君(キヴォトス)なんかゲームと(雰囲気)違くない? 作: 奥床式住居
明日こそは本当にちゃんと21時投稿に……出来るよう頑張ります。
その場には熱を含んだ砂塵と火薬の匂いが残っており、砂の上に倒れ気絶しているヘルメット団と2人の少女、そして1台のバイクが緊迫した空気の中で向かい合っていた。
シロコの愛銃である『WHITE FANG 465』を向けられながらこれまでの自分の行動を振り返る。
元々無理があったんだ。そう、楽観視しすぎていた。
普通に、常識的に考えてどこの誰かも良く分からん生徒に助けを呼ぼうと電話なんてする訳が無いじゃん。
いやさ、馬鹿かよ過去の俺。なにがかんぺきー!だよ、ハッ倒すぞ。
あれからも何回かアビドスの生徒(ホシノを除く)をストーk……監視していた、だからもうすぐセリカが誘拐されるのを知って、それを利用してアビドス生達や先生と仲を深めようと思ったって訳。
俺は正直言って正面きっての戦いは得意じゃ無いし、わざわざ無駄なリスクを負ってまで戦いに乱入することも無い。
だから、戦いが終わった後に現れて「君たち、大丈夫かい?(クソイケボ)」して、疲れてるだろうしお弁当とかも差し入れたりしたらなんやかんやその場のノリで仲良くなれるかと思ってたんだよ。
まだ戦いが終わって無かった時は、まあしょうが無いけど加勢するか……位の気持ちで行ったらヘルメット団がちょっと強くなってたから、自分も戦いに参加するプランに切り替えてヘルメット団達をボコボコのボコにしてやった。ここまでは良かった。
そりゃ突然知らねえ奴が乱入してきて敵を倒し始めたら警戒するよねって事を忘れてた。だってしょうが無いじゃん、今の俺最近仕事忙しくて3徹目なんだもん。3徹目の脳味噌が考えた作戦なんて上手く行くわけ無いだろ!巫山戯んな!
……ふう、一頻り過去の俺にキレたらもう現実逃避はお終いだ。今は目の前のシロコをなんとかしないとな。
「最初から、簡潔に説明するな?」
「なんでも良いから早く貴女の目的を言って。」
「超簡潔に表すと、『来た、見た、勝った』って事。」
シロコが銃の引き金に指を掛ける。
「ち、ちょっと待った!もう少し話を聞いて欲しい!だからそんなに直ぐに撃とうとするのは止めろお!」
『さっきから黙って聞いていましたが……トオル、貴女の話し方が全部悪いですよ。銀髪のケモ耳っ娘ちゃんもトオルがそんなのだから引き金に指を掛けてるんです。』
「バイクが……喋った……?」
余りに自然にバイクが言葉を発した事にシロコは驚く。
「スクラップ、挨拶。」
『私の名前はスクラップです!年齢不詳、性別はバイク、好きなのは全速力で走ること!古今東西バイクは喋るものなので以後お見知りおきを!』
「えっと……よろしく?」
う~ん、ここからどうしようか……なんだかどんどん話が泥沼化してきたぞ……?
「あれ!?君は!」
ん?この声は……
砂煙の向こう側から、見覚えのあるイケメンがこっちへと走ってくる。
「先生じゃん!勝ったな、風呂食ってくる。」
「お風呂は食べないでね!?」
「先生、怪しい奴らを見つけたから尋問してた。」
シロコが俺と先生の間に割って入り、現状を説明する。
「その子は私の知り合いだから警戒しなくても大丈夫だよ、取り敢えずセリカも助けられたしアビドスに戻ってから続きは話そうか。」
「……ん、先生が言うなら。分かった。」
やっぱりもつべきものは先生だなあ……と思いながらアビドスへと移動した。
ぐだった時の先生は滅茶苦茶便利、はっきり分かんだね。