輝く星と夢がない少年 作:多音
「ふぁー……」
「欠伸が出る気持ち分かりますです。ふぁー……」
「リョーとすみれ!気を引き締めるデス!欠伸禁止デスからね。打倒ウィーンなのデスから!」
「なんか厳しいのです」
いつからこの部は朝練の集合前に欠伸禁止なんていう鬼みたいなルールが出来たのでしょうか。
「あ、リョー!ウィーンマルガレーテに対してやったような事は喧嘩になるかもしれないデスからもうしないでくださいよ!」
「昨日さんざん怒られましたではないですか」
「まだ全然足りないくらいデスよ。リョーがLiellaを大事に思ってるように可可達も大事に思ってるのデスから」
「私達の為に怒ってくださったのは分かりますが控えてくださいね」
「ごめんなさいなのです」
ついでとばかりにウィーンを煽った事を怒られてしまった。まぁもし大事になってたら僕がマネージャーを続けられるか分からなかったかもですしね。お小言を貰いながら次は絶対勝とうみたいな雰囲気になっていたがかのん先輩が浮かない表情をしていた。
「ちょっと良いかな?」
「どうしたのかのんちゃん?」
「練習前に話しておきたい事があるの」
「ま、まさかまだお説教があるのです……?」
「違うよ。その事は昨日もう注意したんだしもう終わりだよ」
じゃあなんの話なのだろうか。疑問に思いながらかのん先輩の話を聞く事にした僕たち。
「私たちまた勝つ事が出来なかった……。そんな私たちが優勝を目指して良いのかな?」
「そ、それは……」
やる以上はてっぺんを目指すべきだと僕は思うが勝った事ないのに優勝なんて口に出して良いのかというかのん先輩の言葉も分かる。他のメンバーも同じようで言葉に詰まっていた時に扉が開いてクラッカーの音が鳴った。
「おめでとう〜!!」
「先輩達の誰か今日誕生日だったりしますです?」
「なんで落ち着いていられるのよ……。後、今日は私たち誰も誕生日じゃないわ」
「じゃあなんできな子たち祝われてるんすか……?」
突然の事に僕らも困惑する。クラッカーが鳴っておめでとうと言っているので先輩達の誰かの誕生日かと思いましたですがどうやら違うみたいなのです。
「特別賞取ったんでしょう?」
「良かったね!」
「流石〜!」
「あ、ありがとうございますなのです?」
「ありがとう……でも本当は……」
「良いんだよ」
「えっ?勝てなかったのにそれでも良いのですか?」
「うん、それでも良い。それでも良いんだよ」
なんで勝てなかったのにそれでも良いなのでしょうか?
「ちょっと来て!」
──────
言われるがまま着いてきた僕たち。案内された場所にあったのは表彰された物を展示する場所みたいな奴なのです。
「これは……」
「去年一年間の……この学校の部活の成果が収められたケースだよ」
「全然無いでしょ?」
「優勝もほとんどないし……そりゃそうだよね……1年生しか居なかったんだから」
「かのんちゃん達は、自分達事をまだまだって思ってるかもしれないけど……」
「この学校の生徒にとって、かのんちゃん達は誇りなんだよ!」
「Liellaはこの学校のスーパースターなんだよ……!」
Liellaがこの学校の生徒からスーパースターと思われているのはやっぱり期待が大きいんだなぁと感じてしまうのです。
「私たちが……」
「スーパースター……」
「この事は忘れないで欲しい……」
「私たちはいつも誇りに思ってる……!」
「いつか1番輝くって信じてる……!」
いや、涙ながらにここまで言われたら優勝目指さないなんて言える訳がないのです。先輩やきな子もそれは感じているようだ。
「負けられない理由がまたひとつ増えたね?」
「ライブをしましょう……!」
「うん!場所はこの学校の体育館で!」
「ステージ作りは任せたわよ?マネージャー」
「僕に会場作りの経験がありませんので誰かサポートが欲しいのです。それさえあれば完璧にやってみせますのです」
「じゃあ私たちが教えるよ!」
僕がサポート役に誰か欲しいと思ってたら応援してくれた先輩達3人が立候補する。確かにLiellaのメンバーは今から準備とか大変ですから教えてくれるのは本当にありがたいのです。
「去年の東京予選はここに居る七海ちゃん達が中心になって作ってくれたんだ」
「あのステージを……先輩方のスキルをしっかり視て学ばせて貰います」
「うん!よろしくね」
「Liellaのマネージャーとの初仕事だね!」
「話してみたかったんだよね〜」
まさかあのステージを作り上げた人達から学べるなんて最初からとてつもないスキルアップに繋がりますのです。3人ともマネージャーである僕にフレンドリーに接してくれてますですので上手く連携出来るように頑張りたいのです。
──────
あれから急ピッチでライブの準備して僕は七海先輩達とステージ作りを終わらせた。いや、あのお三方は案を出すのも上手いしそれを実現する手先の器用さもあり一緒にやってて学びが多かった。僕も知識と器用さが更に上がった気がしますのです。
「1年生含めていっぱいのお客さんっすね」
「これは全校生徒が集まってそうな数なのですよ」
「よし!皆んな集まったね」
「マネージャーから一言お願いね」
「この曲は全員がセンターの曲。ステージに居る6人がいや、僕やライブに来てくれたお客様もセンターなのです」
「涼君も一緒にセンターっすね!」
「ここで自分を抜かさなくなったのは成長したんじゃない?」
「すみれと同じで素直じゃありませんデシたからね」
「うるさい!」
やっぱりまだこうやって口にするのは恥ずかしいですますけど、あんな事がありあんな事を言われたのだから自分も自覚を持たなければいけませんですからね。
「さぁ指を合わせるよ!」
「ほら、きな子ちゃんと涼君も!」
「はいっす!」
「はいなのです!」
最初の頃は団結力が必要なのは分かるけどなんで僕も?とか思っていたが今ではこれを僕もやる事でLiellaの繋がりを感じる事が出来て嬉しく感じるようになっていたのです。
ライブを大成功で終わった。最前の方をちらっとみたら米女さん号泣してましたですのでファンにとっても良いライブになったようで嬉しいのです。
「涼君!どうだったっすか?」
「凄い良かったのですよ」
「これからも頼むわよマネージャー」
「可可達の深まった団結力で優勝を目指しましょう!」
「はいなのです!僕らが目指してるのは優勝なのですから」
「おぉ、涼君からもその言葉が出るとは丸っと突き進めそうだね」
「はい、優勝目指して一緒に突き進みましょう!」
先輩達からも一緒に優勝まで突き進もうと言って貰える。確かに負けはしたがそれにより団結力が深まったので負けから学ぶというものを経験した気がしますのです。
「2人ともこれからも一緒に頑張ろうね」
「かのん先輩……はい!きな子達どこまでついて行きますっす!」
「もちろんなのです!」
先輩達やきな子と優勝目指して突き進んで行く事を改めて決意する。だって今の僕の夢はLiellaが優勝する事なのですから。
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