緑谷出久の龍騎アカデミア   作:ジャック・オー・ワンタン

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皆さん。明けましておめでとうございます。

今年も本作をどうぞ宜しくお願いいたします。
休載期間で1/22に投稿となっておりましたが前倒しして
本日から連載再開でございます。

さて、今年初っ端から気になるサブタイトルですが察しの良い方はもうお気付きでしょう。

例のライダーの変身者が決まります。


第5章:体育祭編
第27話:麗日お茶子と鏡の男


「以上が今回のUSJ事件の全容です。」

 

雄英高校会議室・・・ここでは先日起こった雄英高校USJ襲撃事件に関しての会議が行われていた。

 

会場には警部の塚内、須藤、根津校長、オールマイト、ブラッドキング、スナイプ、ミッドナイト、そして香川秀行の面子が揃っていた。

 

「敵(ヴィラン)連合・・・そして浅倉威か。まさか敵側にも仮面ライダーが現れるとはな。」

 

須藤が纏めた事件の資料を目にしながらオールマイトは低い声で呟いた。

 

「浅倉威って以前にシンリンカムイとデステゴロを戦闘不能に追い込んだ敵よね?」

「ああ、それも個性はおろか鉄パイプ一本でやられたらしいな。」

「個性も使わず鉄パイプ一本で!?そんなもので二人を倒したのか!?」

「それが浅倉威って男ですよ。」

 

驚くブラッドキングに須藤はそう言葉を返した。

 

「ところでエンデヴァーが浅倉威の行方を追っているそうだけどあれから何か進展はあったのかい?」

「いいえ、まだ彼からは何も連絡がありません。」

 

エンデヴァーの進捗を聞いた根津に塚内は首を横に振る。

 

「No.2ヒーローのエンデヴァーを持ってしても影も形も掴めないなんてな。相当なやり手なんだろうな。浅倉って奴は。」

「どさくさ紛れとはいえ敵連合を率いていたリーダーを裏切って殺害した程だからな。」

「塚内、一ついいか?」

「なんだ?」

 

ふとオールマイトは塚内にある事を尋ねる。

 

「敵連合のリーダーであり死亡が確認された死柄木弔という青年だが・・・彼の素性は分かったのか?」

「残念ながら分からずじまいだ。遺体も浅倉の使役していたミラーモンスターの毒で殆ど溶けてしまい、爆発の時の焼け跡も激しい。」

「おいおいミンチよりひでぇな・・・」

 

死柄木弔の遺体の状態を聞いてブラッドキングは思わず顔を顰めながら冷や汗を流した。

 

「オールマイト、何故急に死柄木弔の遺体の事を聞いたのです?」

「いや、一つ引っかかる事があってな。」

 

ミッドナイトの言葉にオールマイトは神妙な表情を浮かべながら右眼から青い瞳を光らせた。

 

「何故、まだ若いあの青年に多くの敵が従っていたのかが引っかかってな・・・」

「あの青年は傀儡で裏に影響力のある人物がいる・・・そう仰りたいのですね?」

 

彼の思惑をいち早く察した香川がそう言うと一同に緊張がはしった。

 

「考えれば分かることです。これまで自分達の為だけに動いてきた敵が従う程のカリスマ性を持った人・・・ヒーローの世界にもいるのなら逆も然りでしょう。皆さんもそう思いませんかな?」

「香川先生の言うことは一理あるね。」

 

香川の推測に根津もまた納得する。

 

「校長、敵連合の件ですが・・・私が調査しても宜しいでしょうか?なにか嫌な予感がするのです。無論、生徒の授業に支障をきたさない程度に・・・」

「勿論、大丈夫だよ。」

「ありがとうございます。」

 

敵連合調査を快諾してくれた根津にオールマイトは深々と頭を下げた。

 

「オールマイトが動くから私達警察も動こう。須藤、それでいいな?」

「はい、私も異論はありません。」

「塚内、須藤君。恩に着る!」

「こちらこそ平和の象徴と慕われる貴方とご一緒出来るのは光栄です。一緒に敵連合を倒しましょう!」

「ああ!」

 

オールマイトと須藤は互いに笑みを浮かべると椅子から立ち上がって固い握手を交わすのだった。

 

◇◇◇

 

浅倉威と仮面ライダーシザースこと須藤雅史との邂逅を果たしてから数日後・・・ようやく雄英高校への登校再開が許された僕はやや浮かれない表情で登校した。

 

「あっ!緑谷おはよう!」

「おはよう。芦戸さん。」

 

教室に入るといつもと変わらず明るい芦戸さんが真っ先に挨拶してくれると轟君を除く他の皆がこちらへ顔を向けた。

 

「おはよう!緑谷君!」

「デク君、おはよう!」

「麗日さん、飯田君おはよう。」

 

イツメンとなった二人に微笑むと僕はそのまま自分の席に座り、いつもなら目の前にいるであろうとある人物の座っている席を見たがそこに彼の姿は無かった。

 

『爆豪少年の右腕だが・・・もう治らないかもしれない』

 

あの事件直後にそう言ったオールマイトの言葉がふと頭に過ぎる。母さんから聞いた話だとかっちゃんはまだ入院が必要らしく右腕のリハビリも頑張っているそうだ。今日位に一度登校するかもしれないと言っていたが結局来れなかったようだ。

 

「デク君?」

「うわっ!な、何?」

 

突然、こちらの顔を覗き込んできた麗日さんに驚いて我に返った。

 

「どうしたん?元気ないけど」

「あ、ううんなんでもないよ・・・」

「もしかして・・・爆豪君のこと気にしてるん?」

「えっ?いや・・・それもそうだけど・・・」

 

心配そうにこちらを見つめてくる麗日さんの顔を見て僕は更に忘れかけていたあの夢の事を思い出す。

 

『キミはいずれ・・・ボク自信になる。』

 

黒い龍騎に変身していたもう一人の僕・・・

 

「デク君、またボーッとしてるよ?」

「あ、ご、ごめん麗日さん。」

「どうした緑谷。朝から浮かないぞ?」

「何かあるなら相談に乗るぞ緑谷」

「えっ!?あ、いや大丈夫だよ!大丈夫だから!」

 

麗日さんに続いて集まってきた飯田君と障子君にも慌てて首を横に振り、「大丈夫」と答えた・・・その時だった。

 

ガラガラ

 

教室のドアが開き、入室してきた人物を見た途端、雑談していた皆は一斉に沈黙する。

 

「皆さん、おはようございます。HRの時間ですよ?」

 

そう僕らに堅苦しい口調で言ってきた香川先生に辺りは緊迫して颯爽と自身の席へ座った。

 

「えー、爆豪君以外皆揃っていますね。それではHRを始める前に皆さんにお伝えがあります。」

 

香川先生の言葉に皆はゴクリと息を呑む。

 

「近々、体育祭があります。」

((が・・・がっぽーい!!!※学校ぽいの略))

 

その知らせに皆は緊迫した表情のままほぼ同時に心の中で叫んだ。恐らく今、教壇に立っていたのが相澤先生なら歓喜に包まれていただろう。

 

「しかし、ヒーロー科の体育祭は普通の学校とは違います。皆さんはヒーロー志望。故に多くのヒーロー達に目がつく機会です。今後行われる職場体験でヒーロー達は皆さんをスカウトします。スカウトされるよう頑張って取り組んで下さい。」

「あの!香川先生!」

「はい、なんでしょうか?飯田君。」

 

すると飯田君が勢いよく手を挙げて質疑する。

 

「職場体験と先程仰っていましたがそれって・・・」

「ええ、そうです。体育祭が終わった後、君達の実力を見込んだ現役ヒーロー達がスカウトするのです。皆さんはスカウトされた場所へ職場体験に行ってください。」

「うおー!という事は有名なヒーローの仕事を間近で見れるってことか!?」

「す、すげぇ!」

「切島君、上鳴君。喜ぶ気持ちは分かりますが今は静粛にして下さい。」

「「あ、はい。すみません」」

「・・・バカじゃねーの?」

 

咄嗟に興奮した切島君と上鳴君は案の定怒られてしまい、肩を竦めて席に座る二人に耳郎さんはボソッと愚痴を漏らした。

 

職場体験か・・・どんなヒーロー達が僕らをスカウトしたくるんだろう?いや、その前に体育祭だよね。頑張らないと!!

 

「体育祭の日程はまた後日、説明します。他に質問はありませんか?」

 

香川先生がそう僕らに顔を向けた時だった。

 

「ケロ・・・香川先生。一つ良いですか?」

「なんでしょうか?蛙吹さん。」

 

すると蛙吹さんが恐る恐る挙手してある事を尋ねた。

 

「相澤先生や13号先生は大丈夫なんですか?」

「ええ、お2人や爆豪君は心配ありません。私は今日、相澤先生の代理で貴方達を指導します。相澤先生は数日すれば復帰しますのでそれまで何かあったら私に言ってください。では、HRは以上です。」

 

香川先生はそれだけ僕らに伝えると颯爽とした足取りで教室を出ていった。

 

「体育祭か!燃えてきたな!」

「ああ!それにヒーローからのスカウトもあるんだろ?益々燃えてきたぜ!」

「うん!そうだよね?麗日さん。」

 

色々あるが僕もまた気を取り直して体育祭に意気込みを入れながら麗日さんに顔を向けた。

 

「え、あ・・・うん!そうやね。」

「どうしたの?麗日さん。」

「ううん、なんでもないよ。」

 

今度は麗日さんが意味深な表情になっているのに気付き、首を傾げる。

 

・・・麗日さん。どうしたんだろう?

 

◇◇◇

 

「はあ・・・」

 

午前の授業が終わり、一時の休息を迎えた私・・・麗日お茶子は人気のない雄英高校の廊下を歩きながらふと窓から見える景色を眺めた。

 

「ヒーローのスカウト・・・私、絶対に負けられへん!絶対に!」

 

ギュッと拳を握り締めて来る体育祭に意気込みの言葉を漏らした。

 

私は建設会社を営む家に産まれた。でも、経営が滞り両親は頭を抱えながら日々を過ごしていた。幼い頃からその背中を見てきた私は何も出来ずただそれを見つめることしか出来なかった。

 

そんな時である。人々を笑顔にして回るヒーローの存在を知ったのは・・・

 

今まで一番笑ったあの瞬間・・・私もヒーローになって皆を笑顔にしたいと思うようになった。そして何よりどんな仕事よりも収入がいい。私がヒーローになれば両親も会社を続けていける。

 

だから・・・

 

「私が体育祭で一位取って注目を集めれば・・・お父さんもお母さんも楽になるんや・・・絶対に負けられへん!だから!」

 

そっと右手を伸ばし、空に光る太陽を握る仕草を取り笑みを浮かべた。

 

「負けられへん!頑張ろう!」

 

そう自分に言い聞かせ、元気を取り戻す。

 

「・・・っと、まだご飯食べてへんかったな。デク君も行ってるみたいだし早く行こうかな」

気を取り直して昼食を摂るべく歩き出そうとした・・・

 

その時だった。

 

キィィィン……キィィィン……キィィィン

 

「ッ!?な、何!?」

 

突然、耳を塞ぎたくなるような金切り音が響き渡り、その場に蹲る。

 

何?この・・・黒板を爪で引いてる様なこの音は・・・

 

そう思っていたのも束の間・・・金切り音は徐々に小さくなり聞こえなくなったかと思えば今度は知らない男の人の声が耳に入った。

 

「麗日お茶子か」

「えっ?」

 

突然、名前を呼ばれ近くの"鏡"に目を向けるとそこには顔の整った男がこちらを見て立っていた。

 

「キャッ!」

「あまり大きな声を出すな。俺はお前にしか見えていない。」

「えっ?じゃ、じゃあ幽霊なん!?」

「違う。」

 

青くなる私に男は首を横に振ると淡々と自身の名を告げる。

 

「俺は神崎士郎。嘗てライダーの力を使い、人々の命を弄んだ者だ。」




ここで神崎士郎再登場です。出さない予定でしたが結局出しちゃいました。

まあ、龍騎原作に出ていたゲームマスター的存在のチートライダーもまだ出ていないので神崎士郎にはバリバリ出番が必要になるでしょう。

麗日お茶子が神崎と接触した・・・という事はそうです!以前アンケートをとっていたあの仮面ライダーですが変身者は彼女となります!

変身者の候補は作者推しのねじれちゃん、ヒロアカファンからも人気のあるトガヒミコ、後は一番似合いそうな八百万なんかも良いかな?と思っていたのですが話の展開や流れからデク君と絡みの多い麗日を採用する事になりました。

本当はアンケートをとる予定でしたがこれらの候補を上げるとトガちゃんが圧倒的に多くなりそうなので作者で決めさせて頂きました。トガちゃんは別の作品でライダーになってるからね。・・・あれ?存在しない記憶だなぁ?(555アカデミアはインスピレーションが湧かなくて制作が止まっているなんて言えない)

設定は次の話辺りで出来ればと思います。

龍騎アカデミア再編版を製作検討中!

  • いる。再編して欲しい。
  • いらない。このまま続き描いて。
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