輝く星と夢がない少年   作:多音

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15話

「ここ」

 

 練習終わったので若菜さんに言われたように着いてきたのだがその目的地は誰かの家のようだった。まぁなんとなく誰が住んでるのかは想像出来ますですけど……。

 

「ここに何があるの?」

 

「あの2階の端の部屋」

 

「なんすか?何があるんすか?」

 

 若菜さんが言う部屋はここからだと見えづらいのです。後ろの方に居たきな子はジャンプしながら確認してるし先輩達も同じく見えづらそうだった。

 

「ここからだとちょっと見えにくいね……」

 

「まぁ近すぎると部屋の持ち主にバレる可能性もありますですしね」

 

「そう。これ以上近くに行くとバレる可能性がある」

 

「まぁ結構これでも近い方なのですがね……」

 

 そうこれでも結構近い距離にいるので普通に窓から外をみられたら普通に僕らが家の前にいるのが分かってしまう近さなのです。

 

「ムム〜……!!」

 

「ちょっと押さないでよ可可!」

 

「黙っているデス。なんかあの部屋からスクールアイドルにとってのお宝がある気がするのデス」

 

「お宝って……」

 

 すみれ先輩の肩に手を置いて強引に部屋に何があるのか見ようとする可可先輩。違うのでしょうが僕はお宝というとダイヤとか高価な物を想像してしまいますのです。

 

「双眼鏡使う?」

 

「貸してくだサイ」

 

「何で学校の鞄から双眼鏡が出てくるのですか?」

 

「ツッコんだら負けなのですよ恋先輩……」

 

 もう僕は若菜さんの行動や謎の出来事は、いちいちツッコまない方が良いと思い始めてるのです。だって、いきなり強制ランニングマシーンみたいなのをほとんど会話が無かった頃のきな子に付けたりするくらいなのですから……。

 

「あ、Liellaのポスターデス!それに下には3年前に発売された幻の限定BOXの歴代のスクールアイドル大全!それに……わぁ〜!?伝説の伝伝伝……」

 

「何泣いてるのよ……」

 

「泣くに決まってマス!この目で初めてみたのデスよ!ネットオークションではいつも高価で取引されていてその額はとても学生が手を出せる金額ではないのデスよ!?」

 

「分かった、分かったから……」

 

「どれくらいて取引されてるんすか……」

 

「ん〜今調べてるのですよ。えっ?やばいのです……」

 

「きな子にも見せて欲しいっす!え、えぇ!?」

 

 可可先輩が感動してる伝伝伝とやらはとんでもない値段だったのです。これは学生がポンと出せるようなというか社会人ですらこんな金額を簡単には出せませんのですよ。

 

「だ、誰の部屋なのデスか!?リョーやきなきなが驚いてるようにこんな激レアグッズを揃えられる人なんか、なかなかお目にかかれまセン!」

 

「他のグッズも激レアなんすか……」

 

「もう調べるのも怖いのです……」

 

 なんかサラッと凄い事を可可先輩が言ってますですが、あんな値段を見た今はもう僕は聞きたくも調べたくもありませんのです。

 

「あれ、部屋の住人が戻ってきたみたいだよ」

 

「米女さん……?」

 

「やっぱり米女さんですね……」

 

「……隠れて!」

 

 僕の想像通り部屋の主は米女さん。まぁ若菜さんが連れ出した時に分かっては居ましたですけどね……。後、米女さんにバレそうになり皆で隠れる事になったのはいいのですけどね……この状況はなんなのです?

 

(離れるデス〜近いデス〜!!)

 

(あんたの方こそ離れなさいよ〜!!)

 

 声はそこまで聞こえないがいつもの喧嘩してる声が聞こえてきそうなくらいにいつも通り2人。そこは普通。

 

(かのんちゃん……?何で私のお団子を掴んでるの?)

 

(いや、丁度いい所にちぃちゃんのお団子があったから新しい世界とか開けるかなぁって……)

 

(開けるわけないでしょ!?)

 

 かのん先輩は何をやっていますのですか……。まぁかのん先輩も先輩呼びとかのように、テンション上がってると謎行動を知っているのでこれも別に普通?

 

(なんでこんなに密着してるですか若菜さん?)

 

(隠れるため……)

 

(なら、もっと離れなさいなのですよ……それとも別の意図とか?)

 

(身体の作りが知りたくなったりなんかしてない……)

 

(ペタペタ触られながら言われても説得力ないですし、身体も特別な作りはしてませんのですよ……)

 

 僕の体をペタペタ触ってくる若菜さん。いや僕の才能は身体の作りというより記憶力とか飲み込みの速さなので頭の方なのです多分。でも、こんなに触られると頭の方も切開とかされそうで怖いのです……。

 

(ちょっと若菜さん!涼君に触りすぎだし距離が近すぎっすよ!!)

 

(き、きな子さんこんなに動くと……!)

 

「は、ハックション!ごめんなさいっす〜……!」

 

 きな子が怒って派手に動いた結果、恋先輩の髪がきな子の鼻の辺りを刺激したようで、くしゃみをする。これ確実にバレましたですよね〜……、これで誤魔化せたらいろいろ米女さんを心配してしまうのですよ。

 

「……声が聞こえたと思ったが気のせいか?」

 

「えっ?えっ……?」

 

「米女さんは大丈夫なのですか?」

 

「メイはそんなに視力良くないから」

 

「そうなんすか……!じゃあいつも目を細めて怖い目で見てるのは?」

 

「目が悪いからああいう顔になるだけ。眼鏡つけろっていつも言ってるんだけど」

 

 そこまで酷いのに学校の視力検査とかどうしたのですか……。

 

「それで、クラスの皆んなから怖がれちゃってたんすね……」

 

「ちゃんと言えばいいのに……」

 

「口下手だから」

 

 それって若菜さんも同じような気がしますのですが……。

 

「四季ちゃんと米女さんは昔から仲良しなんだね」

 

「そうなの?」

 

「……?違うの……?」

 

「友達がどういうのか分かりませんのです?」

 

「うん」

 

「えっ?」

 

 ──────

 

「初めてメイに会ったのは、中学の頃」

 

「結構最近だったのですね」

 

「涼君、口を挟んじゃダメっす」

 

 いや、だって僕やきな子のような長い関係かと勝手に思ってましたので意外過ぎるのです。

 

「元々、私は1人……でも、私はそれでも平気だった……」

 

 話を要約してみると、米女さんが1人でいた若菜さんに声を掛けたのが2人の関係の始まり。そしてある日の放課後、人間関係で上手く行かず教室に逃げ込んだ所に若菜さんが居てそこで意気投合。そして若菜さんが作った科学部にも科学に興味がないのに入部してくれたらしい。

 

「本当はスクールアイドルが好きなのに……」

 

「本当はスクールアイドルが好きなのに?」

 

「メイがこの学校を選んだのはスクールアイドルをやってみたいって思ったから。Liellaが居たから」

 

「それなのに、いつまで経っても始めない……」

 

「四季ちゃんは?スクールアイドル部に体験に来てくれたのは米女さんの為……?」

 

「ごめんなさい」

 

「気にしないで」

 

 話しを聞いてみて米女さんはスクールアイドル向いてない以外にもう一つの思いがある気がする。

 

「僕が思うに、米女さんは若菜さんを1人にしたくないのではないかと思いますのです」

 

「何故?」

 

「何故って……科学部は2人で作ったのでしょう?理由なんてそれだけで充分。つまり、お互いに相手のために動いてるって事なのですよ」

 

「訳分かんない……私はメイのために、何もしてあげれてないのに……」

 

 この2人はお互いに相手のために動くが空回ってる感じがしますのです。まぁお互い素直じゃないからこそ生まれたすれ違いって奴なのでしょうね。

 

 ──────

 

「ひぃ〜……!腰が!夏美の腰がオニナッツですの〜!引っ越しの仕事は時給が良いですが鬼ですの〜……でもマニーのためにやらねばならないんですの……」

 

 帰り道に高校生っていうかオニナッツが引っ越しのバイトをしていた姿を見た。そりゃ引っ越しのバイトなんて荷物だって重いでしょうし、かなりキツイはずなのです。

 

「なんか凄い高校生が居たね……」

 

「引っ越しのバイトをするなんてかなりガッツのある高校生なのですよ」

 

 引っ越しのバイトは力仕事ですからガッツが無ければ出来ませんのです。

 

「隠れて……!」

 

 帰り道を進んでいたら突然若菜さんに隠れるように言われた。今日は何回隠れるのでしょうか?

 

「随分遅かったな、どこで寄り道してたんだ?」

 

 若菜さんと米女さんの話し合いの場所だったようだ。若菜さん話を僕らにも聞かせるつもりでここを指定したのでしょうか?まぁ何はともあれ今から重要な話し合いが始まろうとしているという事なのですが上手く行って欲しい所なのです。

 

 




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