オリジナル
「ここは?」
「着いたね。1週目の世界だ」
ここはデュエルアカデミアの教室。目の前に俺がいる。今は授業中か? 俺は居眠りをしている。俺は居眠りなんて普段しない。ならこの場面はあの時だ! あの……
「一番最初!」
「そう、おそらく君の記憶があるところからだね。どの世界でも君の行動が変化するのはこの日からだ。だからボクはこの日が君の繰り返しの日だと思っている」
「繰り返しの日?」
「繰り返すとき魂はどこかのタイミングで目覚めるんだ。君ならこの日。ボクはもう少し前。なぜタイミングが違うのかはわからないけどね。あともう1つ、ボクから説明しておかなきゃいけないことがあるね」
「なんだ?」
こいつ、横について説明してくれるのか。意外と親切なところもあるんだな、と思いつつ返事を待った。
「1週目の君はとんでもないワルなのさ」
は? どういうことだ?
訊き返す間もなく目の前の俺、世渡天真をクロノスが目覚めさせてしまった。
「おきるノーネ! ヨワタリ テンシーン!」
「あぁ? てめぇ誰に向かって口きいてやがる?」
え……
自分の口から出た不良発言に絶句していると、あれよあれよと罵倒雑言が続きクロノスはボロ雑巾のように叩きのめされた。
あ、これは本当に学級崩壊するやつだ。
……クロノスを初めて不憫だと思った。
その後はクロノスが意地を張って課題を増やしていく流れだ。さすがにこれだけ荒れてる俺に向かって直接何かしに来るやつはいなかった。4周目の俺は周りから弱者として認識されていたからこその差だろうな。
辺りをうろついていると体が透けて生徒をすり抜けた。
「ボク達がみているのは君の記憶の世界だ。こちらからこの世界に干渉することはできないよ。ただ君に記憶を見てもらうことが目的だからねぇ」
なるほど、いわばDMのファラオの記憶編の表遊戯達のような立場か。
しかし紆余曲折あって、結局4周目の俺と同じようにあのゴブリン3人組と勝負することになった。
「先攻はもらった!」
突然の先攻宣言に渋い表情の俺。もはや懐かしく感じるほど遥か昔の記憶だ。
そういえば、ここまではある程度俺の知る流れをなぞった展開になっているが、手札など偶発的な要素も同じようになるのだろうか? 人生をやり直したら同じことは起きるのか起きないのか? こんなこと知ることができるチャンスは今後絶対にない。
世界をやり直せば偶然の要素はどうなるのだろうか? さながらサイコロを振りなおすような行為、結果が気になり過去の俺の後ろに回り込んだ。
さっきまではユベルの強引さに苛立ちを隠せなかった自分はどこへやら、このときにはもうすでに、俺はこの世界に惹き込まれていた。
「なんじゃこりゃ!?」
ヒドイ手札だ。
アメーバ
ショットガンシャッフル
強欲な瓶
墓荒らし
真実の眼
これでどうやって戦う?
俺自身を見れば表情にこそださないがイライラしているのがわかる。知らないデッキを使っていきなりこの手札がきて表情を変えなかったのは流石だ。
「ブラッド・ヴォルスを召喚だ。ターンエンド!」
「俺様のターン。ドロー!」
1人称俺様かよ! で、引いてきたのが……
《ソロモンの律法書》
通常罠
次の自分のスタンバイフェイズをスキップする。
紛うことなきゴミだ。というかなんでデッキに入れた? 謎過ぎる。
その後はテンシン……いや、天真の見せ場はとくになく敗北。そりゃそうだ。どうにもならない。
あっさり負けてしまったがこれは大丈夫なのか? 俺はこんなところで終わってしまうのか?
心配な俺の感情を汲み取ったのかユベルが俺にフォローを入れた。
「心配無用さ。あの天真はとんでもない切れ者だ。今の君にもいいところはたしかにあるけど、常識的なところがある分まだかわいいものさ。1週目の天真は間違いなく4人の天真の中で最強だ。情け容赦というものを知らない分、変な遠慮や制約もないからねぇ。怖い怖い」
言われて視線を戻すととんでもないことになった。
「ず、ずびません」
「許してください……」
「んご……」
そう、天真は力づくで3人組を制圧した。一人は殴りすぎて声も出せなくなっている。だがわかる。これでもやや加減はしている。それぐらい俺は強かった。
「君も、結局デュエルの後に襲い掛かってきた3人は力で屈服させたからねぇ。精神がかわっても肉体は全く同じだ」
「なるほどね。ならばこの勝負、実のところ勝っても負けても大してその後の進行に影響はなかったのか。あの時は後がないつもりで必死で勝ちにいったんだがなぁ」
「いいや、意味はあるさ。あの戦いで勝ち切ったから君はさらに強くなれた。だが、この世界の天真は今の君とは全く別方向を向いている。自分が強くなることにもさらに貪欲だ」
どういうことだ? この世界の天真に目を戻すとどえらいことになっていた。
「俺様の命令に背けば、次は五体満足でいられないと思えよ」
「はい……」
なんと3人組を手下にしてしまった。
もうめちゃくちゃだ。
結局天真は暴力に物を言わせて3人組を支配した。どうやらデッキの弱さに危機感を覚え、この3人にカードを集めさせるつもりのようだ。
俺が地味に苦労したレッド寮の自分の部屋探しなども手下から聞き出して難なくクリア。疑問は無言の圧力で黙殺した。
力技過ぎるが、ある意味最短最速の解答を突っ切っているのかもしれない。
俺はたしかに元々腕っぷしはあったから、余計なしがらみを考えず好きに動けばこれぐらいはできたのかもしれない。情け容赦がないというのはこういうことか。
「チッ……またこの手札か。どうなってやがる」
3人組を走らせカード集めを行う傍らで、天真自身は己のデッキの調整と実験を行っていた。俺がいつもしていることだ。
試しにカードを入れ替えてみて、何度か試しにカードを引いてみてバランスを確かめる。こういう行動を見ると、やはり根っこは同じ人間なんだなと感じる。
「ならこれでどうだ?」
あっ! こいつ、イカサマだ! カードを積み込みして上手くカットし、目当てのカードをデッキトップに引っ張り出している。本当に手段を選ばないにもほどがある。
自分相手ながらもデュエリストの風上にもおけないやつだ、と説教気分でいたがその結果を見て頭から全部吹っ飛んだ。
「変わってない……そんなハズは!」
なぜだ?! 傍で見ていた俺にもわからない。カットは完璧で、確かに一番上に持ってきていた。ユベルを見ると意味深な笑みを浮かべているが何も言わない。
ここまでご親切に合いの手を入れていたコイツがあえて、ということは、これは何か重要なことが隠されているのか?
「また……失敗はしていない。ありえない!」
何度イカサマしても手札には先ほどのイカレタメンバーが顔を並べる。
ソロモン、アメーバ、ショットガン……
どいつもこいつもゴミ揃いだ。
「ならこれでどうだ?」
いつも手札に来るカードは抜きとり、代わりに3人組から巻き上げたカードを入れて再シャッフル。もちろんイカサマありで。
結果は……
モンスター・アイ ハンバーガーのレシピ サイコ・カッパー 成金ゴブリン マグネッツ2号
なんだこれは? メンバーが変わっただけでまた使えないカードが並ぶ。デッキにはクリッターやブラックホールなど一戦級のカードもある。当然のように再度イカサマシャッフルしてのドローもほぼ似たような手札となった。
「……」
この世界の俺はさすがに長考に入ったが、俺も同じく考えを巡らせていた。
いくつか気づくことがある。まず、これは超常現象であること。平たく言えばカードが書き換わっている。遊戯王なら……まぁありえる話か。
来るはずのカードがこないこともそうだが、いやに手札の再現性が高いことも見逃せない。下手なイカサマより再現性が高いクソ配牌。なにかしらの作為を感じる。
意図的に何かの意思が働いているとしたら、それは誰でなんのためなのか? 俺にこれを見せたユベルの意図を踏まえると、嫌でも答えはわかってしまう。
だが、口に出すのは癪なので黙って様子を見守ることにした。この世界の天真には犯人などわかるはずもない。しばらくすると再びデッキを手に取りシャッフルを始めた。
「なら、こうすれば正体がつかめるか」
なんと、天真はデッキを表にしてカードを混ぜた。おいおい大胆過ぎるだろ。しかしその結果は面白いことになった。
クリッター ダブルアタック ランチャースパイダー 重力解除 援軍
「おぉ!! 表なら普通に混ざるか。イカサマならどうだ?」
成金ゴブリン ブラックホール 秒殺の暗殺者 ダブルアタック ネオマドール
ワンターンキル成立。デッキをひっくり返すという発想には驚かされたが、さすがに表のままカードが書き換わることはなかったか。ワンちゃんありえると思ってしまったのは自分の常識が壊れすぎているのだろうか。
「カード、持ってきやした!」
「俺も!」
「よこせ! よし、お前ら、次は俺が言ったカードを持ってこい」
「えぇ!? 無理っすよ……すみません! 持ってきます!」
完全に人殺しの目つきだ。震える声で命令に従う三人組が少し憐れに思えた。
「そうだ。黙って言うことに従え。ただし先公に見つかるヘマしやがったら問答無用で半殺しにしてやるからな」
「ひぃぃぃぃ」
言ってることはあの平良よりも暴君してる。
が、それはともかく、天真はどうやら何か思いついたらしい。カードでなんとかする、となるとイカサマではない?
そもそも裏側ではイカサマも無意味だから表にしてシャッフルするしかないが、そんな大胆なことをすればさすがにバレてしまい退学にもなりかねない。
だとすればどうやってデッキを表にするかだが……なるほど、そういうことか。さすがに俺自身の考えることだ。やはりこの世界の天真は思った通りの答えを言ってくれた。
「持ってくるのは天変地異。俺のデッキも、このクソッタレな引きも、全部をひっくり返す起死回生のカードだ」
その後も天真は実験を続け、この呪いのような現象に法則性を見出した。
これには見ていた俺やユベルも感心してしまった。
「我ながらたいしたものだ」
「これが君のすごいところだね。悪運すら乗り越え、あまつさえ利用してしまおうだなんて、本当におもしろいデュエリストだ」
これは間違いなくラーヴァの呪いだ。なぜこんなことをしたのかは知る由もないが、人為的なものだからこそ規則性がある。それを、ラーヴァの存在など知らない俺が突き止めたのだからユベルが驚くのも納得というものだ。
規則は3つ
1つはシャッフルしてデッキをディスクにセットした時点でカードが上から順番に弱い順に並び変えられること。どんなイカサマをしてもムダだった。
2つ、カードの強弱には一定の価値観に基づいている。おそらくラーヴァの、それもこの世界の時点でのラーヴァの価値観に基づいているのだろう。今のラーヴァの価値観とはズレを感じるからだ。単独で意味がないカード、シャッフル系、1枚ドローなど直接手札枚数に増減を及ぼさないドロー系、ライフの増減で相手を増やすか自分を減らすもの。これが弱いカードとみなされている。
逆にモンスターは効果よりステータスが参照される。だからデッキのモンスターのステータスを上げればクリッターぐらいなら初手に持ってこれる。もちろんサーチできるモンスターは弱いし、その効果でデッキをシャッフルしても並びは変わらないのであまり意味はないが。
3つ、目に見えるところで不正は行われない。おそらく俺が気づかないように、ということだろう。ここまで露骨だと気付きそうだが、転生前の俺は自分の運がないと受け入れてしまっていたのかもしれない。自分のことだから思い当たるところは正直ある。だからデッキを表にすれば呪いは消えるし、仮にデッキトップを操作すればそこは守られる。一応きづかれないようにはしましたってところか。実験を怠らない悪の天真にはムダだったが。
そしてこれらの性質を逆手にとったのが天真の天変地異デッキだ。
初のお披露目は月1テストだった。長すぎた髪をアッサリと切ってしまい、今の天真はすでに顔だけなら美少年だ。そのルックスに黄色い歓声が上がるが、デュエルの内容はそれ以上に圧巻の内容だ。
「ドロー! 岩石の巨兵を召喚! さらに二重召喚でデーモンの召喚を生贄召喚だ!」
対戦相手が先攻をとって畳みかける。天真はわざと先攻を譲ったようだ。
「その程度でいい気になるなよ。お前らの時代は終わりだ」
「何?! デュエルだったらお前には絶対負けねぇよ!」
「それはどうかな?」
「な……!」
いつもと違う、自信満々の俺を見て相手のデュエリストは恐れ戦いている。全身が総毛だつような壮絶な笑みだ。
「俺のターン! ドロー! スタンバイフェイズ! 黄金の天道虫の効果! ライフを500回復! これが3体発動!」
「いきなりモンスター効果でライフが1500回復だと!? なんだそのデッキ!?」
「さらに、天変地異を発動!」
「天変地異?」
「お互いにデッキを裏返しにする。さぁ、お前もひっくりかえしてもらうぜ」
「なんだその滅茶苦茶なカード!?」
互いにデッキが裏返る。もう完全に天真のペースだ。
「さぁ、準備は整った! 手札抹殺を発動! これでお互い手札を総入れ替えだ」
「手札交換だぁ? デッキが表になっているから全部筒抜けだ! バカめ! 意味のないことしやがって! やっぱりデュエルじゃ雑魚天真だな!」
「俺が引いたカードを見てそんなことが言えるかな? まずはブラックホールを発動! さらにマジック発動、死者蘇生!」
「何!? まさか俺のデーモンが狙いか!?」
「てめぇの貧弱カードなんざ無用! 俺が呼び出すのはこいつだ! こい、ラヴァゴーレム!」
ゴゴゴォォォォ!!
あぁ、今の俺にはよくわかる。ラヴァゴーレムはめちゃくちゃ喜んでいる。おそらくこの世界では初めての登場だ。無理もない。
あの呪いには例外がある。それがラヴァゴーレムのカードだ。モンスターは完全にステータスのみ参照するため、レベル7で攻撃力2200しかないランチャースパイダーのようなヘボカードも絶対に引いてこれない。本当に数値の大小だけを見ている。
だが、ラヴァゴーレムだけは別。よほど使ってほしいのかどんな状況でもデッキに入れさえすればいの一番に駆けつけてくる。
俺はこの例外まで利用してしまった。
「リトルウインガードを召喚。これで終わりだな。リトルウインガードのダイレクトアタック!」
「そんな、天真なんかに負けるなんて!」
「終わりだ! ラヴァゴーレムのダイレクトアタック! ゴーレムボルケーノ!」
「くぅぅ!!」
完璧だ。完璧すぎる試合運び。呪いを完全に逆手に取った美しいワンターンキル。とんでもなく緻密な計算の上に成り立つワンターンキルだ。
まず黄金の天道虫は攻守0なので確実に初手で引くことができる。さらに枚数変化のないドローカードは引きやすいことを利用して手札抹殺や成金ゴブリン、デーモンの宣告をふんだんに投入。デッキをひっくり返してから手札の総取り換えを行う。特に手札抹殺は他のいらないカードとあわせて黄金の天道虫もリサイクルできるので相性抜群だ。
そうやって引いてきたカードはデッキの底に眠るカード、つまり、この呪いのデッキにおいて上澄みとなる最強カードだけを集めることができる。
使えるカードは天変地異と手札抹殺を除く4枚。今回は捨てたのがラヴァゴーレムと天道虫3枚。引いたのが死者蘇生とブラックホール、リトルウインガード、秒殺の暗殺者。
仮にワンターンキルできなくても最初にライフポイントを回復しているからラヴァゴーレムを維持しやすいし、次のターンからは攻撃力2000の秒殺の暗殺者を使っていくこともできる。
本当にムダのない構築だ。このためにモンスターの枚数や攻撃力も念入りに調整されて上級モンスターは全て抜いている。天変地異は3枚だとムダが多いので念のために予備を入れた2枚投入だ。下手にシャッフルしたくないのでクリッターは入れていない。
「恐ろしいデュエルだね、世渡天真。あの悪魔の呪いを逆手にとるなんてたいしたものだ」
「お褒めにあずかり光栄だが、お前はなぜ俺の記憶を知っている? お前自身の記憶だけではこの頃の俺の様子を知るのは難しいはず」
「君が異世界から帰ってくるまでの間に記憶を覗かせて貰う時間はいくらでもあったからね。じっくり君の記憶を見せてもらったのさ」
「……悪趣味なやつ」
「悪いね。ボクはこういう性分なんだよ」
時は進んで次は制裁デュエルか。天真も十代と同じく制裁を受けることになった。やはり派手にカードを集めたのが目に触れたようだ。もちろん先公にバレたバツとして3人組はタダでは済まなかった。
こうして別世界の自分を見ると、制裁デュエルを受ける流れは運命だったように感じる。
「ナハハハア! ドロップアウトボーイにはアンティークギアゴーレムを倒すことは不可能なノーネ!」
やはり相手はクロノス。ワンターンで8つ☆モンスターを出すのは結構だが、伏せカードはなしですか。たいした自信ですねぇ先生。俺の記憶の世界じゃなきゃこっちが説教してやりたい。相手を舐めすぎだ。
こうして客観的にデュエル内容を見ると、たしかに4周目と比べて相手の強さがかなり異なる。全員思ったより数倍弱い。
「言ってな。俺様は勝って次へ進む。ドロー! 天道虫でライフ1000回復。天変地異を発動、そして手札抹殺! さぁ、総交換といこうぜ」
流れるようにお決まりのパターンを披露する天真。呪いのおかげで再現性の高いところも逆に強みになっている。序盤の敵にはこのままで無双できてしまうだろうな。
「こしゃくな。いきなり手札事故デスーノ? 碌にデッキも調整できないとは、それだから……」
「黙って見てな。アンタにも戦略的なデュエルってもんを教えてやる! ブラックホール発動! さらに死者蘇生!」
「なんですート!? バット! ギアソルジャーは特殊召喚できないノーネ!」
「そんなおもちゃを呼ぶ気はない! こい、ラヴァゴーレム!」
ゴゴォォ!!
やる気マンマンのラヴァゴーレムだ。
「リトルウインガード召喚! 2体でダイレクトアタック! これで俺の勝ちだ!」
圧倒的。デュエル後には十代や明日香も天真を気にしている素振りがある。だが、時期的にそろそろあれが掛かってくるはずだ。
「バッカモォォォォォンンンン!!!!!」
親父激オコ事件だ。俺は強制的に帰省することになる。このあともおそらく同じような展開になるに違いない。
「おい、ユベル。もう見る必要はないだろう? お前が見せたかったのはこの呪いのことだろう? たしかに生まれつき運がないことは自覚していた。それもこれも全部ラーヴァの仕業だっていうことはわかった。それでも別にラーヴァを恨む気持ちはない。ラーヴァがどんな意図でこんな呪いをつけたのかは知らないが、あいつには恩もあるからな」
「いいや、まだ君は見なきゃいけない。この世界での出来事をね」
「まだ何かあるのか……」
俺がラーヴァを殺すことは絶対にないが、ユベルはそんな俺の意志すら変える自信があるようだ。
過去の世界で、俺とラーヴァの間にいったい何があったんだ?
世渡天真が二人出てくるので書き方で区別をつけてます。
世渡天真:両方に使う
天真 :過去の自分
テンシン:今の自分
今までの話でも過去の世渡天真を指す場合は天真表記にして区別してます。
(もし表記が間違ってるところがあったら普通にミス)
このためにテンシンをずっとカタカナで書いていました。
両方で使えるパターンの呼び方もあった方が便利なことに気づいてこういう
使い分け方になってます。
また、ずっと悩んでいたこととして、この章の内容を天真視点でもう一度書き直す
案があり、それをするかどうかで長考して結局やめました。
要約すると書き手の技量不足で断念。
長くなってしまうと書く時間もないですね。
ということでユベルが解説するスタイルで進めていきます。
文量も多くならない予定です。
あと、天真の善悪パラメーターの推移がわかりにくいかもしれないので忘れないうちに説明をば
その世界の中では段々と馴染んでいくので最初が悪全開、終盤へ進むにつれて丸くなっていきます。
世界を跨ぐと最初の悪パラメーターが前の世界の最初と比較してやや穏やかになる。
わかりやすく1期から3期までの悪の度合いを数値化すると
1週目:10→9→8
2週目:9→8→7
3週目:8→7→6
4週目:7→6→5
数字は説明のために適当に書いますがイメージはこんな感じです。
今のテンシンはここまでで最も善悪のバランスが良い状態になりますね。
善悪の魂の比によって性格も変わる設定なので1週目と4週目で性格も異なります。
時間経過によっても性格が変わります。
めんどくさい設定に思えますがこれによって周回時はもちろん1期・2期・3期でも
味変できるので同じことの繰り返しを避けられたり何かと都合がいい。
アニメだと新しいキャラ(新入生とか)を追加して味変してますがSSだとバンバン
新キャラ追加とか難しいですからね。
これぐらいはさせてもらわんと……
ちなみにヒロイン(トーラ・ラーヴァ)を最初から出さずに途中で出すのも
中だるみ防止です。