遂に蟹刑事とデクくんの戦闘です。
キィィィン……キィィィン……キィィィン
喧騒が飛び交う街……僕はその中から僅かに聞こえている金切り音を逃さずに駆け出していた。
「はぁ、はぁ、はぁ……確か……この辺りで……」
そして街中にある人気の無い広場までやって来た僕は辺りを見渡しながら鮮明に聞こえている金切り音に耳を澄ます。
何処だ?モンスターは何処にいるんだ?
神経を研ぎ澄ませるかのように今か今かとモンスターの出方を伺った
……次の瞬間。
「グオオオオオッ!」
「ッ!?うわっ!」
突然、何処からか現れた蟹のモンスターから突進を喰らった僕は地面に転がるも何とか体制を立て直して難を逃れる。
「グゥゥ……グオオオオッ!」
「なんだ?あの蟹のモンスター……動きが……違う!」
明らかに他のモンスターと動きが違うと感じ取り、迷わず龍騎のカードデッキを翳すと僕の腰にベルトが装着される。
「変身!」
そしてバックルにカードデッキを装填し、龍騎に変身した僕は蟹のモンスターと相対する。
「グルル……グオオオオッ!!」
「くっ!」
鋭利そうなハサミを振り上げて攻撃をしてくる蟹のモンスターから距離を取った僕はカードデッキからカードを1枚取り出して装填する。
『ソードベント』
そしてドラグセイバーを右手に装備し、反撃しようとした時だった。
「なっ!?」
突然、目の前の物陰から人影が現れると蟹のモンスターと並び立ってその姿を顕にする。
現れたのは蟹のモンスターと契約しているであろう…黄色を基調とした身体に蟹を模した装飾が施されたライダーの姿だった。
「か、仮面ライダー?」
僕が恐る恐るライダーと思しき人物に声を掛けた時だった。
『ストライクベント』
蟹のライダーは無言でカードを装填し右手に蟹のハサミを模した籠手を装備する。
「ッ!?この人……まさか本気で!」
「はあっ!」
「うわっ!」
彼が振り上げた籠手を僕はドラグセイバーで受け止めて鍔迫り合いになるも直ぐに弾き返されて倒れてしまう。
「うわっ!つ、強い!ぐっ……!」
余りの強さに狼狽えそうになるも臆することなく立ち上がり、再びカードデッキから1枚カードを取り出す。
『ストライクベント』
「はっ!」
ドラグセイバーを左手に持ち替えてドラグクローを右手に装着した僕はその勢いでドラグクローの口から炎を放つ。
『ガードベント』
しかし、蟹のライダーは瞬時に蟹の背中を模した盾を装備すると難なくドラグクローの攻撃を防いでみせた。
「なっ!?嘘!」
呆気なく防がれた攻撃に僕は思わず声を漏らすと彼はデッキから手の様なものが描かれたカードを自身のバイザーに装填する。
『スチールベント』
そんな音声が聞こえた時だった……。
僕の右手に装着されていたドラグクローが突然、手元から消えるといつの間にか蟹のライダーの右手に何故かそれが装着されていた。
「えっ!?な、なんで!?ど、どうなってるの!?」
何が起こったのか分からず焦った瞬間、蟹のライダーはドラグクローの口から炎を放つとそれが僕へ直撃する。
「うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
大きな爆発と衝撃に巻き込まれた僕は仰け反りながら宙を舞うと思い切り体を地面に叩きつけられてしまった。
「あっ……ああっ、がはっ……」
全身に痛みが走り、立ち上がるのもやっとの状態まで追い詰められた僕は懸命に立ち上がろうとするも既にその力は残されていなかった。
「はっ!?」
うっすらとし始めた視界には蟹のライダーがゆっくりこちらまで歩み寄ってくる姿があり、彼は僕が落としたドラグセイバーを拾い上げて目の前までやってくる。
そして……ドラグセイバーを振り上げ、僕へトドメを刺そうとする。
ここまで……なのか?
そう思い込んだ時だった。
『ナスティベント』
何処からかバイザーが装填される音声が聞こえると辺りをまるで蝙蝠がけたたましく鳴き叫ぶ声が児玉する。
「うっ!ううっ!!」
蟹のライダーは思わずその音に耳を塞いで隙を作ってしまうと彼を何者かが大きな槍で斬りつける。
「うわぁぁぁぁぁぁっ!」
「……ッ!?」
現れたライダーを見て僕は仮面越しから目を見開く。
そこにはウイングランサーを手にして目の前に立つ秋山さん……仮面ライダーナイトの姿があった。
◇◇◇
「あ、秋山さん!」
「下がれ!コイツはお前では倒せない!」
ナイトは僕に顔を向けながらそう言うと蟹のライダーと相対する。
「……その声、やはり貴方ですか?」
「久しいな。」
蟹のライダーはナイトを見るや否や彼とそんな話をし始める。
えっ?もしかして……秋山さん、あのライダーと知り合いなのか?
「あの時は貴方に負けましたがこうして生き返れた。次は私が勝ちますよ。」
「何度でも言え。悪いが俺は今、虫の居所が悪い。」
「ふっ!」
「はあっ!」
すると2人は洗練された動きで互いの得物を交えるとほぼ互角の戦いを繰り広げていく。
「す、凄い……」
その戦いを僕は見ることしか出来なくなるがナイトの動きをその目で追って分析していく。
あの蟹のライダーが自身のストライクベントとバイザーの二刀流で格闘技を繰り広げているのに対し、ナイトはウイングランサーを扱う傍ら、こちらもダークバイザーの二刀流と合わせて応戦する。
互いが互いの間合いに合った戦いを展開しているんだ!
「ふっ!」
暫くするとナイトは一時、後退してカードを1枚デッキから引くと蟹のライダーもまた1枚カードを引き抜く。
『『ファイナルベント』』
そして……ナイトは飛翔斬を繰り出し、蟹のライダーへ突撃すると彼は蟹のモンスターに持ち上げられながら宙返りしてその攻撃を防ぐ。
やがて互いの攻撃が相殺し、爆発が起り、両者痛み分けに終わるかに見えた。
「ぐわぁぁぁっ!」
しかし、蟹のライダーは打ち所が悪かったのかそのまま地面に転がって倒れるとナイトが華麗に地面へ着地してウイングランサーを一回転させた。
「うぐぅ……まさか!この私が……。」
「あの時の様にはいかなかったな。」
「ちっ……邪魔者を始末するつもりが……計画が台無しだ!」
多勢に無勢と判断したのか負け惜しみを零しながら蟹のライダーはよろめきながら立ち上がるとそのまま負傷した左腕を庇ったまま去っていくのだった。
「す、すみません。ありがとうございました。秋山さん。」
「勘違いするな。この世界で城戸のカードデッキを預けられるのがお前しかいないからな。簡単にくたばってもらっては困る。」
「……。」
彼の冷たい言動に僕は言葉を失うと変身を解除して傷だらけになった身体を起こす。秋山さんもまた変身を解除すると初めて会った時と同じ様にこちらをギロッと睨んだ。
「今日はもう大人しく自宅に帰れ。何処にも寄り道するなよ。」
そう言い残した秋山さんは颯爽とした足取りでこの場を去っていく。
遠ざかっていくその背中をこの時の僕はただ見守ることしか出来なかった。
龍騎を知らない人は蓮ちょっと冷たくね?と思いますが彼は正常運転です。(龍騎ファンの皆さん。少しキャラが違ったらすみません)
蓮に冷たく言われてもデクくんに凹む暇はありません。
次回はいよいよ雄英高校入試編へと突入します。
龍騎アカデミア再編版を製作検討中!
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いる。再編して欲しい。
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いらない。このまま続き描いて。