TCG至上主義の世界は魔境です   作:黒霧春也

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2話・カードゲーム作品あるあるの魂をかけた勝負(ブレイブ)

 2人の対決は相打ちに終わり。

 最終的にルート・レクイエムで幼馴染2人をボコボコにした後、真っ白に燃え尽きていた雄一郎と光里。

 その姿はボコボコにした俺が言うのも何だけど、少しかわいそうに感じるが、どこか気持ちよく感じるのは気のせいかな?

 

「いつも思うけどダンナは容赦がないな」

「お前だってコイツらを切り刻んだだろ」

「それはそう!」

 

 夕方の5時。

 2人と分かれて自宅に戻るために住宅街を歩いていると、デュラが何かを感じたのか別の場所に視線を向けた。

 

「ダンナ、またシャドウソルジャーっぽいやつが近くにいるぞ」

「最近は多いな」

「でも、コイツらを放置するのは出来ないだろ」

「まあな」

 

 帰りが少し遅くなるが仕方ない。

 シャドウソルジャーはカードゲームアニメに出てくる敵役みたいな存在で、本来なら主人公やメインキャラ達が戦う存在。

 ただ今のところは主人公キャラが候補しか見つかってない為、ばれないように俺が戦うしかないんだよな。

 

「貴様の魂を頂かせてもらう!」

「向こうから近づいてきてくれたぞ」

「そりゃ助かる」

 

 こちとらただの一般ソルジャー。

 まあでも黒いモヤをまとっている青年があるカードを天高く突き上げると、さっきまで夕暮れだった景色が真っ暗になった。

 しかも俺達は家の上に乗っており、ブレイブをするフィールドが空中に浮き上がる。

 

「ノワールフィールド展開完了。ラード5、魂の回収作業を始める」

「フォルテ、対象を叩き潰す」

 

 今の俺の姿は黒髪ウルフカットではなく、銀髪ウルフカットに変化。

 服装もパーカーにズボンから白い軍服に変化しており、ダメ大学生みたいな服装をしていたデュラは白銀の騎士鎧に黒い両手剣を背負った姿になった。

 

「ノワールブレイブ!」「ブレイブ!」

 

 今回も勝たないとな。

 半透明のテーブルに50枚のデッキを置いた後、上から6枚のカードを手札にするために引いていく。

 

 フォルテ(和也)ライフ15

 VS

 ラード5、ライフ15

 

 相手の姿は仮面に黒ローブの姿。

 俗に言うところの戦闘員タイプなので、俺は一息吐きながら6枚の手札を確認していく。

 

「先行はおれがもらう! スタート、サブ、メイン、まずはダークマンをサモンし、地雷カードをセット。 先行は攻撃できないからこのままターン終了」

 

 ダークマン〈所属・ダークキャラバン〉

 スケール1、パワー2

 

 相手のフィールドに現れたのは真っ黒い骨格標本みたいなユニットと、地雷カードと呼ばれるトラップがフィールドにセットされた。

 カラカラと骨を鳴らしているダークマンの姿は気持ち悪いが、初手の動きでは悪くないので俺はデッキからカードを1枚引く。

 

「俺のターン、ドロー、サブ、メイン! 手札の斥候ナイトをサモンして能力起動。デッキから同名以外のナイトキャラバンのカード1枚を手札に加える」

「初手からサーチかよ」

「さらにソングカード・奮闘を発動。これで俺のエンドまで斥候ナイトのパワーを1つ上げてさらに貫通効果を持たせる」

「ちいぃ!」

 

 斥候ナイト(所属・ナイトキャラバン)

 スケール1、パワー2→3

 

 ルート・レクイエムでは通常のサモンは基本的に1回しかできない。

 そのためコールと呼ばれる特殊サモンにどう繋げるかが勝負なので、ここで相手がどうガードするか見どころだな。

 短めの片手剣を振り回す小柄な騎士はズレた兜を治しながら切先を相手に向けた。

 なので俺は手札にあるカードの中から、一枚のカードを半透明なテーブルに置く。

 

「俺は地雷カードをセットした後にバトル。斥候ナイトで相手プレイヤーに攻撃!」

「ちいぃ! その攻撃はガードしない!」

 

・斥候ナイト、パワー3

 ラード5、ライフ15→12

 

 斥候ナイトのパワー3の攻撃をまともに受けた相手はプレイヤーゾーンから後ろに転がっていく。

 フィールドは半透明の床なので割れないか心配だが、特に問題がないのかヒビ一つ入ってないが……。

 攻撃を受けた相手は荒い息を吐きながら、何とか立ち上がりプレイヤーエリアに戻った。

 

「その攻撃は悪くないがオレはこのタイミングで地雷カード・黒の刺客を起動。今回受けたダメージ以下のユニットである2体目のダークマンをコール!」

「これは少しマズイか?」

「そう思うなら俺の隣でニヤッと笑うなよ」

「ははっ、すまない」

 

 ダークマンB(ダークキャラバン)

 スケール1、パワー2

 

 この程度は何回も経験してきた。

 そのため俺は真顔のままエンドに入ったが、対戦相手である仮面男?はデッキトップに手を置き勢いよくカードを引いた。

 

「イチャイチャしやがって! おれのターン、ドロー、サブ、メイン! よし、スケール1のダークマンの上にスケール2のバルサチンにグレードアップ!

さらにクロガネガールをサモン!」

「お手本のような展開だな」

「まあでも、俺達からすればソッチの方がやりやすいだろ」

「まあなー。で、相手の攻撃がくるぞ!」

 

 バルサチン(ダークキャラバン)

 スケール2、パワー4

 

 クロガネガール(ダークキャラバン)

 スケール1、パワー2

 

 ですよねー。

 相手のフィールドにはトライデントと呼ばれる先っぽが分かれた槍を持ったガイコツの騎士と、黒いオーラを纏った和服の少女が現れた。

 これで向こうは3体のユニットが揃っており、そのうちの1体はグレードアップと呼ばれるランクアップした強力な相手もいる。

 しかもコッチは攻撃した後で消耗(ダウン)している斥候ナイトしかおらず、このままだと大ダメージを受けてしまう。

 

「調子に乗りやがって! バトル、まずはトライデントで斥候ナイトへ攻撃!」

「このタイミングで地雷カード、偽物の鏡を起動。トライデントの攻撃対象を斥候ナイトからお前のクロガネガールへ変更する!」

「なっ、しまった!?」

 

 トライデント、パワー4

 VS

 クロガネガール、パワー2

・ラード5、ライフ13→11

 

 クロガネガールの能力は少し厄介だからここで倒す。

 そのためフィールドに裏側でセットしておいた地雷カード、偽物の鏡を起動して攻撃対象を変更。

 バルサチンが持つ槍がクロガネガールの胸を勢いよく貫き、そのまま攻撃を受けた相手はポリゴンのカケラになり爆散した。

 自分で自分のモンスターを倒してしまった相手は、バルサチンの貫通効果でのダメージを受けて膝をつく。

 

「バルサチンが貫通持ちでよかった」

「ぐっ、お前の狙いはこれだったのか!」

「うーん、ダンナの罠がこれだけだと思わない方がいいぜ」

「なに……。チッ、ここはターンを終了する」

 

 仮面のせいで表情はわからないが、何となく機嫌が悪くなってそう。

 なので性格の悪い俺は内心でニヤニヤしながら、次の展開をするための準備を進めていく。

 うん、デュラが準備運動をしているから早くフィールドに出したいところ。

 

「俺のターン、ドロー、サブに入って消耗状態の斥候ナイトを準備状態に回復。そしてメインにソングカード、騎士の希望を発動。手札のスタンド・ナイトをアウトゾーンに捨てた後に2枚ドロー」

「ここで手札交換か!」

「いや、ダンナの狙いはそれじゃない」

「そうそう! このタイミングでデッキ・手札から捨てられたスタンド・ナイトの効果起動。手札のナイトキャラバン、カードを1枚デッキに戻してシャッフルした後にこのカードをアウトゾーンからコールする!」

「なっ!? グレードアップなしにスケール2のユニットを場に出しただと!」

 

 スタンド・ナイト(ナイトキャラバン)

 スケール2、パワー3

 

 白銀の鎧に大き盾を持つ大柄な男性モンスター。

 地味目なスタイルなので多く語らる事ができないが、俺が使っているデッキには必要なカードなのでフィールドにコール。

 相手がコチラの動きに驚いているみたいだが、後ろで準備運動をしていたデュラが俺の肩を軽く叩いた。

 

「よろしく頼むぜダンナ!」

「おう、俺はスケール2のスタンドナイトの上にスケール3の天極の聖騎士・デュランダルをアップグレード!!」

「やっと出番がきたぜ!」

 

 天極の聖騎士・デュランダル(所属・ナイトキャラバン)

 スケール3、パワー5

 

 パリンとスタンドナイトがポリゴンになって消える中。

 俺の後ろにいた金髪ポニーテールの美女ことデュラは白銀の騎士鎧に白いマント、黒い両手剣を背負いながら堂々のフィールドに降り立った。

 その凛とした姿はカッコよく、毎回惚れそうになるがデュラの残念な性格を思い出して踏みとどまる。

 

「大型のエースユニットがターン4で出てきただと!?」

「アタシが出てきたからにはダンナ……いや、主君に勝利をプレゼントさせてもらう」

「ぐっ、だ、だが、このターンさえ耐え切ればおれもスケール3のユニットにアップグレードができる!」

 

 このカードゲームで一部の例外を除けばスケール3のユニットが最高ランク。

 そのため相手の手札にもおそらくスケール3が存在してそうだが、悪いがこのターンで決める。

 そう思いながら俺は念の為に地雷カードをセットしてから攻撃を仕掛けるのだった。

 

 

 

 

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