緑谷出久の龍騎アカデミア   作:ジャック・オー・ワンタン

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さあ、龍騎ファンの皆さんお待たせいたしました。

龍騎本編でも屈指のサイコパスキャラ……東條悟の登場です!


第29話:東條悟

 ここはとある場所に存在するバー・・・客人が一人もいないしんと静まりかえったこの店内にてモニターから嘆きの声を漏らす者がいた。

 

「弔が・・・死んだ!?何故だあああああああああああああっ!!!」

 

モニターに映っていた者の姿は異形と呼ぶに相応しく口に呼吸器の様なものを着用していた。

 

オールフォーワン・・・今回、雄英高校に多くの敵を派遣し、騒動を起こした敵連合の黒幕的存在である。

 

何故、彼は嘆いているのか?それはUSJにて多くの敵が拿捕された事でも自身の宿敵と言える平和の象徴オールマイトを仕留め損ねた訳でもない。それ以上に彼にとって悲しき事態が起こったのである。

 

そう・・・自身の後継者として溺愛していた死柄木弔が雇っていた浅倉によって殺害されたからである。

 

「申し訳ございません・・・私がいながら死柄木弔を守ることができず浅倉にも逃げられてしまいました。」

 

唯一生きて帰ってきた黒霧はバーのカウンターからモニターを見て謝罪した。

 

「いや・・・君が帰ってきただけでも良しとしよう・・・だが、困ったものだ。まさか浅倉が僕を裏切るなんて・・・」

「現在、ご指示された通り刺客を送り込んでおりますが未だ行方知らずです。」

「・・・あの男。僕をここまでコケにするなんて・・・クククククク」

 

浅倉にしてやられたオールフォーワンは思わず笑みを浮かべて落胆する。不覚にもこれは彼にとってオールマイト以外の人物に敗れた事態でもあった。

 

「しかしこれからどうなさるのですか?死柄木弔が居ない以上。誰があの人の代わりを?」

「代わり?僕が用意していないとでもいうのかね?」

「・・・え?」

 

オールフォーワンの言葉に黒霧はキョトンとする。

 

「万が一、弔が死んだ時・・・"彼"に後釜を務めるよう言っておいたんだ。」

「彼?」

「そう、本当は弔の右腕として紹介する予定だったけどね・・・そろそろここに来るはずだ。」

 

彼がそう言った途端・・・ドアが開き、一人の青年が入店してくる。

 

「貴方は?」

 

現われた青年に黒霧は恐る恐る声を掛けた。

 

「ここが言われた場所か・・・あっ!"先生"!!」

 

青年はテレビに映るオールフォーワンを見た途端、嬉しそうな声を上げながら駆け寄ってくる。

 

「こらこら先ずは君の仲間となる人に挨拶をしなさい。悟(さとる)」

「あ、はい!」

 

悟と呼ばれた青年は素直に答えると黒霧へ顔を向けた。

 

「初めまして。僕は"東條悟"。君が黒霧だよね?」

「え、ええ、そうですが・・・彼は・・・?」

 

にこやかに挨拶する東條を見て黒霧はオールフォーワンに尋ねた。

 

「彼は東條悟、弔の右腕として僕が用意した。彼は"英雄"になるのが夢だからね。弔の後釜としても適任だと思ったんだよ。」

「僕が途方に暮れていた時、先生に声を掛けられたんだ。そしたら「英雄にしてあげる」って言われてそれから先生は僕にとって尊敬する"大事な人"になったんだよ。」

「そ、そうですか・・・それで貴方はどのような個性を?」

 

黒霧が個性について尋ねると彼はポケットからあるものを取り出す。

 

それは虎の紋章が描かれた青色の名刺入れ・・・否、仮面ライダーの変身者であることを示すカードデッキだった。

 

「そ、それは・・・まさか!?」

「そう、彼は仮面ライダーなんだよ。」

 

驚く黒霧にオールフォーワンは笑みを浮かべ、両手を広げながら語り出す。

 

「これからの時代は個性だけでなく鏡の中のモンスターを利用できる仮面ライダーの力も必要になってくる。だからこそ彼は弔より都合がいいんだ。」

「死柄木君の事は先生に聞いたよ・・・僕が浅倉もヒーローも倒して英雄になるんだ。彼の死は無駄にしたくないから。」

「そうですか・・・では」

 

黒霧は東條の思惑を聞いて理解すると彼に手を差し伸べた。

 

「これから宜しく頼みますよ。東條悟。」

「うん、よろしくね。黒霧。」

 

彼もまた黒霧の手を握り、互いに固い握手を交わした。

 

英雄を夢見る青年、仮面ライダータイガこと東條悟・・・死柄木弔の後釜として彼を表向きのリーダーにした敵連合は新たな体制で前に進む。

 

USJで無念の死を遂げた死柄木の意志も受け継いで・・・。

 

◇◇◇

 

「先生、今日もお疲れ様でした。」

「ありがとう。ゴロちゃん」

 

ある日の昼下がり・・・北岡秀一は秘書である由良五郎が運転する車に乗り込んで事務所へと帰宅する。

 

今日、彼は過去にオールマイトが捕らえた敵の裁判が行われる為、その弁護人として拘留所を訪れていたのだった。

 

「明日はどんな予定が入ってたかな?ゴロちゃん。」

「明日はまたヒーローが捕まえた敵の弁護依頼っすね。」

「はぁ、まーたその仕事か・・・最近多いのよね。」

 

またしてもヒーローの捕まえた敵の弁護を務める仕事に北岡は溜息を吐いた。

 

「この世界のヒーローってホントくだらないよね。全員、ああなろうとした瞬間に失格なのよ。オールマイトもそうだ。アイツら全員、いきなりアウトって訳。」

 

彼のヒーローに対する愚痴をゴロちゃんは黙って聞きながら慣れた手つきで北岡の愛車を駆る。

 

「そうだゴロちゃん。今日のご飯は?」

「今日はまた餃子作りました。」

「おっ!ゴロちゃんの餃子、美味いからねぇ〜助かるよ。」

「ありがとうございます。早く帰って食わせます。」

 

そんなたわいもない話をしていた・・・その時だった。

 

キィィィン……キィィィン……キィィィン

 

「ッ!?」

「・・・先生!」

 

突然聞こえてきた金切り音にゴロちゃんは車を止めると北岡と共に辺りを見渡す。

 

そして・・・二人がほぼ同時に前へ顔を向けた直後・・・

 

「ガオオオオオオオッ!」

「「うわっ!」」

 

突然、現れた虎のモンスターが車に体当たりすると二人は車内で身体を揺らされてしまった。

 

「ッ!せ、先生!!先生!」

「あぁ、大丈夫だゴロちゃん。それよりあのモンスター・・・」

 

頭を抑えながら再び虎のモンスターへ視線を向けた北岡は浅倉に続く因縁の相手の存在を思い出す。

 

「アイツか?」

「先生・・・」

「大丈夫だゴロちゃん。直ぐ終わらせる。」

 

信頼する秘書にそう声を掛け、優雅に車を降りた北岡は険しい表情をしながら虎のモンスターを使役している青年と相対した。

 

「まさかお前もこの世界に来ていたなんてね。何?俺になんか用?」

「別に?偶然通りかかったら目に入っただけだよ。」

 

虎のモンスターを使役していた青年・・・東條悟は被っていたフードを脱いで自身のデッキを手にする。

 

「相変わらず嫌いだな。お前のそう言う所・・・変身!」

 

それを見て、察したかのように己のデッキを取り出した北岡は直ぐにゾルダへ変身する。

 

「変身!」

 

東條もまた変身ポーズを執って腰に装着したベルトのバックルへカードデッキを装填すると白銀と青を基調とした虎の仮面ライダー・・・タイガへその姿を変えた。

 

「ふん!」

 

するとゾルダはマグナバイザーの銃口をすぐ様タイガへ向けていくつか発砲する。

 

「はっ!」

 

しかし、タイガは斧型の召喚機『デストバイザー』を巧みに扱って全弾受け流してみせた。

 

両者一歩も退かない戦闘を繰り広げるとマグナバイザーの銃撃をくぐり抜けながらゾルダへ接近したタイガが攻める。

 

「はあっ!」

「ッ!」

 

デストバイザーを振り落として攻撃するタイガに対してゾルダは腕やマグナバイザーで受け流すも徐々に押され始めてしまう。

 

「先生!」

 

劣勢になるゾルダを見てゴロちゃんは心配そうな表情を見せ始める。

 

(まずい・・・知らない内に強くなってるよ・・・あんなに青臭かったアイツに俺が・・・)

「へぇ〜その程度なの?」

「チッ」

 

タイガの煽りに舌打ちしたゾルダは再び遠距離戦へ持ち込む為、持ち前のパンチ力を駆使したカウンターを繰り出した。

 

「はあっ!」

「うわっ!」

 

見事パンチが直撃し、地面に転がった隙を見てゾルダは距離を取るとバックルからカードを一枚引いた。

 

『アドベント』

「ブロロロロロロロ!」

 

何処からかマグナギガが現れるとゾルダは更にもう一枚カードを引いてマグナバイザーへ装填した。

 

『ファイナルベント』

「はぁ、はぁ・・・終わりだ!」

 

勝利を確信し未だ倒れているタイガを見ながらマグナギガの背部にバイザーを差し込む。

 

「フッ」

 

しかし、タイガは仰向けに倒れたままいつの間にか引いていたカードをデストバイザーへ装填した。

 

『フリーズベント』

 

そんな音声が響き渡った瞬間、マグナギガはまるで時が止まったかのように制止して動きを止めてしまった。

 

「なっ!?」

 

ファイナルベントを阻止されたゾルダは引き金を引いても反応しないマグナギガを見て困惑する。

 

『ファイナルベント』

 

そして・・・起き上がったタイガは自身のバックルにある紋章が描かれたカードを装填し、ファイナルベントが発動した。

 

「ガオオオオオオオッ!」

「うわっ!」

 

先程、現れていた虎型モンスター・・・タイガの契約モンスターであるデストワイルダーがゾルダを背後から張り倒すとそのまま自身の爪で首元を拘束し、そのまま地面に引きづった。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「先生ーッ!!」

 

抵抗出来なくなり、そのままデストワイルダーと同じ爪の武器を構えたタイガのファイナルベント・・・クリスタルブレイクが正にゾルダへ繰り出される。ゴロちゃんの叫びも虚しくこのまま彼がタイガにやられると思われた・・・次の瞬間。

 

「グオオオオオオオッ!」

 

突然、現れた赤い龍が炎を吐いてデストワイルダーへ攻撃するとクリスタルブレイクは未遂に終わり、ゾルダは地面に転がった。

 

「何!?」

「はぁ、はぁ、はぁ、な、なんだ?」

 

自身のファイナルベントが阻止されたタイガは少し慌てた様子で赤い龍が現れた場所を見る。

 

そこには赤い龍のミラーモンスター・・・ドラグレッダーを使役する仮面ライダー・・・龍騎の姿があるのだった。

 




まさか死柄木の後釜としてコイツが出てくる展開を誰が予想したのでしょうか?

にしてもオールフォーワンは大事な人認定された時点で死亡フラグが立ってしまいましたが東條はオールフォーワンに勝てないので大丈夫でしょう。(危機感知みたいな個性を所有しててもおかしくないので不意打ちも聞かないと思いますし)

そして、後半の戦闘シーン。何故、緑谷がゾルダとタイガの前に現れたのか?その経緯も次の話で詳しく描いていきます。

という事で東條こと仮面ライダータイガの設定です。

東條悟/仮面ライダータイガ
ICV:高槻純
原作同様、仮面ライダータイガに変身する。浅倉によって殺害された死柄木弔の後釜としてオールフォーワンが新たに後継者として選んだ人物。個性を持たない事、更にはライダーの変身者であることからオールフォーワン自身も「弔より都合がいい」という事で担ぎ上げており、本人もオールフォーワンの事を先生と呼んで慕っている。

「英雄になる」という考えを捨てておらずヒーロー、連合に所属しない敵、ライダーを全て倒す事こそがこの世界で真の英雄であるという考えを持っている。

原作で死んだ後、ヒロアカ世界に転送され、途方に暮れていたところをオールフォーワンに助けられ「僕が君を英雄にしてあげる」と言われた事で彼を尊敬する様になった。

デッキ構成
アドベント
ストライクベント
フリーズベント
リターンベント
ファイナルベント

現時点でのライダーの立ち位置
ヒーロー側:緑谷/龍騎、秋山/ナイト、香川/オルタナティブ・ゼロ、手塚/ライア、麗日/ファム(NEW)
敵側:芝浦/ガイ、須藤/シザース、浅倉/王蛇、東條/タイガ(NEW)
中立:北岡/ゾルダ
脱落者:無し


1月21日追記

投稿ですが暫く休止となります。※詳細は活動報告にて

龍騎アカデミア再編版を製作検討中!

  • いる。再編して欲しい。
  • いらない。このまま続き描いて。
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