キヴォトス異世界録(旧:思いつき短編集)   作:第八古則

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SCP-544-JPの報告書を読んでから見ることをおすすめします。

DocRone作
SCP-544-JP - 孤独な放送室
http://scp-jp.wikidot.com/scp-544-jp
CC BY-SA 3.0

作中に登場する女性研究員はtale「進路相談」に登場する放送室から出た女の子です。
izhaya作
Tale 「進路相談」
http://scp-jp.wikidot.com/sinro-soudan
CC BY-SA 3.0


放送室異変(完結)
アビドス放送室異変


財団世界において、原因不明の大規模収容違反が起きた。SCP-544-JPも収容違反を起こしたオブジェクトの1つだった。

 


 

突如、アビドス地域に現れたデパートの外観をした建造物

 

シロコ「ん、なんだろう」

 

シロコは興味を惹かれて、少しだけ入ってみることにした。

 

入ってみると、男性の声で「ご来店ありがとうございます」とアナウンスが鳴った。

 

その三分後、「砂狼シロコさん、小鳥遊ホシノさんがお待ちでした」というアナウンスが流れた。

 

シロコ「ん、ホシノ先輩どこにいるの?」

 

そう言うが返答はない。ちょうど階段があったので、2階に行ってみることにした。

 

またさっきのアナウンスの三分後に「砂狼シロコさん、十六夜ノノミさんがお待ちでした」

 

というアナウンスが流れた。シロコは3階に上がろうとしたが、モモトークで聞けばいいことに気づき、ホシノ先輩とノノミにメッセージを送った。

 

そして3階に上がる。

 

それと同時にモモトークの返信が鳴り、アヤネから「戻ってきてください!」と伝えられた。

 

すぐに3階から1階へと降り、建物を出るとすぐにアビドス高等学校へ向かった…

 


 

職員「SCP-544-JP内部から少女が出てきました!」

 

司令部「その人物を追え」

 

職員「「「「「了解!」」」」」

 


 

シロコ「ん、着いた」

 

その後対策委員会の部室へ行った。

 

アヤネ「ホシノ先輩!この人がシロコ先輩ですよ!」

 

ホシノ「ごめんね〜おじさんこの人知らないんだ〜」

 

ノノミ「私もです〜」

 

アヤネ・セリカ「え〜!」

 

何が起きているんだろう。

 

その時、先生が入ってきた。

 

先生「みんな、おはよう〜」

 

アヤネ「先生、シロコ先輩のこと知ってますよね!?」

 

先生「そりゃ知ってるけど…どうしたの?」

 

ホシノ「先生が知ってるなら本当にいたのかな〜」

 

シロコ「ん、アヤネ、何が起きてるの?」

 

アヤネ「ホシノ先輩とノノミ先輩がシロコ先輩のことを、知らない、なんて言ってたんですよ!」

 

どういうことだろう。なんで知らないって言ってたのか。嘘をつく理由はないし…

 

???「失礼します」

 

そうすると見たことがないロゴが書いてある服を着た「大人」がやってきた

 

シロコ「ん、先生、この人たち知ってる?」

 

先生「いや、知らない。」

 

そう言われ、警戒する。

 

そしてその大人は先生に近づき、何かを言っているようだった。

 

先生「シロコがここにくる前に入った建物でアナウンスは何回鳴った?」

 

シロコ「ん、3回」

 

先生「どんな内容だった?」

 

シロコ「ん、一つ目は、ご来店ありがとうございます、って言ってた、他の二つはホシノ先輩とノノミが私のことを探してるアナウンスだった。」

 

今度はホシノ先輩とノノミに話を聞いたあと、大人の方に何かを話していた。

 

大人の方はまるで「予想通り」みたいな表情をしていた。そして、大人の話を聞いたあと先生の顔が険しくなっていた。

 

先生「シロコ…ホシノとノノミはシロコに関する記憶が“消えてる”らしい」

 

シロコ「消えてる、ってどういうこと?」

 

先生「記憶を忘れるのとは違う、元からなかったことになるんだよ。だから、記憶を戻すことは出来ない。」

 

シロコ「え…」

 

記憶が消える。元から無かったことになる。ホシノ先輩とノノミはきっと4人で対策委員会を続けてきたと思っているのだろう。その事実は、私の精神を結構抉った。でも、一年生と先生に覚えられているだけ幸運…だと思いたい。

 


 

if もしもSCP-544-JPにあのまま入り続けていたら

 

ノノミに忘れられたところからスタートです

 

シロコ(放送室かインフォメーションセンターにでもいるのかな)

 

そう思い、3階に上がる

 

その三分後、「砂狼シロコさん、黒見セリカさんがお待ちでした」と流れる

 

3階をしばらく探索した後、放送室を探すべく4階に上がる。その途中、「砂狼シロコさん、奥空アヤネさんがお待ちでした」とアナウンスが流れた。4階は文房具や本が売られていた。対策委員会のみんなにでも渡そうかな、と思い少し本を手に取り見ていた。また、その途中で「砂狼シロコさん、〇〇*1さんがお待ちでした」と流れた。

 

一通り本を見終わり、5階へ向かう

 

5階にはボイラー室、空調室、迷子通知システム(自動)と書かれた少し新しめの扉があった。

 

新しめの扉の方から声が聞こえてきた

 

???「この建物からすぐに出たほうがいい」

 

放送が鳴る

 

「砂狼シロコさん、便利屋68の皆さんがお待ちでした」

 

???「とにかく早く出た方がいい。」

 

シロコ「ん、先輩たちはどこにいるの?」

 

???「この放送室にはいない、早く出た方がいい。」

 

そう言われ、少し不思議に思いながらも建物を出た。

 

入り口付近には、見たことがないロゴが書かれている大人の人たちがたくさん集まっていた。

 

大人「中から女の子が出てきたぞ!」

 

大人「大丈夫?」

 

シロコ「ん、大丈夫」

 

大人「そっか。じゃあまた。」

 

もっと何か言われるかと思ったが、そうでもなかった。その後、対策委員会のところへ行くことにした。

 

アビドス校舎に着き、対策委員会が、こちらに向かって銃口を向けてきた。

 

困惑した。でもなぜか向こうも不思議そうな表情をしていた。

 

ホシノ「なんでアビドスの制服を着てるのかな〜」

 

シロコ「ん、私もアビドスの生徒だから」

 

ホシノ「こんな人いなかった気がするけどな〜」

 

先生がちょうど来た

 

ホシノ「あ、先生ちょうどいいところに」

 

ホシノ「こんな人っていたっけ?」

 

そう言いホシノ先輩は先生に聞く。なぜ聞く必要があるのか

 

先生「こんな人は知らない。でもなんでアビドスの制服を着ているの?」

 

シロコ「ん、だから、アビドスの生徒だから」

 

先生「いなかったと思うんだけど」

 

念のため手に握っていた銃を落とす

 

シロコ「え…」

 

みんなに忘れられている。元からいなかったことになっている。

 

その事実に絶望し、崩れ落ちる。

 

シロコ「なんで、どう、して?」

 

理由なんてわからない。なんで忘れられたのかもわからない。だが、ホシノ先輩やノノミ、セリカやアヤネ、先生にも忘れられたという事実は、私の精神を壊すには十分すぎた。

 

シロコ「あぁ…あ”あ”あ”あぁぁぁぁ!!!!!」

 

声にならない声で絶望を吐き出すように、そう叫ぶ

 

叫んだ後、悲しみと絶望のあまり涙を流す。いつしか涙は枯れ、血涙になっていた。

 

会えないわけではない、死んでしまったわけでもない。でも、忘れられ、元からいなかったことになる。

 

 

そんなことは、嫌だ

 

 

そう思い、なんとか希望を見つけ出そうとする。

 

だが時間が経つにつれ、絶望に脳を支配されていく。

 

そうだ。あの「大人」たちなら何か知っているかもしれない

 

そう思い、さっきのデパートがあったところに行った…

 

着くと、まださっきの大人たちがいた。近くにいた白衣を着た研究員らしき女性に何か知らないかを聞いてみた。

 

優しい口調で質問をされた。

 

女性研究員「もしかして、この建物の中に入ったの?」

 

シロコ「ん」

 

女性研究員「どのぐらいの時間入った?」

 

シロコ「ん、だいたい二十分ぐらい」

 

女性研究員「中に入ったらアナウンスがあったと思うんだけど、誰に呼ばれた?」

 

解決できるかもしれないという希望を抱きつつ質問に答えていく

 

シロコ「ん、対策委員会のみんなと先生、あと便利屋68」

 

女性研究員「……残念だけど…その子たちは…君のことに関する記憶が消えて、もう元には戻らないかもしれない」

 

シロコ「え…」

 

記憶が消えているらしい。あんな反応をしたのもわかる。だが、改めてみんなから忘れられていることを再確認され、記憶が戻る可能性が低いことを知ってしまったことで、また絶望に脳が支配される。

 

女性研究員「その気持ちはわかるよ、だって        

 

 

 

 

私も同じだから

 

 

 

 

女性研究員「詳しくは言えないけど、私もあの建物で、みんなに忘れられて…それでも楽しいことはいっぱいある、だから、絶望するんじゃなくて、前を向こう、ね。」

 

思わず泣いてしまい、目の前の女性研究員に抱きつく

 

女性研究員「よしよーし…ちょっと抱きつく力緩めてくれない?」

 

シロコ「嫌だ、しばらくはこうしてたい」

 

そう言って抱きつく力を強める

 

女性研究員「…まぁいいか(力つっよ)」

 

数分後…

 

その後、色々なことを話して、サイト - 81██に入れてもらえることになった。現在は、楽しい日常を送れているが、キヴォトスのみんなのことも気になる。そのことを言ったら、キヴォトスに連れて行ってもらえることになった。

 

まずはアビドスに行くことにした。制服だとまたややこしいことになりそうなので、最近買ってもらった私服で来ようかとも思ったが、やっぱり思い出がつまっている制服で行くことにした。

 

シロコ「ん、久しぶりのキヴォトス!」

 

最後に見た時と変わらない風景であり、相変わらず砂漠は暑い。

 

ヘルメット団「今度こそアビドスを奪うぞ!」

 

相変わらず襲撃してるのか…

 

久しぶりに愛銃を使って戦闘でもしよう

 

自衛のため持ってきた愛銃をヘルメット団に向かい発砲、そのまま戦闘をし、二割ぐらい倒して撤退した。残りは対策委員会に任せよう。

 

ヘルメット団のアビドス襲撃に合わせてアビドス高等学校に行った。対策委員会のみんなの様子を遠くから見ていた。

 

正直苦戦もしてなかったが、怪我の数が全体的に増えてる気がした。あとなんかこっちに視線が向いている気もした。 

 

対策委員会は一通り見終わったし、柴関ラーメンに寄った。

 

大将「いらっしゃいませー!柴関ラーメンへ…ってシロコちゃん!」

 

大将「1ヶ月ぐらいいなかったから心配したよ」

 

大将も覚えてくれている。やっぱり、覚えてくれているというのは安心する。

 

シロコ「ん、ちょっと色々あった」

 

そして、柴関特製ラーメンを食べた。久しぶりの味でものすごく美味しかった。

 

その次はシャーレに行くことにした。

 

そもそもシャーレに入れるだろうか。

 

でもシッテムの箱のOSは呼ばれてないから覚えてくれてるはず。

 

そして、シャーレの扉を開く

 

アロナ「あ、シロコさんこんにちは!」

 

シロコ「ん、先生はいないの?」

 

アロナ「先生は買い物中です!」

 

アロナ「そういえばシロコさん、1ヶ月ぐらいいませんでしたけど、何かあったんですか?」

 

シロコ「ん、ちょっと色々あってね」

 

アロナ「そうですか…あ、先生はもうすぐ帰ってくる頃だと思いますよ!」

 

先生。先生はあのアナウンスで呼ばれているから忘れられている。正直先生には覚えてほしかった。

 

先生「ただいまーって誰もいない、か、」

 

先生「ちょっと誰…あ、この前の…」

 

今の先生は、楽しく過ごしていた時期の記憶よりだいぶよそよそしい。

 

悲しいな。もう覚えてないのかな。そんなことを考えると、涙が出てきた。

 

先生「大丈夫?どうしたの?」

 

優しい口調でそう言われる。かつての楽しかった記憶が蘇り、涙があふれる。

 

そして、抱きついた。先生の体はあったかくて、楽しかった頃と何一つ変わらない安心感があった。

 

アロナ「どうしたんでしょう…先生は、シロコさんと交流があったはずなのに…」

 

かすかにそんな声でつぶやいているのが聞こえた。

 

先生が私に対してだいぶよそよそしいのが気になったのだろう。

 

そして先生から離れる。そろそろ帰らないといけないからだ。

 

シロコ「ん、よかった、先生が元気そうで。じゃあまたいつか。」

 

正直名残惜しかったが、帰る時間は守らないといけない。

 

そうして、私はきたところに戻った…

 

そして、あれから数ヶ月あり楽しく暮らせている。キヴォトスでは1ヶ月間行方不明だったことで、戸籍が残っておらず、こっちで暮らすことにした。もう二度と、忘れられたくはない。

 

そして、あの時に言われた言葉

 

『絶望するんじゃなくて、前を向こう』

 

辛い時に思い出して、希望をもらう。

 

 

 

 

 

失ったものを礎に、再出発だ。

 

 

 

 

 


 

if別視点 対策委員会・シャーレ視点

 

対策委員会視点

 

今日もアビドスに来て、いつも通りの日常。だが突然、何かが抜け落ちた感覚がした。

 

そのことがあってから数十分後、アビドスの制服を着た“誰か”が来た。

 

アビドスの生徒でない人がなぜアビドスの制服を着ているのか。

 

ホシノ「なんでアビドスの制服を着てるのかな〜」

 

???「ん、私もアビドスの生徒だから」

 

何を言ってるんだろう。生徒は対策委員会の“4人”だけだ。

 

ホシノ「こんな人いなかった気がするけどな〜」

 

あ、先生だ。ちょうどいいところに。先生に聞けばわかるはずだ

 

ホシノ「あ、先生ちょうどいいところに」

 

ホシノ「こんな人っていたっけ?」

 

そう言い、向こうにいる“誰か”を指さす

 

先生「こんな人は知らない。でもなんでアビドスの制服を着ているの?」

 

???「ん、だから、アビドスの生徒だから」

 

先生「いなかったと思うんだけど」

 

先生はそう言った。先生は関わった生徒全員の名前と顔を覚えている。アビドスは生徒数が非常に少なく、全員と関わっているので先生が知らないと言ったらいないのは確実だろう。

 

???「え…」

 

その子は手に握っていた銃を落とす。

 

???「なんで、どう、して?」

 

そう言って、目の前の人は崩れ落ちた。…何かあったのだろうか。

 

そう思った直後、声にもならない声で絶叫しているのが聞こえた。

 

???「あぁ…あ”あ”あ”あぁぁぁぁ!!!!!」

 

少しそっとしといてあげようと思った。あの子は今、現実から逃げたいのだろう。絶望から逃れたいのだろう。そこに介入して絶望を強めてしまったら、可哀想だ。

 

…いつの間にか、あの子はいなくなっていた。

 

その事があった後、柴関ラーメンの大将や他の人に「シロコちゃんはいないのかい?」など言われた。シロコ…シロコ…聞いたことがあるような、ないような…でも、そんな人は対策委員会にいないのだ。対策委員会にいないのだから、いないもなにもないだろう。

 

その1ヶ月後、またあの子がいた。ヘルメット団の襲撃の最中にこちらの方をじっと見ていた。

 

懐かしいような、懐かしくないような、そんな複雑な感情を抱きつつ襲撃に対処した。

 

シャーレ視点

 

私の中で、何かが抜け落ちるような感覚…それをアビドスに向かっている途中で感じた。

 

その後アビドスに着くと、アビドスの制服を着た“誰か”が立っていた。

 

ホシノ「あ、先生ちょうどいいところに」

 

ホシノが質問をしてきた

 

ホシノ「こんな人っていたっけ?」

 

私の記憶の範囲では、こんな人は知らない。アビドスは“4人”だったはずだ

 

先生「こんな人は知らない。でもなんでアビドスの制服を着ているの?」

 

???「ん、だから、アビドスの生徒だから」

 

そう、意味の分からないことを言う。

 

先生「いなかったと思うんだけど」

 

そう言うと、手に持っていた銃が落ちた。

 

???「え…」

 

絶望して、崩れ落ちていた。

 

???「なんで、どう、して?」

 

???「あぁ…あ”あ”あ”あぁぁぁぁ!!!!!」

 

そっとしておいてあげよう。私が“知らない”と言った瞬間にあの子はおかしくなっていた。私が下手に介入すれば、心に傷を負わせてしまうかもしれない。それは嫌だ。だから、そっとしておくことにした。

 

1ヶ月後、あの子がシャーレに来ていた。

 

先生「ただいまーって誰もいない、か、」

 

先生「ちょっと誰…あ、この前の…」

 

1ヶ月前のあの子だ。またアビドスの制服を着ている。

 

そう考えていると、その子は涙を流していた。

 

先生「大丈夫?どうしたの?」

 

何か解決に役立つかもしれない。優しい口調で聞いてみる

 

そういうと、その子は涙があふれてきている。もしかしたら悪い方向にはたらいたかもしれない。

 

そして、抱きつかれた。どうやら、言葉に言い表せないような安心感を持っているらしい。少し頭を撫でた。

 

アロナ「どうしたんでしょう…先生は、シロコさんと交流があったはずなのに…」

 

かすかにそんな声でつぶやいているのが聞こえた。

 

この子はシロコというのか。シロコと私は交流があったらしい。その頃のことを思い出そうとするが、わからない。

 

そうしているうちに、シロコが離れていた。

 

シロコ「ん、よかった、先生が元気そうで。じゃあまたいつか。」

 

すっかり泣き止んでいたので、解決の手助けになれたのなら何よりだ。

 

シロコが出て行く時に私は手を振ってみた。そうすると手をふりかえしてくれた。その後、嬉しそうにシャーレを後にした。

*1
シャーレの先生の本名




ifと別視点は蛇足かもしれません…
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