機動戦士ガンダムSEED Free……Dream ―ミカイが見た夢―   作:黒瀬夜明 リベイク

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FINAL PHASE 自由な未来、そして―――

ブラックナイトスコード・カルラが激しい爆発と共に消失する光景を眺めていた深海たち。深海は表情を変えることは無かったが、オルフェとイングリットの2人は少し晴れやかな表情を浮かべていた。そしてブラックナイトスコード・カルラの爆発光が収まった時、アグネスから通信が入った。

〈これでいいんでしょう?〉

「ああ。ありがとうな、アグネス……さて、ミレニアムに戻るぞ」

〈了解よ……ところでアンタ、その2人をどうする気?〉

不意にアグネスから質問が飛んできた。しかし深海は、落ち着いた様子でアグネスにこれからの事を説明した。アグネスは困惑や驚きを交えながら、深海の説明を最後まで聞いていた。

「……という事だ。ミレニアムに戻ってからは俺が説明する―――」

(そして恐らく、俺の役目はそこで……)

深海がそう考えると、イングリットは一瞬だけハッとした表情となった。オルフェは不思議そうな表情を浮かべていた。しかし深海は、それ以上を考えないようにした。そしてミレニアムに向けてムラサメストライクを向かわせた。

 

 

ミレニアムへと帰還した深海は、オルフェとイングリットを伴ってマリューとコノエの元へ向かい、事情を説明した。今回の戦闘で、オルフェたちアコードは全滅し、アウラ女帝も死亡した。それが、事実として記録されていると深海は付け足して説明し、オルフェとイングリットをどうか許してやってほしいと懇願した。当初はマリューもコノエも難色を示していたが、深海の粘り強い説得を受けて、何とか2人の生存を認めてもらうことが出来た。深海は今一度深く感謝を述べ、自室へと向かった。そしてオルフェとイングリットの2人に、これからはオーブで静かに暮らすようにと伝えた。

「最後に、2人はこれからこの偽名を使え。自分の身を守るのに必要な名前だ」

そう言って深海は机の上にあった紙に、2つの名前を書き綴った。そしてそれを2人に見せた。

「……如何にもオーブ国民。と言った名前のようだ」

「そうね。何ていえばいいのかしら…極東の小さな島国に同一人物が居そうね」

「そ、そうだな」

そんな事を言って小さく笑っていると、不意に深海の身体が光り出した。その光はやがて粒子のように深海の身体を包み始める。

「っ!!ミカイさん!」

「こ、これは一体、何が起こって―――」

その光景を目にしたオルフェとイングリットは驚愕の表情を浮かべた。オルフェは元より、真実を伝えておいたイングリットは、これが何を意味するのかハッキリと認識させた。深海は小さく笑みを浮かべて、口を開いた。

「フッ、どうやら俺も、目覚めの時間のようだ」

「そんな、私たちはまだ貴方に何も―――」

イングリットが悔しそうに呟くが、深海は首を振って答えた。

 

 

お前たちが幸せに暮らせていれば、俺はそれだけでいい

 

 

「ミカイ・クロノ……」

「……オルフェ・ラム・タオ」

「っ!」

消えかかっている深海は、オルフェの困惑しつつも、何かを察した様な表情となっているその目を真っ直ぐと見つめた。そしてそれに気づいたオルフェもまた、深海の目を真っ直ぐと見据えた。

 

彼女をもう、二度と泣かせるんじゃないぞ?

 

「―――!」

「それだけは、約束しろ。いいな?」

「……わかった。約束しよう」

オルフェは短く、そして強く答えた。そして、イングリットの肩を抱き寄せた。

「ミカイさん、本当にありがとうございました!このご恩は、一生忘れません!」

イングリットがそう叫んだ時、深海は大きく頷いた。そして―――

(幸せにな。オルフェ、イングリット)

そう心で2人の幸せを願い。深海の姿は光となって消え去った。

 

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