「まさかお前とこんな形で再び戦うことになるとはな」
「ボクは待ってたよ。絶対にリベンジしたいって思ってた! その夢が叶って嬉しいよ」
「心外だな。もう勝ったつもりか? 以前はこの俺に1ポイントもダメージを与えられないばかりか、どれだけのダメージを受けて敗北したのか、忘れたわけじゃあるまいな?」
亮様、手加減するつもりは微塵もないんだね。さすがだ。やっぱり亮様はカッコいい。
ボクが憧れた亮様は、どこまでのデュエルに真剣で、どこまでも強かった。それは今も変わらない。あのときのボクでは背伸びしたってとても亮様には釣り合わなかった。
でも今は面と向かって言ってやる!
「亮様……ううん、ヘルカイザー丸藤亮! ボクは以前とは違う! あなたを倒してボクが決勝に進む!」
「なるほど、いい目をしている。おもしろい! 強者を倒し勝利してこそ、この渇きは満たされる!! デュエルだァァ!!」
「デュエル! 先攻はもらった! ドロー!」
この人相手に悠長なことはできない。最初から本気でいかせてもらうよ!
「光の援軍を発動! デッキからカードを3枚墓地に送り、デッキからライトロードサモナールミナスを手札に加える! さらにソーラーエクスチェンジを発動! ガロスを墓地に送って2枚ドロー! そしてデッキからカードを2枚墓地へ送る」
《光の援軍》
通常魔法
(1):自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送って発動できる。
デッキからレベル4以下の「ライトロード」モンスター1体を手札に加える。
《ライトロード・サモナー ルミナス》
効果モンスター
星3/光属性/魔法使い族/攻1000/守1000
(1):1ターンに1度、手札を1枚捨て、
自分の墓地のレベル4以下の「ライトロード」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
(2):自分エンドフェイズに発動する。
自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
《ライトロード・ウォリアー ガロス》
効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1850/守1300
「ライトロード・ウォリアー ガロス」以外の
自分フィールド上の「ライトロード」と名のついたモンスターの効果によって
自分のデッキからカードが墓地へ送られた場合、
自分のデッキの上からカードを2枚墓地へ送る。
その後、この効果で墓地へ送られた「ライトロード」と名のついたモンスターの数だけ
デッキからカードをドローする。
《ソーラー・エクスチェンジ》
通常魔法
(1):手札から「ライトロード」モンスター1体を捨てて発動できる。
自分は2枚ドローする。
その後、自分のデッキの上からカードを2枚墓地へ送る。
「墓地のカードを急速に増やした? 墓地利用するタイプの構築か……」
「そういうことだよ。ルミナスを守備表示で召喚して、手札のジェインを捨てて効果発動! ガロスを特殊召喚するよ! カードを1枚伏せてターン終了!」
「それだけか? その程度でこの俺に勝つなど……」
「まだだよ! ライトロードの恐ろしさはこれからだ! エンドフェイズ! ルミナスの効果が発動! さらに3枚デッキからカードを墓地へ送る!」
「エンドフェイズに発動する効果……」
「さらにライトロードの効果が発動したことでガロスの効果が発動! デッキからカードを2枚墓地に送る! やった! おかわりだ!」
「おかわりだと?」
「墓地に送られた誘蛾灯レベル4の効果でデッキからライラを特殊召喚! さらにライトロードが1枚墓地へ送られたので1枚ドロー! ライラの効果で再びデッキから3枚墓地へ! ガロスの効果が発動して2枚墓地へ、ライトロードが1枚墓地へ送られたので1枚ドロー! 墓地に送られたウォルフの効果で自身をフィールドに特殊召喚!」
レイ 手札5枚 ルミナス ガロス ライラ ウォルフ 伏せ1枚 墓地16枚
へっへーん! どうだ! すごいでしょ!
周りの様子を見るとみんなポカーンとしてる。
ちょっと? もしもーし?
「たいした展開力だが、下級モンスターをどれほど並べたところでサイバー流の前では無意味! ドロー!」
亮様以外からはすごく白い目で見られてる気がする。ここってあっと驚くところだよ?
「まずは強欲な壺を発動! そして天使の施し! カードを補充し、墓地へ送る!」
「やっぱり当然ドローしてくるよね」
「さらに未来融合を発動! 俺はキメラテック・オーバー・ドラゴンを指定! 墓地へ25枚のカードを送る!」
「にじゅっ……」
ボクもあんまり人のこと言えないけど、いきなり25枚も墓地に送るのはやり過ぎなんじゃない?
《キメラテック・オーバー・ドラゴン》
融合・効果モンスター
星9/闇属性/機械族/攻 ?/守 ?
「サイバー・ドラゴン」+機械族モンスター1体以上
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが融合召喚した場合に発動する。
自分フィールドの他のカードを全て墓地へ送る。
(2):このカードの元々の攻撃力・守備力は、このカードの融合素材としたモンスターの数×800になる。
(3):このカードは1度のバトルフェイズ中に、
このカードの融合素材としたモンスターの数までモンスターに攻撃できる。
「さらにサイバーダーク・インパクトを発動! ホーン、エッジ、キールをデッキに戻しサイバー・ダーク・ドラゴンを融合召喚! 墓地のダークホルスドラゴンを装備する! このカードの攻撃力は装備モンスターの攻撃力と墓地のカードの数×100ポイントアップする!」
《サイバーダーク・インパクト!》
通常魔法
(1):自分の手札・フィールド・墓地から、
「サイバー・ダーク・ホーン」「サイバー・ダーク・エッジ」
「サイバー・ダーク・キール」を1枚ずつ持ち主のデッキに戻し、
「鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン」1体をEXデッキから融合召喚する。
《鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン》
融合・効果モンスター
星8/闇属性/機械族/攻1000/守1000
「サイバー・ダーク・ホーン」+「サイバー・ダーク・エッジ」+「サイバー・ダーク・キール」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、
自分の墓地のドラゴン族モンスター1体を対象として発動する。
そのドラゴン族モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
(2):このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの攻撃力分、
及び自分の墓地のモンスターの数×100アップする。
(3):このカードが戦闘で破壊される場合、
代わりに装備したそのモンスターを破壊する。
《ダーク・ホルス・ドラゴン》
効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守1800
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
相手のメインフェイズ時に魔法カードが発動した場合、
自分の墓地のレベル4の闇属性モンスター1体を選択して特殊召喚できる。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。
げっ!? 攻撃力6000以上ってこと!?
「いきなり飛ばし過ぎだよ?!」
「まだだ! もっと、もっとだ! 今墓地の闇属性は3体! よって! 手札からダークアームドドラゴンを特殊召喚する!」
「なにそれ!?」
《ダーク・アームド・ドラゴン》
特殊召喚・効果モンスター
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守1000
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の闇属性モンスターが3体の場合のみ特殊召喚できる。
(1):自分の墓地から闇属性モンスター1体を除外し、
フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
「ダーク・アームド・ドラゴンは墓地の闇属性モンスターを除外するたびにお前のフィールドのカードを破壊する! 墓地の強化支援メカヘビーウエポンを除外し、そのめざわりなリバースカードを破壊する!」
「いきなりボクのカードを破壊!? めちゃくちゃだ! しかも3回も使えるってこと!? だったらリバースカード発動! 禁じられた聖杯! 攻防一体の速攻魔法だよ! これでそのドラゴンの効果を無効にする! 攻撃力は上がっちゃうけどね」
テンシンが教えてくれたんだ! 引いてすぐも使えるし、伏せて相手ターンにも使える。とっても便利だよってね。
「だがこれでお前を守るカードは何もない! サイバーヴァリーを召喚し、未来融合と共に除外して2枚ドロー! 続けて手札からサイバネティックフュージョンサポート発動! ライフ半分をコストにこのターン墓地融合を行う! いくぞ! パワーボンド! こい! サイバーツインドラゴン!」
LP 4000 → 2000
最悪だ! しかもエンドじゃなくてツイン! ボクがルミナス以外攻撃表示だからだ、きっと! たぶんネクロガードナーは読まれてる!
亮様 手札3枚 鎧黒竜 ツイン ダムド 墓地モンスター20枚
「どっからでもかかってきてよ! 全部受け止めてあげる!」
「ほう、ならば受け止めてみるがいい! まずは鎧黒竜でライラを攻撃!」
「だったらネクロガードナーで無効!」
「まず1枚目……次はサイバーツインでライラを攻撃!」
「手札のオネストの効果を発動するよ! 攻撃力を5600アップさせる!」
LP 2000 → 300
「ぐおっ!?……ハァ……2枚目ェェ……さらにダークアームドドラゴンで攻撃! 対象はガロスゥゥ!!」
「なんて気迫……ダメージ計算に入るよ? いいの?」
「あぁ……構わない! さぁ、あるなら使ってみろ! 3枚目ェェ!」
これが噂にきくヘルカイザーか。まさに地獄の皇帝。こんなの一度死んだ者にしか辿り着けない境地だ。
この人は敗北を恐れてない!
「オネストは手札にはもうないよ。ガロスは破壊される。でも! パワーボンドの効果は残ってる! どうするつもり?」
LP 4000 → 2550
「ハァ……心配ご無用! ライフコストなぞ、払う気はない! 速攻魔法! 時の女神の悪戯ァァ!! ターンをスキップ! もう一度俺のバトルフェイズだァァ!!」
「な!? むちゃくちゃにも限度があるよ!!」
もう一度バトルだって!? しかもこれってエンドフェイズをスキップしてるからリスクも踏み倒してるってこと!? 力技過ぎるよ……。
「サイバーダークドラゴンで攻撃! 対象はライラ!」
「あっ! しょうがない、手札のクリボーの効果! 戦闘ダメージはゼロにする!」
そっか、ターンスキップしたことでオネストの効果が切れちゃってる! ダーク・アームド・ドラゴンの攻撃力も元に戻るけど、ボクの方がこのターンスキップは痛い!
まだクリボーを残しておいて良かった。亮様の恐ろしさはよくわかってるから、カードを使うタイミングはしっかり見極めないと!
「だがモンスターは破壊される! さらにダークアームドドラゴンで攻撃! 対象はウォルフ!」
「うぅぅぅ……」
LP 2550 → 1850
「さらにダークアームドドラゴンの効果! 闇属性モンスターを除外し、ルミナスを破壊! カードを1枚セットしてターンエンドォォ!!」
レイ 手札3枚 LP 1850
亮様 手札1枚 鎧黒竜 ダムド 伏せ1枚 LP 300
「ボクのターン! ドロー! 死者転生を発動! 手札を1枚捨てて墓地から裁きの龍を手札に加える! 墓地にライトロードが4種類以上あるときこのカードは出すことができる! 当然そのまま特殊召喚するよ! 散々破壊してくれたおかげで墓地にライトロードはたくさんあるからね。そしてこのカードはフィールドのカードを全て破壊する能力がある! このターンで決めるよ!」
「くるならこい!」
「ライフコストを1000払ってフィールドの他のカードを全て破壊! これでボクの勝ちだ!」
「甘い!! 威嚇する咆哮を発動! これで攻撃はできない」
「えぇぇっ!? なんで!? そんなカード使うの!? うーん、だったら残りの手札2枚ともセットしてターン終了」
《死者転生》
通常魔法
(1):手札を1枚捨て、自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。
《裁きの龍》
特殊召喚・効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2600
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の「ライトロード」モンスターが4種類以上の場合のみ特殊召喚できる。
(1):1000LPを払って発動できる。
フィールドの他のカードを全て破壊する。
(2):自分エンドフェイズに発動する。
自分のデッキの上からカードを4枚墓地へ送る。
「なるほど、そのデッキにオネストは1枚しか入っていないようだな?」
「しまッ……!」
マズい! ウソでも1枚は手札に温存しておくべきだった! あのヘルカイザーの恐ろしい気迫に押されてつい弱気になってしまった!
「ドロー! 大嵐を発動! さぁ、これでお前は丸腰だ!」
「くっ!? なら月の書を発動! 裁きの龍を裏守備表示にする」
「なりふり構わずか! だがそれで正解だ! オーバーロードフュージョンを発動!」
「!?」
「墓地の20体の機械族を除外! 現れろ! キメラテック・オーバー・ドラゴン!! 攻撃力16000!! ジャッジメントドラグーンを攻撃!」
「なんて攻撃力……!!」
「もうお前には手札はない! 墓地に使えるカードもない! そしてライフもない! これでこの俺の完全なる勝利だ!」
レイ 手札0枚 LP 850
亮様 手札0枚 キメラ LP 300
そんな……やっとの思いでここまで来たのに。
もし今ジャッジメントドラグーンを引けたとしてもライフがないから効果は使えない。
かといって16000の攻撃力を上回ることなんて絶対にできない。
どうすれば……
ダメだ! ボクの残りのカードじゃ絶対に勝てない! こんなのどうしようもないよ!
「もう、残された手なんて……」
「そうだ! 弱き者は敗北する! 敵を蹴散らすパワーは圧倒的にサイバー流が勝る! ライトロードだけが頼みの綱のお前には俺は決して倒せん!」
たしかに亮様の言う通り。やっぱりボクは弱いのかな……。
せっかくテンシンに手伝ってもらったのに。また負けるなんて。
はは、しかも攻撃力まで一緒じゃないか。パワーボンドに、リミッター解除だっけ?
あのときはサイバーエンドドラゴンだったなぁ。
諦めにも似た気持ちで目の前の怪物を見上げたとき、なぜかボクは亮様とテンシンのデュエルを思い出していた。
あのとき、テンシンは圧倒的に強かったわけじゃなかった。本当にギリギリの戦いだったんだ。でも、不思議とテンシンからは負けそうな雰囲気が微塵も感じられなかった。
最後にカードを引くときのテンシンの表情は今でも覚えてる。
「ガンバレー! 恋する乙女!」
「レイちゃん頑張ってー!!」
歓声が遠のいていく。
意識が研ぎ澄まされていく。
そうだ、強い弱いはカードで決まるんじゃない。テンシンはカードがなくたって、いつも最強だった。
可能性がある限り、その僅かな可能性を引き寄せる!
ボクにはまだ可能性はある!
「ボクはあきらめない! まだ可能性は残っているから!」
「まだ切り札が残っているのか?」
ううん、もう本当に何も残ってない。でも、だからこそ、今デッキの枚数は少ないからこぞ、ボクなら引ける!
「ドロー! 貪欲な壺! これでモンスターを5枚デッキに戻すよ! そして新たに2枚カードをドローする!」
「なるほど、モンスターの補充か。だが裁きの龍の効果は使えん!」
「必要ないよ。そのモンスターは、真っ向勝負で殴り倒してあげる! アナタが最も自信を持っている攻撃力で、ボクが勝つ!」
さすがに驚いた表情の亮様。だけどボクの狙いがわかったみたい。
「オネストを戻しつつ、デッキのモンスター比率を高めるということか」
「フフン……ボクが戻すのはこの5枚! さぁ、シャッフルだ!」
オネスト
ルミナス
ライラ
ジェイン
裁きの龍
「引けるものなら引いてみろ!」
「ボクは自分の力を信じる……いくよ! ドロォォーー!!」
引いたのは……2枚ともマジックカード。思わず驚いて表情に出ちゃった。
「フッ……その表情だと、肝心のモンスターカードは引けなかったらしいな」
いいや、まだだ! まだ諦めない! ボクだってデュエリストなんだ! 最後の最後まで諦めない!
まだ勝つ方法はある!
「光の援軍を発動! 墓地にカードを3枚送ってルミナスを手札に加える!」
「フン……壁モンスターを用意したところで、キサマにライフは残さん!」
「ううん、違うよ、ボクの狙いはもう一度カードを墓地に送ること」
「一度デッキに戻したカードを、また墓地へ送ることになんの意味がある?」
「それは……これを引いちゃったからね。マジックカード発動! 死者蘇生!」
「死者……蘇生!!」
「ボクはダーク・アームド・ドラゴンを選択! ……っていいたいけど、そのモンスター、たぶん手札からしか出せない特殊召喚モンスターだよね。だからボクはこのカードを出す! オネスト!」
「オネスト? 手札になければ意味はない!」
「オネストはね、自分の効果でフィールドから手札に戻ることができるんだ!」
「!!」
亮様は敗北を悟った。
なんて、おだやかな表情なんだろう……。
「最後のバトルフェイズ! ルミナスでキメラテック・オーバー・ドラゴンを攻撃! そしてオネストの効果! 攻撃力は17000だよ!」
「強くなったな、レイ」
LP 300 → -700
地獄の皇帝はおだやかな表情のまま仰向けに倒れ、意識を失った。
やった! 勝てた! ボクがあの亮様に勝てたんだ!
トーラさん、ボクは勝ったよ! アナタだったらきっとテンシンに勝てたはずだよね。
いよいよボク達の決勝戦。
絶対に勝って、ボクはテンシンに……
告白するんだ!
カイザー先攻の場合1ターンキルで試合終了していたという事実。
サイバー流は後攻を~というのは過去の話!
勝利に飢えてたら使うカードは選んでる場合じゃないよね、という解釈です()
ダムドとかはなんとなく使ってみた感じですがレイ相手に使ったことに意味がありますね。
恐ろしい……