星野アクア…人生二周目は有馬かなを狂うほど愛したい…   作:あえch

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アクア…有馬かなを愛しすぎる人生二周目 第九話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手が重い、足が重い…

鏡の前に立った私の顔に生気は無くて…

今日甘の打ち上げで…真っ赤な顔で幸せそうだった姿は面影すら感じない…

今日も辛くて苦しい一日が、私にとっての地獄が幕を開く…

 

 

 

 

 

 

 

今ガチが始まってから私は一度もアクアと話してない…

前は変な嫉妬で怒ってたから…でも、今は違う。

話しかけてアクアに「もういらない」って言われるのが怖くて…

今となっては言い訳になるかもしれない、だけど…こんなに好きになった男の子なんて居なかったから…

 

 

 

 

 

 

 

 

最近はあかねから俺に声をかけることも多くなった。

 

「アクア君、私演技得意なんだ!」

 

(得意とかそういうレベル超えてるんだけどなぁ…)

 

俺にちょっとで良いから演技しよっ!と話してくる彼女…

世間はアクあか、アクゆきで白熱しているようだ。

 

「良ければ頼む」

 

そう言った俺にメルトも乗っかってくる。

 

「俺にも教えてくれ!」

 

役者三人が揃ったこの流れならもう一人の役者も呼ぶのが自然な流れ…

 

(…そういえば忙しくて最近かなと喋ってなかったな)

 

軌道に乗ってきた今となってはあかねの炎上の心配も小さくなっている。

かなと喋るぐらいのご褒美は俺にも必要だ。

 

「もう一人入れても良いだろ?」

 

俺がそう言うと天才女優はやる気に満ちた顔で…

 

「私もちょうど言おうと思ってたんだぁ…絶っっっっ対にかなちゃんには負けないから」

 

(そういえばこいつらライバルだったな)

 

忘れかけてた記憶を掘り起こし、俺は隅っこで座るかなに声をかける。

メルトは先に体育館に向かって…あかねだけが俺に付いてきた。

 

「有馬、軽くだけど一緒に演技の練習しないか?」

 

久々にちゃんと見たかなの顔が可愛すぎて…恥ずかしさから名字で呼んでしまって…

 

(なんっで名字呼びなのよ…)

 

久々の有馬かな…可愛い過ぎるだろ…

彼女のおかげで上機嫌になった俺は押し黙る彼女に対してかなも嬉しすぎて言葉が出ないのか?と検討違いな考えでニヤついてしまう…

 

するとかなが真っ青な顔で口を開く。

 

「あかねは来るわけ?」

 

俺はその顔色に一瞬で気付き心配になって…

 

「そんなことより顔色悪いぞ、具合悪いのか?」

 

「…そんなことって何よ…」

 

演技ではないとはいえ、あかねに負けたことも有馬かなの黒い心に拍車をかける。

 

「かなちゃん、具合悪いの?」

 

黒川あかねに負けた…

アクアのこと取って余裕だからって心配してきた…

これらも有馬かなにとっては大事なポイントだったが…

 

(あいつ、アクアの隣歩いて、なんで、なんで、なんで…私だって…あいつにアクアのこと取られた…)

 

婚約の約束までしたアクアを取られたという勘違いが有馬かなをおかしくする。

一周目とは違って一度は手に入れた幸せ…

それを手放すのはとんでもない苦しみ…

 

「アクアは私のなのっ!取らないでっ!取らないでよ!」

 

子供が大好きなおもちゃを取られたかのようにみっともなく、そして夢中であかねに向かって暴れだす。

半泣きでふらふらになりながら腕を振り回す…

 

一瞬唖然とする男の子…

しかし、すぐに冷静さを取り戻して…

 

「ちょっ、落ち着け」

 

「○!※□◇#△!っ」

 

続いて周りの人間がかなを止めようと集まり始める。

こんな取り乱した彼女は俺も見たことが無いかもしれない。

 

(赤ん坊みたいに暴れるかな可愛すぎだろ…)

 

抑えられたまま暴れる彼女を見ながら他人事のように見惚れてしまって…

言ったら絶対怒るだろうけど惚れている女の子に可愛いと思ってしまうのは許して欲しい…

 

はぁ、はぁ…と息切れしながら揺れる赤い髪。

俺は彼女の目尻にある涙を拭いて…

世界一愛しい女の子は恥ずかしそうに周りに謝り始めた。

 

「す、すみませんでした…」

 

無事に終わってよかったと一息つく男の子…

そして背筋を伸ばしながらゆっくりと周りを見た。

そこに居たのは…顎を押さえて座る黒川あかね…

 

「あかね?」

 

聞かれたあかねは心配させまいと、無理して笑いを作って…

 

「うん、大丈夫…ちょっと痛むから演技の練習は無理かも…ごめんね?」

 

それに気付いたかながあかねに駆け寄る。

 

「ほんとにごめん…責任持って私が保健室連れてく…」

 

二人からすれば子供が戯れ合ってる時に指が目に入り、ちょっと気まずくなった程度のことだ…

そんなに気にする話じゃない。

しかし、一周目を知っていた俺は唐突に血の気が引いていく…

 

 

 

 

 

 

 

 

その日有馬かなは炎上した。

 

 

 

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