君(キヴォトス)なんかゲームと(雰囲気)違くない? 作: 奥床式住居
ストック、大事。
それと、性転換タグを付けました。
ミレニアム自治区内の道路を1人の少女と1台のバイクが明らかに法外な速度で、往来する車と車の間を走り抜ける。
少女達の少し後ろに注目すると、同じようにバイクに乗っているロボットが10体おり少女達の事を全速力で追いかけている。よく見ると、ロボット達の来ている軍服の様なライダースーツにはカイザー系列の企業である事を示す王冠を被ったタコのシンボルが小さく入っていた。
「毎回本当に人使いが荒いよなあ、うちのお得意さんはさあ!」
『ですが、《金を貰えればなんでも運ぶ》とトオルはいつも言っているじゃ無いですか。』
「まあね?運ぶけどね?それはそれとしてさ、愚痴位は言わせて貰っても良いんじゃ無いのかなあ!?」
偶に弾丸が飛んでくる程の過激なチェイスの中でも互いに何かを言い合う程の余裕は持っている様子を見て、カイザーのロボット達は更に苛烈にトオル達を追い詰めようと躍起になる。
しかし、少しばかし勢いが苛烈になった程度ではトオル達を止めることが出来ずドンドンと距離を離されていく。カイザーPMCから支給されたバイクも市販の物のスペックを大きく上回っているはずなのだが、先程から追い付くどころか近づく事すら出来て居ない状況だ。
しかし道の先を見ると、歩道橋についている信号は赤く光っておりそこそこの量の車が溜まっている。
「ここから先は実質行き止まりだ!あの速度であの量の車の間を抜ける事は不可能だ!一気に畳み掛けるぞ!」
だが、トオルは依然として速度を落とさずに走り続ける。
「スクラップ!バーニアいくぞお!」
『ええ!全力でいきます!』
スクラップの一部が変形し、後輪の少し上から
その他にもアクスルシャフトの近くに
それぞれの噴出機構から赤とオレンジ色の炎が吹き出る。それに伴い、スクラップの速度も上がっていく。
「今だァ!!!」
その声と同時に炎の色が蒼白く変化し、スクラップが
「「「「「「「「「「飛んだぁぁぁぁ!!!」」」」」」」」」」
カイザーPMC達が驚きの声を挙げている間にもスクラップは着々と高度を上げていき、信号機の付いた歩道橋を擦れ擦れで飛び越えてそのまま先へ進む。
「これやった時に毎回思うんだけどさ、何でこの程度の噴出で空飛べるの?」
『………………神秘です!』
◆◆◆◆◆
あれから暫くの間走り続け、高層ビルが建ち並び、ビルと同じ程の高さに多くの道路が走っている近未来的な都市へと着く。都市のあちこちにはAMASが徘徊しており、警備を行っていた。
そこは、ミレニアムサイエンススクールの
そこからも暫くスクラップを走らせる。都市の中心にある1番巨大なビルの前でスクラップを停めてから中へ入る。その塔の最上階には、セミナーの会長である調月リオが待っていた。
「なあ会長。何回来ても思うんだけどさあ、この要塞都市エリドゥってデカすぎない?」
「待ってちょうだい、今凄く失礼なこと言わなかったかしら?」
「なんの事?ナニモココロアタリガナイナー」
「……そう、なら良いわ。」
リオが1度口から息を吸って、場の雰囲気を緊張感のあるものへと正す。
「それで、ここへ来たということは依頼は成功したということで良いわよね?」
「失敗の報告とは思わないのか?」
「失敗の報告なら電話でも出来るわ。もっとも貴女が失敗するとは思えないけど。」
「うわあ……」
「……どうしたの?」
「いや、そこまで信頼されてるとは思って無くて……ちょっとびっくりというかなんというか、色々と思うところがあってさ……」
原作では、1番近くにいたトキ以外の人間と距離を取っていた
「とにかく、依頼したものを渡してちょうだい。」
「ほらよ、爆発したら誰でも関係なく死ぬからな、丁寧に扱えよ。それと、今回の依頼は滅茶苦茶大変だったんだからしっかりと全額この場で支払って貰うからな。」
そう言って俺は、『ヘイロー破壊爆弾』を会長へと手渡した
「ありがとう。勿論、約束通り今この場で全額払うわ、トキ。」
リオがそう呼びかけると、両手に大きめのトランクケースを2つ持った飛鳥馬トキが部屋の奥から出てきて、両手に持ったケースをこちらへ手渡してきた。
トランクケースを受け取り、中に現金が入っている事を確認してから、トキへと話かける。
「トキ久しぶり、元気してた?」
「そういう貴女は最近もそこかしこで好き勝手にやってるようですね。」
「そんなに褒めるなよ、照れるなぁ。」
「……貴女はいつも通り元気だということが分かりました。」
「トキも、これからもしっかりと会長の事を支えてやれよ。」
「勿論です。」
トキとの会話が終わり、再び会長の方を向く。
「その爆弾を渡したのは俺だ、これからその爆弾で何をしようとしてるのかは大体見当が付くが……もし使う時がきたら俺もお前と一緒に悪役になるからな。あ、これは強制だから。」
「貴女まで巻き込む訳にはいかないわ、これは
「
「……………………ええ、分かったわ。」
「それじゃあな、次会う時が会長と一緒に悪役になる時である事を願うよ。」
そうして、エリドゥを後にしたのだった。
◆◆◆◆◆
「クックックッ、またやられてしまいましたか。警備のレベルは以前の5倍、研究所の位置も定期的に変えているというのに。」
黒い顔に、白いひびの入った不気味な男が元々ヘイロー破壊爆弾があった筈の場所を前に独り言を呟いている。
「鶴喰トオル……彼女もまた興味深い研究が出来そうです。」
多分次の話からは本当に対策委員会編に関わります。……多分。