「おらっ!」
「ぐわっ、ぐほっ、おわっ」
かっちゃんを捕らえた王蛇は身体に大きな切り傷を残す彼に容赦なく溝打ちや手刀で殴りかかる。
「がはっ・・はぁ、はぁ・・・」
「おい、逃げるなよォ!」
「ああっ!がはっ!」
地面を這いながら逃げようとするかっちゃんに王蛇は続けてうなじを掴んで持ち上げると再び溝内や蹴りをお見舞いした。
「爆豪!」
「うっ・・・だめだ俺見てらんねぇ・・・。」
「もう嫌!やめて!」
目の前で次第にボロボロになっていくかっちゃんを見て皆は見ていられなくなってしまう。
「やめろ!!爆豪!」
「やめなさい!」
王蛇を制止しようと相澤先生、13号先生が掛け出そうとした時だった。
「させませんよ!」
「なっ!?しまった!?」
「な、何?キャァァァァ!」
「「うわぁぁぁぁぁ!」」
「み、皆!」
再び黒い穴が展開すると相澤先生、13号先生、麗日さん達A組の皆、敵全員が呑み込まれてしまった。
「嘘だろ・・・」
取り残された僕は仮面越しに絶望の表情を浮かべる。
「ぐほっ・・・」
「はっ!」
するとかっちゃんが吐血しながら王蛇に殴られ地面に倒れる。
「かっちゃん!もうやめろ!浅倉!!」
「なんだ?やるのか?」
かっちゃんを踏みつけた王蛇はベノサーベルを片手に挑発してくる。
「まだ・・・まだ終わって・・・ねぇ!」
「黙れよ。おン前は。」
まだ意識のあるかっちゃんに顔を向けた王蛇はそう言うと彼の"右腕"を勢い良く踏みつけた。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
バキッという嫌な音と共にかっちゃんの悲痛が再び施設内へ広がった。
「かっちゃん!!」
「フハハハハハハハハ!アッハッハッハッハッハッ!楽しいなぁ!殴り倒すのはァ!!」
「お前・・・!!」
右腕を折られ、そのショックで気絶したかっちゃんを見て、怒りがピークに達する。
許さない!!!こんな・・・こんな仕打ちをするなんて!!浅倉、お前は・・・
僕が倒す!!
「グオオオオオオッ!」
「シャー!!」
刹那、僕と王蛇の背にドラグレッダーとベノスネーカーがとぐろを巻きながら現れると互いを威嚇するかの様に咆哮を上げ始める。
『ソードベント』
「はっ!」
ドラグセイバーを手にした僕は身構えると辺りの状況を一早く確認して分析する。
さっきの黒い穴・・・恐らく敵も巻き込んでいたと考えるとワープ機能の様な個性なのかもしれない。現に浅倉達もここへ入る時あの穴を使った。・・・と、すればこの施設の何処かに皆が居るはずだ!
「あぁ〜・・・おらっ!」
「くっ!」
すると首を回した王蛇が突然、僕へベノサーベルを振り上げて攻撃してくるも僕はそれをドラグセイバーで受け止めて鍔迫り合いになる。
傍らではドラグレッダーがベノスネーカーに噛み付いて応戦しており、僕と王蛇もまた巧みな剣術で隙のない戦いを繰り広げた。
「ははっ!やるなァ・・・」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
地面を滑らせながら後退し、息を整えながら王蛇を睨む。
・・・強い!何とか受け止めきれているけどそれも時間の問題だ!
相澤先生も13号先生も何処かに転送されてしまったし・・・どうしたら良いんだ?
「この程度で狼狽えるなよなァ!!」
「ううっ」
「オラァァァァァァァッ!!!」
そして・・・王蛇が続け様に僕に迫ってベノサーベルを振り上げてくる。
疲れが出てるけど・・・ここはやるしかない!
ドラグセイバーの柄を両手で握り締め、王蛇の攻撃に身構えようとした
・・・その時だった。
『ナスティベント』
「キュイーン!キュキュキュキュキュキュ!!」
「ぬおっ!?」
突如として現れた蝙蝠型のモンスターの超音波に王蛇が怯みながら身体を回転させて退く。
この蝙蝠のモンスター・・・まさか!?
「私が・・・来たああああっ!!!」
「ッ!?オールマイト!!」
ドンという扉が開く音と共にオールマイトが現れると彼の傍らにナイトとライアの姿が立っていた。
「オール・・・マイト・・・」
「爆豪少年!大丈夫か?」
意識を取り戻したかっちゃんに駆け寄ったオールマイトは優しく声を掛ける。
「緑谷、無事か?」
「秋山さん!それに手塚さんまで!」
「すまない遅くなった。」
僕の前に立ったナイトとライアは王蛇と対峙して身構える。
「ど、どうしてここに?」
「ここへ向かう途中だったオールマイトに呼び出されてな。来てみたらこんな状況だった訳だ。」
「あの、その人は・・・」
「ああ、知っている。」
ナイトとライアは王蛇を睨み、彼に声を掛ける。
「久しぶりだな。浅倉。」
「えっ!?二人は知っているんですか?浅倉の事を。」
「知っている。コイツには散々手を焼いたからな。」
ナイトはそう王蛇こと浅倉の関係について言及する。
「誰かと思えばお前達かァ・・・いいねぇ〜益々楽しくなってきた。」
「オールマイト・・・平和の象徴・・・!!」
すると手だらけの青年がオールマイトを見て王蛇に指示を出す。
「おい!平和の象徴だ!アイツを先にやれ!」
「あァ?コイツは二の次だァ。先ずはこの二人からやらせて貰うぞ。」
「んだと?先生から言われてんだろ!平和の象徴を倒せってな!」
「だから何だって言うんだ?俺にいちいち指図するな。」
「仲間割れはやめて下さい!死柄木弔、浅倉威!」
「お前は黙ってろよ!黒霧」
口論になる王蛇と手だらけの青年・・・死柄木を黒い霧の人・・・黒霧が制止する。
「驚いた。まさかお前の様な奴が群れるとはな。」
「勘違いするな。俺はお前達とあの男を倒すように雇われただけだ。」
「えっ?」
王蛇はナイトにそう言うとオールマイトを指差す。
オールマイトを・・・倒すだって!?
「悪いが・・・お前にあの男は倒せない。奴はこの世界で敵の抑止力となっている。お前でも倒せる相手では無いと思うがな。」
「その前に俺と手塚でお前を倒す。」
「ほう?やるってのか?」
王蛇はベノサーベルを手にしたままナイトと睨み合う。
「オールマイト!その少年の救護が先だ!浅倉は俺達で抑える!」
「良いのか?私が居なくても。」
「見ての通り浅倉もライダーだ。俺達二人で相手出来る。それよりもその少年を助けた方が良いんじゃないのか?」
「・・・そうだな!分かった!恩に着るぞ!秋山、手塚!」
二人に礼を言ったオールマイトはかっちゃんを背負うと無言で僕に顔を向けながらUSJを去っていく。
「おい!オールマイトが逃げたぞ!巫山戯(ふざけ)るなよ!!」
逃げたオールマイトを見て死柄木は怒り出すと近くの噴水に触れて個性と思われるものであっという間に噴水を崩壊させてしまった。
なんだ!?あの個性は!?五指が触れると物を崩壊させることが出来るのか!?
「ハハッ!オラァァァァァァァッ!!!」
すると王蛇が雄叫びを上げながらベノサーベルを振り上げてナイト、ライアに襲いかかる。
『ソードベント』
『コピーベント』
それを見越していた二人はそれぞれカードを装填するとナイトはウイングランサーをライアはそれをコピーして手にすると息のあったタイミングで王蛇に斬りかかった。
「「はあっ!」」
「ぐわっ!!」
二対のウイングランサーを喰らい、地面に倒れるも王蛇は直ぐに起き上がって二人に再度攻撃を仕掛ける。
「おらっ!」
「はっ!」
王蛇とナイトは鍔迫り合いになると刃がぶつかり合う鈍い音が響き渡り、両者の洗練された戦いが繰り広げられる。
「はっ!やぁぁっ!」
「うおっ!?おらっ!」
その合間にライアが援護に入り、王蛇を翻弄しろうとするも彼もまた柔軟に対応して二人を相手取る。
「秋山さん!手塚さん!」
やがて三人は死柄木と黒霧のいる場所までやってくると僕もそこまで駆けつけて戦いを見守る。
・・・僕にも何か出来る筈だ!浅倉さえ止められれば!・・・そうだ!
咄嗟に何かを思い付いた僕はカードを1枚取り出すとドラグバイザーへ装填する。
『ストライクベント』
ドラグクローを装備し、王蛇に狙いを定めると彼と格闘している二人に声を掛けた。
「秋山さん!手塚さん!」
「はっ!うん?」
「緑谷!」
「あん?」
ナイト達がこちらへ顔を向けた事を確認するとそのままドラグクローから灼熱の炎を放つ。
「行っけぇぇええ!!SMASH!!」
「グオオオオオオッ!!」
ドラグレッダーの火炎と共に放たれた炎の弾は回避したナイトとライアの前を素通りすると一直線に王蛇目掛けて放たれた。
「はあっ!」
「うわぁぁぁぁぁっ!!」
刹那、王蛇は背後にいた死柄木の方まで向かうと彼らにもドラグクローの攻撃が命中し、辺りが爆発に包まれる。
「やったか?」
並び立った僕らは黒煙に包まれた王蛇達の方へ顔を向けて息を呑むとそこには仲間である筈の死柄木を盾に攻撃を防いだ王蛇の姿があった。
「あ・・・うううっ」
「ッ!?」
「ぐぅ」
傷だらけになった死柄木を地面に倒した王蛇はほぼ無傷の状態で彼に顔を向ける。
「お前・・・どういうつもり・・・だ。」
「"近くにいたァ・・・お前が悪い"。」
「巫山戯るなぁァ!!」
自身を盾にされ、怒った死柄木は王蛇に手を向けるもダメージを負った彼の攻撃はいとも簡単に躱されてしまいベノサーベルで直ぐに返り討ちにされてしまった。
「ぐわぁぁぁあっ!」
「うぐっ・・・はっ!浅倉威!?何をしているのです!?」
「ハハッ!」
焦る黒霧を他所に王蛇は乾いた笑いを零すとそのままベノバイザーにカードを装填する。
『ファイナルベント』
「シャー!」
「はぁぁぁぁっ!はあっ!!」
ファイナルベントを発動した王蛇は地を這うベノスネーカーに合わせて駆け出すと空高く飛び上がり、空中で宙返りした。
「あ、ああっ」
その様を死柄木はただ見ることしか出来ず悪あがきと言わんばかりに攻撃を凌ごうと身構えた。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
そして・・・"べノクラッシュ"を発動した王蛇の蹴りが容赦なく彼へ襲いかかった。
「うわっ!あああああああああああああああっ!!ぐわっ!!あ、あがっ・・」
王蛇の連続蹴りをまともに喰らった死柄木は悲痛な悲鳴を上げながら吹き飛ばされて地面に倒れるとそのまま爆散してしまった。
嘘だろ・・・!?まさか仲間を倒したのか??
「ああ〜」
王蛇は満足気に腕を下ろし、首を捻ると黒霧へ顔を向ける。
「浅倉威・・・何をやっているんですか!!!死柄木を・・・死柄木を殺したのですよ!?」
「だから何だってんだ?アイツはイライラさせ過ぎてムカついた。ここでくたばって貰ったぜェ?」
「それは・・・我々"敵連合"を裏切るという意味ですよ?」
「あの"アホ"からも既に報酬は貰っておいた。俺のイライラもすっかり消えた。感謝するぜェ?」
「貴様ッ!」
突然の裏切りに黒霧は激昂する。
「あばよ!俺はもうお前らに協力しねぇ。」
「ッ!待ちなさい!!浅倉威!待つのです!」
「お待たせしました!!」
「ッ!?」
王蛇が颯爽とした足取りで去っていった途端、助けを呼んでいた飯田君と雄英教師が駆けつけてくる。
「飯田天哉!ただいま戻りました!!」
「くっ!ここは退くべきですか!」
流石に分が悪いと悟った黒霧は他の敵を見捨てて一人ワープホールに入るとそのまま撤退していく。
こうして雄英教師による尽力もあり、施設内にいた敵は全て捕えられ突然起こった今回の襲撃事件は幕を閉じるのであった。
かっちゃんの右腕が逝きましたが彼も彼で原作の序盤でデク君を散々虐めていた輩なので浅倉にボッコボコにされて貰いました。(決して爆豪アンチではありませんので悪しからず。かっちゃんも大事な人なのでボッコボコにされればデク君がもっと強くなるのです。※某サイコパス虎ライダーの様な考え)
・・・にしてもかっちゃんが逃げる程の相手なんて浅倉本当にヤベェ奴だ。
ドラグレッダーとベノスネーカーが睨み合う描写は龍騎原作でガイ撃破後に描かれた龍騎と王蛇のシーンをオマージュしました。
そして、以前からチラつかせていた王蛇こと浅倉による犠牲者の記念すべき1人目は・・・まさかの死柄木弔でした。(しかもガードベントされる始末)
いやヒロアカ原作の重要人物が序盤で死んどるやないか!ってツッコミもありますがここで敢えて言及します。
"本作のラスボスは死柄木でも何処かの梅干しでもありません"
ですので死柄木には申し訳ないのですがここで退場させて頂くことになりましたがこうなってしまった以上、何処かの梅干しブチギレ案件なのでそれも描ければなと思います。まあ、そもそも浅倉を雇ったのは彼ですが……
今後、死柄木の様に浅倉の手によって誰かが死ぬ可能性もありますが悪しからず。(志村転弧のくだりも無い……かも?)
龍騎アカデミア再編版を製作検討中!
-
いる。再編して欲しい。
-
いらない。このまま続き描いて。