君(キヴォトス)なんかゲームと(雰囲気)違くない? 作: 奥床式住居
リオ→トオル
トキ→トオルさん
シロコ→トオル
ノノミ→トオルちゃん
セリカ→トオル
アヤネ→トオルさん
ホシノ→トオル“くん”
「ト オ ル く ん」
ホシノを黒服から奪還した後、対策委員会と一緒にアビドスへと帰る前に事後処理をする。
たったの2日しか経っていない筈なのに、とても長かった様な気がする。やっぱり、1日が濃いと体感時間が変わるんだろうか?
手伝ってくれたヒナ達風紀委員会や、ヒフミことファウストに感謝の意を伝える事もしっかりと忘れずに行い、楽しそうに談笑しているホシノ含む対策委員会の元へと戻る。
「みんな、待たせてごめん。それじゃあアビドスに戻ろうか。」
そうして、ホシノ奪還作戦は終わりを告げた。
だが、私にはまだ向き合わないといけない問題が1つ残っている。もう逃げるのは止めよう、ちゃんとトオルに向き合って話をしないといけない。
◆◆◆◆◆
保健室の扉をノックして、中からの反応を少しだけ待つ。
数秒待っても反応が返ってこない為、少し不思議がりながらも声をかけてから中へと入る。
「スクラップ、トオルは目覚めたかい?」
その問いかけが返ってくる事は勿論無かった。何故なら、保健室にはもうトオルとスクラップは居ないのだから。
「二人は何処に……!?」
部屋中をグルッと見回すが、当然隠れられる様な場所も少なく、ベッドの下などの数少ない身を隠せる場所にもその姿は見えなかった。
焦りながらもなにか手がかりは無いかとトオルが寝ていたベッドの上に目を向けると、1枚の折りたたまれた紙が置いてあった。
当然、脳内にはホシノの残した退会・退部届がフラッシュバックする。
意を決して、二つ折りの紙を開き内容を確認する。
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先生と対策委員会の皆へ
まずは、俺なんかの為に応急処置やベッドを使わせてくれてありがとう。
暫く、信頼の置ける人のところで体の調子が治るまで匿って貰う事になりました、だから誘拐や失踪とかじゃ無いし安心して下さい。
俺が動けない間はその信頼出来る人に頼んで売店の補充をして貰うからそこら辺の心配はし無くても大丈夫です。
そして最後に、俺のせいで必要以上に傷つけてしまって本当にごめんなさい。これまで本当にありがとうございました。
鶴喰トオル
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「………………」
余りに話がまとまり過ぎている。なんで、『俺なんか』や『ごめんなさい』なのか、理解が出来ない。
なんでトオルはこんなにも自分を卑下して、下に落とすのか、何も分からない。
私の「分からない」を解消するにはこの手紙は簡潔過ぎた。
◆◆◆◆◆
「ちょっと、なによこれ!?せっかくホシノ先輩を取り戻せたと思ったら次はトオル!?」
「ん、トオルも早く連れ戻さないと。」
「ま、待って下さい!手紙には『信頼の置ける相手』と書かれているので、トオルさんの身に危険が迫っているなどの危機的状況では無いと思います!」
「私としては、なんで手紙にこんな事を書いたのか
各々が手紙の内容について意見を出す。
「私も、トオルについてまだ聞きたい事は色々とあるけど本人が安心して下さいって言っているんだし、ひとまずは大丈夫なんじゃ無いのかな?」
本当は今すぐにでも連れ戻したいが、大人として冷静さを失わない様に本音を堪える。
「おじさんも同意見だよ~、部屋の中で争った形跡も無かったし、見知らぬ足跡が1つあっただけでそれ以外は何もおかしな所は無かったからね。まあ、1つ気にするとしたら筆跡が明らかにトオルくんの物とは違う所だけかな。」
「やっぱり誘拐、筆跡の違うこの手紙は偽者。」
トオルのケガは結構酷く、目が覚めても満足に動ける様な体じゃ無かった筈だ。
「う~ん、トオルのケガが酷くて自分じゃ書けなかったんじゃ無いかな?それで代筆を頼んだとか?」
「確かに、それなら納得いくね~。」
「それでは、トオルさんについては暫く保留という事で良いでしょうか?」
「私は賛成です~☆」
「ん、先生とホシノ先輩の考えを信じる。」
「私も、シロコ先輩と同じで2人の考えを信じて賛成よ。」
「おじさんは勿論賛成だよ。」
「私も賛成。」
「それでは、対策委員会としてはトオルさんの捜索は保留という事に決まりました。」
自分の考え、判断は合っていたのだろうか。もう決まってしまったことを後から後悔するのは無駄だと分かっているのに、気づいたら考えてしまっている。
今はただ、トオルが無事だと信じよう。
ホシノはトオルにちょい重位の感情と、それをギリギリ越える程度の信頼を抱いています。それに加えて大分親近感も感じてるので結構仲いいです。
あと、トオルが体は女頭脳は男だとうっすら感じとってます。