緑谷出久の龍騎アカデミア   作:ジャック・オー・ワンタン

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続きになりますが悲しいお知らせです。しれっとあるヒーローが誰かに殺されたという話が出てきます。


第46話:激突!龍騎VSファム!

 体育祭で爆豪と心操が試合中・・・スタジアム外では対ミラーモンスター要員として秋山、手塚の姿があった。

 

「手塚。そっちはどうだった?」

「問題ない。浅倉も敵の姿も無かった。」

「奴らは動いてはいないか。」

「どうした?」

 

秋山の険しい表情を見て手塚は彼に声を掛けた。

 

「シザースが脱落し残るライダーは12人。そのうち半分近くが敵側に渡っている。」

「浅倉や東條達以外にもまだライダーが居るという事だな?」

「あぁ、少なくとも"あと1人のライダー"が分かっていない。」

 

秋山はそう言ってライダーの人数を確認する。ライダーは神崎所有のオーディン、そして未だ姿を現さないリュウガを除いて全員で13人。そしてシザースの須藤が浅倉に倒されたことによって残り12人である。

 

内、龍騎、ナイト、ライア、ファム、アビスはヒーロー側。王蛇、タイガ、ガイ、インペラー、ベルデは敵側、そして中立を保つ北岡所有のゾルダ。

 

そう、あと1人のライダーが分かっていないのだ。果たしてそれは何者なのか?それも不明だ。

 

「東條達もかなり暴れていると話を聞いている。この間、デステゴロというヒーローがインペラーによって殺害されたらしい。」

「またか・・・」

 

名の知れたヒーローの殉職に秋山は顔を顰める。

 

「民間人の被害も出ている。これは浅倉の仕業だ。」

「チッ・・・」

 

浅倉の行動に秋山の顔は更に険しくなった。

 

「ッ!?誰だ!」

 

ガサガサと聞こえてきた茂みの音に秋山と手塚は警戒する。すると観念したかのように2人の人影が手を上げながら前に出てきた。

 

「ッ!?お前達は!」

「あーあ!バレちまったか。しょうがねぇな。」

「だからこのルートはやめろって言ったんだよ。」

 

そう言いながら敵のライダーMr.コンプレスとトゥワイスが現れると秋山と手塚は直ぐに身構えた。

 

「ここに何の用だ?」

「なんだっていいだろうがよ!」

「少々、盗みをしようとしただけなんだがな。」

「盗み?」

 

Mr.コンプレスの言葉に秋山は眉を寄せた。

 

「そう、前にシザースが浅倉に殺されただろう?ソイツのデッキ、お前達が持ってるんだろ?」

「カードデッキが狙いか。悪いがお前達の望むものは持っていないぞ。」

 

そう言った秋山はデッキを出すと手塚もまたデッキを出して戦闘態勢に入る。

 

「やれやれやるしかねぇな。」

「おい、ヒーローを1人殺ったからって調子に乗るなよ?」

「分かってるよ。」

 

2人もまた各々のデッキを取り出し、秋山らと相対する。

 

「「「「変身!!」」」」

 

そしてヒーローと敵、両勢力に属するライダーのタッグバトルが人知れず行われるのだった。

 

◇◇◇

 

「さあ!始まるぜぇ!第1回戦。最後の生徒の登場だぁ!!」

 

プレゼント・マイクの実況で僕はリングへ出る。途端に割れるような歓声とA組男子勢の「緑谷!」コールが絶えず聞こえてきた。

 

対する麗日さんも出てくるとこちらも負けず劣らずの歓声、A組女子勢の「麗日!頑張れ!」の声が聞こえてきた。

 

A組にとってはどっちが勝っても嬉しい戦い。でも僕はどうせなら勝ちたい!

 

「まさかデク君と戦うことになるなんてね。」

「僕もビックリしてるよ。」

「でも私、手加減しないから!」

 

麗日さんはそう言うといつも以上に真剣な表情をする。・・・そうだよね。君もヒーローになりたい気持ちは僕と一緒だ。

 

だから僕も本気で行かせてもらう!

 

「望むところだよ!麗日さん!だから僕も全力で行くよ!」

 

カードデッキを翳し、腰にベルトが装着されるといつもより張り切った変身ポーズを執る。

 

「変身ッ!」

 

龍騎に変身した途端、観客席から歓声が上がり始めるも僕は構わず一呼吸して「シャッ!」と気合を入れた。

 

「変身!」

 

続けて麗日さんもファムに変身し、ブランバイザーを手にする。・・・相手にとって不足はない!気合いも心の準備も出来た!後は・・・戦うだけだ!!

 

「やあぁぁぁっ!」

 

先手を打ったファムは勢いよく駆け出し、接近戦を試みる。

 

『ストライクベント』

「SMASH!!!」

 

僕はドラグクローを召喚すると吹き荒れる炎を放ってファムへ攻撃する。

 

『アドベント』

 

しかし、ファムは走りながらカードを装填するとどこからともなくブランウイングが現れ、翼をはためかせるとドラグクローの炎を風で相殺してみせた。

 

中々やる!でも!

 

「簡単に負けるわけには・・・いかない!」

『アドベント』

 

僕もまたドラグレッダーを召喚するとブランウイングの動きを彼に封じさせた上でドラグクローの第二波を放つ。

 

「SMASH!」

「なっ!?」

 

迫る火球にファムは足を止めてしまう。傍らではブランウイングに容赦なく噛み付くドラグレッダーの姿があり、モンスター側はこちら側の優勢だ。

 

「まだ!」

『ガードベント』

「はあっ!」

 

ウイングシールドを召喚したファムは僕の第二波も受け止めてみせると逆に大量の白い羽根を撒き散らして撹乱する。

 

「ぐっ!しまった!?」

 

羽根によって視界を遮られ、ファムの姿を見失った僕は辺りを見渡す。

 

『ソードベント』

「はっ!」

 

背後でカードが装填される声が聞こえて後ろに振り返った途端、ウイングスラッシャーを持ったファムの姿があり、僕はすぐに後退する。

 

危ない!あと少し遅かったらどうなってたか。

 

「はあっ!」

「ッ!?」

 

しかし、ファムは続けて攻撃してくると僕はそれも躱してノーダメージで切り抜ける。リング上には彼女が攻撃した痕跡としてリングの破片が散らばり始め、足場も悪くなり始めた。

 

「麗日さん。悪いけど勝たせてもらうよ!」

「デク君。それは私のセリフ!」

「えっ?」

「フフッ」

 

微かに笑ったファムを見て、嫌な予感がする。待てよ?ウイングスラッシャーの攻撃、リングの破片・・・しまった!まさか!!

 

嫌な予感は的中した。リングの破片は急に宙へ浮き始め、空へ上がっていく。同時にファムはウイングスラッシャーを地面に突き刺すと手を合わせ始める。

 

彼女の個性、無重力だ!!しまった!!

 

「解除!」

 

無重力を解除した途端、リングの破片が次々僕の頭上へ落下してくる。

 

「うわぁぁぁぁあっ!!」

 

咄嗟のことに為す術なく僕は落ちてきたリングの餌食になり、下敷きになってしまう。

 

「麗日、やべぇことするなぁ」

「ケロ・・・。」

「なあなあ、上鳴。麗日のお尻!デカくねぇか!」

「お前はこんな時にどこ見てんだよ!」

 

観戦席から上鳴君、蛙吹さん、峰田君、切島君の声が聞こえてくる。まだだ!まだ僕は終わってない!

 

ガラガラという音を立てながら瓦礫を退けてゆっくり立ち上がると僕の再起に歓声が再び上がった。

 

「嘘!?まだ立てるん!?」

「麗日さん。個性を使った戦い方・・・見事だったよ。でも、僕は負けたくない!だから勝たせてもらう!」

「ッ!?」

 

個性を使った戦いが失敗に終わり、戸惑う彼女に構わず僕はカードを装填する。

 

これで決める!

 

『ファイナルベント』

「はぁぁぁあっ!!」

 

腰を低くし、とぐろを巻くドラグレッダーに合わせて飛び上がるとファイナルベント・・・ドラゴンライダーキックをファムへ放つ。

 

「SMASH!!!!」

「デク君、私・・・きゃぁぁぁあっ!!」

 

炎を纏った蹴りは命中し、ファムは蹴られた反動で火だるまになりながらリング場外へ飛び出すと変身を解除されて地面に転がった。

 

「決まったァ!勝者!緑谷出久!」

 

勝利が確定し、プレゼント・マイクの審判と共に大きな歓声が飛び交う。しかし、僕は浮かない表情をしながら変身を解除するとゆっくり麗日さんの前まで歩み寄る。

 

「麗日さん。立てる?」

「・・・ぐっ、ぐすっ」

「えっ?」

 

よく見ると麗日さんは涙を流していた。うわ、どうしよう。泣いちゃった。

 

「ご、ごめん!麗日さん!僕手加減するつもりだったんだけどつい、勢いよく・・・」

「違う、違うんよ。」

「えっ?」

「私・・・ぐすっ。デク君みたいに上手に戦えへんくて・・・それが悔しくて・・・ライダーの力得たのに全然使いこなせなくて・・・」

「麗日さん。」

 

涙を流す彼女に僕はそっと手を差し伸べて立ち上がらせるとそのまま涙を拭いてあげる。

 

「デク君?」

「麗日さんはよく戦ったよ。僕もまさか個性を使った攻撃をしてくるなんて思わなかったからさ。なんだろう・・・上手く言えないけど自信持っていいと思う!」

 

その言葉に麗日さんは頬を赤くしながら顔を少し背ける。わあ、可愛い。

 

「あ、ありがとう。」

 

礼を言った麗日さんと一緒に僕はそのままリングを出ていくのだった。

 

◇◇◇

 

「さあ!続いて第2回戦のマッチングだァ!」

 

暫くしてから第2回戦の開戦が始まり、トーナメントが公開された。

 

第2回戦の組み合わせは・・・

轟VS飯田

爆豪VS切島

芦戸VS常闇

僕VS塩崎

 

の順だった。

 

結果は轟君、かっちゃん、常闇君、僕が勝ち上がり、奇しくもA組全員が勝ち上がる構図となった。

 

「では、準決勝行ってみよう!!」

 

そして・・・準決勝は。

 

爆豪VS常闇

僕VS轟となった。

 

準決勝の相手は轟君・・・次も負けてられない!控室で僕はトーナメント表を見てそう心の中で呟き、拳をつくる。

 

僕と轟君の戦いは刻々と近付いているのだった。




ということで龍騎VSファム回となりました。ライダーの力だけでなく個性も活かした戦法をとったお茶子ちゃんでしたがあと一歩及ばずデク君に負けてしまいました。

にしてもこの2人、とてもお似合いですよね。原作での緑茶コンビには尊さを感じております。・・・もう付き合っちゃえよ!

次回は轟君との戦闘。今回使用しなかったサバイブ烈火は果たして何処で使うのか?も注目です。

そして、まさかのデステゴロが殉職していたということが手塚から語られました。しかも殺した人物はインペラーことトゥワイス。しっかりライダーの力を使っているようです。

そんなMr.コンプレスとトゥワイス、秋山と手塚のタッグバトルも勃発。果たして勝負の行方は如何に?

不穏なのは手塚。龍騎原作で彼はベルデに負けています。(変身者は勿論、Mr.コンプレスではなく性悪な社長でしたが)

次回をどうぞお楽しみに!

新たに登場した仮面ライダーファタル。本作でも登場決定!変身者は誰がいい?

  • もう1人の麗日お茶子
  • トガヒミコ
  • 八百万百
  • 波動ねじれ
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