あれからデュエルを中断し、急ぎレオコーポレーションに戻った凌牙達。そこで聞かされたのは、LDSでの突然の行方知らずの件。そして、襲われたのは主にLDSの教師と言う事が判明
襲われた人物は、融合講座の教師マルコと言う人物。真澄にとってのあこがれの教師であることから、この件を受けてLDSは細心の注意を払う事になる。
ちなみに凌牙はあのあと零児からペンデュラムカードを作っていることを話して解決をしている。サプライズならぬ紹介だったのでようやくモヤモヤが晴れた凌牙であった。
それから少しの月日が立ち
「…それじゃ、最後に確認だ。基本中の基本だが、こいつを忘れるなんてことはするな。モンスター・エクシーズはレベルの概念を持たずランクがある。故にレベル系統のカードとは相性が合わない。これを常に忘れるなよ?次の期末と実技テストでも出すつもりだ」
エクシーズ講座にて、生徒たちの講習を行っていた。あれからと言う物、本来凌牙も捜査に取り掛かりたかったのだが、来るべき大会に向けて止む負えず引く事になった。
あの事件からしばらくたったが、未だ犯人を捕らえる事が出来ず仕舞い。唯一接近できたとされた真澄も捕える事が出来なかった
凌牙自身もだいぶ忙しくなり、犯人捜しの件に関わるのも難しくなってしまい、やむ終えず零児に託して仕事に打ち込む日々になってしまった。
少年時代のあの頃なら色々と関われたが、成長した今の自分で中々解決できなくなってしまったのは少し辛い身であった。
しかしながら急にその犯人騒動は収まった。事件は解決したのか最終的不明なまま。ただ零児は無事で普段通りに対応していた。凌牙自身訪ねたかったが、親友が素直に答えるのか少し疑問に思ったので敢えて言わずにそのままにしていた。
「全く、零児の奴大丈夫か?」
授業を終え職員室に戻りながら歩く凌牙。更に歩きながらある一つの事…少し前に零児に言われた事を思い返す…
「舞網チャンピオンシップへの参戦からお前の補佐に変更…だと?」
「正確には、君には私の補佐として共に来てもらいたい」
夜の社長室で零児と会話する凌牙。それは来るべき凌牙が新しい階段へと歩むべき道でもあるプロリーグへの階段への挑戦権・・・なのだが、ここにきて急な予定変更をされたのである。
「いったいどういうつもりだ?補佐って事は俺は大会に参加できねえってところか?」
「いや、その点に関しては問題ない。君に関しては特別枠・・・というより推薦的な挑戦で対応するつもりだ。元よりこの舞網チャンピオンシップには別の目的が存在している」
「別の、目的?」
零児からこのような話を聞いたのは初めてである。そしてそこから衝撃的な話が伝わっていったのである。
この世界は4つの次元から作られた世界であることを。それら4つの次元
「融合次元」・「シンクロ次元」・「エクシーズ次元」・そしてここ「スタンダート」と存在する。
そのうちの融合次元には、行方不明になっている零児の父親である「赤馬零王」が統括していてそこからの侵略が始まっているとのこと。既にこの次元にスパイ活動している者もいるらしい。
「次元、そして侵略…か」
「ああ。いきなりのことで信じられないことだらけかもしれないが、事実だ」
急な話題すぎて流石な凌牙も頭が整理しきれなかったところがあるものの、今までの過去の出来事もあり何とか受け入れていた。
それを言うなら、別次元の戦いも何度と繰り返してきた経験があるからこそこの出来事を受け入れられていた。
「…しかし驚いた。凌牙、次元関連の話題をこうも早くに理解してくれるとは」
「まあな。取り合えずまあ、お前に出会う前まで色々と訳アリってところだ」
人間界・アストラル世界・バリアン世界
嘗てこの3つの世界の覇権を巡る戦いの中で様々な出来事があった。それらの経験が生きているためこういうような超常現象にはやや慣れてしまっている。
と言え流石にこのことを人前には言えないためハートランドシティ以外でこのことは誰にも言わないようにしている。それは新たな友でもある零児も例外ではなかった。
眼鏡をかけなおす零児は、次にこう言った
「ともあれ、申し訳ないところではあるが君のプロ決闘者として華々しい活躍スタートの前に、この件をきっちり片付けてからにさせてもらう。そして君には近いうち私が組織するチームに加わってもらいサポートを頼むつもりだ」
「組織…確か『ランサーズ』ってチームか」
この舞網チャンピオンシップにおいて開催する真の目的は、融合次元に対抗するため、ランサーズというチームを作り侵攻を妨げるこそが目的である。
既に自分たち二人は確定枠。残りのメンバーをこの大会で確保するとのこと。
零児は無言で頷いたのち
「それから、数日中に君にそのランサーズ候補の中から鍛え上げてほしい人物がいる。残りの仕事の件はそちらに回すように調整はしている」
「鍛え上げてほしい?」
「ああ。私からの推薦状と思ってほしい。頼むぞ、凌牙」
「ってことがあってから数日。大会もあと数日って時にその依頼者が全く来ねえのが癪に障るが」
職員室で一人作業する凌牙。時刻は夕方前で既にLDSにいる人物もだいぶ限られている。皆大会に向けてあちらこちらと動いている身だ。
凌牙は講座授業はこれでひとまず終了。後は大会まではやることがなくなった身である。
と言え、零児からの依頼まで気が抜けなかったが・・・全然来ない。
「ったく零児の野郎・・・まさか仕事ばかりしてる俺に少しは休めか?まあ、どのみちそれならそれでいいが」
残りの期間はデッキの調整に回したりハートランドにいる仲間たちに連絡するのも一つか・・・そう思い、残りの作業も一段落済ませたところで
ガラ!!
「失礼する!神代凌牙先生はいますか!」
ザッザッと職員室の扉を開いて一人の人物が入ってきた。凌牙的にこの声は聞き覚えがあった。
「…いるにはいるが、そこはノックしてから言うんじゃねえのか?沢渡シンゴ」
沢渡シンゴ。少し前までややLDS内にて問題行動を起こしていた生徒の一人である。親がやや権力的な立場にあるためお咎めされてはいたが、凌牙的にはそんなに好いていない方である。
ただ自身も昔は問題行動を起こして周囲に迷惑をかけていた時期があるため、何とも言えない立場であるが
「ぐっ…そ、それは確かに…じゃなくて!!それより、あんたに頼みがあってここにきた!」
そういい沢渡は凌牙のいる机に近づき、すぐさま土下座してこういってきた
「頼む!あんたに・・・あんたに俺のデュエルを学ばせてほしい!俺の腕前を鍛え上げてほしいんだ!!」
と、急に沢渡は大きな声でそれを言ってきた。突然のことに凌牙は少し驚くも、冷静に対応する
凌牙は日々の沢渡の日常態度に割と問題点があり、とても教えを真面目に実行するとは思えない性格だ。だからこそ如何に凌牙と言えど断るつもりでいた。
「・・・お前の成績態度は少々問題がある。それでいて鍛え上げるというのには少し都合がよすぎると思うが」
「それはごもっとも。俺にあうコースがねえから今までそんな態度を貫いてきた。けど、今の俺じゃこのまま舞網チャンピオンシップに行っても、榊遊矢に勝てると思えねえ」
「(こいつ、遊矢に負けたことを気にしていたのか?)」
そういえばと凌牙は沢渡と遊矢の関係性を思い出していた。LDS内での問題行動筆頭なのはこの二人の衝突がそもそもの始まりなのは記憶している。
と言えあの頃の凌牙はそこに関わってる暇がなかったため関与することができなかった。最終的当人たちの方で解決していたためそこは問題なかったが
「それに、あんた自身あの榊遊矢に勝ったっていう話も聞いている」
「・・・買いかぶりすぎだ。あの頃のおれはまだペンデュラム召喚に関して深く知らなかった身だ」
「だがそれでも!あんたはその未知なる召喚方法にも屈さずに勝った!紛れもないあんた自身の力だ!」
否定する凌牙であるも、沢渡からの声からは今までの沢渡とは思えない覇気を感じていた。
今も土下座したまま沢渡は自分の想いを告げている。
「もう俺はこれ以上、榊遊矢に負けたくねえ!そのためなら俺はいかなる手段をとってでも勝たなきゃならねえ!!頼む凌牙先生、俺を鍛えさせてほしい!!!」
「(こいつは・・・似てる。いかなる手段をとってでも勝たなきゃならねえ、あの頃の自分を)」
凌牙は思い出す。かつて妹である璃緒を仇と思っていたⅣに対しての強い憎しみがあった。だがそれは誤解であったことを
強さの果てにえられたのは虚しさだけだということを。だが、それでも今のままじゃ前に進めない、その沢渡の気持ちに気づいた凌牙。
同時に凌牙は気づいた。零児が言っていた依頼である鍛え上げてほしい人物というのが、沢渡だということも。
そして凌牙は席に立ち、一つのIDカードを手にしてこう呟いた
「良いだろう。なら、今のお前の腕がどれだけあるのか確かめさせてもらおう。そこでどうするか残りの期間を考えててめえ自身の覚悟、見させてもらうぞ」
「ほ、本当か!?本当なのか!?」
そういい凌牙はそのまま職員室を離れる。沢渡はそのまま後に続いて行った。
なお、沢渡の取り巻き達はこっそり隠れて「沢渡さんマジ漢っす!!一生ついていきます!!!」っと言っていた。
ここはひとつのデュエルルーム。そこに凌牙と沢渡の姿があった。
「おっとそうだ、先生に一つ言っておくぜ。今回使うデッキはちっとばかし特殊なデッキだ。どんな感じでやるのか俺も今回初めてなんでな。そこは頼むぜ」
「へえー・・・そりゃ楽しみだ。だが初見のデッキでも手を抜くつもりはねえぞ」
2人はディスクを展開し構えの体制に入る。凌牙はDゲイザーを既に装着している
「「デュエル!!」」