緑谷出久の龍騎アカデミア   作:ジャック・オー・ワンタン

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続きになります。

例の梅干しとオールマイトの戦いからどうぞ!

そして最後には遂に"奴"が出てきます!


第55話:神野区の戦い

「ふははははは!そろそろ限界を迎えてるんじゃないか?」

 

荒れ果てた神野区の街・・・そのど真ん中に彼らの姿があった。

 

平和の象徴として君臨するヒーロー・・・オールマイト。

 

対するは敵の世界で君臨する自称魔王・・・オールフォーワン。

 

この2人の戦いは緊急生中継され、多くの市民が固唾を呑んで見守っていた。

 

「なんなんだ・・・あの力は!」

 

瓦礫の中から這い出したNo.4・・・ベストジーニストは満身創痍の身体で2人を見る。No.4を持ってしても敵わない、付いて来れない戦い。

 

「ぐっ!はぁ、はぁ、はぁ。オールフォーワン!」

 

膝を付きながら息をするオールマイト。その顔にはトレードマークの笑顔は消えており、身体には白煙が上がる異変が起きていた。

 

「何故そこまでして君を本気にさせる?雄英の生徒達・・・?それとも"志村奈々"かな?」

「ッ!貴様ァ!!!」

 

かつての恩師の名前を出されオールマイトは怒りを顕にすると力強く拳を振り上げた。

 

「俊典!あまり無茶をするな!」

 

そんな彼に呼びかけるのは嘗ての師の一人、グラントリノ。元雄英教師の経歴をもつ老練のヒーローだ。

 

「ふははははは!効かないぞ!オールマイト!」

「ぐっ!」

 

怒りの拳も防がれ、再び膝を付き、吐血するオールマイト・・・

 

「オールマイト!!!」

 

刹那、彼を呼ぶ声が聞こえてくる。それは敵連合のライダー達を追って駆けつけた緑谷達だった。

 

◇◇◇

 

僕はオールマイトの姿を見て、絶望する。なんだよあの得体のしれない敵は!しかもオールマイト・・・身体から白煙が上がっている?

 

「・・・おい、嘘だろ。」

 

彼の姿を見て、絶望していたのはかっちゃんと麗日さんも例外ではなかった。かっちゃんに至っては手を震わせている程だ。

 

「少年達の声援を受けても尚、君は立ち上がらない。分かっているんだろう?君は既に限界だと言うのが!」

「んぐうううっ!まだだあっ!!!」

 

立ち上がったオールマイトは青い眼を光らせると辺りに衝撃波を放ちながら敵へ殴りかかる。

 

「ぐっ」

 

しかし、オールマイトは直ぐに体制を崩すと白煙に包まれてしまう。

 

「オールマイト!・・・ッ!?」

「嘘!なんよあれ!」

「なんだよ!ありゃあ!!」

 

白煙が晴れ、次に現れたオールマイトの姿を見て僕達は絶句した。なんとあの筋骨隆々な身体が嘘だったかのようにガリガリに痩せたオールマイトの姿が顕になった。

 

なんだよあの姿・・・。あれが・・・オールマイト?

 

「くっ・・・」

「無様だな!オールマイト!君は6年前、僕に勝ったが呼吸器半壊、胃の全摘出の手術をしたらしいねえ?実に滑稽だ!」

 

6年前・・・言われてみればあの時、オールマイトは活動を休止していた。その原因が・・・これ?

 

「君はそれっきり元の身体を維持するのに制約がかかった。そうだろう?オールマイト!」

「くっ」

 

オールマイトは何も言わずに黙り込む。彼の姿は正にカメラ越しに映されており、多くの市民が変わり果てた姿に絶句しているだろう。

 

「オールマイトォォォォォォォッ!なんだその姿は!!」

 

すると駆け付けたエンデヴァーがオールマイトを見てそう叫んだ。

 

「それが平和の象徴の姿だと!?吾輩が見てきたお前はそんな奴ではなかった!!」

「エンデヴァー・・・」

 

オールマイトを追いかけていたからこそ出た言葉だろう。事実、エンデヴァーの目には光るものがあった。

 

「さあて終いにしよう!僕の勝ちだ!」

 

敵の男はそう言って肥大化した拳を上げた・・・その時だった。

 

「ハハハハハハハッ!ここかァ!祭りの場所は!」

「ッ!?その声は!」

 

聞こえてきた高笑いに顔を向けるとオールマイトと敵の前に浅倉が現れた。

 

「浅倉。まさかここに来るとは!」

「ん?誰かと思えばあの時の梅干しか?あん時は世話になったな?」

「君は僕から大事なものを奪った!僕の大事な弔を殺した!!」

「弔?あぁ、あの鬱陶しかったガキか。」

 

浅倉の言葉に敵の男は怒りに震えた。

 

「浅倉!君を殴る!」

 

男は更に拳を肥大化させるとオールマイトから標的を変えて浅倉に攻撃する。

 

「ハハハハハハハッ!変身ッ!」

 

浅倉は王蛇に変身すると敵のどデカイ拳を片手で受け止めてみせた。

 

「何っ!?」

「ハハハハハハハッ!はあっ!」

 

男に突撃した王蛇はそのまま一方的に殴りつけて善戦する。

 

「僕の個性が・・・効いていない!?」

「どうしたァ?その程度かァ?」

「先生!!・・・ッ!」

 

すると東條達が現れ、浅倉を睨んだ。どうやらあの梅干し顔の敵が東條の言う先生のようだ。

 

「先生!」

「悟!遅かったじゃないか!」

「ごめんなさい。遅くなって。」

「構わない。それより浅倉を倒してくれ。僕の英雄!」

「・・・!はい!」

「東條!」

 

男の言葉に目を輝かせた東條に僕はわなわな震える。アイツ!今度こそ!

 

「緑谷、分かっているだろうが人の命を奪えば後戻り出来なくなるぞ。」

「分かってます。」

 

秋山さんの忠告を受け入れ、カードデッキを翳して変身すると他の5人も続いて変身し、ライダーとなる。

 

「「変身!」」

 

敵側の5人もまたライダーに変身すると荼毘は蒼い炎を纏って戦闘体制に入る。

 

「ライダーにはライダーだ!我々はライダーでない敵と戦うぞ!」

 

エンデヴァーの指揮でヒーロー達は荼毘と梅干しの敵へ突撃する。

 

「わぁぁ!出久くんだぁぁ!」

「ゲッ!トガヒミコ!!」

 

現れたファタルに僕は足を止められる。

 

「デク君!・・・何あれ!黒いファム!?」

 

ファムはファタルを見た途端、驚愕する。無理もない自分と色違いの仮面ライダーが目の前にいるのだから。

 

「なんですか?貴女、私と似てるのね。」

「一緒にしないで!」

「・・・そう。」

『ソードベント』

 

ファタルはウイングスラッシャーを召喚して一振りする。

 

『ソードベント』

 

ファムもまた同じくウイングスラッシャーを手にして彼女と相対する。

 

「デク君!浅倉と東條の所へ!この人は私がやる!」

「分かった!麗日さん。」

「貴女が相手ですか・・・どっちが出久くんに相応しいか勝負です!」

「な、何の話!?」

 

戸惑いながらもファムは迫り来るファタルに応戦して戦闘を開始する。

 

『ストライクベント』

『ソードベント』

『スイングベント』

『シュートベント』

「行くぞオラァ!」

 

一方、アビス達は既に王蛇、タイガ率いる敵ライダー達と戦闘に入っていた。

 

『ソードベント』

『『ストライクベント』』

『ホールドベント』

『スピンベント』

「ゲームの始まりじゃん。」

「やるぜえ!」

 

敵ライダー達は真っ先に王蛇、アビス達へ突っ込み混戦となる。

 

アビス、ゾルダは王蛇、タイガとナイトはベルデ、インペラーとライアはガイと戦い、各々の戦いが始まる。僕も行かないと!

 

「むうううっ!」

「ッ!?オールマイト!?」

 

すると近くにいたオールマイトが立ち上がって再び元の体型を取り戻して立ち上がった。・・・オールマイト?

 

「何!?まだ動けるのか?」

「オールフォーワン!!」

 

梅干し顔の敵の名前を発したオールマイト。・・・すると彼は腕から黒鞭の個性を放ってオールフォーワンを拘束した。えっ!?なんだあの個性!?

 

「馬鹿な!?"歴代継承者の個性"だと!?」

「仲間達が共に戦い。励ます!だから私は負けないのだよ!!!うおおおおおおっ!」

 

拘束したオールフォーワンを振り回したオールマイトは鉄球投げのように回ると辺りに衝撃波を放ちながら奴を投げ飛ばした。

 

「ぬおおおおおおおっ!?」

 

勢いよく投げられたオールフォーワンは瓦礫に衝突し、ダメージを受ける。

 

「感じる!お師匠達が培ってきた力が!私にッ!!」

 

更にオールマイトは姿を消すと気がつけばオールフォーワンの近くにいつの間にか移動して何発も奴を殴っていた。その音は僕らに遅れて聞こえ、光さえも置いていくほどの速さだった。

 

「ぐおおおおおっ!?」

「先生ッ!」

 

宙へ投げ出されたオールフォーワンを見て、タイガが叫ぶ。

 

「ゆくぞっ!ワンフォーオール!!ユナイテッド・ステイツ・オブ・スマーッシュ!!!」

 

オールマイトが放った全力の拳・・・一瞬"彼と同じ動きをする7人の残像"が見えるとオールフォーワンへ強い衝撃と力が込められた。

 

「ぐおおおっ・・・バカな!・・・ぐほっ」

 

そしてオールフォーワンはそのままうつ伏せに倒れると遂に沈黙する。

 

「さらに向こうへ!プルスウルトラ!!!」

 

左腕を高く掲げたオールマイトの逆転勝利宣言に僕らは喜びの声を上げた。

 

「先生が・・・負けた。嘘だ。嘘だ!!!」

 

対するタイガは倒れたオールフォーワンを見て、その場に崩れ落ちてしまう。

 

「東條、お前達の負けだ。大人しく観念しろ。」

 

ナイトはそういうと戦意を喪失したタイガにウイングランサーの切っ先を向ける。

 

「東條!くそっ!」

「待て!俺と戦え!」

 

インペラーとベルデが助けに入ろうとするも彼らを王蛇が阻んでしまい、一方のガイはライアと未だに戦闘を続け、両者互角の戦いを繰り広げていた。

 

「緑谷!皆!」

 

すると轟君達A組、雄英の教師陣も駆け付けてくる。良かった!皆無事だったんだ!

 

「すまねぇ!遅くなった!」

「俺達は何も出来ねぇけどとりあえず来たんだ!」

「とりあえずってなんだ!クソ髪!!」

 

切島君の言葉にアビスは怒りながらツッコむ。皆に怪我は無さそうだ。本当に良かっ・・・

 

「ううっ!」

 

刹那、僕は強制的に変身が解除され、とてつもない頭痛に襲われて蹲った。

 

「緑谷?」

「ッ?デク君!」

「出久!どうしたんだ!」

 

A組の皆が僕に声を掛けてくるが返事する場合ではなかった。なんだ!この痛みはああっ!頭が割れそうだ!!!

 

「うっ!ぐあっ!ああっ!!」

「緑谷少年!」

 

オールマイトもまた僕の異変に気付いて駆けつけようとする。

 

(来るな!)

 

しかし、勝手に僕の口が開いて言葉を放つ。

 

(時は来たんだ!ボクは解放される!!)

「ううっ!ぐわあああああああああああッ!!!!」

 

ノイズが割れるような悲鳴を上げた瞬間、僕の身体から漆黒の影が放たれるとそれは人の姿を形成し、やがてその姿を顕にした。

 

「ッ!?おい、どうなってんだ!」

「それは・・・私が聞きたいですわ!」

「ケロ、これって・・・」

「緑谷が・・・2人?」

 

僕から出てきた黒い影、その正体は僕と瓜二つの姿をした少年だった。




少し長くなりましたがここまでです。オールマイトのガリガリ姿は緑谷達はまだ知らないという設定のため、ここで知ることになりました。

ビックリされたのはこれ、オールマイトが歴代継承者の個性を使ったところ。ビックリしたでしょう?本作ではデク君がワンフォーオールを継承しない都合上、オールマイトが歴代継承者の個性を使える仕様にしました。詳細はまた次話以降で。

ライダー達もオールマイトの勝利に反応を示していましたね。そんな中、手塚(ライア)と芝浦(ガイ)は無視して戦っていましたが他意はありません。ええ、本当に。(微かにユナイトベントが聞こえる?気の所為です。)

そして、皆様。大変長く長くお待たせしました!遂に奴を出せる時が来ました!仮面ライダーリュウガこともう1人のデク君が遂に登場します!

最初に言わせてください。コイツが本作のラスボスとなります!ミラーワールドとヒロアカ世界を統べる王になると言っていたもう1人の緑谷。果たしてその全容は?

次回、ご期待下さい。

新たに登場した仮面ライダーファタル。本作でも登場決定!変身者は誰がいい?

  • もう1人の麗日お茶子
  • トガヒミコ
  • 八百万百
  • 波動ねじれ
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