緑谷出久の龍騎アカデミア   作:ジャック・オー・ワンタン

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さあ、お待たせしました!爆豪復活&ライダーデビュー回です。

変身するのは・・・ディケイドで出てきたアイツ。
そう!奴です!・・・が、原作とは少し異なる設定になっています。

果たしてどんな活躍をするのか?お楽しみください。


第32話:復活のかっちゃん

USJの一件から数週間経った頃、爆豪は・・・

 

「くっそおおおおおおっ!!!」

 

深夜の人気のない病室で右腕を強く振り落とし、悔し気な表情を浮かべた。

 

浅倉威の変身する仮面ライダー王蛇によって右腕の個性を再起不能にされた爆豪は懸命なリハビリも虚しく右手から二度と爆破の個性を出すことが出来なくなった。

 

それは同時に彼の夢見たヒーロー生命に大きく支障が出ることを意味していた。

 

「なんで・・・なんで俺がこんな目に合わねぇといけねぇんだ!!」

 

プライドも個性も踏みつぶされた彼は激しく嘆くと同時に今まで幼馴染にやってきたことが自分に返ってきたのだと後悔する。

 

デクは・・・出久はすげぇ。無個性なのに個性のある俺に堂々と立ち向かい、転んだ俺に躊躇なく手を差し伸べたあの姿・・・

 

眩しかった!逞しく見えた!だから俺は負けたくなかった。でも・・・その思いが強くなりすぎて気が付けばアイツを蔑んでいた。

 

アイツは道端の石っころなんかじゃねぇ!俺と同じヒーローに憧れて・・・俺と同じ夢を持って無個性なのに・・・いや、無個性だから人一倍の努力家で・・・

 

そんな出久が眩しかった。だから・・・負けたくなかった!

 

「なぁ出久・・・」

 

爆豪はベッドに半身起こしながら力ない声で呟いた。

 

「今、ごめんって言ったら・・・お前は許してくれるのか?いや・・・お前だったら絶対俺を守れなくて責任感じてるよな・・・余計なお節介かますお前なら・・・ごめんな・・・」

 

震える彼の両手にぽつりぽつりと雫が落ちる。

 

「ごめんな!!出久!!ぐすっ・・・」

 

俺にお前と張り合う力をまた手に入れられたら・・・今度はちゃんと・・・爆豪がそう願った時だった。

 

キィィィン……キィィィン……キィィィン

 

「ぐっ!!」

 

突然、鳴り響いた金切り音に爆豪は耳を塞ぐや否や・・・

 

「うっせーぞ!!誰だこんな夜中に!!殺すぞ!!」

 

いつもの調子に戻って金切り音にキレ散らかした。

 

「爆豪勝己か?」

「あん?」

 

ふと、誰かに名前を呼ばれて部屋の窓に顔を向けるとそこには鏡のみに存在する男・・・神崎士郎の姿があった。

 

「っ!?」

 

爆豪は咄嗟にベッドから飛び上がって後ろを振り向くもそこに神崎の姿はなかった。

 

「あ?どうなってんだ!?」

「俺は鏡の中でしか実体を持たない。」

「ッ!?なんなんだテメェは!?」

 

今度は目の前に立ってある鏡に姿を映した神崎に爆豪は驚きの表情を浮かべた。

 

「爆豪勝己、お前に望みはあるか?」

「なんでテメェにそんなもん話さねぇといけねぇんだよ!失せろや!!」

 

望みは何かを尋ねてくる神崎を爆豪は睨みつける。

 

「緑谷出久・・・彼が俺の授けたライダーの力で自らの望みを叶えようとしている。・・・と言ったら?」

「ッ!?・・・何!?」

「俺は仮面ライダーの力を授け、望みを叶えることが出来る。力次第ではお前の右腕の代わり以上の役割を果たせる。」

 

神崎はそう言うとポケットから鳳凰の様な紋章が描かれた茶色のカードデッキを取り出して爆豪に見せた。

 

「ソイツ、出久の持ってたのとそっくりな・・・」

「これは俺のデッキだから渡せないが"最後の一つ残った"デッキがある。それをお前にやろう。どうだ?これで緑谷出久と同じ土俵で戦えるぞ?」

 

自信のデッキをポケットに戻した神崎を見ながら爆豪は考える。

 

アイツが仮面ライダーとして自分の望みを叶えている?よく分かんねぇがあのよく分からねぇ名刺入れを手に入れたら・・・出久と俺の右腕を殺したあの蛇野郎に勝てるのか?

 

・・・面白ぇ!!

 

不敵な笑みを浮かべ、爆豪は神崎へ再び顔を向けた。

 

「おい、そのライダーの力っての俺に寄越せよ!あの蛇野郎をぶっ殺して出久にも俺が強いことを証明すんだ!!」

「・・・それがお前の望みか。なら、後はこれを使って叶えられるかはお前次第だ。」

 

神崎はそう言うと紋章の無い水色のデッキを爆豪へ投げ渡すと彼はそれを右手で受け取ってライダーの力を得る。

 

「ケッ」

 

爆豪はカードデッキから契約のカードを引き抜くと彼の目の前に神崎が用意した鮫型のモンスター・・・アビスラッシャーが現れた。

 

「"契約のカードが二枚"もあんのか・・・まずはこの鮫野郎と契約だな。」

 

その言葉に呼応したアビスラッシャーに目を向けた爆豪はそのまま契約のカードを翳すと辺りはまばゆい光に包まれていくのだった。

 

◇◇◇

 

東條悟こと仮面ライダータイガとの邂逅を果たし、ゾルダのファイナルベントによって吹き飛ばされた僕らは何とか無事を確認し、一時を納めた。

 

しかし、浅倉こと王蛇を倒せた訳ではなく彼や東條もまた生き延びているのは確かであった。

 

麗日さんの介抱もあってなんとか自宅に帰れた翌日、僕は朝一で教室の自席に座って未だ空席である前の席・・・かっちゃんの席を見やる。

 

あれから懸命なリハビリも虚しく右腕の個性が治らなかったと聞き、今日から復帰するとかっちゃんの両親から聞かされていた。

 

・・・僕のせいだ。僕がもっと浅倉に対応出来ていればかっちゃんは右腕の個性を失うことはなかった。

 

「おい」

 

ふと、誰かに声を掛けられて僕は顔を向けるとそこには白髪と赤髪が半分の人・・・轟焦凍の姿があった。

 

彼は推薦で入学してきた人でそのクールな雰囲気からロクな会話をしたことが無かった。

 

そんな人が珍しく僕に話しかけてきたのだ。多分、教室に僕しか居ないからだろう。

 

「えっと・・・確か轟君だよね?」

「ああ、そうだ。」

 

轟君は顔をそっぽに向けながら答える。

 

「それよりも初めましてだよね?改めて僕は緑谷出久!宜し・・・」

「チッ、くだらねぇ事を勝手に答えるなよ。」

「あう・・・」

 

僕の言葉を遮りながら舌打ちした轟君はギロっとこちらを睨みながら問いかけてくる。

 

「俺の質問にだけ答えろ。お前は一体、何者なんだ?」

「えっ?どういう・・・こと?」

「オールマイトの授業、USJの時もそうだ。お前はよく分からねぇ名刺入れを翳しながら変なコスチュームに変身する。そうだよな?」

 

轟君の問いかけに僕は戸惑う。・・・というか変なコスチュームは直球すぎない?

 

「最近、妙な話を聞くんだ。鏡から変なバケモンが出てきて人を襲ってるって話をな。」

「ッ!?」

 

彼の言葉に焦りの表情が出る。恐らくミラーモンスターのことだろう。

 

「で、そのバケモンと戦ってる・・・いや、唯一そのバケモンに干渉できる奴らがいるって話を聞いたことがある。お前は知らないか?」

「そ、そんな話・・・何処で聞いたの?」

「俺に質問するな!答えろ!」

「ひっ!?」

 

誰に聞いたのか?を逆に尋ねた瞬間、轟君は怖い顔で睨んでくる。

 

ここで正直に言ったら・・・何されるんだろう?・・・ッ!?もしかして轟君もライダー?

 

そう思った時だった。

 

「おっはよー!」

「おはよう。緑谷。早いんだな。」

 

芦戸さんと耳郎さんが教室に入り、僕と轟君の間にあった緊張感は一気に消え失せた。

 

「チッ」

 

轟君は舌打ちすると分が悪いと感じたのか大人しく自分の席へ戻って行った。

 

「あれ?今のって轟だよね?何話してたの?」

「あ、いや・・・何も話してないよ。」

「そうなのか?なんか超怖い顔してたけど・・・」

 

耳郎さんは沈黙した轟君を恐る恐る見てそう言った。

 

「おはようデク君。あっ、芦戸ちゃんも耳郎ちゃんもおはよう!」

「おはよー!麗日!」

 

続けて麗日さんも登校してきて女子二人は彼女の元へ向かう。

 

それにしても・・・轟君はなんであんなにミラーモンスターとライダーのことを聞いてきたのだろう?仮に彼がもし仮面ライダーだとしたら何故、そんなものを手にしたのだろう?

 

"個性は凄く優れている"のに・・・

 

そんなことを考えながら次々登校してくるクラスメート達をよそにしれっと轟君へ顔を向けるもその時間は突如として終わりを迎えた。

 

ガラガラ

 

不意に教室のドアが開き、皆がそちらに顔を向けて静まり返った。

 

「かっちゃん・・・」

 

教室に入ってきた人物・・・かっちゃんこと爆豪勝己の姿を見て僕は彼の名を呟く。

 

「よ、よお!爆豪。大丈夫か?」

 

ムスッとした表情を崩さないかっちゃんに切島君が声を掛けるが彼はそれを無視して僕の前に座る。

 

かっちゃんの右腕の件を知っていた皆は自然と重々しい空気が流れてしまう。そんな中、轟君はただ一人「興味がない」と言わんばかりに自身の席から見える外の景色を眺めていた。

 

しかし、そんな空気も長くは続かず続けて教壇側のドアが開くと見知った人物が相変わらずダルそうな表情で教室に入ってきた。

 

「相澤先生!!」

「ケロ!あの様子だと大丈夫そうね!」

「うんうん!良かったよ!」

 

我らが担任・・・相澤先生を見た途端、一同は明るい空気に包まれていく。そっか・・・相澤先生も今日から復帰だった!良かったぁ!!

 

僕もまた安堵に包まれて胸を撫で下ろす。

 

「・・・俺の心配よりさっさと席につけ。」

 

相澤先生は立ち上がった一部の人達にそう言いながら名簿を教壇の上に置いてHRを始めた。

 

「え~俺と爆豪が今日から復帰した。USJの件、皆には迷惑をかけた。すまなかった。」

 

開口一番に僕らへ謝罪の言葉を述べると続けて今日の日程を話した。

 

「香川先生から体育祭のことを聞いていると思うが、俺からも改めて説明しておく。雄英の体育祭はプロヒーロにも注目してもらう一大イベントだ。心して臨むように。それと今日の日程だが、以前出来なかったUSJの授業を行う。全員、準備を済ませたら校門前のバスに乗るように。以上だ。」

「よし!全員準備だ!」

 

相澤先生が説明し終えた瞬間、飯田君が立ち上がって僕らに指示を出す。

 

「僕も準備しよう!」

 

僕もまたUSJへ向かう準備をしようと席を立った時だった。

 

「・・・出久。」

「えっ?」

 

ふと、かっちゃんに呼び止められる。しかも本名で呼ばれて・・・

 

「かっ・・・ちゃん?」

「いや、なんでもねぇ。」

 

彼はそう言い残すと自分の席を立って黙々と準備を始める。

 

僕はかっちゃんに違和感を感じながらも気を取り直して準備を進めるのだった。

 




今回はヒロアカ2期のアニオリの話となります。

薄々感じていると思いますが浅倉の件以降、爆豪はデク君に対しての態度は超軟化します。(多分)

轟君の思惑は何なのか?も気になるところですがミラーモンスターやライダーについては多分、あの人から聞いた・・・いや、聞かされたんだろうなぁ~

この頃の轟君は大分、クールだったのですが後半の天然なイメージが定着しているせいか初期の轟君通りに描けていなかったらすみません。

そして、かっちゃんの変身するライダー・・・もう、お分かりですよね?

そうです!ディケイドで登場した龍騎系ライダー・・・アビスでございます!・・・が、前書きでも言っている通り設定がちょっとことなっているのでそれは次話でご説明できればと思います。

更に神崎が爆豪に対して最後の一つ残ったデッキと言っていましたがこのセリフから察せるように"例のチートライダー"を除く未だ見登場のライダー・・・ベルデ、インペラーは既に誰かの手に渡っていると思っていただいて構いません。

一応、誰が変身するのか決めていますがそれが誰なのか?今は皆さんのご想像にお任せ致します。

龍騎アカデミア再編版を製作検討中!

  • いる。再編して欲しい。
  • いらない。このまま続き描いて。
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