気づいたらデュエルアカデミア   作:りんごうさぎ

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因縁の暴君デッキ

「テンシン、どこ行く気?」

「カード屋」

「はぁ!? デートじゃないの!?」

「お前もデュエルするしいいだろ?」

「はぁ~~あんたに期待した私がバカだったわ」

 

 心の整理がついたトーラは以前の快活さを取り戻していた。やっぱりこの方がトーラらしい。カード屋は場所がわかっていたのですぐに到着。今日は休日なので人も多かった。

 

「そうだ、適当な相手を見つけてどっちが早く倒せるか勝負しない?」

「ふーん。いいわね。テンシンじゃよくて3ターンはかかるでしょ? あたしが2ターンで終わらせてやるわ! そこのあんた、ちょっと相手しなさいよ!」

 

 トーラはさっそく相手を見つけてデュエルした。先攻を取って宣言通り2ターンで勝負を決めてしまった。

 

「ふふん! どうよ!!」

「さすがだなトーラ。偉い偉い!」

「ちょっと! 勝負してるのに褒めてどうすんのよ! あんた、負けたら罰ゲームだからね!」

 

 プンプンしてるように見えて口元はゆるゆるだ。嬉しくて仕方ないようだ。

 

「おうおう、お前ら誰の許可で俺様の席に座ってんだ?」

 

 なんだぁ? 急に肥満体質のデカイ男がやってきた。

 

「……うそ! あいつ……!」

「誰だお前?」

「誰だ、だと? てめぇ、ふざけてんのか?」

 

 相手は俺を知ってるようだ。誰呼ばわりはマズかったかもしれない。知らないことを悟られないために挑発したことにしよう。

 

「ふざけてるのはお前のそのツラじゃないのか? そんな顔、一度見たら忘れねぇと思うんだが……おあいにく様、まるで記憶にない」

「あいつ、やりやがった」

「やべぇぞ!」

 

 外野がうるさい。で、結局この董卓みたいなヤツは何者だ?

 

「テンシン! 帰りましょう! こいつはヤバイわよ!」

「なんで?」

「なんでって……またテンシンがひどい目にあって……! もうイヤよ! せっかく仲良くなって幸せだったのに! また全部メチャクチャになっちゃう!」

 

 まさか、俺をいじめてトーラの人生をめちゃくちゃにしたのって、こいつらなのか?

 

「そいつは覚えてたようだな。最近は遊んでやれなくて退屈してたんだ。おい、そいつ妹だろ? 俺様にそいつを差し出せばお前は見逃してやるよ」

 

 そういって大男は暴君さながらにトーラのキレイな髪を引っ張って自分のものにしようとした。

 

「きゃぁぁぁ!!」

「おい、はなせよ」

「あがぁっ!?」

 

 手首をつかんで握力をこめるとあっさりと大男は手を離した。想像以上の力に驚いている。

 

「てめえ生意気なっ! うげっ?!」

 

 殴りかかって来るがヒラリと身をかわし足を引っ掛けて床に転がした。

 

 周りに人がいなきゃこいつの顔を踏みつぶしてる。

 

「無様なもんだな。トーラに気安く触ってんじゃねぇぞ? お前のような醜いやつが触っていいもんじゃねぇんだよ。身の程わきまえろ」

「テンシン、お前本気で俺を怒らせたな? 多少見た目がいいだけで調子に乗りやがって、デュエルはザコの分際で!」

「見た目? 俺はてめぇの心のあり方について言ったんだよ! 醜いのはお前の心だ! 自分の行動を省みろ! 女の髪を引っ張ってモノ扱いしてんじゃねぇ!」

「ぬっ!? こいつぅ……何様のつもりだ!」

 

 なんだなんだ? 俺って少し前まで容姿は最低の評価だったのに……髪切るだけでこんなに変わるもんなのか? それにこいつ、かなり見た目に拘るよなぁ。キレた沸点も顔に対してのようだった。さてはそこが弱点なのか?

 

「お前、容姿のコンプレックスで俺らに絡んでたのか? だったら力でも俺には勝てねぇことを教えてやるよ。お前のお得意のカードでケリつけてやる」

「テンシン! てめぇ絶対に許さねぇぞ!! 覚悟しろ!! 地獄に送ってやる……!」

「ダメ! テンシン!」

「トーラ」

 

 短くその名を呼びそれ以上は言わせない。息を飲むトーラに笑顔を向けた。

 

「あっ……テンシン」

 

 トーラはもう止める気はなさそうだ。

 

 さぁ、思う存分強くなったテンシンを見せつけてやろうじゃねぇか!

 

「さて、勝負の途中だったな。1ターンで終わらせてやる。しっかり見てなよ」

「そんな、楽観的過ぎる! こいつは強いのよ! 私でも勝てるかどうか」

「ほう、面白い。なおさら倒し甲斐がある」

 

 こいつこそが俺達兄弟の絆を壊した元凶。過去の因縁を断つために、絶対に負けられない。

 

「「デュエル!!」」

「俺様のターン! ドロー! 来たぜ! これでお前を葬ってやる! まずはボーガニアンを攻撃表示! さらに二重召喚を使い王虎ワンフーを攻撃表示で召喚! さらにこれだ! 永続魔法! 強者の苦痛を発動! 圧倒的強者の前に跪け!」

 

 

《王虎ワンフー》

効果モンスター

星4/地属性/獣族/攻1700/守1000

(1):このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、

攻撃力1400以下のモンスターが召喚・特殊召喚される度に発動する。

このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、その攻撃力1400以下のモンスターを破壊する。

 

 

《強者の苦痛》

永続魔法

(1):相手フィールドのモンスターの攻撃力は、

そのモンスターのレベル×100ダウンする。

 

 

 苦痛ワンフー!? どえらいコンボがきたな。こんなしっかりしたコンボは初めて見た。なるほど、これならトーラが苦戦するのも納得だ。

 

「出た! 平良さんの暴君(タイラント)コンボ! あれが決まったらもうどうしようもないぜ!」

「うわぁ……いきなりだぁ……」

「あれじゃ勝てねぇ……」

「テンシン……がんばって!!」

 

 三者三様のリアクション。たしかに普通のデュエリストなら絶望するのも無理はない。強者の苦痛はレベル×100の攻撃力ダウンを相手のみ与え、ワンフーは1400以下の攻撃力のモンスターが召喚されれば問答無用で破壊できる。

 

「4つ星なら攻撃力1800以下は生き残ることすらできないわけか」

「お前じゃ1800越えなんてあるわけねぇよなぁ?」

 

 ワンフーで動きを止めてボーガニアンでライフを削るのが狙いか。無茶苦茶な構築だな。

 

「さらにこいつをくらえ! テンシン!」

「なんだ!? ケーブル!?」

 

 突然ケーブルみたいなものが飛んできて俺と敵のデュエルディスクが接続された。イヤな予感がする。

 

「そいつはダメージに応じて強制的に痛みを発生させる装置だ。俺はプロと繋がりがあるからこういうもんも手に入るって寸法よ!」

「だったらなぜ今つける? 最初からつけるのが筋だろう?」

「いやぁ悪いなぁ。うっかり忘れてたぜ」

「こいつ……」

 

 自分の引きが良かったのを確かめてからつけやがったな。セコイ真似しやがって!

 

「それじゃ試してみるとするか。こいつを試すのはお前が最初だ、光栄に思えよ?」

「何!? 1ターン目からダメージだと!!」

「マジックカード、革命を発動! 1000ポイントのダメージ!」

 

 暴君のクセに革命だぁ? しかもダメージがシャレにならねぇ! このカードは相手の手札の枚数×200ポイントダメージを相手ライフに与える。ライフ4000でこれは反則染みてる!

 

「ぐわぁぁぁぁぁ!!!!」

「くひひぃーー!! あーいい気分だ! てめぇが苦しむ様は格別だなぁ!」

 

 LP 4000 → 3000

 

 なんつー痛みだ。これは普通じゃない。まさかこいつの言うプロってのは……

 

「お前、まさか地下デュエルに手ェ出したのか! バカ野郎が!」

「ほう、知ってんのか。そうさ、効果は折り紙付きだ。お前はこの俺をコケにした罪としてここでじっくりと嬲り殺しにしてやるよ。運が悪けりゃここで廃人だな」

「うそ……うそでしょ! やっとテンシンと本当の兄弟になれたのに! どうしてこんな!」

「今からでも遅くない。お前が俺の女になって一生尽くすなら、サレンダーを認めてやってもいいぜ?」

 

 周りの人間はあまりの事態に身を引き遠ざかっていく。こんなヤバイやつとは関わりたくないのだろう。しかしこれがこの店をなわばりにしているとしたら店の人間もこいつに逆らえないに違いない。こいつ、バックに権力者でもついてるのか? こいつに今屈したらトーラは永遠に失われる。何としてでも勝つ!

 

「さぁ、お前のターンだ! さっさとドローしろ! お前のターンは俺の勝利のための消化ターンでしかないんだよ!」

 

 くそ、どこぞの顔芸みたいなこと言いやがって! だが、そのセリフ……そっくりそのまま返してやる!

 

「たしかに……俺も同じ意見だ。相手のターンってのは自分の勝利のための消化ターンでしかない。俺のターン、ドロー!」

「いっとくが、負けを認めてもサレンダーは許さねぇ。生意気にもお前からデュエルを挑んだ以上最後までやってもらうぜ。わかってんだろうな?」

「言われんでもサレンダーする気はない! もうそのコンボの弱点は見切っている!」

「やっぱり! テンシン! やっちゃえ!!」

「んだとぉ?」

 

 トーラは歓喜、大男からは怒気を孕んだ声が漏れる。

 

「俺はモンスターをセット! さらにカードを2枚伏せてターン終了!」

「ぷくく……フハハハハ! なんだそりゃ!? 守りを固めるのが攻略法か!? そりゃ困っちまうなぁ? やっぱりお前にはサンドバックがお似合いのようだなぁ?」

「テンシン!! ラヴァ・ゴーレムが引けたんじゃなかったの!?」

 

 今度は歓喜と怒声が入れ替わったか。だがこいつらは何もわかってない。もう相手のコンボは崩壊している。俺のたった2枚のカードでな。ラヴァ・ゴーレムだけじゃない。それが引けなくても俺には勝つ方法がある。

 

「トーラ、もう一度言う。約束は絶対守る。ウソは言わない。こいつは1ターンで倒す」

「テンシン……何言ってんのよ……このままじゃボーガニアンの効果が……」

「さぁ! 楽しい時間の始まりだ! 俺のターン! スタンバイフェイズにボーガニアンの効果発動! 地獄送りのボーガン!」

「ぐうっ!? フゥー、フゥー!!」

 

 LP 3000 → 2400

 

 かなりのショックだ。ダメージが凝縮されているのか一瞬息が詰まりそうになった。トーラがこれを受けたら耐えられないかもしれない。

 

「そしてハイドロゲドンを召喚!」

「ハイドロゲドン……」

 

 

《ハイドロゲドン》

効果モンスター

星4/水属性/恐竜族/攻1600/守1000

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。

デッキから「ハイドロゲドン」1体を特殊召喚する。

 

 

 なるほど、これも強者の苦痛とのコンボか。相手を弱体化させ一気に大量のハイドロゲドンを展開しゲームエンドを狙う恐ろしいコンボだ。

 

「一気に勝負を決めるつもりか……俺のライフは残り2400だけ。全て通れば0になる」

「今更気づいても遅いぜ! まずはハイドロゲドンで攻撃!」

 

 甘いな。今正解は攻撃力1700のワンフーで攻撃だ。それでもハイドロゲドンとボーガニアンで合わせて2400には十分届く。要するにこいつはその程度の実力。ザコだな。

 

「伏せカードもお構いなしとは舐められたもんだ。その油断がお前の命取りになる! トラップカード連続発動! クロスカウンター! そしてモンスターBOX!」

「2枚同時発動だと!?」

「何あれ? テンシン……また知らないカード?」

 

 

《モンスターBOX》

永続罠

このカードのコントローラーは自分スタンバイフェイズ毎に500LPを払う。

またはLPを払わずにこのカードを破壊する。

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動する。

コイントスを1回行い、裏表を当てる。

当たった場合、その攻撃モンスターの攻撃力は、

このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、バトルフェイズ終了時まで0になる。

 

 

《クロスカウンター》

通常罠

攻撃された守備表示モンスターの守備力が、

相手攻撃モンスターの攻撃力を越えていた場合、

相手に与える戦闘ダメージは倍になる。

ダメージ計算後にその攻撃モンスターを破壊する。

 

 

 新しくデッキに組み込んだコンボだ。たっぷり味わってくれよ?

 

「もちろん処理は逆順だ。まずモンスターBOXの効果……相手モンスターの攻撃宣言時、コイントスを1回行い裏表を当てる。当たった場合、その攻撃モンスターの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで0になる」

「攻撃力0!?」

「そしてクロスカウンターは戦闘ダメージを2倍にする。さらに伏せていたモンスターは……アクア・マドール!!」

 

 いつも頼りになるマドール。守備力は2000だ。つまり反射ダメージは2000の2倍!

 

「はぁぁーーッッ!? まさか4000ダメージ受けるのか!?」

「さぁ、死のコイントスだ。しかも電流ビリビリで4000もダメージを受ければただじゃ済まねぇよなぁ? 覚悟しな」

 

 一撃必殺のコンボ。コイントスが必要なのがネックだがこれは単なる運じゃない。しかもコイントスをするのは相手だ。

 

「そんなもん、当たらなければどうということは……」

「いーや、当たるね!」

「なんでだ! そんな保証、どこにも!」

「あるさ。俺とお前じゃ格ってもんが違うのさ。俺が当たると言えば当たるんだよ。弱いヤツにはわからねぇだろうが」

「……ふざけるな! コイントスをするのは俺だ! 絶対に外してやる」

「表だ」

「……裏こい!」

 

 チャリンチャリン……

 

「おもてぇぇ!!!???」

「喰らえ! 俺達の怒り! 己の刃に貫かれて死ね!」

「ぐわぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 LP 4000 → 0

 

 ぷしゅぅぅ……

 

 デュエルディスクからすさまじい電撃が飛ぶ。大男は完全に気を失っていた。

 

「お前はプレッシャーに押しつぶされたんだよ。勝負所で心が臆していてはデュエリストは名乗れねぇな」

「「おぉぉぉぉぉ!!!」」

 

 周りにはいつの間にかギャラリーが戻っている。トーラも駆け寄ってきた。

 

「やった! すごい! ホントに勝てた!」

「おいおい! はしゃぎすぎ!」

 

 俺に向かって飛びついてきつく抱きしめられた。柔らかな感触がハッキリ伝わる……

 

「てめぇ! さてはイカサマだな?!」

「よくも……」

 

 勝利に酔う俺達に水を差すような罵声が飛ぶ。取り巻きのやつらか。しかしそれにはトーラが答えた。

 

「バッカじゃないの? さっき自分で取り出したコインを自分でコイントスしてたじゃない! どうやってイカサマするのよ? 仮にイカサマしてたとしても、それはそれであんたの大将が大間抜けになるだけだわ」

「「ハハハハ!!!」」

「ぐぐぐ……!」

 

 ギャラリーにも笑いものにされいじめっ子集団はスゴスゴと逃げ帰った。ざまぁねぇな。

 

 さて、改めて勝負の結果を確認しないとな、トーラ?

 

「トーラ、勝負は俺の勝ちだな。俺の方が僅かばかり速かった。たしか罰ゲームがあるんだっけ?」

「ぎくっ!? で、でもさっきのは相手のターンだし……」

「なんだ、デュエリストってのはすぐ言い訳するのか?」

「むぅぅぅ!!! なんでもいいわ! さっさと言いなさいよ!」

 

 もうヤケクソだな。だが都合がいい。

 

「じゃ、キスでもしてもらおうかな」

「は!? あんた頭大丈夫!?」

「なんでもいいっていったよな? それにデートの最後は熱烈なキスぐらいあってもいいだろ?」

「あんた、もしかして私にホの字なの? 妹相手におかしいわよ!」

「チューするぐらいで大げさなんだよ。ほら、恥ずかしいならホッペでいいぞ? どうぞ?」

「ほんっと! あんたってバカよね! 次はただじゃおかないから!」

 

 ツンツンプンスカ文句を言いながらもする気にはなったようだ。顔を近づけて触れるか触れないかギリギリで口をつけてさっと俺から離れていった。

 

「おお……」

「何よ? ちゃんとやったでしょ! 文句ある?」

「ごちそうさま」

「ばっ!? バカァーーー!!」

 

 大声で叫んでトーラは先に店を出て帰ってしまった。デートの相手を置いていくなよ。

 

 俺は少し買い物してから帰ろうと思いカードを見ていると店の人からいくつかプレゼントされた。ここは暴君男の息がかかっていたわけでなく、やはり単に逆らえないだけだったようでいくらか感謝された。ホクホク気分で帰路に就いた。

 

 家に着くとトーラは母さんと談笑していたが、俺の顔を見ると顔を赤くして睨んできた。かあさんは微笑ましそうにこっちをみてる。何だこの妙な空気?

 

「テンシン、あなたトーラとデートしてたの?」

「え!? あぁ、まぁ……」

「トーラのこと、泣かせちゃダメよ?」

 

 なんだこの会話。妹とデートには特に何も言わないらしい。この人の考えはよくわからないが一応助かった。トーラもいらんこというなよ。

 

「セクハラされた」

「おい!」

 

 誤解だ! 本当に頼むから変なこと言うな!

 

「テンシン、やりすぎはダメだからね」

「ったく! トーラ、お土産あるから一緒に見ない?」

「あたしにもくれるならいいわよ」

「ちゃんとお前の分もあるよ」

 

 セクハラ呼ばわりした割にはすんなりついてくるトーラ。さすがに冗談だったようだ。俺の部屋に着くともらってきたパックを披露した。

 

「パックを3つもらってきた。お前にも1つやるよ。ただし、俺とデュエルで勝負するなら勝てば選択権をやろう。負ければ1つもやらない。どうする?」

「そんな! テンシン強いのに勝てるわけない!」

「ん? お前勝ったのはマグレとか言ってなかったか?」

「んうぅぅ~~! いじわるっ! テンシン嫌い!」

 

 涙目でキライ宣言するトーラ。傷つくからやめてくれ。

 

「ごめんごめん! じゃあちょっと特殊なルールにしよう! いつものデッキじゃなくて、余ってるカードをランダムに40枚ずつ選んでお互いのデッキにするのはどうだ?」

「……いいわ! 絶対勝ちたい!」

「ま、手加減はしないからね。負けても泣くなよ?」

「むっ! テンシンめ……! 負けないもん!」

 

 ハハハ!! どう見てもそれは泣くフラグだな。なんか無性にトーラのこといじめたくなってきた。ボコボコにしてやろう。

 

 10分後……

 

「こんなはずは……!」

「オホホホホ! 無様ねぇ? テンシンちゃん?」

 

 圧敗……何もできずに負けた。デッキがおかしかったんだ! 攻撃力の平均値が2倍は偏っていたし魔法トラップは貧弱。これでは無理だ!

 

「もう1回! もう1回だ!」

「いいわよ、泣きの1回ね。私が勝ったら2パックもらおうかしら」

 

 2回連続こんなことは起きない! 確率は収束する! 信じるんだっ!

 

 …………

 

「バカなっ! これはイカサマだ!」

「負けたやつは決まってそういうのよね」

 

 偏りがヒドイ! なんだこれ! 薄々思ってたがまさかこいつとんでもない豪運なのか!? 十代並の運命力!?

 

「……デュエルには負けた。それは認めよう。だが1パックあれば十分だ! ここで俺が当たりを引けばまだ逆転はある……!」

「選ぶのは私だけどね。当たりは残さないわよ?」

「ほざけ……!」

 

 開封!

 

「やった! 魔法使い族だ! 魔導騎士が一杯! ウルトラレアにスーパーレア! 大収穫ね!」

「黒蠍コンビネーション……」

 

 なぁにこれ?

 

「あら? テンシンにはいらないカードね。ぷぷぷ!」

 

 こいつ……! こんなのおかしい! なぜだ!? もらったのは俺なのに! 全部俺が手に入れるはずだったのに運命みたいにトーラに魔法使い族! しかもブレイカーにディフェンダーとか強すぎる! なぜに!?

 

「不公平だ……」

「テンシン、あんたにリベンジさせてあげてもいいわよ? 負けたらマッサージね」

「よし! じゃあ今度はドラフトでデッキを作るルールだ! 交互に1枚ずつ選んでデッキを作る! これなら絶対俺が勝つ!」

「いいわ! 受けて立つ!」

 

 そのあとめちゃくちゃマッサージした。

 




今回のデッキはちょっと変則
相手ターンに勝つ、コイントスで勝つ、両方満たせるデッキということで採用してます

パックについてはレア枠のみ触れています
トーラ  ウル:ブレイカー スー:ディフェンダー
テンシン レア:黒蠍コンビネーション
書いていないノーマルもデッキには追加されていきます

ディフェンダーは本来ストラクですがまぁストラクとかないだろうということでパックで出しました

あとドラフトとか余りカードでやるデュエルはマジで楽しいです
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