ターン3・プレイヤー、フォルテ
ドローしたカードはこのデッキのエンジン担当・斥候ナイト。
このカードが来てくれたお陰でだいぶ回りやすくなるので、ありがたいタイミングと思いながら動いていく。
「メイン、まずは斥候ナイトを召喚して効果発動。デッキからシルバー・ブレイカーを手札に加える」
「また堅実な手でヤンスね!」
「そりゃ俺のデッキは硬さがウリのナイトキャラバンだからな! っと、さらにスケール1の斥候ナイトをスケール2のシルバー・ブレイカーにアップデート!」
シルバー・ブレイカー
スケール2、パワー3
斥候ナイトがポリゴンになって消えるが、カケラが集まり始めて再構築されていく。
そして再構築された光の中から、銀髪醤油顔のイケメン青年が現れ、ピカピカに光る金色の鎧を見せつけるかのように地面に降り立った。
その姿はデュラとは別の意味でかっこいいが、それ同時に頭に手を置くポーズがダサく見えるのは気のせいだろうか?
「な、なあ、ダンナ、アタシの出番はもう少し後なのか?」
「うーん、まだゴリ押しをしたくないんだよ」
「なるほどねー。まあ、手札が揃ってねーし仕方ないな」
「お、おう……」
ソユコト。
前みたいに綺麗に回れるなら3〜4ターン目にデュラにグレードアップする事もできるが、今回は手札が微妙なので彼女を呼び出すよりも手堅い手て動いている。
そのためデュラが不満げにしているので、俺は苦笑いを浮かべながらブレイブを進めていく。
「流れ的におれのライフが削られそうでヤンスね」
「悪いがそれだけではないぞ! 俺はソングカード、奮闘を発動してシルバー・ブレイカーのパワーを1上げた後にこのターンのエンドまで貫通効果を持たせる」
「で、でもおれのユニットはダウン状態だからそもそもガード出来ないでヤンスよ!」
「それはどうかな?」
基本的に攻撃側のユニットは防御側のユニットに攻撃できない。
ただそれはあくまで基本的になので、俺はニヤリと笑みを浮かべながらソングカードの効果でパワーアップしたシルバー・ブレイカーに指示を出す。
「地雷カードをセットした後にバトル! 強襲持ちのシルバー・ブレイカーは相手ユニットに指定攻撃が出来る!」
「なっ!? そうなるとおれのブラックカブトは!」
「パワーはコチラが上だから破壊させてもらう!」
強襲は相手のユニットに指定攻撃ができる強力な効果だが、基本的にパワーが低めなユニットが持っている。
ただ今回の場合はソングカードで強化しているので、パワーが上がったシルバー・ブレイカーは嬉々として両手剣を構えながらダウン状態のブラックカブトに切り掛かった。
攻撃、シルバー・ブレイカー、パワー3→4(貫通持ち)
VS
防御、ブラックカブト、パワー2
ガラ、ライフ15→13
ダウン状態にも関わらず攻撃されるブラックカブトは、大きなツノを使ってシルバー・ブレイカーの一撃を受け止めるが。
そのツノに大きなヒビが入って少し砕けた後に、シルバー・ブレイカーの横薙ぎを受けて横から真っ二つにブッ切られ、その時の余波を受けたガラが軽く吹き飛んだ。
「ぐうう! でも、このタイミングでソンクカード、虫のザンコウを発動して破壊されたブラックカブトを復活させるでヤンス!」
「このタイミングで2枚目の虫のザンコウか……」
「おれだけ簡単に負けたくないでヤンスからね!」
虫のザンコウはフリーカード。
タイミングさえ合えば相手ターンにも発動できるので、ここで蘇生カードを使わせたのはよかったと考えるべきか?
中途半端な気持ちになっていると、シールドナイトが自分は?みたいな顔になっていたので一つ頷く。
「悪いがシールドナイトにはガードに回ってもらう」
「コクリ……」
「よし、俺はこれでエンドだ。そして奮闘で強化されていたシルバー・ブレイカーのパワーは元に戻る」
シルバー・ブレイカー、パワー4→3
エンドに入って奮闘の効果が終了。
さっきまでパワーアップしていたシルバー・ブレイカーは物足りなさそうにしており、隣で攻撃に備えているシールドナイトへため息を吐いていた。
その姿が何ともいえなくなるが、今はブレイブに集中するために相手の方に向く。
「これでアタシ達の方に流れが来たか?」
「いや、相手の方が諦めているように見えないんだよな……」
「そうなるとこの状況を覆す手段があるのかよ」
「多分」
ガラの手札は残り1枚。
ドローで1枚増えるとはいえ、それでも逆転するのは珍しいはずだが。
ただガラは嬉しそうにしながら勢いよくカードを引き、その時に何かが散ったような感じがした。
「きたっ! おれはソングカード、虫のきらめきを発動。このターン、サモンとアップグレードができない代わりに手札からスケール3以下のインセクトキャラバンのユニット1体をコールする!」
「おいおい!? このタイミングでコールが出来るカードを引くのかよ!」
「もちろんてまヤンス! 現れろ、スケール3!! ヘラクレス・クロスビートル!!」
ゴオオォ!?
フィールドに現れたのは金色と黒色の装甲にヘラクレスオオカブトの特徴である立派なツノ、スケール3の大型ユニットなので強力な効果を持ってそう。
そのため俺は冷や汗をダラダラと流していると、ガラがニヤニヤしながらヘラクレス・クロスビートルに指示を出した。
「ヘラクレス・クロスビートルの効果でアウトゾーンに存在するブラックカブトとブラッククワガタを復活させるでヤンス!」
「こ、これでそっちのフィールドにはスケール3も含めて3体のユニットが揃ったな」
「これは流石にやばくねーか?」
・ヘラクレス・クロスビートル
スケール3、パワー5
・ブラックカブト
スケール1、パワー2
・ブラック、クワガタ
スケール1、パワー2
いちおうマインカードもあるけど今回セットしているのは偽物の鏡じゃないんだよな……。
そうなると同士討ちで効率よく倒せないし、ヘラクレス・クロスビートルは蘇生効果以外にも厄介さがある。
なのでどう持ちこたえるか悩んでいると、テンションが上がったガラは嬉しそうに叫び始めた。
「こっからがおれの昆虫パーティでヤンス! バトル、ヘラクレス・クロスビートルで攻撃!」
「ちいぃ! そいつは貫通持ちだしガードはしない!」
「それならライフをいただくでヤンス!」
「ぐうぅ!!」「ダンナ!?」
ヘラクレス・クロスビートル、パワー5
・フォルテ、ライフ13→8
クソ重いヘラクレス・クロスビートルが放つ電撃。
それを受けた俺は何とか踏ん張るが、さっき以上の痛みに顔を歪ませてしまう。
ただライフ的には大丈夫なので体からプスプスと煙が上がる中、微妙な笑みを浮かべながら顔を上げる。
「はあ、はあ、何とか耐え切れた」
「そりゃよかったでヤンス」
「余裕がありそうでいいよな」
「まあでもこれ以上はその地雷カードが怖いから攻撃しないでエンドでヤンスよ」
よし、なら今だな。
これ以上は警戒して攻撃してこないなら、セットしておいた地雷カードが発動できる。
表向きは汗を流すが気持ちを切り替えながら、俺はプレイテーブルの左下に置かれているマインカードを起動していく。
「このタイミングで伏せていたマインカード、騎士の生還を起動してこのターンに受けたダメージ以下のパワーを持つ斥候ナイトをアウトゾーンからコールする!」
「その地雷カードは蘇生札だったでヤンスか!?」
「おう! で、このタイミングで斥候ナイトの効果を発動してデッキからスタンドナイトを手札に加えさせてもらう!」
これで下準備は整った。
後は次の俺のターンでどこまで動けるかだが、やっとこさ相方の出番がきたので。
俺はチラッとデュラの方を見ると、彼女は嬉しそうに拳を付き合わせるのだった。
ーー
《4ターン目のエンド》
・プレイヤーネーム・フォルテ
・ライフ8、手札3枚(1枚はスタンドナイト)
・所属・ナイトキャラバン
〈フィールド〉
・シールドナイト(準備状態)
・シルバー・ブレイカー(ダウン状態)
・斥候ナイト(準備状態)
・地雷カード1枚
ーー
・プレイヤーネーム・ガラ
・ライフ13、手札0枚
・所属・インセクトキャラバン
〈フィールド〉
・ヘラクレス・クロスビートル(ダウン状態)
・ブラックカブト(準備状態)
・ブラッククワガタ(準備状態)