鬼畜な戦場での日記   作:mari_24

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第二章 壊れるまで

戦闘終了後2時間後

本部

本部の建物は陸軍基地の中央に位置しており、少し離れたところには戦闘車両や陸軍が保有しているヘリコプターなどがある。本部の建物の中ではいつも以上に騒がしくなっている。

その中で若い下士官が話していた。

「おい第七中隊の副隊長がやられたって」

「まじか。あそこって一番強い部隊だろ。」

「そのはずなんだが、」

と会話の続きをしようとすると横にいた人物が口を開く。

「ああ、そうさ。馬鹿みたいに強い」

「誰なん、、」

問いかけの質問が最後まで終わる前に口が止まった。そこに立っていたのは第一大隊の隊長だった。

「大隊長、なんでここに?」

「まあちょっと用事があってね。指揮官はどこにいるか分かる?」

「いえ、ちょっと待ってください」

そういうと下士官は端末を取り出し、少し離れどこかに電話をする。そして少しした後下士官は早歩きで戻り、

「今は会議室3にいるみたいです」

「わかった、ありがとう。引き留めて悪いわね」

「いえいえ、気を付けて」

そして大隊長は会議室3に移動している途中かなり不安と恐怖を抱いていた。あの精鋭中の精鋭がやられたのだから。

重い足取りを動かし会議室3の扉の前まで移動する。ノックをしようとするが頭が真っ白になっておりドアの前で固まってしまっている。その瞬間会議室のドアが開き指揮官が顔を出す。

「だいぶ早かったね。これで全員だな」

詳しい概要を知らされていない第一大隊の隊長は「全員」という言葉に疑問を思ったがそのまま会議室に足を踏み入れる。司令官の後についていき、そのまま部屋を見てまた足を止める。そこにいたのは先ほど1名殉職、1名重症、1名生存した精鋭部隊の隊長が座っていた。その横には陸軍の中将が座っていた。

「あのーなんで呼ばれたのですか?」

ハルは椅子に座ったまま顔を下げている。どうやら先ほどの戦闘による精神的ダメージが大きいのだろう。中将はハルの方を少し目を向けしゃべらないことから中将が口を開く。

「しばらく彼は前線から離れることになった。ハル君の部隊の場所は誰もいなくなってしまうから君の中隊を代わりとして動かしたいのだが、今は変わりの部隊がいるのだが」

「ええ、最近は南部戦線は安定してきましたし大丈夫ですよ。ハルちょっと後で私の部屋に来れるかしら」

ハルは少し驚きながらも特に用事もないため首を縦に振る。

「じゃあハル、今から来れる?」

「ええ、まあ。話す内容もこれだけですし」

「まあすごい些細なことで呼ばれたのね」

中将と指揮官は苦笑いしながらハルと第一大隊長を見送る。

「ねえ、ハル。だいぶきつい?」

「まあはい。自分のミスのせいで味方を失いました。俺がもっとしっかりと地形を把握してれば、あいつはあいつは」

ハルの思考がどんどん深くなっていくのに不安を抱いた第一大隊長はハルを抱きしめ

「大丈夫、落ち着きなさい。ゆっくり深呼吸をしなさい」

ハルは大隊長に抱きしめられながら安心していき眠くなってしまい、そのまま大隊長にもたれかかる。実際ハルは数時間以上寝ていないため無理もなかった。

「まあ、そりゃあ安心してしまうわよね」

大隊長はハルをお姫様抱っこをして自室に戻る。時々下士官などとすれ違い大体が恋をしていると勘違いしているがそれを知るのはまたもうちょっと先のお話。

4時間後

「うっ、あーうにゃ」

ハルは自身の体を起こし辺りを見回す。テレビの前に置いてあるソファの上に寝ている大隊長が見えた。ハルはなんとなく自分がここにいる理由を察した。ハルは服に違和感を覚え自分の服を見てみるとズボンなどはそのままだが上に来ていた機甲兵器の搭乗員の服が脱がされ女物の大きい服が着せられていた。ハルはそのままベットに身を倒し目をつぶる。

 

「起きたのー?」

唐突な声にビビりながら

「起きてますよ、大隊長」

「その大隊長っていう呼び方やめて。メアって呼んで」

「まあ一様同じ階級ですし呼べなくはないけど」

「あとやっぱオーバーサイズで下着来てないのなんか刺さる人には刺さるのね」

メアはそう言いながら顔を手で隠し震えながら言う。ハルはまったくイメージできずに困惑しかけたが姿見が目に入り服装を見るとなんとなくメアが悶絶している理由が分かった。

「そんなに刺さったのか?」

「なんかエロいしかわいい。なんかやばい」

「ああ、そうか」

ん・・・?よし逃げるか。

「んじゃ、運んでくれてありがとな。じゃあ俺は戻る」

「えっ?ちょっとまって。少し休憩していきなさい。隠しているけどだいぶ精神的にはきついのでしょ」

「まあ、そりゃあ自分のせい」

メアはすぐさまハルの口に手を当て

「それ以上考えない。いい?」

ハルは必死に首を縦に振りながら

「んーんんーむー」

メアは手を放し、

「よし、なら紅茶かコーヒーどっちがいい?ああエナドリもあるわよ」

「紅茶で頼む。砂糖とミルクはいらないよ」

「わかった、ちょっと待ってて」

ハルはベットから体を起こしただけで動いていないためソファまで移動しようとするが全身に激痛が走り、呻きながらベットに倒れこむ。メアは呻き声が聞こえたためダッシュでベットのほうまで駆け寄ってきた。

「大丈夫!?」

「なんか全身が痛い」

ハルの声はか細い声でほんとにこれが第3大隊長とは思えないほどだった。

「んーーあっそういえば報告書に目を通してたけどあんた無茶な操縦で体中のあちこちを打ってさらには増援部隊が到着した後戦車から出ようとして背中から落下したらしいよ」

「記憶がまったくない」

ハルはサラが死ぬまでの記憶があるのだがそれ以降の記憶が飛んでいる。そして会議室を出るまでは全身に痛みがなかったためおそらく今痛みがある原因をなんとなく予想していた。

「今日お前の部屋で泊っていいか?」

「心配になっちゃたの?」

「うん、なんかメアがいると安心する」

メアはハルが大分精神的にやられていることがわかった。基本ハルは他人を戦闘以外ではあまり頼らないため安心して眠くなる時点でだいぶやられていることが分かっていた。メアはハルの手をギュッと握りながらお湯が沸くのを待つ。その瞬間部屋のドアがノックされた。メアは一旦ハルの手を放しドアの方へ向かう。ハルもそうだがメアは基本足音を立てないのでドアの前にいる人物は中に人がいるのかさえ分からない。メアはドアを開けるとそこには肩を固定し顔には少し苦痛の表情を浮かべながら立っている人物がいた。

ジョイだった。ハルはジョイの姿を見た瞬間ベットから飛び起きたが痛みのせいでそのまま前にある椅子にもたれ掛るが椅子ごと倒れてしまう。メアはハルの方へ駆け寄りハルに肩を貸そうとする。しかしハルはそれを断りそのまま這いつくばってジョイの方へ進んでいく。ジョイはその行動にビビりつつ、

「おい、無理するな。寝てろ」

「いや、俺のせいでお前が怪我を、俺のせいで、俺のせいで」

ジョイはハルが唐突に取り乱したことにテンパってしまいとりあえずハルを落ち着かせようとした瞬間メアがハルを子供のように抱き上げベットに運んでいく。

「ジョイ君ごめんね。ハルやっぱり自分がやらかしたことに責任を感じすぎておそらく軽いトラウマっていうかヒステリックぽくなっちゃたのよね。」

「まあ、確かにあいつが指揮ミスをすることは今まであまりなかったのでだいぶ珍しいですね。時々戦闘に対して神経を研ぎ澄ませすぎて時々甘えたになることはありましたけど、それでも結構違いますね」

ジョイは少し眉間にしわを寄せる。さすがに縫合して約6時間しかたっていないのでかなり無茶している。

「ジョイ君、もうそろそろ限界なんじゃない?医療棟に戻りなさい」

「そうさせていただきます。ハルを頼みます」

「任せて頂戴」

ジョイはそのまま部屋を出てハルのことを心配しながら医療棟に向かう。メアは扉に鍵をかけハルが横になっているベットの隣まで行く。ハルは少し泣きながらメアの手を握る。メアは少し嬉しい気持ちになりそのままハルが寝付くまで隣に座っている。

 




読んでいただきありがとうございます。誤字脱字などがあった際は教えてもらえるとありがたいです。なんでも案をお待ちしております。
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