輝く星と夢がない少年 作:多音
「あ、涼君どこ行ってたんすか」
僕が教室に戻るときな子はまだ教室に居たが浮かない表情をしていた。それでもちゃんと僕が教室に戻って来た事に反応してくれる。
「ん?飲み物を買いに行こうと自動販売機を探してたら昨日のスクールアイドルの先輩に連行されてましたのです」
「ちょっと状況が分からないんすけど……」
「僕も最初びっくりしましたのです」
言葉にしたらいろいろおかしな状況なのです。まぁそのおかしな事のおかげでいろいろ覚悟を決める事が出来ましたですが。
「で、僕が居ない間に何があったのですか?」
「クラスの子からきな子と涼君を誘ってくれた先輩達は優勝候補だって教えて貰ったんす」
「まぁそのレベルにまでは達していてもおかしくはないのですよ」
「気付いてたんすか!?」
「いや1年だけで東京都の最終予選に行った実績がありますですからね」
「そうだったっす……」
やっぱりきな子はそこまで想定してなかったようなのです。まぁそれ以外の曲も聴いてましたですから仕方ないか。
「練習について行けるかとか足を引っ張ったらとか考えてますのですか?」
「そうっす……」
「まぁ、決めるのはきな子自信なのですが僕はきな子とならやってみたいと思うのです」
そう。僕がどれだけ望んでもきな子が嫌なら無理に勧誘する事は僕はしたくない。
──────
きな子は一日経っても悩んでる様子だった。多分興味はあるが向いてないとか思っているのでしょうね。そんな事を思ってたらインターホンが鳴った。
「涼君、一緒に東京の街を歩きに行こうっす」
きな子から外に出るよう誘われたのですがもう夜なのですけど……。まぁ悩んでるみたいなので同行してあげますですか。
「夜なのに着いてきてくれてありがとうっす」
「まぁ、悩んでる幼馴染からの誘いなのですからね」
そんな話をしながら道を歩いて行く。僕は道を覚えるのは得意なので帰る事は可能だからきな子の気が済むように着いて行く事にした。
「あっ」
「ん?あぁ、先輩達のライブこんな大きな画面でも流れてるのですね」
「やっぱり凄いっす」
きな子の言う通り凄いと思う。こんな大画面で流れるなんて普通に生きてたら絶対経験出来ないのですよ。
「き〜な〜こちゃんと涼君!」
「えっ!?かのん先輩」
「どうもなのです」
画面に夢中になっていたら恐らくランニング中のかのん先輩と遭遇しましたのです。
「夜も練習してるんすね……やっぱり凄いっす」
「最終予選まで勝ち進むだけあるのですよ」
「ねぇ?きな子ちゃん」
「ん?」
「先輩しか居なくて気後れしちゃうかもしれないけど……私!きな子ちゃんと一緒にスクールアイドルがしたいんだ」
きな子と一緒にスクールアイドルがしたいと言うかのん先輩。
「私だって最初は何も出来なかった……でも!みんなが居てくれたからなんとかここまで成長する事が出来たの。だから、これから先の景色はきな子ちゃんと一緒に見られたら凄い幸せ!」
「ほわぁ……」
本当にこの先輩は……心に響く言葉をこうスラスラと出してくるのですか?人たらしとかいう奴ではないのでしょうか。
「それにきな子ちゃんと一緒にスクールアイドル活動やりたいって思ってるのは私たちだけじゃないんだよ?」
「そうなんすか?」
「うん!涼君は誘ったんだけどきな子ちゃんと一緒にやりたいって言われちゃったんだから」
「何ニヤニヤしてやがるのですか……」
かのん先輩は余計な事を言いながらニヤニヤしている。まぁ待って貰ってるのは悪いとは思っていますですが……。
「その話初めて聞いたっす!どういう事っすか涼君?」
「まぁ、一緒に東京にまで来た幼馴染なのですから一緒にやりたかったのです……」
「えへへ……///」
「でもきな子の気持ちが1番なので無理にとは言いませんですよ?」
「そ、そうっすよね」
きな子は僕に満面の笑みをみせながら嬉しそうにしていたがちゃんときな子の意思で決めて欲しい事は伝えた。
「週末、屋上で今度のライブのリハーサルをやるんだ。待ってるから」
伝えたい事を伝え終わりランニングを再開するかのん先輩。
「どうするかはすぐに決める事ではありませんのですよ」
「そうっすね」
僕はライブのリハーサルがきな子に良い影響を与える事を祈りながらリハーサルを待つのです。
──────
週末になりかのん先輩に誘われた日になったのですがきな子は何処かに行ってしまっていたのです。一緒に行くもんだと思ってたが違うみたいなので自分も行こうかと思ったらきな子とオニナッツの姿があった。
「オニナッツ!貴方の心の鬼サプリ鬼塚夏美ですの〜……ん?」
「……」
「ちょっと〜!?気が散ってしまったですの!リテイクになるんですの!リテイク!」
「ひえぇー……すまねぇっす」
なんか責められてるのですが……助けた方が良いのでしょうか?これは。
「浮かない顔してますの」
「CEO……」
「夏美でいいですの。堅苦しいのは無しにしますの」
「興味はあるけど自分に向いてなさそうな時CEOなら!」
「んだ〜から夏美で良いって、良いですの?向いて無いことをいくら頑張ったってダメなものはダメですの……でもっ、やっても無いのに向いてるかどうかなんて、分からないでしょ?」
結構、良い事言いますのですねオニナッツ。ちょっとオニナッツの印象が良くなっている所に水色の髪の子がきな子に近づいた。確か若菜さんだったですっけ。
「自分に正直に」
「えっ?」
「ちょっ!?何やってるんですの!?」
うん。なんか強制的に二人三脚出来る機械みたいなのできな子の足と若菜さんの足が固定されてますのですが……うん何が起きたのですか今。
「足関節神経……ブロック……!」
「いやブロック!じゃありませんのですよ」
「貴方は確か……」
「り、涼君!助けて欲しいっす!」
「いや僕もこの機械の事よく分かりまさんですし多分もう手遅れかと……」
もう僕もツッコミに入らなきゃならないカオスな状況だ。オニナッツは僕と入学式に会ったのを覚えてたようなのです。若菜さんはぶつぶつなんか言ってますのです。
「準備完了……今から発進する……!」
「うわぁあああ!!!!!!!」
「勝手に発進するななのです!あ、オニナッツ!きな子を励ましてくれてありがとうなのですよ!」
「なんですのあのぶさけたスピードは……!?しかも礼を言いながらそれに着いて行ってる彼は何者なのですの!?」
発進してしまったので自分も着いて行ってきな子が怪我しないようにしなければならない。予想より早すぎるせいでオニナッツにちゃんとお礼が言えなかったのです。
「わ、若菜さん……!?」
「そこの君、このスピードに追いつけるの?」
「一度そのスピードを見ましたですからね。それで充分なのです」
「今度調べさせて貰っても……」
「絶対嫌なのです!」
今まで認知してきたスピードを大幅に超えてきたそのスピードに一瞬驚きもあったがすぐに追いついて同じ早さで走ってる。めっちゃ疲れますのですが……。
「ここで大丈夫かな……ファイト〜」
「若菜さーん!?」
「またよく分からない事をしてきますのですね!」
なんと機械の影響か若菜さんとの二人三脚が終わったら更ににスピードが上がった。もうこれどうなってますのですか本当に……。
「止まれない〜!?」
「その割には曲がったりするの完璧すぎではありませんですか……?」
「きな子もよくわからないっすよ〜!」
きな子は曲がるところで完璧なタイミングで曲がってて正直僕も着いて行くのでやっとである。そんな感じで走ってたら屋上へと着いたのだった。
「はにゃあ!なんだったんすか……」
「良い運動になりましたのですよ」
「涼君の良い運動はきな子には地獄っすよ……」
「大丈夫きな子ちゃん?」
きな子の息が整い声を掛けてくれた先輩をみるとそこには衣装を着ている先輩達が居た。
「何があったのよ」
「まぁ言葉にするのが難しい出来事がありましたのです」
「その話は後にして、まずはきな子ちゃん達にライブを観て貰いたい……私達Liellaの楽しいライブを!」
かのん先輩がそう言うとみんな立ち位置について曲に合わせて踊りを始めた。つまりライブスタートという事なのです。
──────
「なんじゃこりゃあ〜!!」
「なんか凄いびっくりしてますのですよ」
「捕まえたデス!」
きな子がびっくりのしすぎで片足でクルクル回り出した。いやこれ昔僕がふざけてきな子の前でやった奴じゃないですか……。
「2人ともどうだったかな?」
「ここまで楽しませて貰えそうな事初めて出会いましたですよ」
「きな子もっす!上手く言葉に出来ないけど……心に響いたっすよ。それに先輩達凄いキラキラしてたっす!」
きな子の心にも響いたようで少し興奮気味なのです。
「これがLiellaのライブ〜……!こんな近くで観ちゃった……!」
「必然……」
後ろの2人はバレてないつもりなのでしょうか……。
「これがスクールアイドルの魅力……みんなと結ばれて作る新しい未来!」
このライブを観てかのん先輩が言ってた人生が変わるというのが少し分かったような気がする。だってこんなに心に響いた出来事は初めてなのだから今後何が起きるか楽しみで仕方がなくなるのだと僕は思う。
「きな子ちゃん!涼君!Liellaに入ってくれますか?」
「きな子には向いてないかもしれないってずっと思ってたんすけど……今のライブを観て先輩達と頑張りたいって思えたっす!なのできな子も一緒にLiellaとしてスクールアイドルをやってみたいっす!」
「じゃあ涼君も……!」
「迷惑をかけてしまうかもしれませんですがLiellaをサポートさせて欲しいのです」
僕ときな子の気持ちはもう入る事で決まったのでそれを伝えた。するとかのん先輩達は手を僕らの方へ向けて来た。
「ようこそ、Liellaへ!」
「……はいっす!よろしくお願いします先輩っ!」
「よろしくお願いしますなのです」
「新メンバーデス〜!」
「一年生が入ってくれて良かったです」
なんか先輩達も凄い喜んでる。
「明日からサポート頼んだわよ涼」
「はいなのです!」
「あ、後で私がマネージャーの仕事教えてあげるね!」
「よろしくお願いしますのです千砂都先輩!」
なんか僕の方もマネージャーとして明日から気合い入れて行かないとですね。
「これから頑張って行こう!」
『おー!』
こうして僕の夢を探す第一歩を幼馴染のきな子と歩む事が始まるのだった。