君(キヴォトス)なんかゲームと(雰囲気)違くない? 作: 奥床式住居
ところで皆さんはクロコと臨戦ホシノ引きました?僕は怖くてまだ引いてないです……
おはよう!皆!久しぶりの元気な俺だぜ!!!
今は時計を見るに、昼の16時!俺、めっちゃ調子良い!スゴい!
…………はぁ、元気な訳無いだろ。体が動かせない位には痛みが残ってるし、頭もずっと鈍い痛みに支配されてて本当にヤバい(語彙力の喪失)
遠くから爆発音やらなんやらが小さく聞こえてくるし、そろそろホシノは救出されるんではなかろうか。
……カイザーの力を強めたり、ゲマトリアと関わったり、手を出すだけ出しといたのは俺なのになんの役にも立てなかった、俺のせいで対策委員会の皆に本当は負わなくても良かった傷をつけさせてしまった、自分で汚した
ああ、本当に
───────────消えてしまいたい。
『目が覚めたのね。』
俺の足下の方からスピーカー越しの声が聞こえる。
「こんな砂漠まで何をしに来たんだよ、会長。」
流石に会長の前で寝たきりなのは良くないだろうと思い、痛みに顔を顰めながらも体を起こそうとする。
その様子を見て、AMASが俺の頭の上まで移動してくる。
『無理はしないで、今の貴女の体では首を動かすのも精一杯の筈よ。』
「自分の体なんでね、それ位は知ってますよ。でも会長がAMAS越しとはいえ来てるんだったら体くらいは起こさないと失礼でしょう?」
俺がそう言って笑って見せると、AMASから会長のホログラムが投写される。
『貴女がこれ以上動けなくなって1番困るのは貴女じゃ無くて私よ。……一緒に
本当に、この人は
つまり言いたいのは、こんなにも積極的に感情を表に出してくる会長を見たのは初めてで少し驚いたというか何というか
『……ど、どうしたの?何か私、変な事を言ったかしら?』
「いや、会長大胆だなあって。」
『ッ!………………』
会長がッ……顔を、赤く!?会長のそんな顔今の今まで見たこと無いぞ……!ゲームでは勿論、この世界に来てからも含めても初めて見た……
「イチャイチャするのは良いんですけど、私が居る所でするのは止めてもらえますか?」
「トキ!?聞いてたのかよ!てか何でここにっ!?」
「AMAS越しとはいえリオ様が1人で行動するわけ無いじゃないですか。」
まったく……といった風にトキは呆れた様子で説明してくれる。
「確かに……そうだな、ちょっと色々あって混乱してた。」
「色々、ですか。トオルさん、貴女も中々悪い女ですね、悪女です。」
『いや、トオルは悪女じゃ無いわ。』
「
そう言って、トキが再び部屋の外へと出て行こうとする。
「『ちょっと待ってちょうだい!(待ったあ!)』」
◆◆◆◆◆
あの後、全力で出て行こうとするトキを引き留めてからしっかりと誤解について
「ふう……それで、長くなったけど本題に戻ろうか。」
『えぇ、そうね。』
「で、YOUは何しにアビドスへ?」
『端的に言えば「トオルさんを誘拐しに来ました。」
「へえ、誘拐かあ……誘拐ねえ……会長、流石にそれは性癖歪み過ぎですよ。」
『誘拐』意味は分かるし、これから何をされるのかも分かった。でもなあ、誘拐かあ……あんまり実感湧かねえなあ。多分俺の頭の出来がもっと良かったら今みたいに
『誤解よ!…………多分。』
「今、多分って言った?言ったよね?多分って。え?言い切って貰えないの?ちょっと、何か言って!目線逸らすなあ!!!」
『詳しく説明するわ、これから貴女をエリドゥに匿う。理由は貴女も分かってるでしょうけど、貴女自身がキヴォトスに存在する合法の病院全てと、非合法の病院に準ずる機関の8割が使えないから。』
会長は無理矢理話を進める事で、さっきの事を無かった事にしようとする。会長がそこまでするんなら空気を読んで俺も静かに聞いておこう。引き際、大事。
「合法の病院は分かります、自分の身分を証明できる物が無いからでしたよね?ですが、何をどうしたら非合法の施設まで使えなくなるんですか?本当に色々とやんちゃしてたんですね。」
「8割だからね、
『今大事なのはそこじゃないわ、貴女がちゃんと療養できる機関が無い事が問題なの。』
「だから、エリドゥで療養しろと……」
『えぇ、だから私と一緒に来てもらうわ。』
「俺もエリドゥで体中の怪我を癒やせるのはスゲえ嬉しいし、今すぐにでも行きたいんだけどさ……10、いや15分だけ待ってくれないか?置き手紙だけ残させて欲しい。流石に何も言わずに出て行くのは、無いだろ?」
『その位なら大丈夫よ。』
紙とペンを探そうと辺りに気を配ると、床に一筋の車輪の跡を見つける。
「そういえばスクラップが何処に行ったか知ってる?」
「あぁ、スクラップちゃんならもうとっくにエリドゥにいますよ。」
「なんだよ、結局俺がどう答えようと連れて行くつもりだったのかよ。てかアイツもアイツでほいほい他人について行くなよ……今度またちゃんと言ってやらないとな。」
『他、人……!?』
どこかからピシッと何かが割れた様な音が聞こえた気がしたけど窓もなにも割れて無いしなぁ、幻聴か。
そんな事よりも早く置き手紙を書かないとな。えっと、ペンと紙は……
「痛ッッッッた!!!」
「もしかして、自分が全身動かせない程に怪我してるのを忘れてました?さっき自分で言ってたのに?」
「タニン……タニン……」
トキがクスクスと俺の事を笑ってくる。こ、こいつ……!いつか絶対に分からせてやる……!!!
あと、会長の様子がさっきからおかしい。ホログラムも消えてAMASから何かを小さく呟いている、取り敢えずドンマイ?
「体を動かせないんですし、私が代筆しますよ?ほらトオルさん、どんな事を書けば良いんですか?」
「ありがとう、トキ。じゃあ……」
◆◆◆◆◆
「本当に、これで良いんですか?」
「え、別に変な所何も無いだろ?エリドゥの事も書いて無いし、何も問題は無いけど?」
「でも、この書き方だと……いや?やっぱりこのままにしておきましょう、面白いので。」
「面白い?まあ、兎に角エリドゥに向かうか。」
「そうですね。……リオ様?」
リオは未だに小さくブツブツと何かを呟いている。
「リオ様?リオ様!リオ様!!……はぁ。トオルさん、ちょっと今から私が言う言葉を復唱して貰ってもいいですか?」
「良いけど?」
「128√e980」
「なんて?????」
ひゃくにじゅうはち……は?分からん。何でこの言葉を復唱するのと会長が正気に戻るのとが関係あるんだ?
「良いから復唱して下さい。あ、できればAMASに囁くような感じで。『128√e980』ですよ?『128√e980』。」
「わ、分かった……」
取り敢えず、トキがAMASを掴んで俺の口元まで持ってきてくれたのを確認してから言われた通りに囁く。
「128√e980」(囁きASMR風ボイス)
『6606.48188…………っは!』
急に訳の分からない数字の羅列?を言いだしたと思ったら、急に正気を取り戻して再びAMASからホログラムが投写される。
「えっと、トキ?」
「おかしいですね、恋愛の方程式を知らないなんて……まぁ、リオ様が正気を取り戻したので良かったとします。」
「えっ?ん?は?ごめん、説明して貰っても?」
「それじゃあエリドゥに行きましょうか。」
『私は先に外に出て準備をしておくわ、トキはトオルを御願い。』
おかしい、話が早すぎる。まだ俺の疑問は晴れていないのだが……思い返してみれば今日は俺の話がスルーされてばっかりだな、イジメか?
そんな事を考えながらトオルはエリドゥへと輸送された。乗り心地は悪く無かったらしい。
後々『128√e980』の意味を知ったリオ
「I Lov…………」(機能停止)