君(キヴォトス)なんかゲームと(雰囲気)違くない? 作: 奥床式住居
廊下の所々に小さな砂の山が出来ている。まだ夏じゃ無いと言うのに校舎の中は蒸し暑く、汗で蒸れて気持ち悪い。だが、そんな事が気にならない程に焦っていた。
「なんで俺は運転中に電話に出たんだ……」
そんな焦ってもどうにもならない事をグルグルと考えていると、いつの間にか対策委員会の部室の前まで来ていた。
部室の中ではまさに今、ホシノの置き手紙をアヤネが読み上げている所だった。
「……これは、部外者の俺が入っていく場面じゃ無いよな。」
そうして、暫くの間扉の前で息を殺しながら話が終わるのを待った。
◆◆◆◆◆
「ホシノ先輩っっっ!!!」
セリカがいの一番に声を上げる。
「何なの!?あれだけ偉そうに話しておいて!!切羽詰まったらなんでもしちゃうって、自分で分かってたくせにっ!!こんなの、受け入れてられる訳無いじゃない!!」
心の中の気持ちを全て吐き出すかの様に早口でこの場には居ないホシノをまくし立てる。
「……助けないと。私が行く。対策委員会に迷惑がかかるし、私一人で……」
セリカと同じ様にシロコも声を上げる。しかし、その内容は対策委員会にとっては受け入れられないものだ。シロコの声色はいつもよりも少し力強かった。
「落ち着いて下さい、今はまず足並みをそろえないと……!」
アヤネが感情が昂ぶっている2人を止める為に状況の整理を提案した直後……
ドカァァァァン!という大きな爆発音が響く。
その音が聞こえた瞬間、その方向へとトオルは走る。
「チッ!ホシノ退部の事ばかりに気をとられてカイザー襲撃のイベントの事を完全に忘れてたッ!ヘルメット団の持っている武器があれだけスペックが上がっていたんだ、本命であるPMCの方は原作とは比べものにならない位には武器の性能が上がっていると考えて言い!」
死人が出る前に早く避難を促さないと!
その一心で、爆心地へと向かった。
◆◆◆◆◆
~数十分後~
「フーッ、フーッ、ッ!?……クソ、しくったッ。」
瓦礫の重みで体が潰されそうになる。
破壊の激しいここら一帯の避難はほぼ全て終わっているが、最後の最後でミスをした。
頭から血が出ている事が分かる。
まだvol.1だぞ?こんな所でくたばってたらこの先どうすんだよ、まだ死ねないだろ?早く動けよ!俺の体!
瓦礫から抜けだそうと体をもがいていると、頭の上の方から声をかけられる。
「次はトールの番だね?」
「………………ナツキ。」
藍色の髪に、群青色の瞳、頭上で煌々と輝くのは雲の様な曲線で出来たヘイロー。
トオルくぅん……