お久しぶりです、明けましておめでとうございます(遅)
しばらく佇んでいたが、いつまでもしわしわしてても仕方ない、と取り敢えず行動を始めることにした。
さて、これからどうしようかね。
『ひとまず方針を決めようと思う』
『そうですね、いいと思います』
大目標はこの世界での生存かな。これはまあ問題ないだろう。
適当に生きるってだけならみんなも居るし、金銭面でもしばらくは大丈夫。改めて確認したが所持金とLP、アイテムまでゲームの時と同じだった。金は両方一千万近くある上に換金用アイテムも山程ある。いざとなったらきんのたまなんかを大量に売り払ったりもできる。値崩れ起きそう。
……そういやぁ、
中目標は生活環境の安定。
結構な期間ニートだってできるが、こちとら元会社員だ。根なし草は不安になる。
せっかくこの世界に来た以上、観光を大いに楽しむつもりではあるが、それをいつまでも続ける訳にもいかない。
いずれはみんなで住める土地を確保し、仕事にもありつかねば。アオキさんの兼業のどれか1つもらうなんてどうよ。……いや、あの
小目標は……どうしよう。やりたいことが多過ぎる。
現実になったパルデアの各地を実際に歩いてみたいし、パルデア十景は絶対見てみたいな。パルデア最高峰からの日の出とかそんなん絶対最高だろ。グルメ巡りも忘れちゃいけない。高級からB級にポケモン世界ならではの食事。前からガケガニのハサミ食ってみたいと思ってたんだよなぁ。ああ、新しい仲間もお迎えしたい。ゲームじゃなくこの手で捕まえられるなんて心が踊る。そうだ現実だからこそ友情ゲットとかもあるかもしれないな! 捕まえるならバトルもしなきゃならん。それにこの身体のバトル経験がどんなものか試してみないといけない。ああ楽しみだ。あとアオイ達原作キャラの絡みも見なくちゃな。今からだとストーリーもほぼ追えるのはありがたい。
『……ノルン、ノルン』
「──はっ」
オタク思考全開だった。危ない危ない。
『何やら思考が乱れている様でしたので。大丈夫ですか?』
『ああ、ごめん。やりたいことが多過ぎて考えだけ先走りまくってたわ』
アルセウスに軽く謝り、一先ず決まった大目標と中目標を話すと、ふむ、と頷いた。
『なるほど、生存と安定。生物としての基本からですね』
『ああ。それプラスみんなと文化的な生活を送るのがとりあえずの目標だな。でもそれはいいんだけど、小目標……目先のやりたいことが多過ぎてさ。どれから手を付けたもんか』
『でしたら、やりたい事のリスト化はどうでしょう。心の整理も付きますし、その中で優先度を決めていったらよろしいかと』
『ああそうか、リスト化か……ありがとう。これを思い付かないとは、なんだかんだこっちに来て浮かれまくってるなぁ……済まない』
『いえ、問題ありません。生きる上でやりたい事が沢山あるというのは良い事です』
フフ、と穏やかに微笑まれた。
やっぱこの落ち着きと余裕感、流石は神って感じだよなぁ。どっかの邪神とは違うぜ。*1
リュックから紙とペンを取り出すとやりたいことを次々と書き連ねていく。
これら筆記具はゲームでは無かったが、リュックを漁ったら普通に入ってた。現実化の影響かね。他にもハンカチやティッシュ、着替えに身の回りの物などなど……。ピクニックセットといいマジでどうなってんのこのリュック……。
『んでこのリストからすぐにやりたいこと、やらないといけないことを優先してこなしていくと』
『はい。これで直近の行動は決められるでしょう』
頭の中で色々考えるだけではなかなか決められないが、こうやって形にすることによって視覚的に分かりやすくなり、優先度も付けやすくなる。ゲームでも現実でも、ミッションやタスクなんかの次にやるべきことが確認できるのは便利だからな。これを頭の中だけでできる人はすごいと思う。
俺は忘れっぽいし適当なとこがあるからなぁ。技じゃないドわすれは自分へのバフどころかデバフだよ。
『……よし、できた。この中からだとまずは……時期的にこれだな』
ずらっと書いた目標の中から一つ選び、丸をする。
・アオイに会う
先程、邪神は最初のポケモンを選ぶ頃だと言っていた。なんだかんだで時間が経過してしまったし、もうこの世界のミライドンには出会っているだろう。最初のイベントを拝めないのは残念だが仕方ない。
今俺が居る場所は……周りの景色、ポケモンから考えると南4番エリアか。南2番エリアのポケセンから南の、オリーブ農園の南を流れる川を渡った先の川沿いの木の下だな。南西に物見塔も見える。念のためスマホロトムでマップを確認……うん、合ってる合ってる。
ならここから近いプラトタウンで待っていれば時間的にも丁度いいんじゃないだろうか。
『まあでも会うといってもシナリオに介入し過ぎないように、ちょっと会話して終わりぐらいにしないとな。その辺のモブくらいに留めとこう』
『目的が決まったのは良いのですが、しかしノルン。貴女はもうこの世界の住人です。ならば、元の世界の話を気にし過ぎる必要は無いのではありませんか?』
注意することを考えていると、思案げに問い掛けられた。
『元々俺が居ないこと前提できちんと成立する物語なんだ。俺が介入することでバタフライエフェクトで何かヤバいことが起きたりでもしたら、とか考えてなぁ……』
『私を含む貴女の所持するポケモン達なら、対処できない問題はそうそう無いと思いますが……』
『いやまあ、それはそうなんだが……。俺の自己満だからなぁ……』
勝手な設定を考えて楽しむオタクとしては、元々の設定や物語も大事にしたいっていうか。理解してくれとは言わないし押し付けたりもしないが、その分少し面倒なオタク心が騒ぐというか……。
『ふむ、貴女の人生ですからね。本体も言った通り、自己満足であろうと、これからはこの世界で好きに過ごして良いのです。ですが、一考するだけでもしていただければ幸いです』
『……そうだな。そこまで言うなら……』
満足そうに頷くアルセウス。
言い方が上手いなぁ。まあ俺のこの拘りも何がなんでも絶対! って訳でもなし。ここまで俺のことを慮ってくれたらね。臨機応変にいくとしよう。悪い言い方をすれば適当とも言う。
『ありがとうございます。さて、では私はボックスに戻るとします。私の様な存在が居ると知られれば、何かと面倒でしょうから。ですが、危機に面した時には、遠慮無く出す様にして下さい。貴女の身が、一番大事なのですからね』
『ああ、分かった。何から何まで、ほんとありがとうな。気を付けるよ』
アルセウスはニコりと微笑むとボールに戻っていった。
何だか最早オカンみすら感じる。……これが本物の神か……。
スマホロトムからボックスを開き、入れ替える。これで手持ちはここに来た時のに戻ったが、これでも過剰戦力+超希少なんだよなぁ。どうしよう。
……ま、いっか! どうせモブとして会話するぐらいでお披露目することもないんだしそのままでも問題ないわな! 行き当たりばったりでも問題あるめぇ。最初は強く当たって、後は流れで……とかいう格言(?)もあるんだし気楽に行こう!
落ちていた帽子を被り直し、荷物を纏めてリュックを背負う。よし、準備オーケー!
ボールから
「……よろしくね」
よろしくな、相棒。
「アギャッ!」
一声かけるとこちらへ振り向いて嬉しそうに鳴く。かわいい。その場で勢いよく跳び上がるとそのままプラトタウンに向けて飛び立った。
うおおお実際に空を飛ぶの気持ちいいー! アオイにも会えるしテンション上がってきたぜヒャッホーイ!
……しかし俺ももうこの世界の住人、か……。物語への影響を気にする必要性は無い、ねぇ……。
まあそれはその内、だな。また今度考えておこう。
……と思っていた時期が私にもありました。
目の前にはバトルをしよう! と迫るアオイたそ。なんでぇ……?
あれぇ……? 煎餅煎餅……ナイセウスねぇ……。うーん……(ガサゴソガサゴソ)
…………。……ゴッド千里眼!(カッ!) ……あっ、全然違うとこだったでセウス~!
主人公のガバガバ思考がアップを始めました。
そして2話の後書きの答え合わせでした。
南4番エリア物見塔すぐ北の、NPCのいる池の傍の木の下ではなく、そこから北東の木の下です。坂の下の方。