星野アクア…人生二周目は有馬かなを狂うほど愛したい… 作:あえch
俺とかなが付き合い始めて数日…
ベンチに腰掛ける俺の隣で彼女が怒り出す…
「なんで私が居るのに出んのよっ!?」
(…当然の反応だよな)
手を繋ごうと腕を伸ばす…しかしペシっという軽い音と共に落とされてしまった。
「こんなに可愛い彼女が居るのにまだ足りないわけ!?」
彼女は自身の顔に指を差して俺に聞いてくる…
俺も断れるなら断りたいんだよなぁ…
「仕事なんだから仕方ないだろ」
彼女はポケットにある指輪を周りから見えないように見て俺の目を見つめる…
「結婚するならこんな仕事分私が稼いでやるわよ!」
「流石に気早すぎだろ…」
俺はふっと笑うとかなの肩を手で引き寄せる。
そして耳元で…
「こんなことでかな以外の女好きになるわけ無いだろ…」ボソッ
ゾワゾワするように体を震わせる彼女…赤い髪を振って俺の顔を突き放す。
「もぉ、良いわよ!そのかわり条件付けるからっ!」
「別れる以外ならなんでも良いぞ」
言質取ったから!と言いながら彼女はゆっくりと座り直した。
「まず、一つ目は私のこと出すのが条件っ!」
「…は?なんでだよ」
…前言撤回。
かなのことを取られる可能性があるのに出す理由が分からない…
「あんたが女にデレデレするのは勝手だけど!そんなことしたら私も男にデレデレするから〜、別にお相子になるだけなんだから良いでしょうがっ!」
「…そもそも俺にそんな権限無いだろ」
「とりあえず聞いてみて!」
(…かなのことは絶対に渡さない…)
かなの条件をOKした俺はもういいか?と語りかける…
まぁ、これで不機嫌になったり嫌いになられるよりは良いか…
「まだよ、二つ目は一旦別れること!」
「…は?」
本日二度目の『は?』だが先ほどとは違って怒りが込み上げてくる…
俺なんか悪いことしたか?
「俺の何処が嫌いなんだ?普通になおすから教えてくれ」
「ははっ、アクア怒ったぁ〜。一旦って言ったでしょ?」
彼女はそう言うと俺から目を離し前を向く…
「あんたが告白してくれた時正直嬉しかった…まぁ、ちょっとだけだけどね!?でもあんたイケメンじゃない?」
「…」
俺は返事をせず彼女の言葉に無言で耳を傾ける…
「だから、ほんとにあんたには私が一番なのか確認して欲しいわけ」
「かなが一番に決まってるだろ」
こっちは二周目だぞ?と言えない言葉を心に閉まって彼女に言える範囲で思いを伝える…
彼女は軽く笑いながら再度口を開く…
「だから、何も無かったらもちろんこのまま彼氏彼女続行!あんたがもし好きな子居たら私に許可取らずキスでもなんでもしていいわよ」
「…分かった」
なんだか信頼されているようで断れなかった…
そんな考えごとをしていると私は可愛いから男なんていくらでも居るのよ!と言う彼女の強がりを聞き、俺は口を開く。
「…かなももし他の男が良いと思ったら付き合っていいぞ…」
「あんた自信無さげね〜、安心しなさい。今の所あんたが一番だから」
彼女はふふっと揶揄うように笑いながら俺に語りかけてくる…
(普通にこう言われるとドキッと来るんだよな…)
童顔なのに色っぽい彼女に俺はまた惚れなおす…
もう何十年も一緒のはずなのに彼女に飽きる気配が無いのは俺の方が狂わされてる証拠なのかもしれない…
「全然良いよ〜、アクア君がそれで出てくれるならね」
俺はかなを出してくれと連絡した鏑木Pの返事を確認する…
案外あっさり決まってもう一人の男もあっちで決めてくれるらしい…
(そんなに人集められるの流石は鏑木Pだな…)
前世から感じているが鏑木Pの人望はほんとにすごい…
俺は一時的に彼女から返された指輪の入った箱を眺めがら作戦を練る…
(さーて、どうするか…)
俺は自身のベッドに寝転がりゆっくりと思考を回す…
とりあえず目標の整理をしよう。
①誰とも付き合わないorかなと付き合う
②あかねを炎上させない
③あかねとは友達、もしくは知り合いレベルの立ち位置
④かなが他の男を好きになるようであればそれ以上に俺の好感度を上げたい
⑤メムをアイドルに引き込む
(まぁ、こんなとこか…)
②に関しては迷ったが流石にあかねが辛そうにしている所を変えないのは俺には出来ない…
あかねが死んでしまうようなことがあれば普通に詰むしな。
①に関してはかなとの関係を続けるには必須だ。
まぁ、最悪告白されても断れば…いや、なるべくかなのことを考えると告白もされたくないな…
③に関しては二周目をバレない範囲でって感じか…
なるべく関わらない方が良いが俺が忘れている部分もあかねが居れば恐らく解決だ…
諸刃の剣って感じだな。
④に関しては状況を見てって感じか…かなは誰にも取られたくない(願望)
⑤に関しては引き込めば普通に来るだろ…必須事項であれば体が勝手に動いてくれるだろうしな。
俺は5つの目標を頭に入れてどんな動きをすればいいか考える…
一周目とは何か変えなければいけないのだが何を変えれば良いのかが中々難しい…
(やっぱり常に中心に居るべきだな)
俺が出した結論はこれだ。
ゆきは誰が好きかではなく誰につけば得をするかで考えている。
ゆきが俺につけば俺があかねの映りを考えてあかねとゆきに話しかけ続ければあかねも悪女ムーブする必要は無い。
まぁ、メムのやつは上手くやるだろ、案外要領良いしな。
根が少し暗い俺にとってこれは中々きついがやるしかない…
細かい所は調整する必要はあるが必ずやり遂げてかなの唇を…
俺はかなの柔らかい唇を思い出すと指輪の入った箱を開ける。
上がった口角を抑えながら中身を見るとひらひらと一枚の紙が落ちてきた。
(…ゴミか?)
するとそこには『好き』と途中まで書かれて下になんでもないっ!と書かれた紙…
途中で恥ずかしくなったのかと考えるとさらに口角が上がってくる。
その紙に軽く口付けをしておやすみと呟く…
何かを変えれば何かが変わる。
そんな当たり前のことにアクアは気付けていない…