輝く星と夢がない少年   作:多音

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6話

「米女さんを誘って欲しいって言われたっすけど……」

 

「本当にやるのですか?」

 

「やらなきゃ逃してくれなさそうっすよ?」

 

 きな子の言う通り若菜さんはやらなければ強制的にでも僕らと米女さんを接触させてくるだろう。だって顔で話しかけに行けって合図してますですもん。

 

「あの米女さん!」

 

「お前らは確かスクールアイドル部に入った……」

 

「マネージャーの坂本涼なのです!若菜さんから米女さんと話せと言われたので来ましたのです」

 

「な!?四季の奴……ああ確かにアンタにはいろいろ聞きたい事がある。だが隣の桜小路はなんで一緒に居るんだ?」

 

「それは……」

 

 そう米女さんが言うように米女さんからしたら用があるのは僕だけできな子は関係ありませんのです。きな子慎重に言うのですよ?

 

「米女さん!米女さんも一緒にスクールアイドルやってみませんか?」

 

「これは予想外……」

 

「全くあれだけ慎重に切り出すように言いましたですのに……」

 

 きな子が大声で勧誘したせいでクラスメイトは僕らに視線が集まるそりゃ1年内でもどこか雲の上ような先輩方という認識のLiellaに直接勧誘されれば注目の的になってしまうのです。

 

「2人ともちょっと来い……!」

 

 ──────

 

「ひ、ひいいぃ~っ!!命だけはお許しを~……!!お金は今無いっす!仕送りで暮らしており〜……あ!パンならあるっすよ!カルボナーラパン。涼君が作ってくれたから味は完璧っす」

 

「何も取らねえよ……ていうか料理出来るんだな」

 

「まぁ見たことがあるものならなんでも作れますですよ。本家よりも早くてキレイに」

 

「四季から聞いてたけどどうなってんだよ……」

 

 校舎裏に呼び出されてしまいきな子はお金を取られると勘違いしたようで僕が作ったカルボナーラパンで許して貰おうとしているのです。ちょっと失礼ではありませんのですか?後、米女さんは僕の飲み込みの早さを若菜さんから軽く聞いていたようなのです。

 

「で、僕らを校舎裏に呼び出してどうしましたのです?ベタなのですけど告白……」

 

「違えよ!!」

 

「まぁそうでしょうね。告白なら、きな子が居るのがおかしいですもんね」

 

 今まで校舎裏に呼び出される事は何回かあるがきな子も一緒でなんてあり得ませんですもん。

 

「話が進まねぇな……。四季に言われて誘ったんだろうけど私はスクールアイドルに興味が無い……もう誘うな」

 

「えっ?」

 

「次体育だから準備しといた方が良いぞ。マネージャーのアンタとは話しがあるから残れ」

 

「了解なのですよ。きな子、先に行ってるのです」

 

「分かったっす」

 

 まぁ次は体育だし用の無いきな子はストレッチでもして怪我の可能性を少なくするべきなのです。練習に張り切り過ぎて腰を痛めてるっぽいですしね。

 

「さぁ、要件を早く言うのです」

 

「まず最初にアタシはLiellaが好きだ!さっきは勧誘されない為に興味が無いって言ったけどな」

 

「まぁ、でしょうね。リハーサルライブをかなり熱心に観てましたですしね」

 

「な!?気付いてたのか!」

 

 まぁ、そりゃあんなに目立ってましたですし割とすぐ気付きましたのですよ。言ったら怒られそうだから絶対言いませんですけども……。

 

「そ、そんな事より私はライブを観てたんだから勧誘されてマネージャーになる所も観てた!」

 

「確か下心がどうとかで変な誤解を持たれてたのでしたっけ?」

 

「それも四季から聞いてたか……その通りだよ!なんでLiellaのマネージャーが男なんだよ!」

 

「いや、それを僕に言われましても困りますのですが……」

 

「後!その喋り方と容姿と態度も問題だ!」

 

「なんか因縁のつけられ方がめちゃくちゃなのですよ……」

 

 もはやマネージャーに入った事とか関係ない因縁のつけられ方なのですが……。

 

「その、その男子にしては可愛い顔となのです口調とかで先輩達に媚びて愛嬌キャラとして気に入られてるんだろ!」

 

「これ褒められてるのか怒られてるのか分からないのですが……」

 

「だから私はアンタを認めたくない!」

 

「はぁ〜……誤解が無いように言いますですが喋り方や態度に関しては北海道の頃からこんな感じですますからもう癖みたいな感じなのです」

 

「うっ……でも!」

 

「まぁ、確かにマネージャーだからというかこの学校には僕しか男子が居ませんですから怪しまれる気持ちもよく分かりますですけどそんな事はありませんのですよ」

 

「そんなの信じられる訳……」

 

「なのでしょうね……じゃあひとつ話しておきますですか。僕には夢がありませんのです」

 

「話を逸らしてるのか?」

 

 考えてみたらいきなりこの話をしても、話を逸らしてるように感じますですね。

 

「最後まで聞くのです。北海道に居たころは何をやってもすぐ出来てしまいつまらない日常が続いてて今後も続くと思ってたのですがLiellaの曲を聴いたら夢がみつかる気がしたのです」

 

「……」

 

「つまり何が言いたいのかと言いますとLiellaでの活動で夢を探してる僕には恋愛だとかに気持ちが向きませんのですよ。今はこれで納得して欲しいのです」

 

「そんな言葉だけでは納得出来ねぇよ!」

 

「はぁ……米女さんと同じく僕もLiellaが大好きで力になりたくなったってだけなのですよ。言葉だけじゃなくて今後の行動でLiellaに貢献しますですよ」

 

「うっ……」

 

 僕のLiella大好き発言に認めたくない米女さんも言葉を詰まらせる。まぁ僕のLiella好きは本心ですし行動で貢献すると言っててLiellaから求められて入った僕にこれ以上は文句言えないのでしょうね。

 

「まぁ、僕らも体育に行きますですよ」

 

「あ、あぁそうだな」

 

 僕らも体育に行かなきゃなりませんですからね。

 

 ──────

 

「桜小路はどこだ?」

 

「まだ走ってますのです」

 

 きな子は体育なランニングでも苦戦しており周りより遅くて先生が全員ゴールしたと勘違いするくらいに遅れてるのです。

 

「はぁ……はぁ……」

 

「あ、来ましたのです」

 

 僕がそう言うと先生も点呼確認と体調悪くなってないか確認をきな子にもしている。

 

「やっぱりLiellaの練習って厳しいんだ」

 

「ち、違うっす!これはきな子が体力無いからで!」

 

「朝も走ってるきな子ちゃん見たよ?」

 

「あれはきな子が自主的に……」

 

「でも、遅くまで練習してる所をみたよ?」

 

「それは!先輩達にステップを習っていて」

 

 周りはLiellaの練習がキツイから疲れてバテたと思われてるのです。きな子は自分の体力の無さのせいでスクールアイドル部へのイメージが更にキツイ練習のイメージが付いてしまい申し訳なく思ってるのだと思い誤解を解こうとするが先生の号令と重なり失敗してしまうのです。

 

「なんか誤解されちゃってるっすかね……」

 

「気にするなよ。みんな何も知らないんだよ。って私もよく分かんねぇけど」

 

「そうなのです。Liellaは優勝候補なだけあり周りからよくみられてしまってるので勘違いされやすいだけなのです」

 

 やはり学校中から注目を浴びてる部活なだけあり周りもLiellaのメンバーが練習してるのも視線を集まってしまうのでしょうね。まぁ本当に他の部活より練習量が多いのかもしれませんですが……。

 

「うぅ……優勝目指すためならこれくらいやらないとダメなんっすけど」

 

 米女さんからマネージャーなんだからちゃんとフォローしろみたいな視線を感じるのですが……。って言われましても僕にはどうすればいいかよく分かりませんのですが。

 

「この練習が正しい事はライブで示すしかありませんのですよ?」

 

「そ、そうっすよね」

 

 この励まし方は人によってはプレッシャーになってしまうかもしれませんですがきな子はそうするしかないのですしこれで正しい気がするのです。

 

「まぁ、練習頑張れよ」

 

 米女さんも激励してその場を去る。だが練習に対する誤解が広がってるこの状況を先輩達が変えようとして何か迷走しないかちょっと不安なのです……。

 




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