TCG至上主義の世界は魔境です   作:黒霧春也

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4話・中学校に入学したけどいきなりブレイブを挑まれました!

 人口100万人超えの大都市・梅岩市にある日元(ひげん)第2中学校。

 制服は学ランではなく紺色のブレザータイプで一般的な制服なのだが……。

 ソウルユニット持ちは少ないらしく、金髪ポニーテールで大学生くらいのモデルレベルの美女であるデュラを見て頬を染めている一部の生徒達。

 というか、しれっとパンツスタイルのスーツを来ているのでデキル様な見た目になってない?

 

「はぁ……」

 

 入学式が終わり1年3組の教室。

 担任の20代後半っぽい茶髪の女教師・浅山先生が学校の説明と自己紹介をしていく。

 その時にクラスメイト達も自己紹介していくのだが、俺は特に言う事がなかったので名前とよろしくお願いしますだけで終わらせておく。

 なのでデュラが少し不満げにしていたが、あまり目立ちたくないのでスルーしつつ、クラスメイトの言葉に耳を傾ける。

 

「これで全員終わったわね」

 

 最後の1人が自己紹介を終え。

 これ以上は特にやることがないのか帰りのホームルームになり解散になった。

 そのため俺は教室の後ろに立っているデュラと合流して帰ろうとしたが、クラスメイト&幼馴染である雄一郎と光里に両肩を掴まれる。

 

「なにシレッと教室から出て行こうとしているんだ?」

「うーん、お前らは親のところに行かなくてもいいのか?」

「今は和也と一緒にいたいのよ」

「お、おう?」

「ははっ、ダンナはやっぱり鈍いな」

 

 なんでコイツらはしんみりしているんだ?

 微妙な引っかかりを感じていると、雄一郎と光里は互いに顔を見合わせた後、深くため息を吐かれてしまう。

 その姿に目が点になるが、俺の後ろにいるデュラは嬉しそうに笑っていた。

 

「……ありがとう」

「ほんと和也はスレているわね」

「いってろ。でだ、これからどうするんだ?」

 

 数日前みたいに大型ショッピングモール・オゾナ内にあるカードショップ・バランにでも行くのかな?

 そうなるとまたカードパックを購入してお金が飛びそうだが、それはそれで悪くないか。

 自分の中で色々考えつつ教室から出ようとした時、大柄な男子生徒や取り巻きっぽいやつに出入り口を封鎖された。

 

「おいお前ら、教室から出たかったらおれたちとブレイブをしろ!」

「……また急展開かよ」

 

 急な出来事にオロオロしている浅山先生。

 周りにいるクラスメイトや親御さんは興味深そうにコチラを見てきており、ある意味で1年3組でのクラスカーストを決めるブレイブになりそうだな。

 そうなると少し面倒なのだが、このまま無視すると勝負から逃げた事になるので……。

 

「その勝負は受けてやるぜ!」

「雄一郎はやる気満々だけど和也はどうするの?」

「気持ち的には目立ちたくないが、逃げたくないしブレイブはするよ」

「ふふっ、わかったわ!」

 

 相手はこちらと同じ男子2で女子1。

 そのためリーダー格の茶髪大柄の奴は雄一郎に任せて、小柄で出っ歯な丸刈りの男子生徒と戦う事に。

 そのため教室の中央に立った後、腰から特殊なデッキケースを取り出して相手に向ける。

 

「「「「「「スタート・レクイエム」」」」」」

 

 やっぱりこの感覚はすごいな。

 この一言でデッキケースが光り輝き、俺の姿が黒髪&ブレザーから昨日と同じ銀髪&白い軍服に変化していく。

 

『プレイヤーネーム・フォルテのリンク完了。アバター姿で電脳エリアに召喚します』

 

 頭の中に響く女性っぽい電子音と共に電脳エリア。

 野球ドームみたいな場所にあるフィールドエリアに降り立つと対戦相手である出っ歯少年・ガラがシンプルなアバター姿で降り立った。

 

「無駄にイケメンでムカつくでヤンス!」

「そりゃどうも!」

「……って、後ろにいるのはさっきの金髪姉ちゃん!?」

「ん? ああ、アタシはダンナのソウルユニットだしな」

「ええええ!?!?」

 

 ソウルユニットと聞いた出っ歯な少年・ガラは目が点になっており、口を大きく開けながら叫んだ。

 そのため少しうるさいが、俺は相手の姿が映るモニターにジト目を送りながら言葉を返す。

 

「それよりも早くブレイブをしないか?」

「わ、わかったでヤンス!」

 

 なんか覚悟でも決めたのか?

 よくわからないがガラは真剣な表情を浮かべている為、俺は少し戸惑いながら息を吐く。

 その時に後ろに立っているデュラから軽く肩を叩かれたので、俺はニヤッと微笑む。

 

「いつも通りいくぞダンナ!」

「もちろん」

 

 この一言で会話は途切れたが、このやりとりはありがたい。

 なので俺は顔をフィールドの方に向けた後、やる気になっているガラ共に開始の合図を叫ぶ。

 

「「レディー・ブレイブ!」」

『プレイヤーの合言葉を確認。ライブモードで対戦を配信します』

 

 個人間で出来るプライベートモードではなく動画サイトに配信されるライブモード。

 サイトに動画が残ってしまうのはあまり好みではないが、仕方ないと思いながら自動シャッフルされたデッキからカードを6枚引く。

 

「先行は俺からだし、スタート、サブ、メイン。まずはシールドナイトをサモンした後に地雷カードをセットしてターン終了」

「だいぶ静かな立ち上がりでヤンスね」

「そりゃ最初ターンはなかなか動けねーからな」

 

 シールドナイト(ナイトキャラバン)

 スケール1、パワー2

 

 コチラがサモンしたのは大楯を持ち灰色の全身鎧武を装備した騎士型のユニット。

 1ターン目の動きとしては静かだが、初手は守備を固めたいのでこのやり方が多い。

 なので俺は残った手札を確認しながら、相手の動きに注意していくのだった。

 

《1ターン目のエンド》

・プレイヤーネーム・フォルテ

・ライフ15、手札4枚

・所属・ナイトキャラバン

〈フィールド〉

・シールドナイト

・地雷カード1枚

 ーー

・プレイヤーネーム・ガラ

・ライフ15、手札6枚

・所属・?

〈フィールド〉

・なし

 

 

 

 

 

 

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