君(キヴォトス)なんかゲームと(雰囲気)違くない?   作: 奥床式住居

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お気に入り登録が100件を超えました、嬉しすぎて手が震えてます……

最近は投稿する時間が結構遅れてるのでもっと早く書いていきたいです。


#4 次会う時は飯の席で

「こんにちは~!」

 

 全体的に薄暗く、机が1つと少しの観葉植物しか置いていないような部屋へと入るなりトオルは小学生の様な大きい声で挨拶をする。

 

「おや、本当に其方から来て頂けるとは思っていませんでした……鶴喰トオルさん。」

 

「うわっ!白々しい、で?なんで俺の事呼んだの?爆弾ならもう渡しちゃったから手元には無いよ。」

 

「いえ、あの爆弾は友人から貰った物ではありますが……やはり私とは違う方向からのアプローチを試みた結果の物でしたので、新たな刺激は受けられましたがそれ以上の成果は得られませんでした。」

 

「それで?」

 

「つまりは、爆弾よりも貴女への興味の方が大きい。ということです。」

 

「あ~ね?これから俺は悪い大人に騙されて利用されそうになってる訳だ。」

 

「ククッ聞こえは悪いですが、そういう事です。」

 

「悪いも何も事実じゃねえか、だって現に小鳥遊ホシノにも契約を迫ってるんだろ?性格悪い大人だね~!」

 

「……それでは、あなたに決して断れないであろう提案をひとつ。」

 

 そう言って黒服は1枚の契約書をこちらへと差し出してくる。

 

「ほお~……」

 

 契約書を受け取り目を通すが、やはりと言うべきか解釈の余地が余りある内容に一周回って感嘆の声を上げてしまう。

 

「……一応伝えておきますが、私達は貴女の相棒である神秘へと至ったAI(スクラップ)の情報も持っています。」

 

「そうなんだ、お~怖い怖い。」

 

 手に持った契約書を黒服の前へと置く。

 

「これは返す、別に俺はお前達にスクラップの事とか親友の事とか知られてても何一つとして困らねえし、今までに狙われた事もあるけど全部返り討ちにしてやった。」

 

 場が静まり返り、緊張感が漂うがそんなの気にせずに話を続ける。

 

「要するに断る。」

 

「クックックッ、本当に良いんですか?貴女とは仲良くなれそうだと思ったのですが。」

 

「お前は良くも悪くもルールの上ではこのキヴォトス最強だ、お前の土俵の上にむざむざと上がってやる程俺は馬鹿じゃ無い。俺は筋金入りの()()()()()だからな、ルールの外で戦うのが1番強い。まあ、便利屋程じゃ無いけど。」

 

「そうですか、貴女の意思は分かりました。」

 

「あ、そうだ!仲良く”は”なれそうだからさ、今度時間あったら飯行こうぜ、飯。金だけはあるから奢ってやるよ。これ、俺の電話番号、都合の良いときに電話かけてくれよその時に行こう。じゃあ俺は帰る!またな!」

 

 そうして、来たときと同じ様に飄々としたままトオルは帰っていった。

 

「ククッ!ククククッ!やはり貴女は面白い、ええ、いつか必ず食事にでも行きましょう。鶴喰トオル。」

 

◆◆◆◆◆

 

『トオル、黒服とかいうのはどうでした?』

 

「ああ~、まだ詳しくは決まって無いけど今度飯行く約束した。」

 

『そうなんですか~……ッてどんな約束してるんですか!?トオルが言ったんですよ?黒服は危険だ~!って!』

 

「なんというか、実際に会ったらさ……すげぇ聞き上手適正を感じて、一緒に飯行ったら俺の話を滅茶苦茶上手く聞いてくれそうだなあって思ったから誘った。」

 

『んな適当な!?私は心配ですよ、貴女がこれから先悪い人にほいほいと付いていきそうで!』

 

「そういう時はお前が止めてくれるだろ?なら、俺は自分のしたいことをしたい様にするよ、こんな物騒な世界なんだからさ。」

 

『ズルいですよ、トオル。それを言われると何も言い返せない事分かって言っているでしょう?』

 

「どうだかな。」

 

『はぁ…………もうすぐ目的地に着きますよ、予定よりも戦闘が長引いているようですね。』

 

 目線の先には誘拐されたセリカを取り戻す為に戦っている対策委員会の面々とヘルメット団達がいた。

 

アイツら(ヘルメット団)の使ってる武器が普段よりも良いものになってるな……カイザーか?多分、元を辿れば俺のせいなんだろうけどな。」

 

『突っ込みます?突っ込みます?』

 

「おう、予定よりも苦戦してるようだしヘルメット団の横腹を食い破る様に援護するか。」

 

 ハンドルをグンッと回してスクラップを加速させる。そのままヘルメット団の1人へとわざとぶつかる。

 

「なっ!?お前っ!!?」

 

 ぶつかられた団員は驚いた声を出したのも束の間、文句を言う暇も無く吹っ飛んでいく。

 

「ごめんごめん、事故だよ事故。」

 

『次も行きますよォ!』

 

 進んでいる方向と垂直に車体を倒して無理やり止まり、再び加速しながら団員への体当たりを繰り返す。

 ヘルメット団の数が最初の1/3になった頃にようやくヘルメット団達のリーダー格が指示を出す。

 

「敵は1人だ!近くで囲んで一気に叩け!」

 

 指示を受けるや否や、数人の団員がトオルを一斉に包囲して銃を向ける。

 

「その程度で俺達に勝てるとでも?」

 

『舐めないで下さい!』

 

 太腿辺りに付けていたホルスターから愛銃であるトーラス・レイジングブル(に酷似したリボルバー)を抜き、両手で構えて撃ちつける。

 

「痛えだろ、油断して俺達に勝てると思ったからだよ。」

 

 弾を全て撃ちきる頃には囲んでいたヘルメット団は半分まで減っていた。

 仲間が1人相手にやられた事に動揺している内に、後ろからダダダダダッとアサルトライフルで撃たれてその場に立っているヘルメット団が1人もいなくなる。

 

「貴女は誰?私達を助けた理由は?」

 

 ヘルメット団を倒した時と同じように警戒しながら銃を構えている砂狼シロコが問いかけてくる。

 

「俺の名前は鶴喰トオル、助けた理由は昼飯を届けに来たついで。」

 

「ふざけてると本当に撃つよ。」

 

「そっかあ、本当なんだけどなあ……」

 

 どうやら『第一印象を良く持って貰おう計画』は失敗したようだ。




ここまで来てもトオルの外見ちゃんと表記してないってマジ?
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