「さぁ次は誰だ? どうせ、まだ十代は出てこないんだろう? あぁ安心しろ、エクゾディアが相手じゃ誰も勝てないのはわかってる。次はちゃんと優しいデッキに変えてやるからとっととかかってきな。早く犠牲になるやつを選んでくれよ?」
「ヨワタリテンシーン!」
「ん?」
「これ以上の悪行は実技担当最高責任者であるこのクロノス・デ・メディチが許さないノーネ! わたくしが補習指導をして差し上げマース!」
アンタが自分から名乗り出てくるとはね。カミューラの時はたしかビビっていたはず。心境の変化があったということか?
「先生! ダメだ! やっぱりここは俺が!」
「ノンノンノン! 生徒にばかり危険なデュエルをさせるわけにはいかないノーネ! ヤンチャした生徒を正しく導くのが教師の務め!」
「涙が出るよ。じゃあアンタのデュエルを見せてもらおうか。闇のゲームでな!」
「望むところなノーネ!!」
「「デュエル!!」」
クロノス先生はやる気十分のようだ。腕まくりして鼻息を荒くするのは結構。だがこのデッキを相手にして果たしてどこまで抗えるかな?
「先攻は譲ってあげるノーネ」
「ククク……わかってるんだぞ? 最初にやられたカイザーのことが忘れられないんだろう? なんせ400万以上のダメージを受けたんだからな。ビビっちまうのは当然。だからあんたも三沢も後攻を選んだ」
「……よくしゃべる生徒なノーネ」
「だがそれこそが俺の狙いなのだといつになったら気づくのやら。俺のターン、ドロー! あっちゃ~~」
手札を見て顔を伏せる俺を見てギャラリーからは歓喜の声があがった。
「おっ! テンシンのやつ手札事故か?」
「オーソレミーヤ! このターン何もできなければ! 私のデッキはトラップの小細工は通用しまセーン! ワンターンでデュエルを終わらしてしまえば後攻であることに意味が生まれるのーネ!」
急に威勢がよくなったな。それは内心の恐怖の現れ。わかりやすい人だ。
突然恐怖心がなくなることなど……ない!
「たしかにクロノス先生は守りより攻めが得意なデッキ。後攻は理に適っているわ」
「だが……あいつ、笑ってるぞ?」
これが笑わずにいられるか。
もうすでにこいつらの心は折れかかっている。このデュエルが最後になる可能性も十分にある。だから最後ぐらいじっくりと味わって勝負を楽しもうと思っていたのだが……もはや俺の意志とは関係なくカードが吸い寄せられてくる。まるで誰かにカードが操られているかのようだ。
フフフ……末恐ろしい力だよ、三幻魔。
「もっとゆっくり勝負を楽しみたかったんだが……どうにもテメーらは終わってるようだぜ」
「何をいってるノーネ!」
「まさか先攻でワンターンキルするのか!?」
「でもエクゾディアは使わないってさっき!」
「あぁ使わない。それにワンターンキルもしない。時の女神の悪戯をデッキに入れておけばワンターンで終わらせることなどいともたやすいことだが……それだと相手の見せ場を作るチャンスすらなくなってしまう。つまらないからな」
切り込み隊長や団結の力などで4000以上の打点を作ればそれでワンターンキル成立だ。平凡で何の面白みもない。どうして時の女神の悪戯は規制されないのか……やっぱり金の力か?
「だったら何をするつもりなノーネ!」
「新たなる召喚方法を見せてやるよ。俺の幻想融合デッキでなっ!」
「幻想融合!? なんだそれ!?」
「きいたことないぞ?」
それっぽく言っただけでそんな召喚方法はない。知らなくて当然だ。
「まずはヒーローアライブを発動! 自分フィールドにモンスターがいないときLPを半分払って発動できる。デッキからE・HEROエアーマンを特殊召喚!」
「エレメンタルヒーロー!? 十代と同じカード!?」
「けどあんなカード見たことないぞ!」
「あいつ、サイバーエンドといいヒーローカードといいどこまでのカードを使えるんだ?」
《ヒーローアライブ》
通常魔法
(1):自分フィールドに表側表示モンスターが存在しない場合、LPを半分払って発動できる。
デッキからレベル4以下の「E・HERO」モンスター1体を特殊召喚する。
《E・HERO エアーマン》
効果モンスター
星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300
(1):このカードが召喚・特殊召喚した時、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分フィールドの他の「HERO」モンスターの数まで、フィールドの魔法・罠カードを破壊する。
●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。
これもトゥーンと同じくコンボ成立のためのカード。主軸じゃない。マスクチェンジがあれば手軽にダーク・ロウが出せるが今回はもう1つのプランだ。
「エアーマンの効果! こいつは召喚・特殊召喚に成功した時デッキからHEROモンスターを手札に加える。少しフライングだが……世界を破滅させるカードを使ってみようか」
「世界を破滅させるカードだって!?」
「なんだおおげさな!? 脅しのつもりか?」
「俺はD-HERO Bloo-D を手札に加える!」
破滅の光が宿ったヤバイカードだ。しかしこのカードは“ホンモノ”ではない。OCGの効果だ。
「D? なんだそれ! そんなヒーローがいるのか!」
「デステニーだと? 運命だとでもいいたいのか!」
「そうだ、世界は滅びの運命にある! さらに裏風の精霊を召喚! 効果でデッキから幻想召喚師を手札に加える」
《裏風の精霊》
効果モンスター
星4/風属性/天使族/攻1800/守 900
(1):このカードが召喚に成功した場合に発動できる。
デッキからリバースモンスター1体を手札に加える。
《幻想召喚師》
リバース・効果モンスター
星3/光属性/魔法使い族/攻 800/守 900
(1):このカードがリバースした場合に発動する。
このカード以外の自分フィールドのモンスター1体をリリースし、
エクストラデッキから融合モンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される。
このデッキのキーカード登場。この幻想召喚師の効果を1ターンで能動的に発動するためのギミックに特化したのがこのデッキの特徴だ。
裏風でサーチする手順と最初から持っている時に直にセットしてカオス・インフィニティを使う手順の2つを大まかな展開ルートとして持っている。今回は前者のパターンだ。
「幻想召喚とはそいつのことか! 新しい召喚方法でもあるのかと思えば……バカバカしい!」
「サンダー、どんな効果なんだ?」
「あれは偽りの融合召喚を行うカードだ! だが所詮は紛い物! 召喚したターンに破壊されるニセモノだ!」
ヒドイこと言うねぇ。バカにしていると痛い目を見ることになる。このカードに秘められた可能性は融合モンスターの数だけ眠っている!
「だが今宵、幻想は幻想ではなくなる! 虚もまた真実! いくぞ! マジックカード、テラ・フォーミングを発動! デッキから召魔装着を手札に加え発動する。効果で手札の幻想召喚師を捨ててデッキから魔装戦士ドラゴノックスを特殊召喚」
《召魔装着》
フィールド魔法
(1):自分フィールドのドラゴン族・戦士族・
魔法使い族モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。
(2):1ターンに1度、手札を1枚捨てて発動できる。
デッキから「魔装戦士」モンスター1体を特殊召喚する。
(3):1ターンに1度、自分の墓地の
戦士族・魔法使い族モンスターを合計4体除外して発動できる。
デッキから「イーサルウェポン」モンスター1体を手札に加える。
ノックスは本来ペンデュラムモンスター。だが、今は幻魔の力によりただの効果モンスターとしてここでは存在する。そしてこのカードによって幻想召喚は完成される。
「幻想召喚とやらを行うには幻想召喚師が必要なはずですネ? 捨ててしまっては元も子もアリマセーン?」
「ノックスの効果! 手札のADチェンジャーを捨てて幻想召喚師をセットする」
「セットなノーネ!?」
「リバース効果を使う準備が整っただと!? マズイぞ!」
「まさか表示形式を変える手段も……そういえばさっき捨てたカードの名前! ADって……アタックとディフェンスのことなの!? だとしたら!!」
「そうだ! ADチェンジャーは墓地のこのカードを除外しフィールドのモンスター1体の表示形式を変更できる! 反転召喚! 幻想召喚師のリバース効果! ノックスを生贄に融合デッキからナチュル・エクストリオを特殊召喚!」
《ADチェンジャー》
効果モンスター
星1/光属性/戦士族/攻 100/守 100
自分のメインフェイズ時に、
墓地のこのカードをゲームから除外し、
フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターの表示形式を変更する。
《ナチュル・エクストリオ》
融合・効果モンスター
星10/地属性/獣族/攻2800/守2400
「ナチュル・ビースト」+「ナチュル・パルキオン」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
(1):魔法・罠カードが発動した時、
自分の墓地のカード1枚を除外し、デッキの一番上のカードを墓地へ送って発動できる。
このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、その発動を無効にし破壊する。
「本当に出しやがった!」
「こいつは相手のマジック・トラップを無効にする効果を持つ」
「なんだと!?」
「いきなり魔法と罠が使えないのだと?!」
「むちゃくちゃだわ!!」
「さらに場の幻想召喚師、裏風の精霊、エアーマンを生贄にしてBloo-Dを特殊召喚! こいつがフィールドにいる限り相手フィールドのモンスター効果は無効化される!」
《D-HERO Bloo-D》
特殊召喚・ 効果モンスター
星8/闇属性/戦士族/攻1900/守 600
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドのモンスター3体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手フィールドの表側表示モンスターの効果は無効化される。
(2):1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する(1体のみ装備可能)。
(3):このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの元々の攻撃力の半分アップする。
「マンマミーヤ!? それでは私は全てのカードの効果を封じられたノーネ!?」
「そういうこと。どう? 素晴らしいコンボだろう?」
「だがBloo-Dはともかくエクストリオはエンド時に破壊される!」
「そ、そうなノーネ!」
「慌てるなよ万丈目……俺にはまだ手札が残っているんだぜ? フィールド魔法の張り替えだ! 発動! 神縛りの塚! このカードによりレベル10以上のモンスターは効果で破壊されない! 幻想召喚のリスクは効果による破壊! よってエクストリオはフィールドに残り続ける! これでこのデッキのコンボは完成する! ターンエンド!」
《神縛りの塚》
フィールド魔法
(1):フィールドのレベル10以上のモンスターは
効果の対象にならず、効果では破壊されない。
(2):フィールドのレベル10以上のモンスターが
戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。
破壊されたモンスターのコントローラーは1000ダメージを受ける。
(3):フィールドのこのカードが効果で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。
デッキから神属性モンスター1体を手札に加える。
ようやく俺の狙いが理解できたようだ。全員の顔に絶望が張り付いている。
「終わりだ……勝ち目がない。このままじゃクロノス先生は……」
「容赦がなさすぎる。テンシン……いったい何が彼をここまでさせるの? どんな望みがあるというの?」
「こうなってはもう手の施しようがない。クソッ! 世渡天真め!」
天真 手札1枚 神縛りの塚 エクストリオ BlooD
「諸君! 諦めてはダメなノーネ!」
「ほう?」
なんだ? まだここから手があるのか? あるなら是非とも拝見したいものだが?
「最後の最後まで決して希望を捨てぬこと! 約束して下さーい? 同じことは何度も言わせるものじゃないノーネ」
「先生……」
なんだ、諦めただけか。くだらない。しかもカミューラの時と負け方が進歩していない。負ければ何の価値もないんだよ。
「じゃあみせてみなよ、ここから逆転する方法をさぁ? ラヴァ・ゴーレムがあれば簡単に解決するんだけどね」
「たしかに……そう考えるとラヴァゴーレムってすごいカードなのね」
「だがクロノスのデッキにそんな都合のいいカードは存在せん。万事休すだ」
万丈目の言葉通りクロノスは壁を出すだけでターンを終えた。
「……アンティーク・ギアソルジャーを守備表示! カードを2枚セットしてターンエンドナノーネ!」
けどそれは事態を悪化させているだけだ。それしかできないのはわかるが、なんとも無力だな。
「形だけの守りの姿勢……そんなもの無意味! 俺のターン、ドロー! 言い忘れてたがBloo-Dにはまだ効果がある。こいつは相手モンスターを吸収し攻撃力を上げることができる!」
「ありえないノーネ!!」
「つ……つよすぎる。あのモンスターがいる限りクロノス教諭のモンスターは完全に封殺されてしまう!」
「しかもあの融合モンスターで魔法トラップでの反撃も許さない。これがヤツの、テンシンの本気なのか? 俺は……勝てるのか?」
「やれ! クラプティー・ブラッド!」
Bloo-Dがアンティーク・ギアソルジャーを吸収し、その攻撃力1300の半分、650アップして攻撃力は2550となった。
悩むがいい。絶望するがいい。自分を疑えばそこでお前は終わりだ、遊城十代。
「私のモンスターがっ!! マンマミーヤ!!」
「さぁ次はダイレクトアタックだ! ナチュル・エクストリオで攻撃!」
「くぅぅ……リバースカードオープン! 聖なるバリアミラーフォース!」
「ムダだ! エクストリオの効果! 墓地の召魔装着を除外し、デッキから1枚墓地へ送ることで発動を無効にし破壊する! さぁ、実体化したモンスターの攻撃を受けてみな!」
「なんて衝撃ナノーネ!?」
LP 4000 → 1200
「トドメだ! ブラッディ・フィアーズ!」
「アディオォォォォス!?!?」
LP 1200 → -1350
「クロノス先生ェェェ!!」
「イヤッ……もう見てられない!」
「クソッ! 世渡天真めっ!」
これで4人倒れた。鍵を守るものは吹雪を合わせて7人。残りは万丈目、明日香、そして十代の3人。
この戦いにも終わりが見えてきた。
実質ペンデュラムとシンクロを使ってますがギリギリセーフにしてます。
好き放題自分の都合のいいようにカードを使っているので不公平なんですが、テンシンの発言にあるように時の女神の悪戯を使用しない時点でおおいに手加減しているとみなしOKにしてます。
そもそもエンフェとブリリアント・フュージョンを使ってない時点でこのデッキのパワーもかなりセーブされてます(後述)
一応、今後幻魔フィールド以外ではシンクロ以降の召喚方法は使いません!
デッキの採用理由については、一応ストーリー上の意味としては幻魔の力が増大している描写ということになります。
この世界では幻魔の力でこういうカードも創造できますよ、ということですね。
もっとも採用理由の9割を占める理由はせっかく考えたのがもったいないから使え!……ですが。
<幻想召喚ルート解説>
1.エンフェ裏風ルート
ブリリアント・フュージョン(B・F)
テラ・フォーミング
裏風
ADチェンジャー
B・Fで召喚権を使わずにエンシェントフェアリードラゴンを特殊召喚
テラフォで召魔装着をサーチ
裏風召喚 → 幻想サーチ
召魔で幻想捨ててノックス特殊召喚
ノックスでAD捨てて幻想セット
エンフェで召魔を割って神縛り発動
ADで幻想反転しエンフェコストにエクストリオ
ランク4で巨岩掌など
☆アライブがあればプラス相手ターンにダーク・ロウ+ヒーローサーチ
☆手札にレベル3か4があればさらに展開できる(エンフェ効果未使用のため)
2.マスター・キー・ビートル維持ルート
アライブ
召魔
裏風
AD
アライブ → シャドー・ミスト
裏風→召魔→ノックス→幻想セット→ADでリバース(裏風リリース)
ミストとノックスでマスキー→エクストリオを守る
☆B・Fで2体展開すれば幻想と合わせて3体リリース揃うのでミスト→Bloo-Dも可能
3.幻想機皇ルート
カオス・インフィニティ
幻想召喚師
神縛りの塚
幻想召喚師とカオスインフィニティセット
神縛り発動
相手ターンにインフィニティで幻想リバース、機皇リリースで神縛エクストリオ
4.攻守変更カードも生贄もないルート
裏風か幻想
B・F
神縛り
神縛り発動
B・FでADを落とす
裏風召喚→セラフィで幻想セット→ADでリバース、セラフィリリースで神縛エクス
☆アライブなどあればランク4やBloo-Dも立てれる
必要なのは基本的に3枚
幻想召喚師 (裏風でもOK)
維持するカード(神縛りやマスキー、エンジネル)
攻守変更カード(ADやカオスインフィニティ)
生贄要因カード(これは展開力があるので基本困ることはない)
幻想召喚師は裏風でもサーチできる(その場合ノックスかBFで展開)
維持は神縛りが基本、テラフォやエンフェ+別フィールドでも可
チキンレースを3枚積んでおくとデッキ圧縮+神縛りサーチがしやすくなる
フィールド+B・F→エンフェやマスキー、エンジネルルートも可で幅広い
攻守変更カードは一応B・FでADを落とす動きも可
B・Fは全ての代替になれる便利カード!!
手札誘発は知らん()