君(キヴォトス)なんかゲームと(雰囲気)違くない? 作: 奥床式住居
ナツキからトオルへは”オ”を伸ばして『トール』呼び。
スクラップは、『トオル』『ナツキさん』。
街の至る所からもうもうと紫煙がたっている。
コンクリートの壁は崩れ、アスファルトの道路は割れて陥没している。
そして目の前には、1年半前に永訣した筈の唯一無二の親友が素知らぬ顔でこちらを嬉しそうに見ていた。
「走馬灯ってのはもっと過去の思い出がフラッシュバックする様な感じかと思ってたんだが……ハハッ、ナツキの幻影を見るなんて、俺も相当ヤバいんだな。」
眼前に存在する
「酷いな~、僕が幻影な訳ないじゃん。ちゃんと僕はこの場に存在するよ?」
「そんな筈無いだろ、お前は死んだ。俺の頭の中がここまでイカレてたとは思って無かったよ。」
ナツキが生きてる?そんな筈が無い、あってたまるか。
俺は、
「だ~か~ら~!僕は今!この瞬間!この場所に!いるの~!!!」
「クソッ!うるせえ、幻影!頭の中で大人しくしていてくれ!!それ以上ナツキを穢すな、俺の頭!!!」
ナツキの幻影を見てしまった衝撃で体の痛みなど等に気にならなくなり、自身に向かって怒声を上げる。
「も~!…………はぁ、ここで言い争いしてても段々とトールが衰弱していっちゃうだけだもんね。勝手に死なれたら困るよぉ。ちょっと待っててね、今瓦礫を退けるから。」
「幻影のお前に出来る訳が無いだろ、すっ込んでろ!」
「そうやって意地はってさぁ……昔からそうだよね、トールの方が力が弱いのに自分から厄介毎に突っ込んで行っちゃってさぁ、いつも僕が悪い人を殴り飛ばして決着を付ける。……懐かしいね。」
「ありゃ、トールの今のお友達が来ちゃった。」
幻影がそう言った少し後に先生やホシノ以外の対策委員会メンバーの声が聞こえる。うっすらと便利屋の声も聞こえる気がする。
「トオルッーーー!!!意識があるなら返事をしてくれッーーー!!!」
「トオル君~~!!返事をして下さい~~!!!」
「ね?聞こえたでしょ。」
「良かった、まだ死ぬわけにはいかないからな。」
「私も、トールに死なれると困るから死なないでね。それじゃあ、僕はもう行くよ。」
「さっさと消えてくれ、幻影。」
ナツキが視界の外へと消えて行く。壊れた瓦礫の山の上を歩いて行く音まで再現されてるなんて、俺は相当ナツキが生きていると信じて居たいんだろう。
「あ、そうだ。」
「往生際が悪いぞ、幻影。」
「最後に一言だけ。」
小走りで自分の目の前まで戻ってきたナツキは
「『我が儘に生きて行こうぜ。』」
「ッ!」
次の瞬間にはナツキは消えており、元からその場に居ないかの様な静寂だけがその場に残った。
そして、そのままゆっくりと俺の意識は落ちていった。
◆◆◆◆◆
トオルがカイザーPMCの破壊行為に巻き込まれて身動きが取れない状況だと知ったのは、PMC理事達を撃退した後の事だった。
対策委員会もトオルに売店を任せはじめてから仲が深まっていたという事もあり、とても動揺している様だった。
一緒に戦ってくれた便利屋のみんなもトオルと何度か会った事があり、顔見知りだからという理由で手伝ってくれるらしい。
そうして教えて貰った場所の近くまで行き、暫くの間呼びかけなどでトオルを探していると藍色の髪をショートボブに切り揃えた子が瓦礫の中に立ち、誰かに向かって話しかけていた。
私達がその場に近づいた頃にはもう既にその子はおらず、代わりに瓦礫の下敷きとなったトオルがいた。何とか瓦礫を退けてトオルを助けだすと、その奥にはスクラップが埋もれておりトオルと一緒にアビドスへと連れて帰った。
何故か、トオルはずっと何かに魘されていた。
トオルのプロフィールを(今更)載せておきます。
名前:鶴喰トオル
所属:無所属(何処かに所属していれば2年生)
年齢:16歳
誕生日:11月19日
身長:162㎝
趣味:寝ること,スクラップの整備,自由に生きる事
髪色:薄い紫(アツコと同じ)
髪型:1つ結び
瞳の色:赤(アツコと同じ)
顔の雰囲気:男勝りなアツコ、面の良い女(男)
服装:ライダースーツの上に黒いジャケット、下は無難なジーパン