冒頭は前話終盤と同じく麗日お茶子sideからのスタートです。
「神崎士郎・・・さん?・・・ライダー?って何?」
私は鏡に映る男・・・神崎さんに恐る恐る問いかける。
「仮面ライダー・・・今はミラーモンスターの力を使ってこの世界に君臨し始めている存在だ。」
「あの・・・貴方はなんで鏡の中にいるんですか?」
「それを説明すると長くなる。そうだな・・・この世界でいう『個性』だと思え。」
神崎さんはゆっくり鏡の中を歩き出すと隣の窓に移動して私へ振り向いた。
「麗日お茶子。お前には"望み"があるな?」
「望み?それって・・・」
「俺にお前の望みを叶える力はない。だが、お前に力を与えることは出来る。」
「どういうこと・・・ですか?」
「最近、こんなものを見た事があるだろう?」
彼はそう言うと白い名刺入れの様なものを出して私に見せてくる。あれ?あの名刺入れ色は違うけど・・・見たことあるような?
「緑谷出久を傍で見てきたお前には直ぐ分かる筈だ。奴もまた仮面ライダーだからな。」
「デク君が・・・仮面ライダー!?」
神崎さんからデク君がライダーであると知って驚きを隠せなくなる。
「奴はヒーローになるという望みの為にデッキを受け取り、仮面ライダー龍騎として戦っている。無論、緑谷出久以外にもライダーの力を使っている者は存在する。」
「その仮面ライダーの力って何なんですか?」
私は冷や汗を流しながら恐る恐る尋ねた。
「最近この世界にも現れたミラーモンスターに唯一対抗出来る存在だ。ミラーモンスターには個性を含めた現実世界の攻撃は殆ど通用しない。だが、仮面ライダーの力があればミラーモンスターを使役し、奴らと戦うことが出来る。」
「・・・じゃあデク君も私の知らない所で仮面ライダーとして戦っている?」
仮面ライダーの力とミラーモンスターの事を聞いて私はデク君を思い浮かべる。
「麗日お茶子。戦え!自身の個性だけで無くライダーの力も使って戦え。お前にはその資格がある。俺はお前にこれを渡す権利がある。」
「・・・で、でも。」
「ライダーの力も使えばお前の望みを叶えることも簡単だ。」
「ッ!?」
そう言われ、私は神崎さんの持つ白い名刺入れに目を向けた。
あの力を使えばお父さんもお母さんも・・・デク君も助けることが出来る。
ゴクリと息を呑み、私は顔を上げるとゆっくり頷いた。
「ください!私にも!仮面ライダーの力を!」
「・・・よく決心したな。麗日お茶子。お前の判断は間違っていない。さあ、受け取れ!」
神崎さんは満足気に微笑むと白い名刺入れをこちらへ投げると私はそれを受け取って表面を見る。
白い名刺入れ・・・もといカードデッキの表面には何も描かれておらずミラーモンスターとも契約がされていない状態だった。
「クワーッ!」
刹那、鏡の中から一体の巨大な白鳥型のモンスターが現れると私の前まで羽ばたいて目の前に佇む。
「俺が集めたモンスターの一体だ。コイツと契約すれば仮面ライダーの力を得ることが出来る。」
神崎さんにそう言われ私はカードデッキから契約のカードを取り出すとそれを白鳥型のモンスター・・・ブランウイングの前へ翳した。
「クワーッ!!」
そして契約のカードから光が放たれると私はそのまま眩い光に呑み込まれていくのだった。
◇◇◇
「秋山さん!あっちです!」
「分かっている!」
体育祭が開催されると聞いたその日の帰り道、僕はミラーモンスターと遭遇し、合流した秋山さんと一緒に追跡していた。
各々ライダーに変身した僕らは閑静な住宅街に逃げたミラーモンスターを追って道路を走っていた。
「ン?」
「ンン!?」
「いたぞ!」
暫く道路を駆けていると近くの路地裏から出てきたレイヨウ型のモンスター・・・オメガゼールとマガゼールがこちらに気付いて僕らの前に並び立った。
どうやらもう逃げられないと観念したのか戦うつもりの様だ。
「緑谷!あの剣を持った奴をやれ!俺はアイツをやる!」
「分かりました!」
『ソードべント』
ナイトにオメガゼールを任せた僕はドラグバイザーでソードベントを読み込むと右手にドラグセイバーを手にしてマガゼールへと突撃した。
「ング!ヌオオオッ!」
マガゼールもまたハサミ状の剣を振り上げながら向かってくる応戦する体制を執ると僕とマガゼールの武器の刃が交錯し、鍔迫り合いとなった。
「んぐっ!意外と力が強い!でも・・・このっ!!」
「グァァ!!」
精一杯力を入れ、見事マガゼールの胴体を斬りつけると奴は仰け反りながら地面に倒れて悶絶する。
「よし!これで!」
そう呟いてバックルからカードを引こうとした時だった。
「グゥ!ヌグァ!!」
マガゼールは直ぐに起き上がると素早い脚を使って家屋の屋根に飛び乗るとそのまま逃げ出してしまった。
「なっ!待て!逃がすか!」
近くでナイトとオメガゼールが戦っている中、僕はマガゼールを追って駆け出すと奴は意外にも近くだった空き地へ逃げ出しており隠れ場所を探してキョロキョロしていた。
「待て!」
「ヌアッ!?」
僕に気付いたマガゼールは驚いた様子を見せながら後ずさりする。
よし!このまま一気に仕掛けよう!
そう意気込んで再度バックルからカードを引こうとした時だった。
「はっ!」
「グァァ!」
「えっ?」
突然、何者かがマガゼールの目の前に現れるとそのまま奴を斬りつけてダメージを与える。
なんだ!?一体誰なんだ?
「・・・ええっ!?」
驚きを隠せなかった。僕の目の前に現れたライダーは秋山のナイトでも手塚さんのライアでもはたまたこれまで出くわしたライダーでも無かった。
黒いグランメイルの上に白を基調としたアーマ、手にしている剣はナイトのものと似た形状となっており、バイザーの役目も果たすものだった。背中には白いベールの様なマント、そしてバックルには白いカードデッキと白鳥を模した紋章が付いていた。
なんだ?あの白い仮面ライダーは!?しかもこの体格は・・・女!?
「女性の仮面ライダー!?」
現れた謎の女仮面ライダーに動揺して彼女を見つめる。
そんな僕に構うことなく女仮面ライダーは無言でスッと首を上げるとマガゼールと相対し、バックルからカードを一枚引いてバイザーへ装填した。
『ソードベント』
「はっ!」
ソードベントで両刃型の薙刀を召喚した彼女はそれを手にすると何処か可憐な動きでマガゼールに連続で斬撃攻撃を喰らわせた。
「グギャァァァァ!!」
先の戦闘でかなりダメージを追っていたマガゼールに抵抗する力もなく地面に伏せて立ち上がるのがやっとの状態まで追い詰められる。
女仮面ライダーはそんなマガゼールの状態を見切って再びバックルからカードを一枚引くとバックルと同じ紋章が描かれたカードを装填した。
『ファイナルベント』
「クワー!」
ファイナルベントが発動すると何処からともなく白鳥型の大型モンスターが現れ、マガゼールの真後ろまでやってくるとそのまま翼を羽ばたかせてマガゼールを吹き飛ばした。
「ギャァァァァァア!!」
「ふん!」
そして・・・女仮面ライダーは勢いよく薙刀を横殴りに振り落とすと吹き飛ばされたマガゼールは胴体と下半身が離れて爆散してしまうのだった。
「・・・」
一連の戦闘を見届けた僕は思わず声を失って女仮面ライダーを見つめると彼女もまた僕に顔を向け、無言で佇んだ。
あっ!目が合った!兎に角、挨拶か何かしよう
「あ、あの!こ、こんにちは!貴女もライダーなんですよね?」
「・・・」
優しい声色で手を挙げながら女仮面ライダーに歩み寄ろうとした・・・次の瞬間。
「ッ!」
「うわっ!」
突然、彼女は持っていた薙刀を振るとそれが直撃して僕は盛大に地面へ倒れてしまう。
「・・・ッ!?」
すると女仮面ライダーは何も言わずにそのまま僕の前から知っていくのだった。
「いったぁ・・・」
攻撃された箇所を庇いながら既に居なくなった女仮面ライダーのいた場所を見ながらある事に気付く。
先程の攻撃は明らかに敵意のあるものでは無かったと・・・。
◇◇◇
麗日(ファム)side
ミラーモンスターを仕留めた私は直ぐにその場から離れると無言で変身を解除する。
「・・・デク君。ごめーん!!」
思わずあの場所にいた龍騎ことデク君を攻撃してしまったことを詫びてしまう。
バカバカバカ!私のバカ!緊張し過ぎてデク君を手じゃなくて薙刀で攻撃してもうたやん!!もう!私のバカ!
「はぁ・・・」
モンスターは倒せたものの危うくデク君まで倒しそうになってしまい私は一人、がっくりと肩を落としてしまうのだった。
さあ、満を持してのファム初登場回となりましたが如何でしたでしょうか?個性持ちのキャラがライダーに変身するパターンも悪くないと思い、今回麗日お茶子を変身者として採用しました。(そもそもヒロアカキャラの大半は個性持ちの為、このパターンが多くなるでしょう)
・・・という訳で仮面ライダーファムこと本作の麗日お茶子の設定を貼っておきます。
本作における麗日お茶子/仮面ライダーファム
体育祭開催前に神崎士郎と出会い、両親と緑谷を守りたいと決意した麗日がブランク状態のカードデッキを受け取った直後、ブランウイングと契約しライダーの力を得た。何気に初めての個性持ちライダーでもある。ファムのアドベントカードと同時に自身の「無重力」の個性も扱う。
※但し、無重力の個性はミラーモンスターに効かない為、他ライダーや瓦礫等を浮かせる際に使用する。
デッキ構成
アドベント
ソードベント
ガードベント
ファイナルベント
麗日お茶子の能力
個性:無重力(ゼログラビティ)
0AP。アドベントカードでは無い為、常時使用可能。
今回登場したミラーモンスター
オメガゼール、マガゼール
1話で登場したメガゼールの亜種。龍騎原作にも登場している。街を徘徊していた際に緑谷、秋山と出くわして逃走するも戦闘となった。マガゼールは初登場のファムにオメガゼールに関しては描写は描かれていないがあの後、ナイトのファイナルベントを受けて倒されている。
龍騎アカデミア再編版を製作検討中!
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いる。再編して欲しい。
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いらない。このまま続き描いて。