《1ターン目のエンド》
・プレイヤーネーム・フォルテ
・ライフ15、手札4枚
・所属・ナイトキャラバン
〈フィールド〉
・シールドナイト
・地雷カード1枚
ーー
・プレイヤーネーム・ガラ
・ライフ15、手札6枚
・所属・?
〈フィールド〉
・なし
ーー
フィールドにいるのは俺が召喚したシールドナイトのみ。
そのため相手がどんなユニットを召喚するかわからないので、残りの手札をチラッと見た後に改めて視線を上げる。
「おれのターン、ドロー、サブ、メイン。ソングカード、虫のさざめきを発動。これでインセクトキャラバンのユニットが2体までサモンできるでヤンス」
「初手からいいカードを持っているな」
「引きがよかっだけでヤンスよ」
しっかし2体のユニットがサモンされる。
ぶっちゃけその動きは初手としてはヤバい方なので、俺はダラリと冷や汗が流れる感じを受けながら展開を見ていく。
するとガラは嬉しそうに手札から2枚のカードを取り出し、自分のテーブルプレートの上に置いた。
「ブラックカブトを2体サモン! そして同名カードが2枚存在する場合、手札のブラッククワガタはコールできるでヤンス!」
「な、なあ、ダンナ。アイツ意外と強くないか?」
「ユニットが増えてくれるのはコチラとしてはありがたいけどな」
ブラックカブト
スケール1、パワー2
ブラッククワガタ
スケール1、パワー2
カウンタータイプのナイトキャラバンデッキには相性がいい相手。
ただ相手のフィールドに現れた2メートルくらいの黒い装甲を持つカブトムシが、ツノをカチカチと鳴らしているので少し不気味に感じる。
それにガラが嬉しそうに笑っているので、おそらく他にもなりかありそうな雰囲気……このまま負けたくないので容赦なくカウンターを打ち込みたいところ。
「おれの虫達はそう簡単に負けないでヤンス!」
「フラグになってないか?」
「そんなわけないでヤンスよ! バトル、ブラッククワガタで攻撃!」
「ならシールドナイトでガード!」
「パワーが同じなら互いに破壊されるでヤンス!」
……悪いがそれは起きない。
ハサミをカチカチと鳴らしながら突き出しながらダダッと突っ込んでくるブラッククワガタ。
ブラックカブトに負けない黒塗りのかっこよさがあるが、コチラのガードユニットであるシールドナイトのパリィが直撃。
そのままひっくり返った後にメイスの重たい一撃を受け、相手のユニットはポリゴンになって消えていく。
「ええ!? な、なんでおれのブラッククワガタだけ破壊されたでヤンスか!?」
「シールドナイトがガードユニットの場合、そのバトル中はパワーが1上がって3になるんだよ」
「そんな効果が……」
攻撃、ブラッククワガタ、パワー2
VS
防御、シールドナイト、パワー2→3
シールドナイトが便利な効果を持っていてよかったが。
ガラのフィールドには攻撃可能なブラックカブトが2体残っているので、追撃を仕掛けてくる可能性がある。
そのため警戒していると予想通り……ガラが悔しそうにしながら口を開く。
「だけどお前にガードが出来るユニットはいなくなったでヤンスよ!」
「本当にそうかな?」
「ぐっ、今度はブラックカブトで攻撃!」
「相手ユニットの攻撃時に地雷カード、偽物の鏡を起動。ブラックカブトの攻撃対象をもう一体のブラックカブトに差し替える」
「なっ!? じゃあ、パワーが同じ2体のブラックカブトは……」
「互いに破壊されるぜ」
デュラの一言と共に錯乱したブラックカブトがもう一体のブラックカブトに突撃し、そのままぶつかり互いにポリゴンに変化してそのまま粉々に砕けた。
この一連の行動にガラは目が点になっていたが、なんとか気持ちを立て直したのか顔を上げた。
「ま、まだ! 手札からソングカード、虫のザンコウを発動して、破壊されたブラックカブトを1体だけ復活させるでヤンス!」
「だいぶしぶといな……」
「昆虫使いならこれくらい当たり前でヤンスよ!」
ある意味で予想が外れたな。
ここまでガン回しされたり対策カードを用意されているのはかなり厄介で、取り巻きと思っていたガラの実力が高い。
そう思った俺は自分の油断……いや、ガラを舐めていた事に気づく。
「すまない」
「頭を下げてきてどうしたでヤンスか?」
「お前を取り巻き扱いしていて色眼鏡で見ていた」
「あー、まあ、それも間違ってないので問題ないでヤンスよ」
「助かる」
とりあえず自分の引っかかりはなくなった。
そのためこっからは油断せずにやると決めた後、頭を上げて振り向くと後ろでいい笑みを浮かべているデュラが口を開く。
「……ダンナのスイッチが入ってよかった」
「なんか言ったか?」
「いや、なんでもない」
いちおう聞こえていたが今はスルーしておこう。
デュラの嬉しそうな笑みを見た後、視線を戻すとガラは真顔になりながらフィールドに復活したブラックカブトの方に視線を向けた。
そして何かを決めたように顔を上げたので、俺は苦笑いを浮かべながら相手の言葉を耳にする。
「ここはブラックカブトで攻撃するでヤンス!」
「その攻撃はガードしない!」
フォルテ、ライフ15→13
ブラックカブトの一撃がフィールドゾーンにいる俺達に直撃。
ライフが2つ削れたと同時に体に痛みが走り、俺は歯を食いしばりながら何とか踏ん張る。
そして顔を上げるとブラックカブトがダウン状態で相手フィールドに伏せており、攻撃が終わった事が確認できた。
「やっと攻撃が通ったでヤンス!」
「ここまで強引に攻めてくるとはな……」
「それがおれの持ち味でヤンスよ! あ、おれはバトルを終えてエンド」
後攻2ターン目に攻撃を受けるのはあんまりなかったし、こりゃ気を引き締めないとな。
嬉しそうに笑っているガラを尻目に、ターンが回ってきたので俺はデッキトップに手を置いていく。
その時にブレイブ特有の熱くなる気持ちが湧き上がったので、思わず頬がにやけてしまうのだった。
ーー
《1ターン目のエンド》
・プレイヤーネーム・フォルテ
・ライフ13、手札4枚
・所属・ナイトキャラバン
〈フィールド〉
・シールドナイト(ダウン状態)
ーー
・プレイヤーネーム・ガラ
・ライフ15、手札2枚
・所属・インセクトキャラバン
〈フィールド〉
・ブラックカブト(ダウン状態)