モンスターカードだけとか
「剣山!? 大丈夫か」
「大丈夫ドン! なんともないザウルス。それよりアニキ、役に立てなくてすまないドン」
「何言ってんだ! お前にしかできなかったことだ。俺達に責める気持ちなんかあるわけないだろう?」
「あぁ、それに剣山はいい仕事をした。俺はあのデッキ、すでに見切った!」
「本当ザウルス!?」
「すごいわ三沢くん!」
ダメ……むしろ嫌な予感がする。テンシンはそんなに甘くない。相手がどう思うか先の先まで見通している。だったらここで三沢さんがデッキの狙いに気づくことだって想定できるはず。まだ何か隠している。
「三沢!」
「十代、悪いがここは俺にやらせてくれ」
「三沢、お前が? 俺じゃダメなのかよ!」
「丁度今手元にあのデッキを倒せる秘策が入ったデッキがある。俺なら確実に勝てる。ここは任せてくれ」
「「おぉ!!」」
三沢さんは自信満々でみなも三沢さんに託すことにした。
サッ
あれ? 今一瞬テンシンの腕が体の死角に隠れて……ちょっとデュエルディスクが見えなくなった。でも本当に一瞬だったから偶然かもしれない。それにあんな一瞬で何かできるわけもないか。
「またデュエルか? 面倒だな。別に俺が受けなきゃいけない理由はないのだが」
「どうした? 逃げるのか?」
「俺は斎王様の命でしかデュエルをしない。今日はこれ以上する必要はない」
やっぱりそうよね。でも単にデュエルをしないだけなら良かった。戦う気がないってことはやっぱりさっきのは偶然だったのね。
「世渡天真! 戦ってやれ」
「斎王様?」
「あいつ! いつのまに!」
あいつ! 斎王琢磨! いつからそこにいたの!? それに戦えってどういうこと?
デッキが万全じゃないことはあの男が1番よくわかっているし、テンシンを失うのはイヤなはず。
「了解しました」
「よし、では私は見物でもさせてもらおう。好きにやれ」
「ハッ! 仰せの通りに。おい、お前! 喜べ、相手をしてやる」
「そうこなくてはな。遠慮はしない!」
「「デュエル!!」」
始まっちゃった! どうしよう……大丈夫なの? どうも不安がぬぐい切れない。
「俺の先攻だ! ドロー! まずは天空の聖域を発動! そして力の代行者マーズを攻撃表示で召喚」
《天空の聖域》
フィールド魔法
(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
天使族モンスターの戦闘で発生するそのコントローラーへの戦闘ダメージは0になる。
《力の代行者 マーズ》
効果モンスター
星3/光属性/天使族/攻 0/守 0
(1):フィールドのこのカードは魔法カードの効果を受けない。
(2):自分フィールドに「天空の聖域」が存在し、自分のLPが相手より多い場合、
その差の数値分このカードの攻撃力・守備力はアップする。
代行者? あれは天使族デッキかしら? それにしても攻撃力0のモンスターを無防備に出すなんていくら相手がモンスターを使わないといっても迂闊すぎるわ。アポピスの化身のようなカードがないとも限らないのに!
「三沢くん! 油断しちゃダメよ!」
「大丈夫だ明日香くん、俺には考えがある! カードを2枚セットしてターン終了!」
「俺のターンドロー!」
「この瞬間! トラップカード発動!」
えっ!? 今発動!? いきなり仕掛けるつもりなの?!
「ライフ回復か」
「そういうことだ! 俺は女神の加護を発動! ライフを3000回復する!」
《女神の加護》
永続罠
自分は3000ライフポイント回復する。
自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードがフィールド上から離れた時、
自分は3000ポイントダメージを受ける。
LP 4000 → 7000
「そうか、テンシンはおそらく特殊勝利を狙う構築じゃないと読み切ってライフ回復でヤツの勝ちの芽を摘み取る作戦か」
「たしかに戦闘ダメージを与えられないと大幅なライフ回復には対応できない。でもあのカードにはデメリットがあるのよ」
「どんなデメリットなんスか?」
「それは……」
翔くんは知らないみたいだけど私もよくわからない。天使族なんて使う人見たことないんだもん。なんか弱そうな種族だし。
三沢さんはいっぱいデッキがあるみたいだからともかくとして、天使族デッキだけ使ってる人なんているのかしら。
「たしかに、このカードはフィールドを離れたらその瞬間3000のダメージを受ける。もちろんマーズとのコンボでは一時的にでもライフを増やせるのは強力だが、これで終わりじゃない! 俺はこの借金を踏み倒す! もう1枚の伏せカード発動! 王宮のお触れ! これで全てのトラップカードの効果を無効にする! よって女神の加護のデメリットは帳消しだ!」
「上手いぞ三沢! さすが学年トップだぜ!」
「それだけじゃないわ! これはテンシンにとってものすごく致命的よ! 本当にすごいわ!」
「どういうことだよ明日香?」
「ねぇ十代、トラップカードが使えない状況でテンシンはどうやって身を守ると思う?」
そっか! 私も同じことを考えたことあるからわかる! これでテンシンは打つ手がない! しかもモンスターがなければ壁を用意して凌ぐこともできない! ライフも潤沢だから負けることも絶対ないしこれなら確実に勝てる!
三沢さん……すっごいわ!!
「そうか……このデッキ、対テンシン用に研究しつくされてる! 三沢のやつ本当にすっげぇな!」
「そういうことだ。効果ダメージによる勝利を潰し、トラップカードによる防御も封殺。さらに俺はさっきのデュエルでテンシンのデッキの致命的な弱点を見抜いている」
「ほう……それはなんだい?」
テンシンは余裕の表情で問いかけてくる。ハッタリ? それともまだ何かあるの?
「普通魔法カードは引いたら即使用するはず。空きスロットが限られているデッキならなおさらだ。なのに全く使わなかった。つまり君は使えなかったんだ。それは魔法カードを1枚も引いていなかったからじゃないのか?」
「まさか!! テンシンはデッキにトラップカードしか入れてないってこと!?」
「そうだ! そして今俺のフィールドには王宮のお触れが発動している。よってこのデュエル、世渡天真の勝つ確率は0%だ!」
すごい! 勝った! テンシンに勝ったわ! モンスターなしのハンデがあったとはいえ完全勝利だわ! テンシンが帰ってくる!
信じられない! 完全無欠のテンシンに勝つなんて!
たしかにどれだけ先を見通していようと、全部のカード効果を無効にされたらどうしようもない!
皆も勝利を確信して喜んでいる。良かった。一時はどうなることかと……
「束の間の喜びはこの辺でいいかな」
ゾワゾワ……!
「なんだと? トラップカードしかないお前がここから勝つ手段があるのか?」
「俺はモンスターカードを使わないとは言ったが魔法カードを使わないと言った覚えはない」
「……だが入っていたとしても確率的にかなり少数のはず」
テンシンは余裕を崩さない。まさか、やっぱりさっきのって!
気づけば私は叫んでいた。
「気を付けて三沢さん! テンシンはデッキを入れかえているわ!」
「なに!?」
三沢さんだけじゃない。十代や明日香さんも驚いて私を見た。
「なんだって!?」
「トーラちゃん、本当なの!?」
「わかんないけど、一瞬だけテンシンの右手が死角に入ったの。本当に一瞬だったから何もできないと思ったんだけど、でも今わかったの! 絶対さっきとデッキそのものが違うんだわ!」
「愚かなる妹よ……伝えるのが今ひとたび遅かったな」
その場の全員に衝撃が走った。それは私も例外ではない。
顔全体が硬直するのが自分でもわかるほど心も追い詰められた。
「ありえない。ありえるわけがない。そもそもお前はデッキを失ってからそこまで時間が経っていない。こんな短時間で俺達を倒せるほど完成度の高いデッキを2つも用意するなんて不可能だ」
三沢さんのその言葉はまるで自分に言い聞かせているようだった。確信した勝利が遠のいていくことが到底信じられない気持ちはよくわかる。
「しかも対策されることを見越してその裏をかくようなデッキを用意するなんて考えられないわ!」
そうね。明日香さんの言うこともわかる。でもおかしいのはそこじゃない。1番不可解なのはテンシンが一度は勝負から降りようとしたこと。もし三沢さんに勝てるデッキをわざわざ用意していたなら引く必要がない。撤退しようとしたからこそ三沢さんも自信を持って勝負に出たのに。
ありえないけど、テンシンはあの男……斎王がここにくるという偶然すら味方につけたというの? そしてわざと私達をだますために一度は逃げる素振りを見せたの? こんなの悪魔の所業だわ。
相手のデッキだけじゃなく、この世界の万物の成り行きを全て把握しているとでも言うの?
目の前が真っ白になった。
「さすが、世界の暗示たる男。ここまで完璧な試合運びとは」
世界? 今あの男、世界って言ったわよね? なんのこと? そういえばあの男が使ってたモンスターはザ・ワールド。
なにか関係があるの?
「さぁ、俺のターンだ! ドロー! まずは成金ゴブリンを発動! ライフが欲しいんだろう? くれてやるよ」
やっぱりマジック! そんなことを思う間もなく唐突な意味不明の行動。相手に塩を送るつもり? なんなのこれは?
「何!? そんなことをすればマーズの攻撃力はアップする! お前、正気か?」
三沢 7000 → 8000
やっぱりさっきと全然違うデッキだ! だってさっきのデッキはどうみても相手のライフを減らしていくデッキ。こんなカード入ってるわけないもの!
そのことは三沢さんが1番よくわかってるみたいでやはり表情は芳しくない。
「さらにフィールドを張り替える。チキンレースを発動! そのモンスターの効果も当然消える」
「クッ! いきなりフィールドを変えられるとは……! これは計算外だ」
《チキンレース》
フィールド魔法
(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
相手よりLPが少ないプレイヤーが受ける全てのダメージは0になる。
(2):お互いのプレイヤーは1ターンに1度、
自分メインフェイズに1000LPを払って以下の効果から1つを選択して発動できる。
この効果の発動に対して、お互いは魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。
●デッキから1枚ドローする。
●このカードを破壊する。
●相手は1000LP回復する。
「俺はチキンレースの効果でライフを1000支払いデッキからカードを1枚ドローする」
「自らライフを減らす?」
LP 4000 → 3000
三沢さんでも狙いがつかめていない。十代や明日香さんもわからないみたいね。当然私にも見当がつかない。
一応フィールドの張り替えでマーズの攻撃力は0に戻る。そのためならわかるけどライフを好き好んで減らす理由がわからない。
「さらに手札からサイバネティックフュージョンサポートを発動」
《サイバネティック・フュージョン・サポート》
速攻魔法
ライフポイントを半分払って発動できる。
このターン、自分が機械族の融合モンスターを融合召喚する場合に1度だけ、
その融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを
自分の手札・フィールド上・墓地から選んでゲームから除外し、
これらを融合素材にできる。
「サイバネティック・フュージョン・サポート」は1ターンに1枚しか発動できない。
「ここにきてサイバー流だと!?」
「たしかにサイバー流ならこのライフを削り切るのは容易いわね。でもモンスターを使わないと言ったのはウソだったの?」
「モンスターは使わない。このカードを使うのはライフを半分に減らすのが目的。これでライフは3000から1500になる」
LP 3000 → 1500
「ライフを減らすためだって? サイバー流をなんだと思ってるんスか!」
「翔、それでも奴には何か狙いがある。今はよくこのデュエルを見ておくんだ」
十代の言葉で乗り物君は冷静さを取り戻した。
ライフを減らす。そのためだけにこんなカードまで入れるってことはとんでもないコンボが待っているに違いない。
「さらに2枚目のチキンレースを発動。さらにライフを減らして1枚ドロー」
テンシン 1500 → 500
なんてこと! これでテンシンのライフはたったの500よ! 本当にここからどうするの?
「俺とお前のライフの差は7500! 特殊勝利を狙うとしても効果ダメージを狙うとしてももうお前に残された時間はない!」
「心配無用。このターンで終わらせる」
またもや走る衝撃。ここから勝つ? そんなのありえない!
「さて、どんな戦術で勝利するのか見せてもらおう、世渡天真」
斎王もデッキの中身は知らないのね。ならこれは純粋なテンシンの実力。
「きみさぁ、クイズは好きか?」
「クイズ? いきなり何の話だ」
「カードを1枚セットして手札から大逆転クイズを発動! みなさんお待ちかね、クイズショーの始まり始まり……ってね」
「大逆転クイズ!? しまった!! そういうことか! これで全ての行動に合点がいく!」
えっ? どういうこと? いきなりクイズは好きか? なんていうからポカンとしてた。どういう状況?
「大逆転クイズは手札とフィールドを全て墓地へ送ってデッキの1番上のカードを当てる。当たったらお互いのライフを入れかえることができる」
《大逆転クイズ》
通常魔法
自分の手札とフィールド上のカードを全て墓地に送る。
自分のデッキの一番上にあるカードの種類(魔法・罠・モンスター)を当てる。
当てた場合、相手と自分のライフポイントを入れ替える。
「なんですって! それってヤバイじゃない!」
テンシンの説明でやっと私にも状況が呑み込めた。これで三沢さんは残り500、テンシンは8000になる!
「ええ。でもおかしいわ。これだとテンシンが勝つ確率は1/3にしかならない。モンスターがなかったとしても1/2……テンシンがそんな不確実な戦法をとるなんて」
「テンシン、お前まさかそのデッキ……!」
「効果の処理では答えるのは俺だけど、君にも答えさせてあげるよ。このデッキの1番上、なんだと思う?」
その質問に対して三沢さんは確信を持って答えた。
「1番上だけじゃない。そのデッキ全て魔法カードってわけか!」
「なんだって!? じゃあテンシンは最初から確実にライフを入れかえることができたのか!」
それじゃやっぱりデッキはすり替わっていたんだ! 全てトラップのデッキから全てマジックのデッキへ! なんて大胆なことを!
さっきのデュエル、わざわざ全てトラップカードにしてマジックを使わなかったのはこの布石だったんだ。こんな戦い方があるなんて……。
しかもこのマジックデッキは三沢さんにとって最悪の相手になってしまっている! ライフ回復もトラップ封じも完全な裏目! むしろテンシンを助ける結果になってしまっている。
完敗……
もはやこの状況を前にテンシンの勝利を疑う余地はない。
「まだよ! 諦めないで! ライフが500でも勝機はあるわ! テンシンはこれでカードを全て墓地へ送る! 反撃のチャンスはあるのよ!」
「そうだぜ! たしかに作戦は失敗したけどまだ負けてない! 最後まであがいてくれ三沢っ!!」
明日香さんと十代の熱いエールで三沢さんは闘志を取り戻した。失いかけた自信を回復できた。やっぱりこの人達もすごい!
私なんてあっさり諦めてしまったのに。
「じゃあめくろうか。俺はマジックカードを宣言。引いたのは……おっと、これか」
《風魔手裏剣》
装備魔法
「忍者」という名のついたモンスターのみ装備可能。
装備モンスターは攻撃力が700ポイントアップする。
このカードがフィールド上から墓地に送られた時、相手ライフに700ポイントダメージを与える。
「風魔手裏剣? 待って! テンシンはさっきフィールドに何か伏せて……まさかそれも!?」
「クイズは当たり。ライフが入れ替わる。そしてこの効果の処理が終わった後改めてフィールドから墓地へ送られた風魔手裏剣の効果が発動。相手に700ポイントのダメージを与える」
「なにっ! 大逆転クイズのデメリットもしっかり対策済みかよ! 三沢っ!」
完璧だ。テンシンは強すぎる。こっちの考えを全て見透かしたうえで弄んでいる。こんなの絶対に勝てるわけない。
「まだだ! テンシン対策はまだある! 手札のハネワタの効果発動! 効果ダメージを0にする!」
「上手い!」
「でも待ってよ! 効果ダメージを無効にする手段があるならなんで大逆転クイズに使わなかったの?」
「翔君、ハネワタは効果ダメージを無効にはできるけど大逆転クイズはライフを入れかえる効果だから使えないのよ」
「そうだったんだ」
ってことはこういう効果ダメージ対策までテンシンは見越してこのデッキを選んでいたのね。そこまで完璧に対策できるなんて……。テンシンの実力、やっぱり侮ってはダメ。とんでもないデュエリストだわ。
「かわしたか。ならターン終了」
「いいぞ三沢!」
「その調子よ!」
でもやっぱりおかしい。ここまで徹底して相手の裏をかいてきたテンシンが最後の詰めを誤るなんてありえない。相手に僅かでもチャンスを残すなんてどういうこと? このターン、完全に流れはテンシンにあったしまだ余裕を残しているようにすら見えたのに。
何か理由がある? 私の考えすぎ? これ以上考えても仕方ない……か。
天真 手札0枚 フィールド0 ライフ8000
三沢 手札1枚 マーズ お触れ 加護 ライフ500
「俺のターン!……天空の聖域を発動! マーズを守備表示にしてターン終了」
三沢さんも実質使えるカードは少ない。マーズもこの状況では相手にダメージを与えられないし膠着状態が続きそうね。
「ドロー、ターン終了」
「ドロー! マーズを新たに守備表示で召喚してターン終了」
「ドロー!」
お願い! 何も引かないで!
「ターン終了」
んっはぁ! もうダメ、緊張して息ができない。三沢さんはもっとよね。ここからどうすれば?
「ドロー! ん?! かくなる上は……マジックプランターを発動! 王宮のお触れをコストに2枚カードをドローする! さらにカードを1枚セットしてターン終了」
何を引いたの? 三沢さん何か打つ手があるの?
「自らお触れを見限るか……ということはそのカードはトラップカードだな? ドロー。サイクロンを発動! 今伏せたカードを破壊する」
「いきなり!?」
「三沢っ!」
信じらんない。そのサイクロンは今引いてきたカードでしょ? まるで好きなタイミングで好きなカードが引けますよと言わんばかりじゃない。
テンシンからの圧は三沢さんにも伝わっていたように見える。その表情は芳しくない。
「仕方ない……みんな、ここは一旦逃げるぞ!」
え? どういうこと?
「トラップカード発動! 自爆スイッチ!」
《自爆スイッチ》
通常罠
自分のライフポイントが相手より7000以上少ない時に発動する事ができる。
お互いのライフポイントは0になる。
「引き分け狙いか。堕ちたな三沢」
「なんとでも言うがいい! 敗北さえしなければ俺はまた戦える! 今一時だけは戦略的撤退だ」
ドカァァァンン!!
爆風に紛れて私達は窮地を脱出しなんとか難を逃れた。
テンシン……テンシン……
おにいちゃん……
振り返るとテンシンは斎王に対してこうべを垂れていた。
「申し訳ありません」
「かまわん。これでやつらは迂闊にこちらへ手が出せなくなった。そしてモンスターなしでもお前は期待以上の働きをした。十分だ、世渡天真」
「勿体ないお言葉」
テンシン、あなたは本当にあの男に屈してしまったの? やっぱり信じられない。
私はいったいどうすれば……。
どうやってデッキを入れ替えたのか?
おぉ!!のタイミングで刺さってるデッキを引き抜いて、
斎王が来たタイミングで新しいデッキを装填してます。
注目が逸れるタイミングを見計らってデッキチェンジですね。
トーラが気づいたのは端から三沢っちが勝つと思っていないのでテンシンの方に注目していたからです。
絶二門にしたのは緑一色だとネタバレになって、カード一色とかだとダサいのでこうなりました。
麻雀用語ですね。
デッキ入れ替えも麻雀のイカサマっぽいことをしてますし、イメージも合うかなーと思ってます