足音を響かせながら顔に多くの機械の様なものを取り付けた姿を顕にする。

 

「初めましてだね。君の噂は聞いているよ。」

「お前・・・誰だ?」

「僕は"オールフォーワン"単刀直入だが僕の仲間にならないか?」

 

現れた男・・・オールフォーワンは笑みを浮かべながら浅倉に手を差し伸べる。

 

「お前、バカか?なんで見ず知らずのお前に手を貸す必要がある?」

「僕なら君のイライラを晴らす場所を提供出来る。いい取引だと思うけどね・・・それに僕は興味があるんだ。"仮面ライダー"の力にね。」

「随分ベラベラと話すんだな。イライラさせるな。」

「おっと!僕に戦いを挑むなんて真似は辞めた方がいい。」

 

今にも殴りかかってきそうな浅倉をオールフォーワンは制止する。

 

「僕はヒーローが蔓延るこの世界を変えたいと思っているんだ。その為には浅倉、君の力が必要になってくる。勿論、衣食住も保証する。君のイライラを解消できる場だって幾らでも提供できる。その証拠に"とある学校"のカリキュラムを手に入れてね。ここなら君は思う存分暴れられる。どうだ?面白いと思わないか?」

 

オールフォーワンの誘いに浅倉はゆっくり口角を上げた。

 

「・・・フッ、面白い。俺のイライラを晴らせるとこがあるんなら手を貸してやらなくもないぜ?」

「話が早くて助かるよ。どうだ?この場だと人目にさわる。私のアジトでディナーでも摂りながら話そう。」

 

彼はそう言うと浅倉を先導するかの様に足を動かす。

 

"敵連合"を率いる元凶オールフォーワンと最恐の仮面ライダー浅倉威・・・この2人の出会いが後に"とある学校"の生徒を驚異に晒すのだった。

 

◇◇◇

 

「WASHIジャーナルです!オールマイトが雄英教師になったと聞きましたが本当ですか?」

「わ、わわっ!?ご、ごめんなさい!!僕、保健室行かないといけなくて!!」

「あっ、ちょっと!!」

「オールマイトの授業について感想をお願いします!」

「え、ええと・・・筋骨隆々って・・・感じです!」

「オ、オールマイトの授業について・・・」

「オールマイトの授業ですか?流石はヒーローか最高峰の授業ですね。多くのプロヒーローを排出したこの学校のカリキュラムには・・・」

「はぁ・・・オ、オールマイトの授業について・・・って小汚っ!誰ですか貴方!」

「オールマイトですが生憎今日は非番です。答えることはありませんのでお引き取り下さい。」

 

校門の前に立っていた相澤先生はそう言うと学校前に蔓延るマスコミ勢にしっしと手を払うとそそくさと校舎の方へ去っていく。

 

「あ、ちょっと!少しくらいいいじゃない!何よあの小汚い人!」

(あんな数のマスコミを相手にしているのか?オールマイトも大変だな。)

 

オールマイトが雄英教師に就任した。その事は瞬く間に広がり、休みが明けてから多くのマスコミが雄英高校の前に集まっていた。

 

そしてオールマイトが雄英教師になった事は"誰も"が知っていた。そう・・・"誰も"が知っているのだ。

 

「もう!こうなったら是が非でも聞いてやるわ!」

「あ、ちょっと待て!それ以上は・・・」

 

インタビュアーの女性が雄英の校門を潜ろうとした瞬間、ブザーが鳴り響くと何処からともなく障壁が展開され、彼女の行先を阻んでしまった。

 

「な、何よこれ!」

「許可証や入校許可証を持ってないとああなるんだ。俺たちは雄英バリアって呼んでるよ。」

「ダッサ!何なのよそれ!」

 

自身の背丈よりもある障壁通称"雄英バリア"を見上げ、インタビュアーは落胆する。

 

「どうしよう・・・何も収穫が無いと記事がかけないのに・・・。」

 

キィィィン……キィィィン……キィィィン……

 

マスコミ達が途方に暮れる中・・・彼らの背後にはサイの紋章が描かれたカードデッキを持つ青年が密かに佇んでいるのだった。

 

◇◇◇

 

「先週の戦闘訓練。ご苦労だったな。」

 

ホームルームにて相澤先生は先週の戦闘訓練について評価する。

 

「爆豪、データを見させて貰ったが余りにもやり過ぎる。」

「チッ」

「横暴な対応はヒーロー以前の話だ。気を付けろ。」

「わーったよ。」

「さて、戦闘訓練の事はここまでにして次は・・・」

((ま、また訓練とか試験をやるのか!?))

 

誰もがそう確信し、身構えて相澤先生の次の一声を待つ。

 

「・・・お前達に学級委員長を決めてもらう。」

「「学校っぽいの来たぁぁぁ!!」」

 

余りに学校っぽい行事に皆は安堵すると同時に各々学級委員長に立候補し始める。

 

「はい!俺、学級委員長やりてぇ!」

「俺も!やってみたいしょ!」

「ウチも!」

「俺もやるわ!カス!」

「か、かっちゃんも!?」

「皆!静粛に!!」

 

刹那、飯田君がメガネのレンズを光らせて堂々と手を挙げながら提案する。

 

「学級委員長は皆を纏める重要な役割!生半可な意思でやるものでは無い!クラスの中で最も信頼あるものが務めるべきである!ここは民主主義に則って投票にしてみてはどうだろうか?」

「って言いながら飯田も手を挙げてるじゃんか。」

「うぐっ!?」

「ケロ、それにクラスの皆とはそんなにまだ絡んで居ないから信頼も何も無いわよ飯田ちゃん。」

「そうだよなぁ・・・」

「ぐっ!?」

 

しかし、クラスの皆は飯田君の痛い所を突いて沈黙させる。

 

「うだうだ話をするな。投票でも何でもいいからさっさと決めろ。」

 

相澤先生は寝袋に入りながらそう言うとそのまま倒れて寝込んでしまう。

 

と、言うことで投票が決まった結果・・・

 

「え、ええっ!?」

 

なんと委員長は僕に決まり、副委員長は八百万さんとなってしまった。

 

「なんでクソデクが委員長なんだよ!!」

「いやぁお前よりマシだと思うぜ?」

「あぁん!?」

「まあ、緑谷は分析とか得意だし委員長向きだよな。」

「八百万も先週の戦闘訓練の時の意見も凄かったし委員長適任だよな。」

(爆豪君に怒られるからデク君に投票したなんて言えない。)

「くっ・・・こうなることは分かっていた・・・別の人に投票したから・・・」

「お前、自分に投票しなかったのかよ。こういうのは自分に入れるもんだろ?」

 

委員長になれなかった飯田君は落胆しながらもその事実を認める。

 

しかし、僕はそれどころではなく委員長になってしまった衝撃と皆の前に立つ緊張のせいで全く発言出来ないのであった。

 

◇◇◇

 

昼食時間・・・僕は飯田君、麗日さんと一緒に食堂で昼食を摂っていた。

 

「んー!お米が美味い!」

「はぁ・・・僕が委員長か。」

「緑谷君は適任だと思うぞ。入試試験の時も戦闘訓練の時も個性である龍に的確な指示を出していたじゃないか。」

「そうだよ!ドラグレッダー君との絆も深いし!」

「そ、そうかなぁ?」

「だからこそ"僕"は君に投票したんだ。」

「あれ飯田君だったの?てかそれより・・・」

「「僕!?」」

「あっ!?」

 

不意に一人称を"僕"と言った飯田君に僕と麗日さんは驚く。一人称"俺"じゃなかった?

 

「飯田君って・・・坊ちゃん?」

「ドストレートな質問!?」

 

麗日さんはボソッと彼にそんな事を尋ねる。

 

「いや、そうではないんだが・・・」

「ふぅーん?」

「実は俺の家族は代々ヒーロー一家なんだ。」

「「そうなの!?」」

「ああ、"インゲニウム"ってヒーロー知っているか?」

「インゲニウムって・・・あの東京に65人ものサイドキックを持つ?」

「そう、俺はその次男。兄がインゲニウムなんだ!」

「す、すっごい!!」

 

飯田君が有名ヒーロー・・・インゲニウムの実の弟と知り、僕と麗日さんは目を輝かせる。

 

「俺は兄の様に規律を重んじ、多くの人を助けられるヒーローになりたい。そう思って雄英に挑んだ。でも委員長としての素養はまだ無かったみたいだ。」

「そんな事ないよ!飯田君も十分、委員長として相応しい器だと思う!」

「緑谷君にそう言われるなんて俺も嬉しいよ。」

「あれ?飯田君が笑ってるの初めて見た!」

「え?そうか?一応俺も人だから笑うんだけどな・・・」

 

僕の憧れがオールマイトの様に飯田君の憧れはインゲニウムなんだな。そう思いながら笑みを浮かべる彼を見ていた時だった。

 

ブーブーブー!

 

『緊急事態発生、緊急事態発生、セキュリティIIIヲ発動シマス。校内ノミナサンハ早急二避難シテクダサイ』

「ッ!?なんだ!?」

 

突然、校内に鳴り響くサイレン音に辺りは騒然とする。

 

「す、すみません!セキュリティIIIって何ですか?」

 

飯田君は隣の席に座る2人組の先輩に話しかける。

 

「えっ!?セ、セキュリティIIIは・・・えっと」

「セキュリティIII?これは校内に侵入者が入った時に鳴り響く警報だよ!在学して三年間一度も無かったんだけどねー」

「ミリオ!そんな呑気に言ってる場合かよ!」

「そうだよねー!避難しないとだねー!」

 

2人の先輩はそう言うと颯爽とした足取りで去っていく。

 

「わ、私達も逃げよう!」

「ああ!安全第一だ!」

「うん!」

 

飯田君と麗日さんに頷き、僕もまた避難しようとした時だった・・・

 

キィィィン……キィィィン……キィィィン

 

「ッ!?」

 

同時にミラーモンスターの出現を知らせる金切り音が耳に入る。

 

「これは・・・ミラーモンスター?」

「緑谷君!早く避難を!」

「デク君!」

 

2人の呼びかけを他所に僕は金切り音に導かれるかのように足を動かす。

 

「緑谷君!何処に・・・うわっ!!」

「待ってデク君キャッ!」

避難する人混みに呑まれた飯田君達を他所に僕は人気が無くなり始めた校舎を駆け出す。

 

「侵入者の正体がミラーモンスターなら。止めるしかない!!」

 

ミラーモンスターが現実世界に現れたと思い、辺りを見渡しながらモンスターの姿を確かめる。

 

「何処だ?何処にいるんだ!?」

暫く廊下を走って立ち止まると辺りを見渡す。

 

「あれ?お前確か見た事あるなぁ〜?」

 

刹那、誰かの声が聞こえ、そちらへ目を向ける。

 

「お前は・・・!!」

 

現れた人物を見て目を見開く。

 

そこに居たのは僕が初めて龍騎として戦ったグレーのライダーに変身していた男だった。

 

「よっ、あの時以来じゃん。」

「ここへ何をしに来たんだ!?」

「何って・・・ほら?校門の前にマスコミが居たじゃん?だから俺がここのバリアをぶっ壊して中に入れたって訳。」

「何!?」

 

グレーのライダー・・・ガイに変身していた男は雄英バリアを破壊した事を告げ、不敵な笑みを浮かべる。

 

「それよりお前、ここの生徒だったの?だったら教えてよ。この学校のネットワークのサーバーを探してるんだけど何処か知らない?」

「教える訳が無いだろ!」

 

ガイの男を睨みつけ、僕はカードデッキが入っているポケットに手を入れる。

 

「あっそ、じゃあいいよ。お前消えろよ。」

 

男はそう言うとポケットからサイの紋章が描かれたカードデッキを取り出すと僕もまた敵意の視線を向けながらカードデッキを取り出して目の前に掲げる。

 

「「変身!」」

 

ほぼ同時に変身ポーズを執ってデッキをバックルへ装填すると僕は龍騎へ男はサイを模したグレーのライダー・・・ガイに変身する。

 

コイツは・・・倒さないといけない!

 

ガイと相対した僕はそう心の中で呟くとデッキから1枚、カードを抜き取るのだった。

 




WASHIジャーナルは龍騎本編で出てきたOREジャーナルのオマージュです。(ORE(俺)ジャーナル WASHI(儂)ジャーナル)

また、原作で雄英バリアを破ったのは死柄木ですが本作ではガイの変身者芝浦に置き換えています。彼自身もどうやら雄英に入って色々やりたかったようですね。(ガードベントのくせに)

そして・・・遂に出会ってしまいました。浅倉とオールフォーワン。とある学校のカリキュラムは何なのかもうご存知だと思いますが原作で起こったあの騒動に浅倉が出てくるのは確定となります。

この男を遂に暴れさせる時が来た!浅倉頼むから誰も殺さないでぇ〜(フラグ)

龍騎アカデミア再編版を製作検討中!

  • いる。再編して欲しい。
  • いらない。このまま続き描いて。
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