緑谷出久の龍騎アカデミア   作:ジャック・オー・ワンタン

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続きになります!


第43話:謎の手紙

シザース退場から一夜、彼によって殉職した塚内警部らの葬式が終わるとオールマイトは暗い表情で"遺骨が入っていない箱"を墓地に納めた。

 

僕と秋山さん、手塚さんも葬式に出席し須藤警部の死を惜しんだ。

 

無論、今回死んだのは塚内だけでもない。自分の罪を償うことせずにいなくなった須藤もそうだ。

 

彼の使っていたカードデッキは秋山さんが回収した後、雄英高校に寄贈された。サポート科にカードデッキを研究させ、ヒーローでもミラーモンスターに対応できる術を見つける為だそうだ。

 

「塚内が死んだのに私が何も出来なかったことが不甲斐ない。」

 

葬式後、オールマイトは悔しげな表情を浮かべる。いくら平和の象徴でもライダーに対抗する術は無いという現実に僕もまた悔しくなった。

 

「悔やんでいる暇は無いだろう。お前はお前のやれることをしろ。」

「そうだな。」

 

落ち込むオールマイトに対して秋山さんはそう励ます。そうだ。今は自分達に出来ることをしよう。

 

「だが、ライダーの力を悪用する者が1人減ったのは大きい。問題は東條だな。」

「そうですね・・・。芝浦を誘って何をするのか分からないんですけど。」

「敵側に5体のライダーが居ると考えると一刻も早く手を打たねばならんな。」

 

シザースを除いて敵側のライダーはタイガ、ガイ、インペラー、ベルデそして王蛇・・・対してヒーロー側は僕と秋山さん、手塚さん、かっちゃん、そして麗日さん。オルタナティブを含むなら香川先生と心操君もそうだろう。

 

そして未だ中立を保っているのが北岡さんだ。彼のボディガードと言える由良さんがデッキを持っている時は加勢してくれそうだが基本的にこの2人が僕らに協力するのは無さそうだ。かと言って敵側にも手を貸すことは無い。それが救いだろう。

 

「そう言えばシザースのデッキってサポート科に渡ったんですよね?」

「ああ、今は香川先生の管理下に置かれている。オルタナティブのデッキを作成した実績のある彼なら指導できるだろう。」

「とはいえ敵を野放しには出来ない。そうだろう?」

 

手塚さんはそう言って秋山さんを見ると彼は深く頷いた。

 

「俺と手塚は引き続き浅倉達の行方を捜す。あわよくば倒すつもりだ。北岡も浅倉を倒すことにはやる気を出すだろう。行くぞ。手塚」

 

秋山さんと手塚さんはそのまま葬儀場を去っていく。

 

「緑谷少年も早く帰りなさい。学校も対応に追われている。私も戻らねばな。」

「分かりました・・・」

「どうしたんだ?」

 

未だ腑に落ちない顔をする僕にオールマイトがいつもの笑顔で見てくる。

 

その顔、笑えてないよオールマイト。らしくない。貴方らしくない!

 

「無理、しないでくださいね。」

「ッ!?」

 

僕の言葉にオールマイトはハッとなって顔を俯かせる。そうだ、貴方はどんな時だって笑顔だった。

 

「すまんな。緑谷少年。私もいつまでもくよくよしてはいかんな。」

「オールマイト!」

 

サムズアップした彼に僕もまたサムズアップを返す。塚内警部の死を乗り越えたオールマイト。彼もまた前を向き、ライダーと戦う決意を心の中で固めていくのだった。

 

◇◇◇

 

塚内警部の葬式に出席した僕は午後から雄英に戻り、授業を受けた。体育祭の延期もあり、まだまだ不安定な状況が続いていたがA組の皆は調子が良かった。

 

僕とかっちゃん、麗日さん。そして僕の正体を探ろうとしている轟君を除いては。

 

「ただいま」

 

 

なんとか家に戻ってきた僕は塚内警部の香典を出してくれた母さんに礼を言おうとした時だった。

 

「出久!戻ったのね。」

「え?どうしたの?」

 

少し焦った様子で玄関にやってきた母さんを見ると手には手紙のようなものがあった。

 

なんだろうか?

 

「貴方宛に手紙が来てるわよ。宛先は分からないんだけど」

「手紙?」

 

手紙を受け取って眉を寄せる。僕宛てに手紙?一体誰からなんだ?それも宛先が分からないって・・・

 

怪しい手紙じゃないか疑いつつもその場で封を開けると中から一通の紙と写真、そして地図が入っていた。

 

なんだこれ?そう思いながら手紙に目を通すと判明した差出人に目を見開いた。

 

『ライダー力を悪用する者たちがこの世界を歪ませようとしている。そろそろ俺も動く。龍騎の力を得たお前を試したい。心の準備が出来たなら写真にある屋敷まで来い。他のライダーには伝えずお前一人で来ることを希望する。 神崎士郎』

「神崎士郎!!」

 

写真にある屋敷を見ながら僕は手紙を持った手を震わせた。僕を試したい?一体どういうことだろうか?

 

それに僕だけで?何が狙いなんだ?

 

「出久?大丈夫?なんの手紙なの?」

「ん?あぁ!ご、ごめん!大丈夫!学校から僕個人に宛てての手紙だったみたい!体育祭まだいつやるか分からないって!」

「そ、そう・・・ならいいんだけど」

 

心配そうに見つめる母さんをなんとかはぐらかして僕は颯爽と自分の部屋に戻った。

 

神崎士郎・・・一体何を企んでいるのだろう?

 

◇◇◇

 

週末、僕は休日を利用して写真のある屋敷へ向かった。地図を見る限りこの辺りかな?

 

僅かな情報とスマホでの位置情報を頼りに閑静な山の麓まで辿り着く。

 

「あっ!あれだ!」

 

遂に写真にあった屋敷を見つめ、息を呑む。屋敷はかなり大きく正にお金持ちの人が住むそれだった。でも、凄く不気味だ。

 

だって誰も住んで無さそうな雰囲気を醸し出しているのだから・・・

 

 

「本当にここであってるのか?」

 

古ぼけた家の門を開けて敷地内に入ると辺りを警戒しながら屋敷の扉の前までやってくる。

 

「ご、ごめんください!誰か居ませんか?」

 

そう呼びかけるも返事は無い。間違えたのだろうか?と思っていた矢先・・・

 

「よく来たな。緑谷出久。」

「ッ!?」

 

屋敷の窓から声が聞こえ、振り返ると鏡の中に神崎士郎が立っていた。

 

同時にモンスター出現を意味するあの金切り音が聞こえ始め、緊張が広がった。

 

「手紙に書いてあった通り、お前を試させてもらう。」

「待ってください!試すって?」

「お前は秋山蓮や手塚海之、そして北岡秀一には無い力を持っている。最初はこの世界の者が持つものだと考えていた。」

 

神崎はそう言うと別の窓に移動し、再びこちらに体を向けて続けた。

 

「だが、仮面ライダーファム麗日お茶子。仮面ライダーアビス爆豪勝己にはその力を感じるものはなかった。だが、緑谷出久。お前だけには他のライダーにはない力を感じる。お前ならば浅倉や東條達を倒せるだろう。」

「かっちゃんや秋山さんに無いものを・・・僕が?」

 

その言葉に自分の掌を見つめる。それって夢に出てきたあの"黒い龍騎"と"もう1人の僕"の存在も関係するのか?

 

「仮面ライダーリュウガ」

「ッ!?」

 

ある仮面ライダーの名を神崎から告げられ僕は目を見開きながら彼を見た。まさか、それって!

 

「お前も薄々感じているだろう。黒い龍騎の存在を。それが仮面ライダーリュウガだ。」

「仮面ライダー・・・リュウガ。」

「ソイツはお前の心の闇そのもの。心の闇がミラーモンスターとなった成れの果てだ。鏡のお前がリュウガとして顕現する時が近い。そうなればお前が止めなければならない。」

 

神崎はそう言った瞬間、こちらに向かって歩み寄るとなんと鏡から足を出して飛び出し、現実の世界へやってきた。

 

「緑谷出久。戦え!俺にライダーの力を示せ!」

「ッ!?カードデッキ!?」

 

神崎がポケットから出したカードデッキに驚愕する。鳳凰の紋章が描かれたカードデッキ・・・今まで見た事がないデッキだ!

 

驚く僕を他所にカードデッキを翳した神崎の腰に金色のベルトが装着されるとカードデッキは宙を舞いながら彼の周りを浮遊し始める。

 

「変身」

 

そして自らバックルへ収まったカードデッキは神崎を仮面ライダーの姿へと変えた。

 

「緑谷出久!戦え!この私、13人目の仮面ライダー・・・オーディンと!」

 




遺骨がないというのが龍騎世界の怖いところかもしれません。モンスターに捕食されたりミラーワールドで消滅すればこんなことも有り得るのではないでしょうか?

そしてデク君の元に届いたのは龍騎ファンならご存知『神崎邸』を記した場所でした。本作ではデク君がワンフォーオールを継承しない都合上、グラントリノの所へ行く必要も無いですのでその代わりとして何故かヒロアカ世界にある神崎邸へ向かう展開にしました。

神崎からリュウガの事やもう1人の自分について触れられた為、ここからはリュウガがキーとなりそうですね!

そして、遂にお待たせしました!龍騎最強のライダーと言っても過言ではないあの仮面ライダーオーディンがなんと神崎士郎本人が変身する設定で登場です!

果たして神崎士郎の思惑はなんなのか?そしてデク君はオーディンを倒せるのか?

次回をご期待下さい。

本作における
神崎士郎/仮面ライダーオーディン
ICV:菊池謙三郎/小山剛志

容姿は原作とほぼ同じで緑谷出久に龍騎のカードデッキを与えた張本人。

本作では自らオーディンに変身する。尚、オーディン変身時は声が小山剛志さんのものになる。

本作オリジナル設定:普段は鏡の中におり、外に出るにはオーディンに変身する必要がある。例外として神崎邸の敷地内では鏡の中から出ることができる。

オーディンは特に追加設定はないですが言わずもがな龍騎系ライダー最強格であり、原作で見せた瞬間移動や爆破する羽も使用できる。自称13人目の仮面ライダー。

デッキは原作とほぼ同じ。

デッキ構成
アドベント
ソードベント
ガードベント
タイムベント(本作では未使用の予定)
スチールベント
ストレンジベント
SURVIVE〜無限〜
SURVIVE〜烈火〜
ファイナルベント

◇◇◇

現時点でのライダーの立ち位置
ヒーロー側:緑谷/龍騎、秋山/ナイト、香川/オルタナティブ・ゼロ、手塚/ライア(ライアサバイブ)(NEW)、麗日/ファム、爆豪/アビス、心操/オルタナティブ

敵側:芝浦/ガイ、浅倉/王蛇、東條/タイガ、トゥワイス/インペラー、Mr.コンプレス/ベルデ

中立:北岡(由良)/ゾルダ、神崎/オーディン(NEW)

脱落者:須藤/シザース

新たに登場した仮面ライダーファタル。本作でも登場決定!変身者は誰がいい?

  • もう1人の麗日お茶子
  • トガヒミコ
  • 八百万百
  • 波動ねじれ
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