終わったな。
斎王は元に戻り事件は解決した。破滅の光もラーヴァによって完全消滅したことが確認できた。
自由に体を動かせるのは何か月ぶりだろうか。ずっと表に出れなかったから自分の体なのになんか調子が狂うな。
残すのはジェネックスの決勝戦だけ。生き残りはトーラとレイだ。
「うぅ……テンシン」
「んー、お前はもう限界みたいだな」
「優勝したかった……でもテンシンには勝てたから満足してる。それに優勝するのがあの子なら別に構わないわ。あの子も頑張ってくれてたみたいだし」
「会うのは久々だし俺も顔ぐらいみておくか」
準決勝をしていた場所までトーラを背負って戻ることにした。最初は恥ずかしいのかおんぶを嫌がっていたが動けないので無理矢理背負って連れてきた。
「もう降りる!」
「遠慮しなくていいのに」
ソーラの攻撃が終わったことで観衆や校長も戻ってきていた。
破滅の光の野望は阻止されたことが島中に伝わりジェネックスの優勝者が決まる運びになった。
しかしトーラは斎王とのデュエルで力を使い果たしデュエルできないので棄権することを宣言すると校長が粋な計らいをしてくれた。
「今回は特例とし世渡トーラ、早乙女レイ、両者ともに優勝とみなし、ご褒美も山分けとしましょう」
「えっ!? じゃあマジシャンカードもらえるの!?」
「ボクはブルー女子にしてもらえる!?」
「もちろん! 決闘王のデッキは2人で相談して山分けにしてくれればいい」
トーラのやつ良かったじゃないか。ブラマジ使いが現れるなんて驚きだ。
決闘王のデッキは時期によって入ってるカードは異なるがさすがにブラック・マジシャンは必ずあるだろう。それに超電磁タートルのようにレイにとっても嬉しいカードもあるはず。
「うわはぁーっ!! すっごい! ブラマジにブラマジガール! 賢者の宝石にバスターブレイダー! レイちゃん、私棄権したのにこんなにもらっていいの!?」
「もちろん、ボクはブルー女子にしてもらえたらそれで十分なのにカードまで貰えるなんてもう嬉しすぎ! だからボクは少しでいいよ。この超電磁タートルとカオスソルジャーはすっごくボクにとって強力なカードになるし」
ただでさえ強いこいつらがこんなにカードを増やしたらいったいどれだけ強くなるのやら。末恐ろしいな。
「トーラ」
「なによ。テンシンにはあげないからね~」
「俺がいない間、1人でよく頑張ったな」
「!!」
本当によく頑張ってくれた。デュエリストは孤独。強くなるには自分で這い上がっていくしかない。トーラは自分の力で困難を乗り越えた。
斎王のことはまだ許してないが、図らずもトーラは大きく成長することができた。悪いことばかりじゃない。
ポンポンと肩を叩くだけに留めたが、感極まったのかトーラは泣いていた。
「本当に辛くて、でもテンシンに帰ってきてほしくて……」
「あぁ、並大抵のことじゃなかったはずだ。お前はもう1人前だ。俺が守らなきゃいけない弱い妹から、卒業できたな」
「それは……」
嬉しい反面寂しい気持ちもあるような複雑な表情を見せた。こっちだっていきなり突き放したりするつもりはないけれど。
「あの、テンシンさん……」
「レイ! お前もジェネックスを最後まで勝ち抜いて偉かったな! 新しいデッキで本当によく頑張った。おめでとう」
「テンシン! あはぁ!! ボクのことちゃんと覚えていてくれたんだね!!」
「忘れるわけないだろ? あ、もしかして洗脳中になんかしちゃった?」
「ううん、もういいの! ねぇテンシンさん、ボク500枚近くメダルを集めたんだよ! それで1年前は全然歯が立たなかった亮様にも勝ってリベンジしたの! 亮様も強くなったなって褒めてくれてさ! ボク、テンシンさんの言ったことはウソじゃないって、ボクにも才能はあったんだってこれで証明できたよね?!」
「お前は誰よりも輝いてたよ。お前が勝ってくれて俺も嬉しい」
「えへへへ……」
「入学が楽しみだな」
「うん! 入学式で会おうね! 入学したらまたいっぱい教えてね!」
「わかってるわかってる」
めっちゃしゃべってくるな。ずっと話しかけてくるところはある意味女の子らしい。俺のために戦ってきたんだからずっと褒めてほしかったに違いないし、これで少しは報われたかな。
「ずいぶん楽しそうね、テンシン」
「トーラもよく頑張った!」
「なによ、うすっぺらいお世辞ね! 私のときは入学式こなかったくせに!」
あれ……またお怒りパターン?
「トーラ、そんなに怒るなよ。あのときは本当にごめんな」
「ん……ふふっ、アハハハ! 冗談よ冗談! 別に怒ったりしないわよ。テンシンちゃん慌てすぎじゃない?」
「なっ!?」
「そうね……たしかにもう私が守られるのはおしまいかもね」
急に真面目なトーンになるトーラ。さっきのは照れ隠しだったのか、今は真剣な表情だ。
「トーラ?」
「だから今度は支えあう関係よ。一緒に困難を乗り越えて一緒に進んでいく。もう私は足手まといにはならない! さっきも破滅の光の攻撃から私はテンシンに守られた。でも今度は私だってテンシンを助けたい! 後ろをついていくだけじゃなくて、あなたの隣に立ちたいの」
「じゃ、新しい約束だな」
「新しい約束?」
「どんなに苦しくても、どんなに離れても、俺達はお互いを信じて支えあおう。これからはずっと2人で一緒に歩いていこう」
「えっ……それって……」
「どう?」
「う……うん……」
見たことがないくらいトーラの顔が真っ赤になった。なぜ?
「にしても、これでお前とはずいぶんデッキのパワーに差がついてしまったな。ブラマジなんて羨ましいじゃんか。豪華すぎるご褒美だよな。いつでもいいけど試しに俺と1回デュエルしてみない? お互い精霊の力でモンスターを実体化できるしさ」
「さっきの約束が1番のご褒美だけど……」
「ん?」
「だから、デュエルしてやるって言ったの! バーカ!!」
「は?! なんだよ急に!」
トーラは先に走っていった。どこにいくんだ……?
◇
ソーラやらホワイトやらなんやかんやの後始末が終わり、無事進級テストもパスして久しぶりに実家に帰省したところで、口約束していたデュエルをトーラと行うことになった。
「さぁ、闇のゲームの始まりだぜ!」
「始まるわけないでしょ! あんたホントにちゃんとホンモノなんでしょうね? 洗脳されてからアンタ性格おかしいわよ?」
「お前が武藤遊戯のデッキを使うから盛り上げてやったんだろうが! だいたいブラマジが相手でテンション上がらない方がおかしいだろ!」
「変なところで子供ね」
ヤイヤイ言い合っているとそこに待ったをかける者が現れた。
「その勝負、ちょっと待った!」
「レイ!?」
「レイちゃん!?」
お前、なんでウチにいるんだよ!?
新手のストーカーじゃないよな?
「トーラさん、何も言わずボクと勝負してよ」
「もしかして、決着をつけようってことかしら?」
黙って頷くレイ。その瞳からは並々ならぬ闘志を感じる。
ただの遊びじゃない。本気の目だ。
その覚悟を感じ取ったのか、トーラもディスクを掲げた。
「いいわよ。あのときは私が戦えなくて悪かったわね。ここで決着をつけてやるわ」
「テンシン!」
急にレイに呼ばれた。いったいなんだ?
「どうした?」
「……見ててね」
それだけ言い残すと意識をトーラに集中しレイもディスクを掲げた。
俺が戦うつもりだったんだが、レイに先を越されたな。
まぁたまには観戦に回るのもいいだろう。トーラとレイはどちらもデッキを大幅に強化している。そしてあの熾烈なジェネックス大会を勝ち抜いたことでデュエリストとしても大きく成長しているはずだ。
もう昔の2人とは比べ物にならないはず。
今の2人の実力をとくと見せてもらおう。
「「デュエル!!」」
「ドロー!」
「速いね、さすがだよ、トーラさん」
先手を取ったのはトーラ。あれは俺と同じ動き……。
斎王との戦いで俺が見せた動きを一度見ただけで盗んでいる。やるじゃないか。
「まずは熟練の黒魔術師を召喚!」
《熟練の黒魔術師》
効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1900/守1700
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分または相手が魔法カードを発動する度に、このカードに魔力カウンターを1つ置く(最大3つまで)。
(2):魔力カウンターが3つ置かれているこのカードをリリースして発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から「ブラック・マジシャン」1体を選んで特殊召喚する。
なるほどね。魔力カウンターを扱うトーラにはピッタリじゃないか。こいつが出てきたってことは当然アレが出てくるんだろう。
いよいよ目の前で見れるのか!
「魔力カウンターを一気に貯めるつもりだね?」
「まぁね。まずはフィールド魔法! 魔法都市エンディミオンを発動! そして魔力掌握を発動! カウンターはフィールドに乗せる! 最後に強欲な壺を発動!」
「これでカウンターが3つずつ……くる!」
「熟練の黒魔術師の効果発動! 出番よお師匠様!」
「タァッ!!」
出た! ブラック・マジシャン! ホンモノだ……。
よく考えたら三幻魔の力を使えたときになんでブラマジデッキを創造しなかったんだ! 俺だって使いこなせる自信はあるのに!
くぅ……いっかいでいいから使ってみたいなぁ。
あぁ惜しいことをした!
「でもブラック・マジシャンは所詮攻撃力はたった2500で効果もない。全然怖くないよ」
「あら? レイちゃんはこのカードの恐ろしさを理解できていないようね。なら教えてあげるわ! 手札から速攻魔法発動! 光と闇の洗礼!」
「なにそれ!?」
《光と闇の洗礼》
速攻魔法
(1):自分フィールドの「ブラック・マジシャン」1体をリリースして発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から「混沌の黒魔術師」1体を選んで特殊召喚する。
ブラック・マジシャンの強みはサポートカードの多さ。言い換えればアクセス手段が多いということ。そして簡単に場に出すことができるブラック・マジシャンを介せば混沌の黒魔術師さえも容易に展開することができる。
トーラの力量なら最初のターンにほぼ確実に混沌の黒魔術師を出すことができる。
それが意味するのはつまり……
「出てきて混黒ちゃん! そして効果よ! 強欲な壺を回収してもう一度使わせてもらうわ! まだまだドローよ!」
なんと再び手札6枚。フィールドには魔法都市と混沌の黒魔術師。恐ろしいな……。
「手札から黙する死者を発動! お師匠様を守備表示で特殊召喚よ!」
「守備表示?」
レイはわざわざブラマジを制約付きで蘇生する行為が理解できない様子だ。たしかに、すでに光と闇の洗礼は使用済みだし、フィールドに出す意味はなさげに思える。
「さらに手札から師弟の絆を発動! これで全員集合よ! ブラック・マジシャン・ガールをデッキから特殊召喚!」
《師弟の絆》
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドに「ブラック・マジシャン」が存在する場合に発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から「ブラック・マジシャン・ガール」1体を選んで特殊召喚する。
その後、デッキから「黒・魔・導」「黒・魔・導・爆・裂・破」
「黒・爆・裂・破・魔・導」「黒・魔・導・連・弾」のいずれか1枚を選んで
自分の魔法&罠ゾーンにセットできる。
「わーい! ヨロピクでーす!」
シャベッタ!? こいつ精霊なのか!?
「トーラ、その子も精霊なのか?」
「お師匠様も精霊よ? 無口だけど。ガールちゃんは学園祭とかにも顔出してたみたい。 今年はジェネックスが開催されたから学園祭はなかったけど去年に」
「じゃあ十代とデュエルしてたヤツか!」
「ピンポーン! こっそりコスプレのフリして出ちゃってました! あなたはたぶん私が精霊だって気づいてたよね。全然興味がなさそうだからバレても大丈夫だと思ってたけど」
「そんなこと言っていいの? 隣にお師匠様が……」
「マナ!!」
「あーっ!! ごめんなさぁい!!」
テヘッと謝る様子があざとい。トーラのとこの精霊はずいぶんとにぎやかだな。
トーラが精霊と仲良くできてるのは良かったけど。友達少ないタイプだからそういうところは心配してたけど無事に仲良くなってるみたいで良かった。
ともあれまさか校長が精霊つきのカードを持っていたとはねぇ。
よく考えればブラマジガールのカードなんて何枚もあるわけないし、同一人物でも不思議じゃないか。
「さらに師弟の絆の効果で黒・爆・裂・破・魔・導をフィールドにセットする!」
《黒・爆・裂・破・魔・導》
速攻魔法
(1):自分フィールドに、元々のカード名が
「ブラック・マジシャン」と「ブラック・マジシャン・ガール」となるモンスターが存在する場合に発動できる。
相手フィールドのカードを全て破壊する。
「そっか。師弟の絆を使うためにブラック・マジシャンを蘇生したのか」
違うな。師弟の絆は最後の強欲な壺で引いたカードじゃない。引いた2枚を見てブラック・マジシャンとブラック・マジシャン・ガールを展開したのは間違いないからあの2枚と何がしかのコンボを狙っているのだろう。
BMGを出すだけなら光と闇の洗礼を発動する前に使うことも出来たのだから。
俺だったらあの3体を並べるためだけに展開してたかもしれないが、トーラはおそらくそんなことしないだろう。
「最後にカードを2枚セットしてターン終了。さぁ、この黒魔術の三銃士をあなたはどうやって攻略するのかしら?」
トーラ 手札2枚 BM BMG 混黒 魔法都市(7コ) セット3枚
「関係ないよ! ボクは全力のアナタを倒して、絶対に優勝する! 優勝して、ボクは……いくよ! この勝負にボクの全てを込める! ドロー!」
レイの気迫が凄まじい。だがトーラは非情だった。
「アナタの気迫は見事。私もその気持ちに応えて全力で叩き潰してあげる! リバースカード発動! 闇のデッキ破壊ウイルス! ブラマジをコストにアナタのマジックカードを全て墓地に送る!」
「なっ!? 自らブラック・マジシャンを見限るの!?」
「まだよ! さらに魔のデッキ破壊ウイルスも発動! コストはBMG!」
「えぇ!? 私の出番もう終わり!? トーラちゃんヒドイよー! 初めて出てきたのにー!!」
プンプンBMGは怒っているがトーラはどこ吹く風だ。こりゃパンドラもびっくりだな。俺も勝つためには手段は選ばないタイプだけど、ブラマジ系統にここまではしねぇな。
「しょうがないじゃない。手加減できる相手じゃないの。それにレイちゃんはデッキの中のトラップの割合が少ないことはもうわかってる。だからこれであのデッキは手足をもがれたも同然! これで確実な勝利が約束されるってわけ。さぁ、手札を見せて頂戴。これであなたは何もできないでしょう?」
「……」
レイは黙って手札を見せた。これは……!
ライラ
ルミナス
裁きの龍
ライコウ
オルクス
シャイア
オルクスとシャイアは攻撃力1500以下。つまり4種類のライトロードが墓地に送られる。
なんてことだ!
「ありがとうトーラさん。これで条件は整ったね」
「そんな……ありえない! 手札全部モンスターなんて!」
「ありえなくないよ! 恋する乙女に不可能はない! 手札を4枚墓地に送る! そして裁きの龍を特殊召喚!」
「完璧な展開だったのに……!」
ブラマジをコストに使った報いだな……というのは冗談としても、この展開で反撃の準備を整えたレイはさすがだ。斎王でもここまでされたら勝つことはできないだろう。
「さぁ、お返しだ! 今度はそっちのフィールドのカードを全て破壊するよ!」
「あぁっ!! ごめん混黒ちゃん!」
「ぐぁっ!?」
混沌の黒魔術師が破壊され除外される。
LP 4000 → 3000
コストでレイのライフは1000減るが些細な問題だ。
「ライラを追加で召喚して……さぁ、バトルだ! 裁きの龍で攻撃!」
「手札のクリボーの効果! 戦闘ダメージをゼロにする!」
「うわぁ……いよいよ本物のデュエルキングみたいだね。さらにライラで追撃するよ」
「クリボーがなかったら負けてた……笑えないわね」
LP 4000 → 2300
「最後にライラの効果で自身を守備表示にして魔法都市を破壊する!」
「ムダよ! 魔法都市は魔力カウンターを身代わりにして破壊を免れる!」
「それでいいよ。ライラは守備表示にできるし、カウンターの数も減らせた。これでターンエンド」
「あたしの……」
「おっと! 忘れてもらっちゃ困るなぁ~。ボクのデッキはエンドフェイズが1番のお楽しみなんだからね?」
「あっ! 忘れてた! ライラの効果があったわね」
「裁きの龍も忘れてもらっちゃ困るよ?」
「そのドラゴンにも墓地へ送る効果があるの?!」
「そういうこと。裁きの龍は4枚のカードを墓地へ送れる! さぁ、いくよ!」
クリボー
誘蛾灯レベル4
ウォルフ
ネクロガードナー
「ゲッ!?」
「おかわり! 出てきてガロス! もちろんウォルフもね! ライラの効果でまた3枚墓地へ送るよ」
ライトロードの裁き
ギャラクシー・サイクロン
ネクロガードナー
《ライトロードの裁き》
通常罠
(1):このカードをデッキの一番上に戻す。
(2):このカードが「ライトロード」モンスターの効果でデッキから墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「裁きの龍」1体を手札に加える。
「ライトロードの裁きの効果で2枚目の裁きの龍を手札に加える。最後にガロスの効果!」
ウォルフ
ケルビム
「最悪!」
「ボクにとっては最高! 2枚ドロー! そしてウォルフも出てくるよ」
ドローしたのはどんなカードだ?
超電磁タートル
神の宣告
「超電磁タートルはウイルスの効果で墓地へ送られる。神の宣告は手札に加えるね」
「墓地に落ちても厄介ね。マジックカードはいったいどこへいったのかしら……」
「これでターン終了。これで形勢逆転って言ってもいいかな?」
あぁ、文句なくレイの優勢だ。トーラはこのターンでレイのモンスターを倒すことができないとほぼ負けになる。ウイルスを2回くらった状況からたった1ターンでここまで展開するとは……。
レイのライトロード……とんでもねぇ暴れ馬だな。
トーラ 手札1枚 魔法都市(5コ) LP2300
レイ 手札2枚 裁きの龍 ライラ ウォルフ ウォルフ ガロス
墓地:ネクガネクガタートル LP3000
「やっと私のターンね! いくわよ! ドロー! まずはDDRを発動! 自身の効果で除外されている混黒ちゃんを特殊召喚! 効果で強欲な壺を回収して2枚ドロー」
よく引いたな。持っていた最後の1枚は魔力掌握。さすがのドローだ。
「カードを1枚セット! そして命削りの宝札を発動! カードを5枚ドロー!」
「5枚も!?」
おいおい、ここでそれを引くのか? トーラはどうやら毎度命削りで5枚カードを引かないと気が済まないらしい。恐ろしいな。
「死者蘇生を発動! 帰ってきてお師匠様! ブラック・マジシャンを特殊召喚」
「また出てくるの?」
「何度だって勝つまで出すわ! ところで、その龍は当然、ドラゴン族で間違いないわよね?」
「そうだけど?」
「だったらこうよ! リバースカードオープン! 龍破壊の証! デッキからバスター・ブレイダーを手札に加える!」
《竜破壊の証》
通常魔法
(1):自分のデッキ・墓地から「バスター・ブレイダー」1体を選んで手札に加える。
《バスター・ブレイダー》
効果モンスター
星7/地属性/戦士族/攻2600/守2300
(1):このカードの攻撃力は、相手のフィールド・墓地のドラゴン族モンスターの数×500アップする。
ここでバスブレ!? まさかトーラ、お前……!
「さらに融合を発動! 私の初融合よ! ブラック・マジシャンとバスター・ブレイダーを融合して……いでよ! 超魔導剣士-ブラック・パラディン!」
《超魔導剣士-ブラック・パラディン》
融合・効果モンスター
星8/闇属性/魔法使い族/攻2900/守2400
「ブラック・マジシャン」+「バスター・ブレイダー」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードの攻撃力は、お互いのフィールド・墓地のドラゴン族モンスターの数×500アップする。
(2):魔法カードが発動した時、手札を1枚捨てて発動できる。
このカードがモンスターゾーンに表側表示で存在する場合、その発動を無効にし破壊する。
おおぉぉ!! やっぱり融合形態まで来たか! 憎いねぇ、トーラのやつ! よくわかってるじゃねぇか! この融合モンスター、ラヴァゴーレムと同期のストラクの看板モンスターなんだよな。
そしてパラディンはバスター・ブレイダーの能力を引き継ぎドラゴン族の数だけ攻撃力が上がる。今の攻撃力は500ポイント上昇して3400だ。裁きの龍を上回った。
「さぁ、バトルいくわよ! パラディンで裁きの龍を攻撃!」
「させない! ネクロガードナーで攻撃を防ぐよ!」
ニヤリ、とトーラが笑った。
「混黒ちゃんでガロスを攻撃!」
「ネクロガードナーはもう1枚残ってる。それも無効だよ!」
「でも、これで使い切ったわね。さらに融合解除を発動! ブラック・マジシャンとバスター・ブレイダーを特殊召喚!」
「あと2回攻撃できる……!」
「どうする? 超電磁タートルを使っちゃう?」
「くっ……」
「バスター・ブレイダーは攻撃力が3100に上がっている! 裁きの龍を攻撃」
「ボクは何も使わない……」
LP 3000 → 2900
「さらにブラック・マジシャンでガロスを攻撃!」
LP 2900 → 2250
トーラのやつ、パラディンも見限るのか。カードに対して容赦がなさすぎるな。パラディンは手札を捨てることでマジックを無効にできる。だが、今はウイルス発動中なのでマジックに備えておく必要はないということだろう。
「カードを2枚セットしてターン終了」
トーラ 手札0枚 BM バスブレ 混黒 魔法都市(11コ)伏せ2 LP2300
レイ 手札2枚 ウォルフ ウォルフ ライラ LP2250
トーラの場には最上級モンスターが3体に怪しげなリバースカードが2枚。裁きの龍の効果は簡単には通してくれないだろう。
この状況、おまえはどうやってひっくり返すんだ、レイ?
元々トーラvsテンシンの予定でしたが対戦相手を変更しました
カードを調べて何使うか考えるのが時間かかりますね
BMGを無理やり採用する理由を探して師弟の絆に行き着きました
最近のカードは便利過ぎる
トーラは命削り連発してた頃の方が強かった説はありますが
今回はあくまで試運転なので連発できてないだけと思ってください
対戦相手の変更は成り行きでこうなりましたが、結果的にこれでよかったですね
テンシンではトーラの相手は正直厳しい……
元々の展開だとボコされてるだけだったテンシンは命拾い
しゅ、主人公やのに(デッキが)弱すぎるよテンシンくん
そういうコンセプトで書いてるんで仕方ないですけどね