気づいたらデュエルアカデミア   作:りんごうさぎ

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無敵の『ザ・ワールド』

「よぉ十代」

「テンシン!? どうしてレッドに!?」

「ブルー寮は危ないから避難したんだ。元々俺が住んでた部屋は俺がいなくなってから誰も入ってないから空き部屋だし」

 

 トーラ白化を受けてホワイト寮は危険だと判断しトーラと2人でレッドに避難することにした。渋々ね。別に自分だけならホワイト寮にいても問題ないのだがトーラは別。そのトーラが俺と一緒じゃないならレッドには移らないとゴネたので再びここで2人の生活が始まった。

 

「俺は一度レッドを救ったんだから堅いことは言うなよ?」

「まさか! いつでも大歓迎だぜ! トーラも一緒にきたのか?」

「何よ、悪い?」

「いや、だから別にいいって」

 

 トーラの暴君っぷりには十代もタジタジだな。

 

 レッドに一度十代を始め防衛チームが集結し光の結社に対する防衛方針を相談することにした。

 

 斎王はトーラに手を出したし学園生活がしにくくなるのは看過できない。本来の流れは無視して徹底的に潰すことにした。

 

 まず決めたのは白の生徒とはデュエルしないこと。それを全校生徒に徹底させるよう生徒と教員に働きかけた。

 

 だが事はそう上手くは運ばない。

 

「なんて頭の悪い連中なんだドン! どうしてデュエルしちゃダメってわからないザウルス!?」

「剣山、そりゃ去年も同じだ。幻魔のときも必勝法を教えたのに無視しやがったからな、あの校長。期待するだけ無駄だ」

 

 どういうわけか必勝法は使えない。なら次の手だ。

 

 ここにいるメンバー全員でホワイト狩りを決行した。放課後はずっと生徒を狩り続け大幅にホワイトの数を減らすことに成功した。

 

「これならいけるドン!」

 

 やはり俺の存在が大きいのか斎王は為す術なし。だが肝心の万丈目と斎王は中々表に出てこない。ホワイトもさすがにデュエルしてはマズイと悟ったのか逃げるようになってきた。僅かに停滞を感じ始めた頃、事件は起きた。

 

「各地でホワイトの残党が一斉に反乱?」

「そうなの! もう十代達が鎮圧に向かったわ!」

 

 まるで戦争だな。これまで水面下で動いていた斎王だがここまで大々的に動くとは。さらに斎王本人は剣山とデュエルしているらしい。

 

「万丈目の情報は?」

「デュエル場で目撃情報があったってタレコミがあったわ!」

「ならそっちは俺が向かう。いい加減万丈目のヤツも正気に戻してやるよ。明日香、お前も別の現場に向かえ」

「わかったわ。大変なところを任せて申し訳ないけど今回もあなたに頼らせて」

「気にするな。負けんなよ」

「あなたもね」

 

 しかしそれこそが斎王の仕掛けた罠なのだった。

 

 

 ◇

 

 

「来たな世渡天真!」

「万丈目、勝負しろ」

「いいだろう。これまで我々の邪魔をしてきた報いを受けさせてやる」

 

 勝負を受けるのか? どういう風の吹き回しかはわからないがここで勝負しない選択肢はない。用心しつつデュエルするか。

 

「「デュエル!!」」

「俺様の先攻! ドロー! リバースカードを3枚セットしてからモンスターをセットして太陽の書を発動!」

 

 

《太陽の書》

通常魔法

フィールド上に裏側表示で存在するモンスター1体を選択し、表側攻撃表示にする。

 

 

「いきなりリバース?」

 

 なんだこれは? 万丈目らしくない動きだ。

 

 どうもイヤな予感がする。斎王め、何か企んでやがるな?

 

「リバース! メタモルポットの効果! 互いに手札を全て捨てて5枚新たに引く」

「チッ!」

 

 

《メタモルポット》

リバース・効果モンスター

星2/地属性/岩石族/攻 700/守 600

(1):このカードがリバースした場合に発動する。

手札があるプレイヤーは、その手札を全て捨てる。

お互いにデッキから5枚ドローする。

 

 

 初手でメタポを引いた時のデッキ破壊の動きだ。1ターンでデッキを空にされるのだけは勘弁だぜ? こんちくしょう、やってくれるじゃねぇか!

 

「さらに伏せていた成金ゴブリンを発動! よし! 魔法石の採掘を発動! 手札を2枚捨てて太陽の書を回収! 手札から月の書を発動してメタモルポットをセットしてからもう一度太陽の書を発動!」

 

 再びデッキが削れる。

 

「浅すぎた墓穴を発動! 効果はよく知っているな、テンシンっ!」

「手札のDDクロウの効果! お前の墓地のニードルワームを除外!」

 

 

《D.D.クロウ》

効果モンスター

星1/闇属性/鳥獣族/攻 100/守 100

(1):自分・相手ターンに、このカードを手札から墓地へ捨て、

相手の墓地のカード1枚を対象として発動できる。

そのカードを除外する。

 

 

「何!? 余計なマネを! ならば巨大ネズミをセット!」

「俺は人喰い虫をセットする」

「くそっ! まだ見つからないか! ならカードを2枚セットしてターン終了!」

 

 なんだ? こいつ、俺のデッキの何かを探している? しきりにこっちの墓地を確認している。どうもきな臭いな。

 

「俺のターン、ドロー! まずは大嵐!」

「またしても面倒な! なら皆既日食の書を発動! これで全てのモンスターをセットしなおす!」

 

 

《皆既日蝕の書》

速攻魔法

(1):フィールドの表側表示モンスターを全て裏側守備表示にする。

このターンのエンドフェイズに、相手フィールドの裏側守備表示モンスターを全て表側守備表示にし、

その後、この効果で表側守備表示にしたモンスターの数だけ相手はドローする。

 

 

「ムダだ! 人喰い虫を反転して巨大ネズミを破壊! さらに人喰い虫を生贄にデーモンの召喚を出しダブルアタックを発動! バルバロスをコストに2回攻撃を行う! 連続魔降雷!!」

「メタモルポットの効果で手札を入れかえる! さぁカードを引け!」

 

 5枚のカードを引くと、デッキトップから確かなぬくもりを感じる。次に引くのがお前なのか?

 

「この感じ……そこにいるな! あと1枚! あと1枚であのカードに届く! このターンデーモンの攻撃はあと1回! 俺様のライフは1500残り、次のターン確実に……フハハハハ!」

「そうはさせるか! 手札から捨てられた誘蛾灯レベル4の効果でデッキからサファイアドラゴンを特殊召喚! 追加攻撃でライフはゼロだ!」

「なんだと!? ぬわぁぁぁぁ!!!」

 

 デュエルには勝った。危なげない勝利。だが奴の目的はそもそもデュエルに勝つことではない。俺のラヴァゴーレムが狙いだったんだ。だとしたら危なかった。

 

「なかなかいいデュエルでしたよ、世渡天真」

「お前は……斎王?! なぜここにっ!」

 

 ヤツは剣山が……俺の思考に気づいた斎王は悠々と答えた。

 

「ククク……剣山君なら倒しましたよ。そしてあなたがここに来ることも私が予見した通り」

 

 いよいよ今回の動きは罠だったことが濃厚になった。狙いは当然俺のカードだろう。またインチキくさい破滅の光の力で何かするつもりなんだろうけど、どうしたものか。

 

 人を洗脳する力があるんだ。もう何ができても不思議じゃない。どれだけ用心してもし過ぎってことはないはずだ。

 

 だったら大事なカードだけはなんとしても守らないと! このままじゃ危ない! 今とれる最善の一手は……。

 

 ゴポゴポゴポ……!!

 

「死ね!」

「むぅっっ!?」

 

 精霊の力を解放し己の体をマグマに変えて斎王へ飛ばした。さながらマグマの拳。渾身の一撃を斎王へぶつけるが破滅の光の力で打ち消された。

 

 ゴポゴポゴポ……!! ゴパァァッッッ!!

 

 マグマが爆散し色褪せた世界が赤く染まる。辺り一面火の海と化した。やはり力づくで退けることは難しいか。俺が言うことじゃないがこいつバケモンだな。

 

「ずいぶんと熱烈な歓迎じゃないか世渡天真? 今のはさすがの私でも焦ったよ」

「何言ってやがる? あんたならわかっていたはずだろう? ご自慢のタロット占いとやらでな」

「こいつ……! ならこれを見ても減らず口が叩けるかな?」

 

 斎王の後ろからホワイトがズタ袋を担いできた。中から人が転がり出て……

 

「トーラ!?」

「んんーー!!」

 

 猿轡でしゃべれなくされてる。こいつ、自分のやってることがわかってるのか? 俺がどういう人間かもわかってるはずだよなぁ? 斎王!!

 

「次に仕掛けてくればこの娘を盾にさせてもらおう」

「人質なんぞで俺が攻撃をやめると思うか?」

 

 こっちにはいくらでも打つ手がある、そう思わせなければ俺は何もできなくなってしまう。

 

「狂人め……よかろう。ならばデュエルで雌雄を決するというのはどうかな?」

「俺が勝ってもなんの意味もない。する理由がない」

「しなければこちらも意地だ。この娘はどうなっても構わないのだな?」

「んんっ! んんーー!!」

 

 トーラを見殺しにはできないが、こいつとデュエルしたとしてどうするというんだ? 無策でデュエルしても意味がない。ここを仮に乗り切ったとしてもまた誰かを人質にとられて同じことの繰り返し。こいつの目的がハッキリしなければどうにも……

 

(テンシン、こいつの狙いはラーヴァだよ。冷静になって! この男は精霊の力を恐れている)

(ラーヴァ、俺はどうすればいい?)

(“あなたには”トーラという弱点があるからあの非情な男は倒せない。わかるよね?)

(……仲間に託せってことか。なら一度表舞台から身を引くことも視野に入れるべき、か)

(今はガマンだよ。もしもの時はテンシンのこと絶対ラーヴァが助けてあげる)

(ありがとラーヴァ。今回は頼らせてくれ)

 

「いいだろう。勝負だ斎王!」

「へあぁ……くひひ! 世界は今日、我が手に墜ちる!」

「「デュエル!!」」

 

 さて、どこまで抗えるかやってみるか。

 

「私の先攻! ドロー! まずは手札断殺! 互いに手札を4枚捨てて新たに4枚ドローする!」

「手札交換だと?」

「さらに手札抹殺を発動!」

「……」

 

 いきなりデッキが9枚削れた。こいつも万丈目と同じく俺のデッキのラヴァゴーレムがお目当てらしい。

 

「強欲な壺で2枚ドロー! そしてもう一度手札断殺! 続けて暗黒界の取引を発動! さらに1枚カードをセットして墓穴の道連れを発動!」

 

 

《墓穴の道連》

通常魔法

(1):お互いは、それぞれ相手の手札を確認し、その中からカードを1枚選んで捨てる。

その後、お互いはそれぞれデッキから1枚ドローする。

 

 

 どんどん相手のカードが減っていく。俺のデッキを回すだけ回してもはや勝つ気はないのか? 俺のラヴァゴーレムが手札か墓地にでもいけば斎王にとっては十分なのかもしれない。

 

「さぁ、互いに相手の手札を選択しようじゃないか。こっちにきて手札を見せ給え」

 

 歩み寄って互いの手札を確認。相手の手札は1枚。アルカナフォース0 ザ・フールだ。こいつは本当にただの愚者なのか? それとも……。

 

 俺の手札は……

 

 強制脱出装置

 サイクロン

 ダブルアタック

 サファイアドラゴン

 天使の施し

 

「ふぅむ。まだ引いていませんか。往生際の悪い人だ。ではサファイアドラゴンを捨てて頂きましょう」

「?」

 

 天使の施しじゃないのか? たしかにモンスターがなくなるのは痛いが施しがあれば新たにモンスターを引くことは容易い。なんかヘンだ。

 

「さぁ、1枚引いて下さい。くひひ……私はザ・チャリオットを召喚!」

 

 

《アルカナフォースVII-THE CHARIOT》

効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻1700/守1700

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、

コイントスを1回行い以下の効果を得る。

●表:このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、

そのモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

●裏:このカードのコントロールを相手に移す。

 

 

 効果の説明をされた後ルーレットが回る。

 

「ストップ!」

「正位置の効果を得る!」

「で? たった1枚のそのモンスターだけでどうやって戦う?」

「おっと? お忘れか? 私にはもう一枚リバースカードが残っている。これこそが私の秘策なのだよ、世渡天真! 発動せよ! マジックカード、手札交換!」

「手札交換!? んな、反則だろ!?」

 

 禁止カードになってないのかよ!? 時の女神の悪戯といいレギュレーションがおかしすぎる!

 

「では手札は頂こうか」

「チッ……」

 

 強制脱出装置、サイクロン、ダブルアタック、天使の施し、リビングデッドの呼び声が相手の手札になった。俺は当然0枚。先攻5ハンデスか。

 

「まだ引けないのか! 君の運命力も存外たいしたことがないなぁ? なぁ世渡天真ンン??」

「とっととターンを進めな」

「減らず口を! この状況でキサマに勝てる方法などない! こっちにはお前のデッキの中から厳選されたカードがあるのだからな! 天使の施しを発動! 3枚のカードをセットしてターン終了!」

 

 手札交換を連発して相手の手札の質を高めつつ自分は手札を減らして一気に手札交換で形勢逆転を狙うコンセプトか。

 

 吐き気がするぜ。

 

「俺のターン、ドロー! 強欲な壺を発動! ……よし! まずは大嵐を発動!」

「これはいきなり手厳しい! トラップ発動! 法皇の錫杖! このターン私は法皇の慈悲により破壊を免れる。代わりに1枚カードを引き給え」

「遠慮なく……さらに死者蘇生! 対象は……」

 

 相手の墓地のモンスターはリビングデッドが伏せてあるはずなので選択できない。こっちのモンスターだとデーモンが最高打点か。

 

「デーモンを特殊召喚! さらに強奪を発動! チャリオットを頂く!」

「そうきたか、ならば強制脱出装置でチャリオットを返して頂く!」

 

 デーモンに使っても俺の手札に戻ってチャリオットを生贄にするだけだからな。同じ状況ならチャリオットを自分の手札に戻せる方が得だ。

 

 さて、これで斎王のフィールドは空になった。一発ぶち込むか。

 

「これでお前の場はガラ空き。デーモンでダイレクトアタック! さぁ? どうする?」

「どうぞ、ご自由に」

「フン……気に入らねぇなぁ。ターンエンド」

 

 LP 4000 → 1500

 

 あっさりとまぁ……。

 

 斎王はライフを大幅に失った。だがリビングデッドを温存したということは何か狙っている可能性が高い。

 

 天真 手札0枚 デーモンの召喚 ライフ4000

 

 斎王 手札3枚 伏せ1枚 ライフ1500

 

「私のターン、ドロー! まずはリビングデッドの呼び声を発動! 出でよラバーズ!」

 

 

《アルカナフォースVI-THE LOVERS》

効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻1600/守1600

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、

コイントスを1回行い以下の効果を得る。

●表:「アルカナフォース」と名のついたモンスターを生け贄召喚する場合、

このモンスター1体で2体分の生け贄とする事ができる。

●裏:「アルカナフォース」と名のついたモンスターを生け贄召喚する事はできない。

 

 

「当然……」

「正位置ィィ!! ラヴァーズは2体分の生贄となる!」

 

 生贄を用意した。そのためのリビングデッド。なら手札に最上級モンスターがいてそれが俺に対する秘策なのだとしたら……あのカードか!

 

「まさか、このタイミングで21番目のあのカードを出すつもりか!」

「察しがいいなァ! 世界の暗示たるキサマを倒すにはうってつけのカードだ! これでキサマは終わりだァァ!! 世渡天真ンンン!!」

 

 本性現しやがったな! 破滅の光……!

 

 あのカードには抗う術がない。このジリ貧の状況ではさすがに厳しすぎる。

 

「ラヴァーズを生贄に……出でよ! 大アルカナのラストナンバァァーー! アルカナフォーストゥエンティィィワン! ザ・ワールドォォ!! 当然正位置ィィィィ!!!」

 

 

《アルカナフォースXXI-THE WORLD》

効果モンスター

星8/光属性/天使族/攻3100/守3100

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、コイントスを1回行い、その裏表によって以下の効果を得る。

●表:自分のエンドフェイズ時に自分フィールド上のモンスター2体を墓地へ送って発動できる。

次の相手ターンをスキップする。

●裏:相手のドローフェイズ毎に、相手の墓地の一番上のカードを相手の手札に加える。

 

 

 まだ負けない! デーモンがいればギリギリ凌げる!

 

「バトルだァ!! まずはザ・ワールドの攻撃ィィ!!」

「墓地のネクロガードナーの効果! 攻撃を無効にする!」

 

 まずは1ターン凌いだ。

 

「そんなところだろうと思っていたぞテンシン! ならば浅すぎた墓穴を発動!」

「こっちもモンスターを出させてもらう」

「好きにするがいい! さらに黙する死者で墓地の神聖なる球体を特殊召喚!」

「生贄をそろえたか」

「くひひひィィ!! 恐れ慄け! これがザ・ワールドの恐るべき特殊能力ゥゥ!! 2体のモンスターを生贄に貴様のターンをスキップするゥゥ!!」

 

 ドローできないままもう一度斎王の攻撃を凌がなくては俺に勝機はない。だがあと1ターンならなんとかなる! くしくもヤツのデッキ破壊で俺の墓地は潤沢だ。

 

「再び私のターンだ! ドロー! さぁさぁさぁ! どんな気分だねテンシン! 一切抗うことができずただ死を待つばかりというのは? いかに強力なカードを持とうと、いかに優れたデュエリストであろうと! このザ・ワールドの前では赤子同然! 全くの無力なのだよ!!」

「さぁて、どうだかね。この程度のピンチなら何度でも乗り越えてきた」

「ならばさらなる絶望を見せてやろう! 手札からチャリオットを召喚!」

「当然……」

「正位置ィィ!! さらに洗脳ブレインコントロールを発動!」

「ブレインコントロールだと!?」

「さぁさぁさぁさぁさぁっ!! 青ざめたな? 今ハッキリと己に起こる最悪の未来を想像したなぁ? テンシンッッ!! コントロールを奪うのはお前だけの専売特許ではない! 800ライフを支払いデーモンの召喚をこちらに頂く!」

 

 LP 1500 → 700

 

 

《洗脳-ブレインコントロール》

通常魔法

800ライフポイントを払って発動できる。

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、

エンドフェイズ時までコントロールを得る。

 

「ライフが減るのもおかまいなしか」

 

 洗脳とはこいつらしい。こんなカードも使うのか。

 

「問題ない! キサマはこれでジ・エンドだ! ザ・ワールドのこうげ……」

「墓地の超電磁タートルの効果! バトルを終了させる!」

「なぁにぃぃぃ!? こしゃくな……!! 人が親切でデッキを引かせてやればつけあがりおって! まぁいい! エンドフェイズ! チャリオットとデーモンの召喚を生贄にザ・ワールドの効果! 世渡天真! キサマのターンをもう一度スキップする!! 私のターン! ドロー!」

「チィ……」

「まずは抹殺の使途を発動! キサマのリバースモンスターを除外するゥゥ!!」

「なにっ!?」

 

 除外!? こいつ俺のカードの対策までしてるのか!? メタモルポットが……!

 

「テンシン! キサマの小細工など通用せん! ザ・ワールドの攻撃! オーバーカタストロフ!」

「ぐううっっ!? だが耐えたぞ!」

 

 天真 4000 → 900

 

 残りライフは900だが命は繋がった。まだ希望はある。

 

「ターン終了」

 

 天真 手札0枚 フィールド0枚 ライフ900

 

 斎王 手札0枚 ザ・ワールド ライフ700

 

 なんとかここまできた。もう墓地のリソースはないが状況は5分まで戻せた。あとはザ・ワールドさえ倒せば逆転できる! ただすでにデッキにパワーのあるカードが残っていないのが厳しい。もう打開できるカードはほとんどない。

 

 頼む、ミスフォーチュンこい!

 

「ドロー!」

 

 引いたのはアクア・マドール。どうなる?

 

「さぁ、何を引いたテンシン?」

「モンスターをセットしてターンエンド」

「ならばドロー! ザ・ワールドの攻撃! オーバーカタストロフ!」

 

 マドールが破壊される。だが相手が引いたのはモンスターではなかった。なんとか次のターンで……

 

「くひひひひ!!! 愚かだなァテンシン! キサマにはもうターンは回ってこないというのに何を考えている?」

「バカな……!」

 

 ここから手札1枚で何ができるというんだ?

 

「時の女神の悪戯を発動! この効果によりターンをスキップし再び私のバトルフェイズへ移行する!」

「なんてカード使いやがる……!」

「キサマの魂は私のモノだ! 再び私のバトルフェイズ! オーバーカタストロフ」

 

 やはり勝てないか。俺はここまで……だ。あとはお前に……託したぞ!

 

 最後の一瞬だけ、トーラの姿が視界に映った気がした。どうかこの想い、届いてくれ。

 




超絶強化斎王!
手札交換と時の女神の悪戯というアニオリワンツーをひっさげて暴れ回ります。
その割には苦戦しましたが……(テンシンの引きが強すぎる)
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