ロックマンエグゼ! クロス! ウマ娘ソウル!!   作:Mak

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ウマ娘の育成シナリオが早いもので8つめですが…
この作品はその3つ前の育成シナリオ、2023年2月24日より実装された「グランドマスターズ -継ぐ者達へ-」と名作ゲーム「ロックマンエグゼ」とのクロスオーバー作品となります。

2,3話の短期連載になるとは思いますが、どうか楽しんで頂ければ幸いです。

それではどうぞ。


メガドリームサポーター~事件発生~

電脳世界の奥深く、表と呼ばれる通常のインタネットエリアからは隔離された無法者たちが集まる危険なエリア、「ウラインターネット」に存在するウラ掲示板には表では知り得ない様々な情報が日夜飛び交っていた。

通常はウラの世界の情報、ウイルス、時にはレアチップなどの有益な物もあれば触れてはならない危険な噂話などで盛り上がるのだが特定の時間帯、土日の深夜はその内容が打って変わって愚痴と罵詈雑言が飛び交う無益な掲示板へと変貌する。その内容とは…

 

 

???:今日も負けた

ちくしょうッ! また負けたぜ! だれだ、今日のメインレースは13番が勝ッ!ていたヤッ!! オレの金を返しやがれ!

 

???:Re. 今日も負けた

ケケケ、テメェからカネを借りた覚えはないな。ウラ掲示板の情報を鵜のみにする方が悪い。

 

???:Re.Re. 今日も負けた

ウラ掲示板は確かに有益な情報を共有する場だがウマ娘レースや賭博に関しては基本化かし合いだ。穴ウマに賭けさせて本命のオッズを上げるなんてのは常套手段だ。高い勉強代だったな。お陰様で儲けさせてもらったよ。

 

 

華やかで健全なイメージのあるウマ娘レース、しかしそれはウマ娘レースを運営するURAによる長年の努力の結果によるものだ。

十数年前までは賭博の対象とされ、殺伐とした雰囲気漂う興行だったウマ娘レースだったが現在では対象外とされ、老若男女問わず楽しめる健全娯楽としての地位を確立している。

しかし未だにウラの世界では違法に賭博の対象とされ、オフィシャルの目を掻い潜りながらも賭けレースが行われているのだった。

 

 

???:最近のウマ娘

しかし最近のウマ娘は根性がないよな。昔みたいに抜かれたら差し返すような展開が少ない気がするぜ。

 

???:Re. 最近のウマ娘

賭博の対象外になったからな。昔と違い大金が動くことも手に入れることもなくなったからその影響もあるだろう。ウマ娘もそのトレーナーも、昔に比べれば必死さが足りないのかもな。

 

???:Re.Re. 最近のウマ娘

噂で聞いたんだが…最近はインターネット技術の応用でVRによるトレーニングをやっているらしいぜ。

なんでも実際にトレーニングしなくても電脳空間で身体に負荷をかけずにトレーニングできるんだとか。

 

???:Re.Re.Re. 最近のウマ娘

ほー、遂にウマ娘のトレーニングにもインターネットの技術が使われるようになったのか。

ケガのリスクも減るし、どんどんトレーニング方法が進歩していくな。

 

 

違法賭博に手を出している無法者たちとはいえウラの住人たちの多くはウマ娘レース其の物が好きな者が多い。むしろ、賭博と言う行為がもたらす興奮により更にレースの魅力に取りつかれている者が大半のためウマ娘たちへは直接危害を加えず、彼女たちへの愚痴もウラの世界だけに留めるなどし、彼らなりに敬意を払っているのだ。

 

しかし、全てのウラの住人がウマ娘レースに好意的な感情を持っている訳ではない。

 

 

???:けしからん!

最近のウマ娘たちは甘やかされ過ぎている!

このままではいつまでも世界には通用しない!!

ワタシがなんとかしなければ! 真のトレーニング…、いや…本当の調教というものこそが強いウマ娘をつくるのだ!!ッ!

 

 

 

それから一か月後……

 

 

 

「ここがトレセン学園か!? 凄い広さだ!」

 

『もう熱斗くんはしゃぎすぎだよ』

 

「仕方ないだろロックマンッ! オレたちの学校とは比べ物にならないほど広いんだぜ?」

 

『日本ウマ娘トレーニングセンター学園。通称トレセン学園はウマ娘のみんな通う中高一貫の学校だもんね。生徒数が2000人ともなるとやっぱりこのぐらいの広さが必要になるんだよ』

 

「2000人!? 秋原小学校と才葉学園の全校生徒を合わせても全然足りないじゃんか!?」

 

 

200X年…あらゆる電子機器がネットワークで管理されるこの時代…、走るために生まれ、ときに数奇でときに輝かしい歴史を持つ別世界の名前と共に生まれ、その魂を受け継いで走るウマ娘たちにも恩恵をもたらした。

コンピューターによる成長予測、戦略の構築、体調管理などによりウマ娘たちのレベルは日々上がり続け、その技術は今なお進歩し続けていた。

 

そんな技術がどのように活用されているのか、数多くのネット事件を解決に導きし、何度も世界を救った12歳の少年、光熱斗と彼のネットナビ、ロックマン.EXEは秋原小学校6年A組のクラスメイトと共にここ、中央トレセン学園へと校外学習にやってきていたのだ。

 

 

「なぁロックマン。校外学習までまだ時間があるしちょっと学園内を探索しに行こうぜ」

 

『ダメだよ熱斗くん! 勝手に行動したらみんなやまりこ先生に怒られるよ?』

 

「堅いこと言うなよロックマン! ほんのちょっとだけだからさ」

 

 

そういうと熱斗はロックマンが止めるのも聞かずこっそりと抜け出しトレセン学園内を探索し始め、他の学校には無いトレセン学園ならではの設備、レーストラックに来ていた。

しかし…

 

 

「あれ? 誰もいない。折角目の前でウマ娘が走るところ見られると思ったんだけどなぁ~」

 

『本当だね? 何かあったのかな?』

 

「ふふふ、今の時間は丁度整備中で使えないんですよ? 熱斗くんにロックマンさん」

 

 

 

突然名前を呼ばれ驚いた熱斗が声のする方向へ振り向くとそこにはトレセン学園の制服に身を包んだ鹿毛色のロングヘアーのウマ娘が立っていた。

 

 

 

「えッ!? なんでおれやロックマンの名前を知っているんだッ!?」

 

「え~酷い! もうわたしのこと忘れちゃったのですか?」

 

「そんなこと言われても。…なぁロックマン? もしかしてオレたちの知り合いか?」

 

『熱斗くん本当に分からないの? 知り合いどころか僕たちの友達じゃないか?』

 

 

 

ロックマンにそう言われ必死に思い出そうとする熱斗。とは言え彼の友達はおろか、知り合いにこれ程大人っぽい見た目のウマ娘自体そう多くない。

しかし前髪が一部白くひし形の形になっている特徴から自信なさげにウマ娘の名前を呼んでみる。

 

 

「もしかして…ダイヤちゃん…ですか?」

 

「はい! 秋原小学校OG、貴方の1年先輩で友達のダイヤちゃんことサトノダイヤモンドです!」

 

「うっそ!??」

 

 

 

熱斗が驚くのも仕方がないことだった。

通常、女の子の方が男子よりも先に急激に大人びるのだがウマ娘の成長スピードはその比ではない。

彼女が卒業してから僅か数か月の間で本格化が近づき身長も体つきも熱斗が最後にみた時からは見違える程に大人の女性へと成長していたのだ。

 

 

「本当に久しぶり! 全然気が付かなったよ。でもどうしてここに? ダイヤちゃんがトレセン学園に入学していたのは知っていたけど…」

 

「それはですね…わたしとキタちゃんが秋原小学校の皆さんの案内をする係になったからですッ! そしたらなんと熱斗くんが迷子になったということで探しに来たんです!」

 

「べ、別に迷子になったわけじゃぁ…」

 

『まあまあ熱斗くん、折角迎えに来てくれたんだしこのままみんなのところへ連れていって貰おうよ。ところでサトノダイヤモンドさん。キタさんってもしかしてキタサンブラックさんのこと?』

 

「はいッ! 同じく秋原小学校のOGでわたしと皆さんの友達のキタちゃんです! キタちゃんもお二人に会えるのを楽しみにしていましたよ! さぁ、こちらです。是非お二人にもサトノグループが誇る最新テクノロジー、メガドリームサポーターを観にいらしてください!」

 

 

 

朗らかな笑顔でそう告げるサトノダイヤモンドに連れられてやってきたのは体育館に隣接する真新しい建屋だった。

その中には大量の椅子型の装置と巨大なモニター画面が並んでおり、その装置に熱斗とロックマンは見覚えがあった。

 

 

「あれがメガドリームサポーター…まるでDr.ワイリーが作った…」

 

『パルストランスミッションシステムにそっくりだ!』

 

 

 

それは昔、ネットワーク社会を破滅に追い込もうと目論んだ悪の天才科学者Dr.ワイリーが開発した装置そのものだった。パルストランスミッションシステムとは生きた人間の脳波をデータ化し電脳空間に送り込む装置であり、ワイリーはこの装置を使い同じくネットワーク社会の破滅を目的として作られた組織、WWW(ワールドスリー)のメンバーに使用させたのであった。

しかし人間の脳波を電脳空間に送り込むことには危険が伴う。それを熱斗とロックマンは身を以って知っていた。

 

 

 

「はい、確かにメガドリームサポーターはかの悪の科学者Dr.ワイリーが開発し、後に科学省が検証、民間にも公開されたパルストランスミッションシステムの基礎システムを参考にして完成しました。しかし、あのシステムとは全くの別物です」

 

 

 

そうきっぱりと告げたサトノダイヤモンドは真剣な眼差しで説明を始める。

 

 

 

「利用者の脳波を電子化し電脳空間に送り込むという基本コンセプトまでは同じですが最大の違いは安全性に対して最大限配慮し、例え電脳空間でダメージを受けても肉体には影響はありません。あくまで電脳空間で体験した経験のみがフィードバックされるようにフィルターが設定されています」

 

「でも…あのワイリーが作った技術だし…」

 

 

 

サトノダイヤモンドの説明に対し熱斗はどこか消極的であった。

それもそのはず、Dr.ワイリーとWWWの幹部たちはこのパルストランスミッションシステムを使い、電脳世界に送り込んだ自分自身と自分の相棒であるネットナビとを融合させることによりパワーアップを図りロックマンたちへと襲い掛かって来たことがあった。

 

だが、無茶なパワーアップには代償が伴う。

激闘の末なんとか彼らを撃退することが出来たが、ネットナビと一体化した彼らもタダでは済まず、その精神データはバラバラにされ、電脳世界へと散り散りとなったのだ。

 

幸い、彼らの精神データは奇跡的にサルベージすることに成功し、肉体へと戻され事なきを得ることが出来たがそれは奇跡的な確率の出来事である。

 

そのことを踏まえても正義感の強い光熱斗には悪の手先が使用した技術そのものに対しどこか拒否感があったのだ。

だが、サトノダイヤモンドは違った。当事者と局外者*1との差は有れど、彼女はこの技術に対するスタンスは公平であり、また彼女の実家であるサトノグループの技術に対して誇りがあった。

 

 

 

「たしかに…熱斗くんの言うとおり元はWWWの技術ですがシステム自体に罪はありません。悪いネットナビさんがいるからと言ってロックマンさんも悪いネットナビではありませんよね? 私は思うのです。たとえ悪いことのために生み出された技術であっても、それは使用する人たちのココロの有り様なのだと思います」

 

「でも…」

 

 

『熱斗くん。ボクはサトノダイヤモンドさんの言う事も一理あると思う』

 

「ロックマン?」

 

 

 

サトノダイヤモンドの強い想いを聞いて尚もパルストランスミッションシステムに対する悪印象を拭えずにいた熱斗だったがロックマンが優しく声を掛け兄のように諭し始める。

 

 

 

『思い出して熱斗くん。パルストランスミッションシステムのおかげで、僕たちは初めてちゃんと対面すること出来たじゃないか。あの後も別の方法で対面することが出来たけど、あれは本当に嬉しかった。きっとサトノダイヤモンドさんならこのシステムでたくさんの人を笑顔にすることが出来ると思うんだ。あの時の僕たちみたいに』

 

 

 

熱斗もロックマンも世界を救うためにパルストランスミッションを使用し、電脳空間上で直接対面をしたことがあった。兄弟のように仲の良い二人とはいえ現実世界と電脳空間という隔たりは大きく、緊急事態だったとはいえ互いに同じ目線の高さで対面できたあの感動は本物であることには間違い無かったからだ。

 

 

 

「…そうだな。ごめん! ダイヤちゃん! おれ…WWWの技術だからってつい…」

 

「いいえッ! 熱斗くんの気持ちも分かるつもりです。でもご安心ください! サトノグループの技術と誇りに賭けて、安心安全だということを説明いたしますね!」

 

 

サトノダイヤモンドに促されシステムの中央コンソールに備え付けられた巨大モニター画面の前へと案内される熱斗。

そこには様々なデジタル化された数値が流れており、既に電脳空間に送られた人の状態が常にモニタリングされているのが見て取れた。

現在使用している人の名前が一覧として表示されており、その中には彼らの知人の名前が既に表示されていた。

 

 

 

「お、メイルにデカオにやいと、それにまりこ先生の名前が映っている」

 

『本当だ。それに他のクラスメイトのみんなの名前も見えるね』

 

「どうやら他の皆さんは先にメガドリームサポーターで仮想空間にダイブしたみたいですね。では熱斗くん、ロックマンさん! 私たちも早く皆さんと合流…」

 

 

 

サトノダイヤモンドが先行したグループに追いつくために準備に取り掛かろうとした瞬間、突如メガドリームサポーターから警告音が鳴り響きモニター画面いっぱいに警告の表示が映し出される。

 

 

 

「いったいどうしたんだダイヤちゃん!?」

 

「わかりません!? 突如システムが暴走して!!」

 

『まさか、ウィルスに!!?』

 

「あり得ませんッ!! このメガドリームサポーターのセキュリティはサトノグループが開発した三体の最新型のネットナビによって管理されています! ウイルスが入ってくる余地なんて…ああ!!?」

 

「どうしたのダイヤちゃん!!?」

 

「ドリームサポーターにダイブ中のキタちゃんと皆さんのストレス値が上昇しています! このままだと皆さんの精神に重大なダメージが残ってしまいます!」

 

『強制ログアウトは出来ないの?』

 

「ダメです! システムがこちらの応答に反応しません! 仮想空間内の様子も伺えない現状では原因も掴めない…どうすれば…」

 

 

突然の事態に対応しようとドリームサポーターの端末を操作するサトノダイヤモンドであったが事態は悪化の一途をたどる一方であった。

 

サトノ家の令嬢とはいえメガドリームサポーターの全てを把握しているサトノダイヤモンドは必死になって解決方法を思案するのだがそれを黙って観ている光熱斗とロックマンではなかった。

 

 

 

『熱斗くん!』

 

「ああ! ダイヤちゃん! おれとロックマンがログインして原因を探してくるよ!」

 

「! でも一体どんな危険があるか…」

 

「おれとロックマンなら大丈夫! それにメガドリームサポーターの中にはメイルちゃんやデカオにやいと、A組のみんなに友達のキタちゃんもいるんだ! 絶対助けてみせるさ! だよなロックマン!」

 

『うん! だからサトノダイヤモンドさん…僕たちを信じて!』

 

 

 

力強くそう宣言する熱斗とそれに同意するロックマン。

未知なる危険を予感し、彼らを更なる危険に巻き込むことを危惧していたサトノダイヤモンドは自然とその勇気に励まされていた。

 

 

 

「…分かりました。熱斗くん、ロックマンさん。キタちゃんを…私たちの友達を救ってください! 全力でサポートさせてもらいます!」

 

 

 

今の自分にも出来ることを精一杯協力することを強く誓うサトノダイヤモンド。

彼女の覚悟を胸に秘め、熱斗はロックマンがインストールされている個人情報端末PETをメガドリームサポーターのプラグイン端子へと向けたのであった。

 

 

 

「プラグイン!! ロックマン.EXE、トランスミッション!」

 

 

 

 

*1
その事柄に関係のない立場の人。 第三者。




如何でしょうか?

個人的には各キャラクターのエミュレートが上手く出来たのではないかと満足しております。

なぜ今更1年前のシナリオであるグラマスとロックマンエグゼのクロスオーバー作品なんて書いたといわれますと実は2023年の4月にロックマンエグゼ アドバンスコレクションが発売され、そちらに夢中になっておりました。

実はグラマスシナリオを遊んですぐに本作のネタは思いついたのですが
それ以外にも横道にそれたり、納得のいく展開が思いつかず寝かせてた作品だったのです。

そうこうしているうちに時間とシナリオの更新などがあり完全に時期を逃した感じが否めませんが、宜しければ評価や感想などを頂ければ嬉しいです。

それではまた近いうちに
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