輝く星と夢がない少年 作:多音
人は誰しも趣味を持つと思う。でも中には趣味を持つがある程度出来てしまうと興味が薄くなっていきやる気というか楽しくなくなってしまう人間も居る。まぁ世間一般でいう飽き性という存在である。
夢を持ちなさいとかやりたい事ないの?とか周りからいろいろ言われるが楽しくない事に真剣になんかなれないというのが坂本涼の言い分であるのだ。
私立結ヶ丘高等学校。東京都の表参道、原宿、青山の3つの街の狭間にある新設校で敷地はかつて廃校になった『神宮音楽学校』を再び使用している。それが彼の通う学校。
「東京の学校に……」
「まだそんな事言ってたのか?涼」
「だって……」
荷造りしながら不満に思っていた僕の不満は声に出てたらしく父に聞かれてしまったようだ。僕の今住んでる場所は北海道の人が少ない場所だ。なんでそんな所に住んでる僕が東京なんていう真逆の環境に行く事になったのかそれは……。
「なんで東京の学校に行くなんて言い出したのですかきな子は……」
すぐ近くにペンションがあるのだがそこの1人娘の幼馴染きな子のせいである。きな子はここまで人が少ない大自然で育った影響で東京に憧れたのである。近くの学校に行くもんだと思ってた僕は当然嫌がったが幼馴染の勢いに負けて上京を決意した。
「何がそんなに不安なのよ?」
「だって……東京の道なんか複雑で分からない」
「きな子ちゃんも居るんだし大丈夫よ」
母は疑問に思ってるが僕は方向音痴なのである。もっと言えばきな子は涼と同じくらいに方向音痴な為もっと不安である。まぁこんな風に不安を口にしながらも準備を完成させた。
「そろそろ時間だし行ってくるのですよ」
「涼」
「?」
「高校生活楽しんでな」
父から呼び止められて振り向くと楽しんでくるようにと言われた。恐らく東京の方で何か夢中になるものを見つけて欲しいのだろう。ここに居るよりも沢山の事に触れる東京でやりたい事を見つける事を息子に願っての言動なのは理解してる。
「……うん」
涼の方も心配を掛けて申し訳ないと思ってるので少し暗い返事になってしまう。
「あ、涼君おはようっす!」
「おう、もう待ってるとは早いな」
「えへへ……今日からの東京での暮らしが楽しみで早く家を出て来ちゃったっす」
家を出たらもうきな子が待っていた。いやめっちゃ楽しみにしてるんだが……。親とのしばらくの別れなのにそれで良いのだろうか。
「あ、お母さんも涼君との東京生活が楽しんできてねって言ってたっす」
「何を言ってるのです……」
なんか他の意味も含まれてそうな言い方なんですが……。
「さぁ東京が待ってるっす!行くっすよ!」
「東京からの道とか大丈夫なのです?僕地図とか検索じゃ分からないから一回行った場所じゃないと行けないのですよ?」
「大丈夫っす!きな子に任せて欲しいっす!」
いやどんなに急いでも飛行機が発つ時間は変わらないのですし謎の自信が怖い……。
────ー
「ここはいったいどこっすかー!!」
「やっぱりそうなるのですね……」
なんか最悪の新生活スタートになっちゃったのです……。
第1話なので今回は短めです