そして舞網チャンピオンシップ開催当日を迎えた。
ちなみにこの決闘大会において「ジュニア/ジュニアユース/ユース」と3つの分類に分かれての大会となる。
凌牙自身かつてはこの大会に出てユースとして完全優勝を遂げた実力者としても有名。その前にも零児が3つのコース全てを成し遂げているため、流石に色々と違うところはあるも、様々な逆境を乗り越えた凌牙のほうがある意味として知名度が高い方だ。
凌牙は既に会場に用意されている部屋で一晩を過ごしていた。支度を整え大会出場者リストを見ている
「にしてもまあ、今年はこんだけの参加者か。昨年もすごかったが、倍レベルか…俺や零児の影響かもしれねえが」
その参加者リストには注目している遊矢達の名前も記載されている。彼らも無事大会出場できる記録をたたき出すことに成功したのだ。
「(だが、こいつらはほぼ全員この後に備えるランサーズに対する人員確保のためが本来のメイン…何とも言えねえのがあれか)」
この大会の目的がプロではなく次元戦争におけるメンバー選出のための儀にもなる。故に凌牙はあまり祝福できたことではないのがアレだが
「…悩んでいても仕方ねえ。取り合えずやれるだけのことはしてみるか」
そういい凌牙はリストをテーブルに置いて部屋から出る。そのリストにはLDSの参加者リストであったがその中に一人見覚えのない決闘者の名前が一つあったが、凌牙自身気づいていなかった
凌牙はそのまま零児と合流。その際零児の弟でもある「赤馬零羅」とも会った。
零羅はかなり臆病な性格で強い人見知りなところがある。当初凌牙にあったときも怖がっていたが次第に打ち解けて今では全然ましになった。
「いよいよ・・・ってところか?」
「ああ。君には色々と不便をかけるのは重々承知しているが、この大会と後に来る戦いが完全に終結するまでプロリーグへの更なる挑戦に関しては私の手で預からせてもらう。申し訳ないが」
「いいってことだ。どのみち待たされるのは慣れっこだからな」
2人は会話しつつ、途中で赤馬日美香と合流して貴賓室へと移された。
そのままテレビ中継の影響か、貴賓室から離れたところからところでリポーターから
「あーっと!ここにきて赤馬零児様のお隣には、かのLDSエクシーズ講師にして今や知る人としるプロ決闘者、神代凌牙さんもお見えになられました!!」
このとおりに紹介されている。言うまでもないが凌牙は既に各地でも有名なプロ決闘者。人前には滅多に顔を出さない零児に対して凌牙は表舞台でしっかりと目立つ故、すっかり大スター的な存在である。
最近でも色々と引っ張りだこでもあり、番組にゲスト出演したり本を出したりファン交流会にも出たりと、本当ならば超が付くほどの大忙しさだ。
凌牙は不愛想ながら一応手を振りながら
「(Ⅳの野郎・・・あいつ、こういう歓声をよく浴びていていたな。今だからあいつの気苦労さが何となく伝わるぜ)」
凌牙よりも先にプロとして活躍しているⅣを思い、彼もまたプロとしての歓声をこのように浴びていたのかと思うとなると、少し不思議な感覚になっていた。
そのあと舞網チャンピオンシップが無事開催。開催式での選手宣誓を遊矢が担当(半無理やり)し、いよいよ大会スタート!・・・と思いきや
司会進行を務めるMC「ニコ・スマイリー」から、衝撃の発言を言われる。
「さあ、いよいよ試合開始!・・・と、言いたいところですが、ここでスペシャールサプライズ!なんとなんと、この舞網チャンピオンシップにてその前哨戦たるエキシビジョンデュエルを行うこととなりましたー!!!」
スペシャルサプライズ。ニコからこの言葉を受け、会場が騒然と歓喜に枠くなか、観戦してる凌牙は
「そんな話聞いてねえぞおい…零児、これは」
「まあ、これもまた士気を高めるうえで必要な事。それに、これはただの前哨戦でもないが」
「?」
凌牙は予定にないことを、流石に零児に言うも何かを計画していた様子。そのころ会場では一度選手たちを観客席のほうに移動させていた。
「ではでは!早速その2人の決闘者をお呼びしたいと思います!ではまずお一人目…これは言うまでもありません!LDSエクシーズ講師にしてプロ決闘者!神代凌牙選手!!」
「はあ!?」
突然自身の名前を言われると、驚く凌牙に対し零児はこれを読んでいたのか凌牙を転送装置にて瞬時にデュエルフィールドに転送させた
「っておい!?なんで俺が唐突にデュエルするってことになってるんだ!?全く聞いてねえぞ!?」
「あー、これに関しては赤馬社長からご内密にと言われていたので」
ニコもどうやらこのことは凌牙には全面的に内緒と言われていたみたいだ。思わずな発言に凌牙自身も「あの野郎、終わったら覚えておけよ・・・」と内心呟いた。
そして凌牙の出現に会場自体も更に盛り上がりを見せる。それはそうだ、プロにして今となっては特に名をはせる凌牙のデュエルを生で見られる機会なんて滅多にない方だ。
続けてニコは対戦相手の紹介に入る
「そしてそして!その神代凌牙プロと対戦する決闘者!それは私たち舞網市でも知られざる存在、ハートランドシティで登場し、そのWDCで準優勝を果たしたまま姿を消した謎多き決闘者!」
「トロン選手、入場です!!」
「!?」
その名、トロンを言うと反対側の選手登場口から姿を現した。
少年のような姿で顔半分を仮面で隠した、歪な存在。観客からも流石に同様の声があがるなか、凌牙は驚いた表情をしていた。
「・・・なんでお前がここに。ハートランドシティにいたんじゃなかったのか?」
「ああ、その件に関しては色々と落ち着いてね。今はカイトやフェイカー達が対応中さ」
そしていつの間にかデュエルフィールドにいたトロン。話の内容から何やら研究中のようだったがそれが一段落したためここにいるとのこと。
「・・・何が目的だ?てめえみたいな奴がここにいるってことはどうやら面倒なことにでもなっていると思うが」
「まあ、その件に関しては追々さ。それに、君と会うのもあの一件以来だったね」
「・・・あれか」
脳裏に宿る出来事。トロンと直接最後に会ったのは遊馬たちと異世界での戦い以後である。それ以来もう会う機会がなかったはずであるが・・・
「理由はどうであれ、俺はあの一件を今でも忘れちゃいねえ。てめえとの因縁もWDCでの決着もついてもねえな」
かつて凌牙はトロンの手により、息子のⅣを使って妹の璃緒を重傷を負わせ凌牙自身表舞台を去るきっかけを作り上げた全ての元凶。故に理由どうであれ、このエキシビジョンデュエルで解決できるならそれでもいいと判断した凌牙。
「・・・そうだね、僕はかつて取り返しつかないことをしてしまった。己が目的のため、利用できるものすべてを使いその事だけに力を注いだ、その末路さ。僕自身、その罪から逃げることはしない。そして、君自身がデュエルで解決するなら僕は受けて立つまでさ」
トロン自身、復讐のためならあらゆる非道の手を使い続けた。そしてその復讐は和解して幕を終えた。だが、それでも傷というのは簡単には癒えない。だからこそデュエルですべてに決着をつける。
会場の影響もあり、あまり深いことを言えない二人は言葉を濁したまま戦いを始めようとする。
観客席にいる遊矢は
「(なんだろう、凌牙さん・・・あのトロンって子と何かあったのかな?なんだか、嫌な気配を感じる)」
そう少なからず思った。
「…見守ることしかできないか」
遊矢は不安な気持ちを押し殺しながら、そんな光景を見つめていた。
「けど、僕とてただでやられる気はしないよ。中途半端な形で戦うのはポリシーに合わない。それでいこうか」
「当たり前だ。手を抜いたらその顔面叩き割ってやる・・・おいMC、さっさと始めろ」
「あ、はい!っと、本来ならアクションフィールドを使ってデュエルを・・・と言いたいのですが、トロン選手はアクションデュエルは初めて故なので、今回は特別なデュエルフィールドを使ってデュエルを開始したいと思います!」
そういうと上空に一枚のカードがぐるぐる回りながら現れる。
「では参りましょう!デュエルフィールド『WDCフィールド』!!」
そういうとカードを通して会場全体がそのカードイラスト道理のフィールドになっていく。そのフィールドは、かつて凌牙が参加したWDCの決勝リーグでのデュエルフィールドであった。
「凌牙、私からのファンサービスを受け取ってもらえたかな?そこなら君自身の実力を最大限に発揮できるはずだ」
眼鏡をクイっと直しながら零児は答える。ついでであるが、零児は念のため会場の客達に聞かれないようにある程度音量調整をしていると、Dパットに通達している。
「どうやら大企業の社長さんは色々としてくれてるみたいだ。これなら言葉のほうも少しばかり気を使わなくてよさそうだ」
「・・・零児、取り合えず後で聞きたいことあるから覚悟しておけよ。行くぜ!」
そういい凌牙はDパットを投げ変形させていく
「デュエルディスク、セット!Dゲイザー、セット!デュエルターゲット、ロックオン!!」
デュエルの体制に入り、トロンは自身の専用ディスクを展開。仮面の赤い目から紋章が輝き、準備は整った
「「デュエル!!」」