「テンシン、あなたトーラにわざと負けて自信をつけさせてあげてるみたいね。本当に優しいわね、あなたは」
「まぁな。あのままじゃトーラが伸びないし……」
実際は違うが話に乗っかると、どこから訊きつけたのかトーラが出てきて否定した。
「違うわ。ホントに負けたのよ。力負け! 一晩中負け続けたもんね~~よわよわテンシンちゃん?」
「あら、テンシンにも筆の誤りね」
「……」
トーラって実力も運も申し分ないのに臆病なせいでイマイチ肝心なところで力を発揮できなかったんだろうな。正直誤算だった。
それから何日か経過しても結局自分のデッキ以外では一度も勝てなかった。
そんなある日。
ピンポーン
「はーい……あっ! あなた! おかえりなさい!! 久しぶりね!!」
「えっ!? もしかしてとうさん!?」
「とうとうきたか」
いよいよか。感動のご対面といこうじゃないか。
「ねぇ、大丈夫なの? なんとかするって言ってたけど、とうさんってテンシンには厳しいし……怖くない?」
「まぁ見てな」
ポンポンと心配そうなトーラの頭を叩き、新たな敵を待ち構えた。
「ほう、来とるな、テンシン。少しはマシな面構えになったか」
「久しぶりの再会だ、お互い言いたいことはたくさんあるはず。だがデュエリストに言葉は不要だろ? 拳で語ろうぜ?」
そういってデュエルディスクを構えると、とうさんは高らかに笑った。
「はっはっは!! えらく威勢がいいな! お前、それは負ければどうなるかわかっていっとるのか?」
とうさんはここぞとばかりに凄みを利かすがこんなものに臆する俺じゃない。逆に睨み返した。
「負ければなんでも言うとおりにしてやる。退学でも勘当でも、なんなら切腹でもいい。けど俺が勝ったらアカデミアに戻るぜ。まだやり残したことがあるからな」
「覚悟ありか。負けると分かっていてそこまでいうのはなぜだ? まさか勝てると思っちゃいねぇよな?」
「負ける気で戦う奴がどこにいる?」
「なめるなよ! ワシも一端のデュエリストよ! レッドのお前に勝てる道理はない! 良かろう! 思いあがったツケを払うがいい! その鼻っ柱へし折ってやる!」
「全力で倒す!」
「「デュエルだ!!」」
バチバチと火花が飛ぶ。息が詰まるような重苦しい空気。だがこれこそが勝負の醍醐味だ。デュエルってのはこうでなきゃいけない。さぁ、楽しませてもらおうか。
「ワシの先攻! ドロー! まずはここからか……ワシは手札抹殺を発動! 互いに手札を墓地に送り総交換する!」
「いきなり手札抹殺!? くっ……」
《手札抹殺》
通常魔法
(1):手札があるプレイヤーは、その手札を全て捨てる。
その後、それぞれ自身が捨てた枚数分デッキからドローする。
俺は顔をしかめながら手札を墓地へ送った。
「どうやらいいカードを持っていたようだな。簡単に表情に出しおって、未熟者!」
「……」
「テンシン! まさかラヴァ・ゴーレムが墓地にいっちゃったの!?」
トーラは不安そうにこっちを見るが今はあいつを気にする余裕はない。この手札抹殺、どうもイヤな予感がする。このカードの使い道はいくつかある。1つは純粋にキーカードを引きこむためのドロー目的。他には暗黒界などとのコンボもできる。そして最も厄介なのが……
「墓地の馬頭鬼の効果発動! 自身を除外してゾンビマスターを蘇生する!」
「やはり墓地肥し! しかもアンデット……どこまで展開する?」
《ゾンビ・マスター》
効果モンスター
星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守 0
(1):1ターンに1度、手札からモンスター1体を墓地へ送り、
自分または相手の墓地のレベル4以下のアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。
そのアンデット族モンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
この効果はこのカードがモンスターゾーンに表側表示で存在する場合に発動と処理ができる。
召喚権を使わずにゾンビ・マスターを展開されてしまった。これは果てしなくモンスターが増えるパターンだ。シンクロがないからスターダストとか妨害能力持ちにつなげにくいのが救いか。
「さすがにアホのお前でも状況が理解できたか。最初に手札抹殺を引いたらわしは負け知らずじゃ。さりとて容赦はせん! アカデミアに戻りたくば最高の引きを得たワシを超えてみろ!」
「言われなくても! さぁ、好きなだけ出しなよ」
「ふん、覚悟ありか。ゾンビマスターの効果で手札のモンスターを捨ててゴブリンゾンビを特殊召喚! さらにゴブリンゾンビを生贄にヴァンパイアロードを召喚! ゴブリンゾンビの効果でデッキから馬頭鬼を手札に加える!」
《ゴブリンゾンビ》
効果モンスター
星4/闇属性/アンデット族/攻1100/守1050
(1):このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動する。
相手のデッキの一番上のカードを墓地へ送る。
(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。
デッキから守備力1200以下のアンデット族モンスター1体を手札に加える。
「全くムダがない。どんだけ強運なんだ? トーラといい親父殿といい、このウチは豪運デュエリストばかりで参るな」
しかしここまでもまだ序の口のようでとうさんのターンはまだまだ続く。
「これで終わりとは思うなよ? さらにヴァンパイア・ロードを除外し、ヴァンパイアジェネシスを特殊召喚! さらにその効果で手札の2枚目のヴァンパイア・ロードを捨てて再生ミイラを攻撃表示で特殊召喚! カードを一枚伏せてターン終了!」
《ヴァンパイアジェネシス》
効果モンスター
星8/闇属性/アンデット族/攻3000/守2100
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に存在する「ヴァンパイア・ロード」1体を
ゲームから除外した場合のみ特殊召喚する事ができる。
1ターンに1度、手札からアンデット族モンスター1体を墓地に捨てる事で、
捨てたアンデット族モンスターよりレベルの低い
アンデット族モンスター1体を自分の墓地から選択して特殊召喚する。
残りの手札は1枚、あれはサーチした馬頭鬼だ。初期手札全て使い切っての猛攻……恐れ入る。だが、ここで手札も墓地のリソースも使い尽くしたのは大きい。これだけ展開すれば以前のテンシンなら手も足も出なかっただろうが、俺には通用しない。
「これで終わりか。たいしたことないな」
「何? 勝機があるとでも?」
「一瞬で消し飛ぶぜ? 俺のターン、ドロー! まずはブラック・ホールを発動! これであんたのフィールドはガラ空きだ」
「自軍もろとも消してしまう諸刃の剣、それを劣勢の切り返しに使ったか。少しはカードの使い方を覚えたようだな」
「のんきだな。よほどその伏せカードに自信があるのか? だが攻撃しないと始まらない。俺はリトル・ウインガードを召喚し、あんたにダイレクトアタック!」
「通さん! リバースカード発動! 聖なるバリア-ミラーフォース-!」
その効果で俺のフィールドのモンスターは全滅する。たかだか攻撃力1400のモンスター一体のために使うようなカードじゃないぞ?
「げ!? いいカード持ってんな……」
「リトル・ウインガードを破壊! これでバトルも終了だな」
「カードを2枚伏せてターン終了」
親父 手札1枚 墓地多数 除外2(馬頭鬼、ヴァンパイアロード)
天真 手札2枚 伏せ2枚
このクソ親父、めちゃくちゃ完成度高いデッキじゃねぇか。マジでこの家族何者だ? ここまでガチのデッキと戦うことになるとは思わなかった。
「ワシのターンじゃ! ドロー! 天使の施しを発動! そして強欲な壺! さらにドロー! 墓地に送った馬頭鬼の効果でゾンビ・マスターを特殊召喚!」
おいおいおい! ドローし過ぎだ! しかも手札にあった馬頭鬼までうまく活用されてしまった。かなりマズイぞ? ここからどこまで展開してくるか探りを入れておこう。
「いくらドローしても展開できるのは低級モンスターだけ、墓地にはもう馬頭鬼もない。さっきみたいな大量展開はできないはず。最初の展開を凌いだ時点で勝機は俺にある!」
「テンシン、お前何回ワシに敗ければ学習する? このデッキは不死身! 何度でも蘇る! これしきで優勢になどなれんぞ! 墓地からさらに馬頭鬼の効果でゴブリンゾンビを特殊召喚!」
「まだいたのか!? 最初の手札抹殺で馬頭鬼が既に2体墓地へ送られていたのか」
「全て出揃ったとは言っておらんからな」
「さっきのターンは敢えて温存……あれでなお余力を残していたとは食えねぇオヤジだ。だが、モンスターは増えてもあと2体、それも下級モンスターばかりだ。たいしたことない。馬頭鬼はこれで3体除外されたし、さすがにここまでだ」
「甘いわテンシン! ワシは異次元からの埋葬を発動!」
《異次元からの埋葬》
速攻魔法
(1):除外されている自分及び相手のモンスターの中から
合計3体まで対象として発動できる。
そのモンスターを墓地に戻す。
「んなバカな! 異次元からの埋葬だと!? 今のドローでそれを引いたってのか!? なんてこった……これじゃ馬頭鬼がまた増える!」
「そうだ! わしは除外された3体の馬頭鬼を墓地に戻し、再び効果発動! その効果でヴァンパイア・ロードを特殊召喚する!」
手札1枚で3体のモンスターを増やせる超強力カード。異次元からの埋葬は元の世界じゃ制限カード、パワーがケタ違いだ。しかもこのターンまだ召喚権が残っている。
「5体並ぶ……耐えきれるか?」
俺の場にはリビングデッドが伏せてある。もう1枚の伏せもあるし、ギリギリ凌げる計算だがどうなる?
「ククク……なんとかなる、という顔だな。甘い甘い甘い! 甘っちょろいわ! 貴様が姑息なトラップカードで攻撃をやり過ごそうと思っとるのは計算のうちよぉ! そんなマネは許さん!」
「俺の伏せを躱す方法があるのか?」
こんなのわかっていても防ぐ術はないはず。何を企んでいる?
「わしは場の3体のモンスターを生贄に捧げる」
「3体!? しかも伏せカードを破壊……とするとまさか、バルバロス!?」
「そうじゃ! 出でよ! 神獣王バルバロス! 3体を生贄にしたとき、相手フィールドのカードを全て破壊する!」
《神獣王バルバロス》
効果モンスター
星8/地属性/獣戦士族/攻3000/守1200
(1):このカードはリリースなしで通常召喚できる。
(2):このカードの(1)の方法で通常召喚したこのカードの元々の攻撃力は1900になる。
(3):このカードはモンスター3体をリリースして召喚する事もできる。
(4):このカードがこのカードの(3)の方法で召喚に成功した場合に発動する。
相手フィールドのカードを全て破壊する。
とんでもないカード入れてやがった! アンデットデッキのフィニッシャーにそいつを選ぶとは、この親父殿マジのガチだ!
ここで何もできなければモンスターを並べられて敗北は必至。そうはさせない!
「チッ! リバースカード、2枚ともオープン! 強制脱出装置! さらにリビングデッドの呼び声! まずはバルバロスを手札に戻してもらう!」
「タイミングを選ばぬトラップカードを用意していたか。被害は最小限、というわけだな」
「さらにリビングデッドでクリッターを特殊召喚!」
「だがクリッターは結局破壊される」
「それでいい。クリッターは破壊されたときデッキから攻撃力1500以下のモンスターを手札に加える。俺はクリボーを選択。これで1度は攻撃を凌げる」
昨日開けたパックにクリボーが入っていた。海馬はクリボーをザコと言っていたし、このカードは余りレアではないのかもしれない。それが幸いした。
パック運がないと嘆いていたが、このクリボーがなければ俺は今負けていたかもしれない。俺の悪運も捨てたもんじゃない。
予定とはだいぶ変わったが相手が3体分モンスターを消費したのは実際大きい。召喚権も使ったからバルバロスはこのターン召喚できない。
「こちらも生贄にしたゴブリンゾンビの効果でバーサーク・デッド・ドラゴンを手札に加える」
「……手札コストの補充か? だがなぜそのモンスターを?」
親父 手札3枚(バルバロス バーサーク ??) 墓地の馬頭鬼2体
天真 手札3枚(クリボー ?? ??)
互いのフィールドが空になり仕切り直しの格好だ。しかしゴブリンゾンビの効果で持ってきたバーサークデッドが不穏な空気を醸し出す。ここからまた展開し直して来るのか?
「墓地に置かれている2体の馬頭鬼の効果でヴァンパイア・ロードとゾンビ・マスターを特殊召喚! さらにゾンビ・マスターの効果でバルバロスを捨ててゾンビ・マスターを特殊召喚!」
「2体目のゾンビ・マスター……さっきの天使の施しの時か? それでさらに展開するわけか」
ゾンビ・マスターは墓地にさえ呼び込めれば手札が尽きない限り何体でも際限なく並ぶ。何度も更地にしたにも関わらず三度3体のモンスターを並べてきた。4体目が出てくることも確定している。やはりこの人のテクニックは本物だ。めちゃめちゃつえーよ、あんた。
「バカを言え。このターンやっとお前のフィールドが空になった。遠慮してやる理由はない。徹底的に叩き潰してやるからな、テンシン!」
「あなた……!」
「とうさん!!」
外野の2人はもうわかってるみたいだ。ここから何をする気だ?
「ヴァンパイア・ロードをゲームから除外しヴァンパイアジェネシスを特殊召喚!」
「2体目!?」
重っ!? どんな重量デッキだよ!? そうか、ヴァンパイアジェネシスは蘇生できないのか。だから複数枚積んでいるわけだな? こいつの効果を使うためにわざわざバーサークデッドを仕入れたわけだ。
「ヴァンパイアジェネシスの効果でバーサークデッドドラゴンを捨てて3枚目のヴァンパイア・ロードを特殊召喚」
「3枚目!? 最初の手札抹殺でか!?」
じゃあ捨てたカードほとんどモンスターじゃねぇか!? なんだそれ!?
「たしかクリボーが手札にあるからヴァンパイアジェネシスの攻撃は防がれるとして、残り3体の攻撃力を合わせるとどうなるかな?」
「……」
親父 手札0枚 ジェネシス ロード ゾンマス ゾンマス 墓地 馬頭鬼0枚
天真 手札3枚 (クリボー ?? ??)
「テンシン! 負けちゃダメ!」
「あなたっ! テンシンはよくやったでしょう? これでもう十分ではないですか!?」
「ダメだ! デュエルは結果が全て! 敗者には一片の価値なし! テンシン! 結局お前は負け犬だ! 負け犬のままなのだ!」
かあさんの懇願を歯牙にもかけない。苛烈な人だな。だがかあさんとトーラは無用の心配だ。俺は絶対に負けないのだから。
「……いいや、負けてない」
「なんだと?」
「攻撃してこいよ。俺はまだ負けてない。ライフがゼロになって初めて俺の負けだ」
この攻撃、凌ぎ切ってみせよう!
「サレンダーはせぬか。生意気言いよって! よかろう! トドメを刺してやる! まずはヴァンパイアジェネシスの攻撃!」
「クリボーの効果を使う! ダメージは無効だ!」
「ならばゾンビ・マスターで攻撃!」
「……」
LP4000 → 2200
「続いて2体目のゾンビ・マスター!」
「……」
LP2200 → 400
「もうやめて! とうさん! こんなのみてられない!」
「ダメよ! トーラ、最後まで見てなさい! テンシンが最後の最後まで戦い抜くところをしっかり見届けるのよ」
かあさんは俺の言葉を聞いて信じることにしたようだ。たしかな信頼を感じる。
「さぁ、最後だ! ヴァンパイア・ロードの攻撃! 暗黒の使徒!!」
「テンシンッ!!」
トーラが悲痛な叫びをあげる。いっただろ、トーラ。俺は絶対に敗けねぇ!
スッ!
デュエルディスクからカードが取り除かれ、突如現れたソリッドビジョンが俺を守る。瞠目するオヤジに向かって高らかに宣言した。
「ネクロ・ガードナーの効果発動! 墓地のこのカードを除外して1度だけ戦闘を無効にする! さぁ、これで俺のライフは400残ったぜ?」
「墓地だと!? まさか、最初からあったのか!? わしの手札抹殺で……!」
《ネクロ・ガードナー》
効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻 600/守1300
(1):相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる。
このターン、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。
気づくのが速い。レベルが高いな。ちゃんと自分のカードのリスクを把握しているということだ。
「手札抹殺はたしかに絶大なアドバンテージをもたらすが、敵にもチャンスを与える諸刃の剣。今回はそれが裏目に出たな」
「しかし……こうも何度も墓地のカードを利用されるとは! リビングデッド、そしてネクロ・ガードナー……最初はたしか顔をしかめていたはず! あれはなぜっ……」
「思った通りの表情を浮かべるとは限らねぇんだぜ、勝負事ではな。いい手が入った時こそ表情を曇らせる。俺はポーカーフェイスより相手を騙す方が好みなんでね。おかげであんたは予想外の事態に動揺してるだろ?」
「……やってくれよる」
俺が意図的に表情を作っていたことがわかったのだろう。少しは認めてもらえたか?
「それじゃ、切り札はまだあるのね!」
トーラもラヴァ・ゴーレムがなくなったのかと大騒ぎしていたっけ。ちゃんとラヴァ・ゴーレムは残ってるよ。
「あぁ。そろそろ引くぜ。このデュエルは終局を迎えている」
「ならば見せてみろ! 残り400の僅かなライフでどこまであがけるか! 次はないぞ!」
「当然! このターンでしまいだ! 俺のターン、ドロー!」
オヤジはもう手札はゼロ、場には4体のモンスターのみ! こいつらさえ倒せば俺の勝ちだ! 頼む! 引いてくれ! もう必要なカードはそろっている! あとはお前を引くだけなんだ!
引いてきたカード、それはやはり俺の最も愛すべきカードだった!
「ヴァンパイア・ロードとゾンビ・マスターを生贄に……」
「出た! テンシンの十八番!」
「わしのアンデットを生贄だと!?」
「いでよ、炎の悪魔! ラヴァ・ゴーレム!」
準備は整った! こっからはずっと俺のターンだ!
「ブラック・ホールのようなカードを警戒して効果破壊に強いヴァンパイア・ロードを用意したが、それを生贄召喚で倒したのは見事だ。しかし判断を誤ったな? ヴァンパイアジェネシスが場に残っているぞ!」
「ウソでしょ!? テンシンどうしたの!? 信じられない……」
「いいえ、テンシンには何か策がある。間違いないわ」
「かあさん……?」
この人、俺のことをよく観察している。表情でわかるんだろうな。自分でも自信満々の顔になってる自覚がある。
「あぁ、その通りだ。まずは所有者の刻印を発動! すべてのコントロールが戻りラヴァ・ゴーレムは俺のフィールドに来る! さぁかえっておいで」
“よしよし”とあやしながらラヴァゴーレムを迎え入れた。
「労せずして最上級モンスターを手に入れたか。だが!」
「あぁ、まだ足りない。だから俺はさらにあんたのモンスターを頂く!」
「何!?」
「手札から傀儡虫の効果発動! このカードを墓地に捨て相手の悪魔またはアンデット族のモンスター1体のコントロールを得る! 本来はラヴァ・ゴーレムとコンボするためのカードだが、こいつはアンデット族にも有効なんでね。あんたのモンスター、持ってくぜ! 来い! ヴァンパイアジェネシス!」
《傀儡虫》
効果モンスター
星3/闇属性/昆虫族/攻1000/守1000
(1):このカードを手札から墓地へ捨て、
相手フィールドの悪魔族・アンデット族モンスター1体を対象として発動できる。
その悪魔族・アンデット族モンスターのコントロールをエンドフェイズまで得る。
敵にすれば厄介だが味方になればこれほど頼りになるものはない。その後ろ姿はラヴァゴーレムと並んで輝いて見えた。
「すごい! テンシンと父さんのエースカードが並んだ! なんて光景!」
「わしのモンスターが、テンシンに……」
感慨深そうにポツリと、とうさんが呟く。その表情は今まで見たことがないものだった。なぜかその表情は俺の脳裏に焼きついた。
「テンシン……あなた、とうさんを超えたのね」
「かあさんは大げさなんだよ。……さぁ、バトルだ!」
「こい、テンシン!」
「ヴァンパイアジェネシスでゾンビ・マスターを攻撃!」
「くうっ!」
LP4000 → 2800
「そして、ラヴァ・ゴーレムでダイレクトアタック! ゴーレム・ボルケーノ!」
「ワシの……負けじゃ」
LP2800 → -200
これで俺は戻れるんだな、アカデミアに!
墓地利用デッキは楽しいですね。
その反面墓地チェックがしんどいのが玉にキズ。
3枚目のゾンビマスターはなかったと思ってください。
あったら負けてた……
なお馬頭鬼は普通に無制限で使ってます。
ちなみにテンシンの手札抹殺後の初期手札6枚がこれ
リトル・ウィンガード
ブラックホール
強制脱出装置
リビングデッドの呼び声
傀儡虫
所有者の刻印
相手は馬頭鬼の効果6回使用のフルパワーアンデット
デュエルを書いたのが何年も前なんですが、
墓地チェックとかのために改めて精査していてよく勝てたな?と思いました。
だんだん相手も強くなってきますね。